- 求人媒体や人材紹介にコストをかけても、若手からの応募が集まらない人事担当者の方
- 「TikTok採用が良いらしい」とは聞くものの、本当に効果があるのか確信を持てない経営者の方
- 社内でTikTok採用を提案・決裁するために、根拠となる数字を探している方
先に、この記事の結論をお伝えします。
TikTok採用は、正しく運用すれば「採用単価2〜3万円台/人」が現実的に狙える採用手法です。実際に弊社(株式会社BEEM)では、TikTok広告に20万円を投じて約40日間で7名を採用しました。採用単価は約2.9万円/人です。
ただし、「とりあえず動画を投稿すれば人が集まる」わけではありません。伸びる動画には、データで説明できる明確な法則があります。
この記事では、他社の有名事例の紹介ではなく、弊社が実際に運用してきたアカウント群の「100万再生超え動画181本・累計3.79億回再生」の分析データをすべて公開しながら、TikTok採用の効果・費用・始め方を解説します。
目次
TikTok採用とは?いま人事・経営者に注目される理由
TikTok採用とは、ショート動画プラットフォーム「TikTok」を使って自社の魅力を発信し、応募につなげる採用手法です。オフィスの日常や社員の人柄を動画で見せることで、求人票の文章だけでは伝わらない「職場のリアル」を届けられます。
豊田優人
TikTok採用が注目される理由は、次の3つです。
理由1:若手人材の「情報収集の場所」が変わった
いまの20代は、企業を知るきっかけとしてSNSの動画を日常的に使っています。就職活動中の学生の8割以上が企業のTikTok動画を見た経験があり、その多くが「動画をきっかけに企業へ関心を持った」と回答した調査もあります。
つまり、若手を採用したい企業にとってTikTokは「遊びの場」ではなく、候補者と最初に出会う場所になりつつあるのです。
理由2:フォロワーゼロでも「おすすめ」に載る仕組み
TikTokの最大の特徴は、レコメンド(おすすめ表示)の仕組みにあります。
InstagramやX(旧Twitter)では、投稿は基本的にフォロワーに届きます。フォロワーが少ない企業アカウントの投稿は、ほとんど誰にも見られません。
一方TikTokは、フォロワー数に関係なく、動画への反応が良ければ「おすすめ」に表示され、一気に数十万〜数百万人へ届きます。開設したばかりの企業アカウントでも、最初の1本から大きく拡散する可能性があるのです。
理由3:求人媒体のコスト構造から抜け出せる
求人媒体は掲載期間が終われば効果もゼロになる「掛け捨て型」です。人材紹介は1名あたり年収の30〜35%、つまり1名100万円前後の紹介料がかかることも珍しくありません。
対してTikTokの動画は、一度投稿すれば削除しない限り残り続け、会社の魅力を発信し続けてくれます。いわば「資産型」の採用チャネルです。この構造の違いが、後ほど紹介する「採用単価約2.9万円/人」という数字につながっています。
TikTok採用のメリット・デメリット【リスクも正直に解説】
とはいえ、TikTok採用は万能ではありません。弊社は自社と支援先の両方で運用してきたからこそ、良い面と難しい面の両方をお伝えします。
TikTok採用の4つのメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 若手に届く | 20代の利用率が高く、求人媒体では出会えない「転職潜在層」にも接触できる |
| 低コストで始められる | アカウント開設・投稿は無料。スマホ1台でも制作可能 |
| 拡散力が大きい | フォロワーゼロでも「おすすめ」経由で数百万人に届く可能性がある |
| ミスマッチが減る | 職場の雰囲気や社員の人柄を事前に見せられるため、入社後のギャップが小さい |
とくに4つ目の「ミスマッチが減る」は見落とされがちですが、経営の視点では重要です。動画で職場のリアルを見たうえで応募してくる候補者は、入社前から社風を理解しています。早期離職の防止は、採用コストの削減に直結します。
TikTok採用の3つのデメリット
良いことばかりを並べても信頼していただけないと思いますので、難しい面も正直に書きます。
デメリット1:成果が出るまでに時間がかかる(オーガニック運用の場合)
投稿を始めてすぐに応募が殺到する、というケースはまれです。アカウントが育つまで、一般的に半年〜1年程度はかかると言われています。
ただし、これはあくまで「投稿のみ」で運用した場合です。後述するTikTok広告やTikTokライブを組み合わせれば、初月から応募を獲得することは十分に可能です。弊社の広告実績(約40日間で95件の応募リード)がその証拠です。
デメリット2:炎上のリスクがある
動画が多くの人に届くということは、批判も届きやすいということです。実際、不適切な投稿で批判を集めた企業アカウントは存在します。
もっとも、炎上の大半は「差別的な表現」「従業員を見下すような演出」「法令軽視」など、原因がはっきりしています。投稿前のチェック体制(NG表現リストの整備とダブルチェック)を作れば、リスクは大きく下げられます。
デメリット3:継続的な運用工数がかかる
企画・撮影・編集・投稿・分析というサイクルを回し続ける必要があります。「担当者が兼務で、月に2〜3本だけ投稿」という体制では、伸びる前に息切れしてしまうケースが多いのが実情です。
【一次データ】100万再生超え動画181本の分析でわかった「伸びる法則」
ここからが、この記事でもっともお伝えしたい内容です。
弊社はクライアント様と自社のTikTokアカウント(フォロワー48万人)を運用するなかで、100万回再生を超えた動画を181本生み出してきました。その実績は次のとおりです。
- 100万回再生超えの動画数:181本
- 平均再生数:209万回
- 最高再生数:830万回
豊田優人
すると、「伸びる動画」にはっきりとした共通点があることがわかったのです。
181本の分析データが示す5つの法則
| 分析項目 | データが示す事実 | 導き出せるアクション |
|---|---|---|
| 動画の長さ | 0〜15秒の動画が最多の74本、平均239万再生(全体平均は31.9秒) | とにかく短く。まずは15秒で作る |
| ジャンル | コメディが主軸の73本。「会社あるある・上司・退職ネタ」などの共感系が強い。台本コメディは平均298万再生と突出 | 働く人のホンネに刺さる「共感系」を狙う |
| 音源 | オリジナル・独自音源の使用が88%(159本) | 流行りの音源に頼らず、自分たちの「型」を持つ |
| 投稿時間 | 181本中177本が朝8〜10時台の投稿 | 通勤・始業前の朝に投稿する |
| 反応 | 平均エンゲージメント率(ER)3.69% | 保存やコメントを誘う仕掛けを動画に仕込む |
それぞれ、少しだけ補足します。
「短いほど伸びる」のは、視聴完了率が評価されるからです。 TikTokのアルゴリズムは「最後まで見られた動画」を高く評価します。15秒の動画は完走されやすい。だから伸びるのです。
「共感系コメディ」が強いのは、採用と相性が良いからです。 「上司あるある」「退職ネタ」のような動画は、働く人なら誰でも笑えて、コメント欄が盛り上がります。そして「こんな面白い動画を作る会社、雰囲気が良さそう」という印象が、そのまま採用ブランディングになります。ダンスや無理な流行りネタは必要ありません。
「朝8〜10時台」は、通勤時間とアルゴリズムの両方に効きます。 朝の通勤電車でTikTokを開く人は多く、投稿直後の初速(最初の1〜2時間の反応)が良いと、その後のおすすめ表示が一気に広がります。
TikTok採用の実際の成果とコスト【広告・ライブの実数値】
「再生数が伸びるのはわかった。でも、それが採用につながるの?」
裁量権をお持ちの方ほど、ここが一番気になるはずです。再生数は経営指標ではありません。重要なのは、応募数と採用単価です。
そこで、弊社が実際に行った施策の成果とコストを、そのまま公開します。
実績1:TikTok広告——20万円で7名採用(採用単価 約2.9万円/人)
2025年11月〜12月の約40日間、ショート動画20本をTikTokのスマートクリエイティブ広告で運用した結果です。
| 指標 | 実績 |
|---|---|
| 投入予算 | 20万円 |
| 応募リード | 95件(リード単価 2,105円) |
| 面談獲得 | 27件(面談単価 7,407円) |
| 採用人数 | 7名(採用単価 約2.9万円/人) |
この数字がどれくらいのインパクトか、一般的な採用手法と比べてみましょう。
| 採用手法 | 1名あたりの採用コストの目安 |
|---|---|
| 人材紹介 | 想定年収の30〜35%(年収350万円なら約100万〜120万円) |
| 求人媒体 | 掲載料数十万円〜。応募ゼロでも費用は発生 |
| TikTok広告(弊社実績) | 約2.9万円 |
人材紹介で7名を採用すれば、紹介料だけで700万円を超えることもあります。同じ7名を、TikTok広告では20万円で採用できました。
実績2:TikTokライブ——60時間の配信で6名採用
2025年8月に実施した、採用向けTikTokライブ配信の結果です。
| 指標 | 実績 |
|---|---|
| 総配信時間 | 60時間56分 |
| 応募数 | 46件(1時間あたり0.75件) |
| 面談獲得 | 32件 |
| 採用人数 | 6名 |
注目していただきたいのは、応募46件に対して面談が32件という数字です。面談への転換率は約70%。広告経由(95件→27件、約28%)と比べて、約2.5倍の転換率です。
理由はシンプルで、ライブでは候補者とリアルタイムで会話できるからです。コメントで質問に答え、社風を感じてもらったうえで応募してもらえるため、温度感と本気度の高い候補者が集まります。
バズは偶然ではない——「トレンドの先回り」4ステップ
3章で「伸びる法則」を紹介しましたが、弊社にはもうひとつ、最大の運用ノウハウがあります。それが「トレンドの先回り」です。
多くの運用者は、トレンドが流行ってから追いかけます。しかし、流行ってから作った動画は、すでに大量の類似動画に埋もれてしまいます。
弊社は逆の発想を取ります。トレンドは「偶然バズるもの」ではなく、「未来に予測できるもの」として扱うのです。手順は次の4ステップです。
たとえば話題作の公開日に合わせて、「作中の名シーン × うちの上司」のようなパロディを公開初日に投稿できれば、検索とおすすめの両方から視聴が流れ込みます。流行ってから慌てて作るチームとの差は、歴然です。
この「先回り」の仕組みこそが、181本という100万再生動画の量産を支えています。
TikTok採用の始め方5ステップ(自社運用の場合)
「まずは自社でやってみたい」という方のために、始め方を5つのステップで整理します。
正直にお伝えしたい「自社運用のつまずきポイント」
手順自体はシンプルですが、実際に多くの企業がつまずくのは次の3点です。
- 企画が続かない:最初の10本でネタが尽き、投稿が止まる
- 兼務では回らない:企画・撮影・編集・分析で、1本あたり数時間の工数がかかる
- 伸びない原因がわからない:データの見方がわからず、改善が場当たり的になる
この壁を自社で越えられるかどうかが、次章の「自社運用か、代行か」の判断基準になります。
自社運用と運用代行、どちらを選ぶべきか
結論から言うと、どちらが正解かは社内のリソース次第です。判断基準を整理します。
自社運用が向いている会社
- 動画を企画・制作できる担当者を専任で置ける(もしくは若手に任せられる)
- 成果が出るまで半年〜1年、投稿を続ける覚悟がある
- SNSに理解のある決裁者がいて、試行錯誤が許容される
運用代行が向いている会社
- 採用は急ぎだが、社内に動画制作のリソースやノウハウがない
- 過去にSNS運用を始めたが、更新が止まった経験がある
- 「バズるかどうかの実験」ではなく、応募数・採用単価という成果で判断したい
なお、TikTok運用代行の費用相場は月額10万〜100万円程度と幅広く、支援範囲(企画のみ〜撮影・編集・広告運用まで)によって大きく変わります。外注を検討する場合は、金額だけでなく「採用領域での実績データを開示できる会社かどうか」を必ず確認してください。マーケティング向けの運用と採用向けの運用は、似ているようで設計がまったく異なるからです。
弊社(株式会社BEEM)がお手伝いできること
豊田優人
- 自社アカウント群フォロワー48万人、100万再生超え動画181本・累計3.79億回再生の運用実績
- 広告で採用単価約2.9万円/人、ライブで60時間・6名採用という施策別の実データ
- そして弊社自身が、SNS採用のみで採用したメンバーで構成された会社です
「うちの業種でも効果があるのか」「予算内で何ができるのか」といった段階のご相談も歓迎です。まずは貴社の採用課題をお聞かせください。
TikTok採用のよくある質問
オーガニック投稿のみの場合、半年〜1年が目安です。ただし、TikTok広告やライブを組み合わせれば初月から応募獲得は可能です。弊社の広告実績では、約40日間で95件の応募リードを獲得しています。急ぎの採用には「広告・ライブで短期の応募を確保しつつ、投稿でアカウントを育てる」並行型をおすすめします。
リスクはゼロではありませんが、炎上の多くは「差別的表現」「従業員を軽んじる演出」など原因が明確です。NG表現のガイドラインを整備し、投稿前にダブルチェックする体制を作れば、リスクは大きく抑えられます。
あります。弊社はナイトワーク・理容美容・医療といった、いわゆる採用難の現場職・専門職のアカウント運用を支援し、いずれも100万再生超えのコンテンツと応募獲得を実現してきました。むしろ求人媒体で埋もれやすい職種ほど、「職場のリアルを見せられる」TikTokとの相性は良いと感じています。
勝てます。TikTokのおすすめ表示は、企業の知名度やフォロワー数ではなく「動画への反応」で決まるからです。むしろ意思決定が速く、社員の顔を出しやすい中小企業のほうが、共感系コンテンツでは有利な場面も多くあります。
ありません。3章のデータのとおり、伸びている動画の主軸は「会社あるある」などの共感系コメディです。社員に無理をさせる企画は続かないうえ、社内の雰囲気も悪くします。無理なく続けられる「型」を作ることが最優先です。
まとめ:TikTok採用は「データで再現できる」採用手法
最後に、この記事の要点をまとめます。
- TikTok採用は、若手の情報収集の変化・拡散の仕組み・コスト構造の3点から、いま最も注目される採用手法のひとつ
- 弊社の一次データでは、TikTok広告20万円で7名採用(採用単価 約2.9万円/人)、ライブ60時間で6名採用を実現
- 100万再生超え動画181本の分析から、「15秒・共感系コメディ・独自音源・朝8〜10時投稿」という再現可能な勝ちパターンが存在する
- バズは偶然ではなく、「トレンドの先回り」で計画的に作れる
- 自社運用は可能だが、企画の継続・工数・分析の3つの壁がある。急ぎの採用や社内リソース不足なら、実績データを開示できる代行会社への相談が近道
採用市場で若手の獲得競争は年々厳しくなっています。一方で、TikTokを本気で運用している競合他社は、まだ多くありません。「まだ競合が少ない今」こそ、先行者として型を作れるタイミングです。
「自社の場合はどこから始めるべきか」を知りたい方は、お気軽にご相談ください。この記事で公開したデータをもとに、貴社の採用課題に合わせた進め方をご提案します。
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この記事を書いた人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
TikTokフォロワー数48万人の自社アカウント群を運用し、100万再生超え動画181本・累計3.79億回再生を達成。会社アカウントの企画を自ら担当し、個人TikTokアカウントもフォロワー12万人。株式会社BEEMは、SNS採用のみで採用したメンバーで構成される「TikTok採用の実践企業」として、採用に特化したTikTok運用支援を提供している。