最終更新日:2026年10月13日
執筆:株式会社BEEM(BeeMedia編集部)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- TikTokで採用を始めることになり、何の動画を撮ればいいかを決めなければならない採用担当者の方
- 社員に出てもらう動画を考えているが、誰に・何を話してもらえばいいか迷っている方
- 動画を見た人に、どこから応募してもらうかの線を引いておきたい方
面接の最後に「何か質問はありますか」と聞く。そこで返ってくる質問が、毎回ほとんど同じになっていないでしょうか。
「残業は実際どのくらいですか」「どんな人が働いていますか」「社長はどんな方ですか」。求人票に書いてあることもあれば、求人票には書きようがないことも混ざっています。応募してきた人は、それを確かめに面接へ来ているとも言えます。
TikTokで採用のための動画を撮るなら、何を撮るかの手がかりはこの質問の中にあります。面接で聞かれていることに、応募の前に答えておく。この記事では、そのための動画を役割で3つに分け、誰に出てもらい、見た人をどこへ送るかを決めて、最後に最初の5本の撮影リストをお渡しします。
弊社(株式会社BEEM)は「SNS採用のみで採用したメンバーで構成される会社」です。自社の採用募集では、TikTok広告(約40日・20万円でリード95件→面談27件→採用7名)とTikTokライブ(配信60時間56分で応募46件→面談32件→採用6名)の両方を回してきました。自社アカウントで100万再生を超えた動画は137本、累計4.61億再生です(2026年10月13日時点)。本文のうち、代表・豊田の考えは吹き出しと「豊田」の名前を出した文で、弊社の実績とやり方は「弊社」を主語にした文で書いています。役割の分け方や撮影リスト、インタビューの質問、キャプションの記入例は、それをもとに編集部で組み立てたものです。
採用のTikTok動画は、1本で全部を済ませようとせず、知ってもらう動画・確かめてもらう動画・応募してもらう動画の3つの役割に分けて撮ります。
撮る順番は、確かめてもらう動画が先です。入口の動画や広告で会社名を知った人が調べに来たとき、そこに「何をしている会社で、どんな人が働いているか」が分かる動画が無ければ、そこで止まるからです。求人の条件は文字(キャプション・求人ページ)で、職場の中身は動画で答える。募集を呼びかける投稿を出すなら、職業安定法の表示のルールも撮る前に確かめておきます。

採用のTikTok動画は「3つの役割」に分けて撮る
採用の動画と聞くと、まず「バズる1本」を思い浮かべるかもしれません。ところが豊田によれば、バズっても1円にもならないアカウントがあります。開いてみても何をしている会社なのかが分からず、会社の信頼性を担保するものも見当たらない。そういうアカウントです。
再生数を取る動画と、会社の中身を伝える動画は、同じ1本でなくてかまいません。むしろ分けたほうが、1本ごとに何を撮るかがはっきりします。この記事では、求職者が会社を知ってから応募するまでの流れに合わせて、動画を3つの役割に分けます。
| 役割 | 見る人の状態 | その動画が答える問い | 撮るもの(例) | 見終わった人に、次にしてほしいこと |
|---|---|---|---|---|
| ①知ってもらう (入口) |
会社をまだ知らない | 「これは自分に関係のある話か」 | 狙う人のおすすめ欄に届く1本。狙う年齢層が聴いている音源、立場の違う2人のやりとり、社内で名前の知られている人の出演など | プロフィールを開く/会社名で調べる |
| ②確かめてもらう (確認) |
会社名を知って、調べに来た | 「何をしている会社か」「どんな人が働いているか」 | 事業の説明、社員へのインタビュー、仕事中の手元 | ほかの動画も見る/求人ページを開く |
| ③応募してもらう (後押し) |
気にはなっているが、まだ応募していない | 「上の人は何を考えているか」「応募したらどうなるか」 | 社長・役員が話すライブ、募集の条件と応募の流れを話す動画 | 応募フォーム・求人媒体へ進む |
②の「確かめてもらう動画」から撮る理由
3つのうち、最初に揃えるのは②です。理由は、求職者の調べ方にあります。豊田は、直近1年で変わったことの1つとして、こう話しています。
豊田優人
この見立てに沿うなら、TikTokのアカウントは、求職者が会社を調べに来る場所になります。入口の1本がいくら伸びても、開いたアカウントに②の動画が並んでいなければ、豊田の言う「何をしている会社か分からない」状態のままです。求人媒体で会社名を知った人が確かめにTikTokを開いたときに見るのも、②の動画です。
①の入口の作り方には、弊社の『毒上司』シリーズの設計が参考になります。上司側と部下側の両方が「これは自分のことでは」と重ねて最後まで見る作りで、音源はNumber_iの「稲妻」を選び、狙った新卒=23歳前後とファン層を合わせました。
1本で「知ってもらう」「確かめてもらう」「応募してもらう」を全部やろうとしない。調べに来た人が見る動画から撮る。
求職者が応募前に確かめたいことに、文字と動画で答え分ける
冒頭の面接の質問に戻ります。求職者が応募の前に確かめたいことは、2種類に分けて考えると撮るものが決まります。書けば伝わる「条件」と、書いても伝わりにくい「中身」です。
条件は文字で答える|厚生労働省の明示事項がそのまま一覧になる
条件のほうは、何を書くべきかが法令で決まっています。厚生労働省のリーフレットでは、自社ホームページでの募集や求人広告の掲載をするとき、求人票や募集要項で少なくとも明示しなければならない労働条件として、次のものが挙がっています※3。
- 業務内容/契約期間/試用期間/就業場所
- 就業時間/休憩時間/休日/時間外労働
- 賃金/加入保険/受動喫煙防止措置/募集者の氏名または名称
- 2024年4月からは、業務内容と就業場所の「変更の範囲」、有期契約を更新する場合の基準も追加※4
「残業は実際どのくらいですか」は時間外労働の欄、「休みは取れますか」は休日の欄で答えが決まる質問です。こうした質問には、動画でしゃべるより文字で正確に書いたほうが伝わります。動画の中で条件に触れるなら、キャプションや求人ページの文字と食い違わないことが前提です(6章)。
中身は動画で答える|文字にすると、どの会社も同じ言葉になるもの
一方の中身は、文字にした瞬間に、どの会社も似た言葉に落ち着いてしまうものです。ここが動画の出番です。
| 求職者が確かめたいこと | 文字だとこうなりがち(例) | 動画で答えるなら | 1章の役割 |
|---|---|---|---|
| 何をしている会社か | 「〇〇事業を展開しています」 | 現場の画を背景に、社員が自分の言葉で事業を30秒で説明する | ② |
| どんな人が働いているか | 「20〜30代が活躍中」 | 社員へのインタビュー。入社した理由と、入ってみて意外だったこと | ② |
| 職場の空気 | 「アットホームな職場です」 | 仕事中の手元や休憩中のやりとりを、作り込まずに撮る | ② |
| 上の人が何を考えているか | 「代表メッセージ」 | 社長・役員がライブで、事業とこの採用について話す | ③ |
| 応募したらどうなるか | 「まずはお気軽にご応募ください」 | 応募から面接までの流れを、採用担当者本人が話す | ③ |
「職場の空気」を撮るときに気をつけたいのが、きれいに撮りすぎることです。豊田は、作り込みすぎない、TikTokの完成動画とInstagramのストーリーズの中間くらいのリアルな空気感の動画が伸びるようになったと見ています(2025年3月頃から)。「運用代行が入っているんだろうな」とステマ的に見る目線のユーザーが増えた、とも。弊社自身も、編集では作り込まず、NGカットも使い切ります。整えすぎた職場の映像は、求人票の「アットホームな職場です」と同じ言葉になってしまいます。
面接で聞かれる質問を、条件(文字で答える)と中身(動画で答える)に振り分ける。動画で撮るのは、中身のほうです。
誰を出すか|社長・役員、現場の社員、社内で名前の知られている人
撮るものが決まったら、次は出演者です。採用の動画に出てもらう人は、3通りに分けて考えます。
社長・役員|ライブで「何を考えているか」を話す
③の「応募してもらう動画」として豊田が挙げているのが、ライブ配信です。役員や会社のトップが、いま何を考えているかをライブで自分の口から話す。ふだん投稿しているコンテンツとのギャップから会社の中身が伝わり、そこで信頼性が担保されて採用につながった、と豊田は振り返っています。
弊社の自社の採用募集では、TikTokライブを配信60時間56分回し、応募46件、面談32件、採用6名でした。採用担当の方から見ると、これは社長の時間をどう確保するかという話になります。まず予定表に1回ぶんの枠を取り、テーマを「なぜ今この採用をしているのか」に絞るところから始めると、話す側も準備がしやすくなります。
現場の社員|台本は「聞くこと」だけにして、1発で撮る
②の動画の主役は、現場の社員です。ここで豊田が指摘しているのが、会社アカウントならではの落とし穴です。
豊田優人
弊社の毒上司シリーズは、1発撮りで、NGでも使い切る方針で撮っています。採用の動画に置き換えるなら、社員に渡すのはセリフではなく質問だけにして、答えは本人の言葉のまま使う、という形です。「入社した理由は?」「入ってみて意外だったことは?」と聞き、言い直しても撮り直さない。豊田の言う上下関係の空気を撮影に持ち込まないよう、聞き手は出演者の上長ではない人、たとえば採用担当者が務めるのがおすすめです。
出てもらう前には、顔を出すかどうかと、退職したあとに動画をどう扱うかを本人と決めておいてください(決めておくことの一覧は8章のQ2)。
社内で名前の知られている人|入口の1本にだけ出てもらう
①の入口では、「誰が出るか」が「誰に届くか」を左右します。業界の中で少しでも名前の知られている社員がいれば、入口の1本に出てもらう候補になります。ただ、②③まで同じ人に頼る必要はありません。2章の「どんな人が働いているか」に答えるのは、入社したら隣で働くことになる現場の社員のほうです。豊田が直近の例として挙げた、キャバクラの採用アカウントでキャストのファンへ届けた設計は、「SNS採用の事例」で紹介しています。
社外の人は、見栄えのためには呼ばない
社内に出てくれる人がいないと、外からモデルやタレントを呼びたくなるかもしれません。豊田は、キャスティングで可愛い子や美女を出すだけの差別化は、今はステマチックに見られ、運用が入っていると見透かされるので取らない、という立場です。採用の動画で見られているのは、その会社で一緒に働く人のほうです。社内に出られる人がいない場合の考え方は、8章のQ3に置きました。

採用動画の企画は「狙う心理」を先に決める
弊社は、企画を出す前に、約100項目(97項目)の心理要素のリストから「どの心理を狙うか」を当てはめ、そのあとで台本を書いています。採用の動画でも、順番は同じです。ここでは1章の3つの役割に沿って、採用で使いやすいものを5つ選びました。
| 役割 | 心理要素 | 一般的な意味 | 採用の動画に当てはめると(架空の例) |
|---|---|---|---|
| ①知ってもらう | トレンド便乗 | 世の中で話題になっていることに乗ると、その注目度ごと見てもらいやすい | 4月(新社会人)のように世の中の注目が集まる時期に、自社の新人の1週目を重ねる |
| ②確かめてもらう | 単純接触効果 | 繰り返し目にするものほど、好感を持ちやすい | 同じ社員に何本か続けて出てもらい、会社名より先に「あの人」を覚えてもらう |
| モデリング効果 | 他人の行動を見て、自分も同じように行動できると学ぶ | 狙う人と経歴の近い先輩が、入社3か月目の仕事を見せる。「自分もこうなれる」を想像できるようにする | |
| ③応募してもらう | ゲインロス効果 | 印象が変化したとき、その差の分だけ評価が大きく動く | ふだんは軽い動画の会社で、社長がライブでは事業と採用を真剣に話す |
| 現状維持バイアス | 変化のリスクを避けて、今の状態にとどまりたくなる | 応募の手前に、カジュアル面談やライブでの質問など「小さな一歩」を用意し、動画の最後で案内する |
※「一般的な意味」は心理学・行動経済学で一般に知られている定義の要約です。当てはめ例は読者の方が自社に置き換えるための架空の例で、弊社の特定の動画で狙ったものではありません。
表のうちゲインロス効果の行は、豊田がライブについて話した「コンテンツとのギャップで会社の中身が伝わる」という説明を、心理学の言葉に当てはめた読み解きです。豊田がこの心理要素の名前を挙げたわけではありません。
入口の1本は、時期を先に取る
表の①のトレンド便乗について、1つだけ補足します。豊田はトレンドを「TikTok内で流行っている動画」ではなく、今この瞬間に世の中の注目が集まっているものと定義しています。4月=新社会人、12月=クリスマスのように、先に予測できる。毒上司シリーズも「4月に何か仕掛ける」と決めてから企画を探し、1本目は2025年3月26日に出しています。
採用に関わる日付にも、新卒の入社、年度末、賞与の時期など、毎年同じ時期に来るものがあります。入口の1本はその日付から逆算して、企画と撮影を先に済ませておきます。
動画から応募までの導線|送り先を先に作る
ここまでで撮るものと出る人が決まりました。最後に決めるのは、見た人をどこへ送るかです。1章で触れた、豊田の言う「バズっても1円にもならないアカウント」には、もう1つ特徴があります。「どこで知ってもらい、どこへ送るか(HP・求人媒体)」のチャネル設計がないまま、TikTokのオーガニックだけで完結させようとしていることです。
豊田優人
豊田の考える流れでは、TikTokは会社を知ってもらう場所で、見た人はそこからホームページを検索し、求人媒体や応募へ進みます。TikTokは求人媒体の代わりではなく、その手前で会社を知ってもらい、確かめてもらう場所です。
そのうえで豊田は、会社の知名度によって打ち手を分けています。名前が知られている会社なら、再生数は0でいい。インタビューなど会社の中身が分かる動画を置き、YouTubeで長い動画を作って、その切り抜きをTikTokに回す。まだ名前が知られていない会社なら、リーチは広告で取り、そこからホームページや求人媒体へ送る。1章の3つの役割に当てはめると、こうなります。
- 知名度がある会社:会社名で調べに来る人がすでにいるので、②と③を揃えることに集中する。①の入口は急がなくていい
- まだ知られていない会社:①の入口は広告で取る前提にする。広告を見た人が調べに来たときのために、②と③を先に並べてから配信する
弊社の自社の採用募集でも、TikTok広告は約40日・20万円でリード95件、面談27件、採用7名でした。広告とライブを併用して、最短1週間で面談まで進んだ例もあります。広告の動画の型そのものは「TikTok広告の動画の作り方」で扱っています。撮る前に決めておく3つのこと(どんな人材が欲しいか・どこで知ってもらうか・オーガニックか広告か)は、SNS採用とは?の始め方の章にも書きました。
送り先のチェックリスト
1本目を投稿する前に、見た人が迷わず応募までたどり着けるかを確かめます。
- 会社名で検索したとき、採用ページか求人媒体の掲載が出てくるか
- TikTokのプロフィールから、採用ページか応募先へ移れるようになっているか
- 募集を呼びかける投稿のキャプションに、6章の6つの情報が書けているか
- キャプションとコメント欄に、「一緒に働こう」の一言と応募先を置いているか
- ライブの最後に、応募したい人の行き先を口頭と文字の両方で伝えられるか
募集を呼びかける動画で守る表示のルール(職業安定法)
動画やキャプションで「一緒に働きませんか」と呼びかける投稿を出すなら、募集の情報を出しているものとして、表示のルールを確かめておきます。厚生労働省は、XなどのSNSを含む広告等で労働者の募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと示しています(職業安定法第5条の4)※1。求人等に関する情報の的確な表示は、令和4年10月1日施行の改正で義務になったものです※2。
SNSで直接募集するときに書く6つの情報
厚生労働省は、募集広告に次の6つの情報を記載する必要があるとしています※1。
- 募集主の氏名(または名称)
- 住所
- 連絡先(電話番号等)
- 業務内容
- 就業場所
- 賃金
同じページのQ&Aでは、TikTokで採用の投稿をするときに迷いやすい点にも答えています※1。
- 連絡先:電話番号、メールアドレス、または自社ウェブサイト上の専用の問い合わせフォームへのリンクのいずれかを記載する必要がある
- リンクだけで済ませてよいか:会社ウェブサイトの募集要項へのリンクだけでは、求人かどうかも含めて誤解を招く可能性があるため、広告等そのものに6つの情報を記載する必要がある
- どこまで詳しく書くか:必ずしも労働条件の明示と同じ詳しさである必要はないが、見た人が誤解しないよう、業務内容・就業場所・賃金を記載する必要がある
条件の全部を、いつまでに伝えるか
2章で挙げた労働条件は、求人広告のスペースが足りないなどやむを得ない場合、「詳細は面談時にお伝えします」などと付したうえで、一部を別のタイミングで明示することもできます。その場合も、原則として面接など求職者と最初に接触する時点までに、全ての労働条件を明示する必要があります。また、募集広告などで募集の情報を出すときは、掲載した時点を明示するなどして、正確かつ最新の内容に保つ義務があります※3。
- キャプションに、6つの情報(名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金)が入っているか
- 動画で話した給与・休日・残業が、求人ページの記載と同じか
- 「残り1名」「辞める人はいません」など、実際と違うかもしれない言い方をしていないか
- いつ時点の募集かが分かるようにしてあるか。募集を締めた動画は、キャプションに締め切った旨を書き足すか非公開にする
どの投稿が募集の「広告等」に当たるかの判断に迷ったときは、管轄の労働局に確認してください。この章は厚生労働省の公表資料の要約で、個別の投稿についての法的な判断ではありません。
最初の5本の撮影リスト
1〜6章をまとめて、最初の5本にしました。撮る順番は②→③→①です。調べに来た人が見るものを先に揃え、入口は最後に作ります。
| 本目 | 役割 | 答える問い | 撮るもの | 出る人 | 狙う心理(4章) | キャプションに書くこと |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1本目 | ② | 何をしている会社か | 現場の画を背景に、事業を30秒で説明する | 事業をいちばん自分の言葉で話せる社員 | 単純接触効果(この人をシリーズの顔にする) | 事業の一言説明と、採用ページへの案内 |
| 2本目 | ② | どんな人が働いているか | 下の6つの質問に答えてもらう。聞き手は採用担当、1発撮り | 狙う人と経歴の近い社員 | モデリング効果 | 出演者の職種と入社年 |
| 3本目 | ③ | 応募したらどうなるか | 募集している職種と、応募から面接までの流れを話す | 採用担当者本人 | 現状維持バイアス(カジュアル面談などの小さな一歩を案内) | 6つの情報と求人ページ(下の記入例) |
| 4本目 | ③ | 上の人は何を考えているか | 社長・役員のライブ。テーマは「なぜ今この採用をしているのか」 | 社長・役員 | ゲインロス効果 | ライブの告知と、終わったあとの応募先 |
| 5本目 | ① | これは自分に関係のある話か | 狙う人のおすすめ欄に届く1本。時期・音源・立場の違う2人・社内で名前の知られている人のどれで届けるかを1つ決める | 1本目・2本目の社員/社内で名前の知られている人 | トレンド便乗 | 「一緒に働こう」の一言と応募先。知名度がなければ広告に回す前提で作る |
知名度のある会社は、5本目を急ぐ必要はありません。1〜4本目を揃え、YouTubeなどで長めの動画を撮れるなら、その切り抜きを②として足していきます。まだ知られていない会社は、1〜4本目を並べてから、5本目を広告に回します。
2本目のインタビューで聞く6つの質問
聞き手の採用担当者がこの順に聞けば、2章の「求職者が確かめたいこと」に一通り答えられるように並べました。社員には、撮影の前日にこの質問だけを渡しておきます。
| 求職者が確かめたいこと(2章) | 聞く質問 | 答えで拾いたいこと |
|---|---|---|
| 何をしている会社か | 「うちの仕事を、友だちに一言で説明するなら?」 | 事業の説明を、社員の言葉で |
| どんな人が働いているか | 「入社を決めた理由は?」 | 入る前、本人がどんな状況で何を探していたか |
| 「入ってみて、意外だったことは?」 | 求人票には書かれていない実際のところ | |
| 職場の空気 | 「仕事で困ったとき、最初に誰に聞く?」 | 人との距離の近さと、質問しやすさ |
| 上の人が何を考えているか | 「上司や社長に言われて、覚えている一言は?」 | 上の人の考えが、現場にどう届いているか |
| 応募したらどうなるか | 「応募する前、何がいちばん不安だった? 実際はどうだった?」 | 応募をためらっている人の不安への答え |
1本に6つ全部を入れる必要はありません。1回の撮影で6つ聞いておき、答えごとに切り分ければ、同じ社員で数本ぶんの素材になります。4章の単純接触効果(同じ人に何本か続けて出てもらう)にも、そのままつながります。
3本目のキャプション記入例(架空の会社)
募集を呼びかける3本目には、キャプションに6章の6つの情報を入れます。架空の物流会社で埋めると、たとえばこうなります。
倉庫スタッフを募集しています(2026年10月1日時点の募集です)
募集主:株式会社〇〇ロジスティクス
住所:〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3
連絡先:000-0000-0000(採用担当/平日10〜18時)
業務内容:倉庫内での商品の入出荷と検品
就業場所:本社倉庫(〇〇県〇〇市)
賃金:月給22万円〜(経験・能力により決定)
そのほかの労働条件は、最初にお話しする面談・面接の時点までにすべてお伝えします。応募はプロフィールのリンクから。
会社名・住所・電話番号は伏せ字にしています。ポイントは3つです。求人ページへのリンクだけで済ませず、6つの情報をキャプションそのものに書くこと。「いつ時点の募集か」を書いておくこと。キャプションに書ききれない条件はその旨を添え、実際に求職者と最初に接する面談・面接の時点までに伝えること(いずれも6章)。
撮影の日に守ってほしいことは2つだけです。社員に渡すのはセリフではなく質問だけにすること。言い直しや噛んだところも、使えるなら残すこと。スマホ1台での撮り方や編集の手順は「TikTok動画の作り方」で扱っています。
TikTok採用の動画でよくある質問
給与・休日・残業のような条件は、求人媒体や自社の求人ページの記載を正本にして、キャプションや動画ではその文言を写す形にすると、食い違いが起きにくくなります。動画の中で給与を口にしてもかまいませんが、求人ページに書いた額と同じであることが前提です。募集を呼びかける投稿なら、賃金は6章の6つの情報の1つとしてキャプションにも書きます。条件を変えたときは、求人媒体だけでなく、その条件に触れた投稿のキャプションも同じ日に直してください。募集の情報は正確かつ最新の内容に保つ義務があります※3。一方で、職場の空気や働いている人のような「中身」は、求人媒体に書ききれない分をTikTokが受け持つ、という分担で考えます(2章)。
口頭のOKだけで済ませず、撮影の前に文面で確かめておくと、あとで揉めにくくなります。決めておきたいのは次の4つです。
- 顔と名前をどこまで出すか(顔あり・声だけ・手元だけ/本名・下の名前だけ・出さない)
- どこに使うか(TikTokの投稿だけか、広告や求人ページにも使うか)
- 退職したあと、その動画をどうするか(非公開にする・残す)
- あとから「やっぱり消してほしい」となったときの連絡先
あわせて、出演を断っても評価や待遇には関係ないことも伝えておきます。上の立場から頼むと、断れない依頼に聞こえやすいからです。文面や法的な扱いに不安があれば、社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認してください。
できることは2つあります。1つは、顔を出さない撮り方です。仕事中の手元や、声だけのインタビューでも、2章の「中身」は伝えられます。もう1つは、採用担当者ご本人が出ることです。7章の3本目は、もともと採用担当者が出る動画です。見栄えのために社外の人を呼ぶのは、3章のとおり避けてください。
動画の役割で分けて考えます。条件や応募先を案内した③の投稿(7章の3本目など)は、キャプションに募集を締め切った旨を書き足すか、非公開にします。募集の情報は、掲載した時点を明示するなどして、正確かつ最新の内容に保つ必要があるためです※3。一方、事業の説明や社員インタビューのような②の動画は、募集の条件に触れていなければ、次の募集で調べに来た人がまた見る動画になります。給与や休日などに触れている部分があれば、その投稿だけ見直してください。
豊田が挙げているのは「役員や会社のトップ」がライブで話すことなので、社長にこだわらず、役員が出る形でもかまいません。1人で長く話すのが負担なら、採用担当者が聞き手になって質問し、それに答えてもらう形にすると、話す側の準備は「聞かれたことに答える」だけになります。7章の2本目と同じように、質問は前日に渡しておきます。
豊田が採用につながった理由として挙げているのは、トップが「何を考えているか」を話したことです。最初の1回は、7章の4本目のとおり「なぜ今この採用をしているのか」に絞ると、話す側も聞く側も焦点を合わせやすくなります。なお、弊社のライブで実際に話したテーマの一覧や、自社の採用広告で流した動画の中身は、この記事では載せていません。代表に確認が取れているのは、ライブで上の人が考えを話したことと、3章・5章で書いた結果の数字までです。
踊ること自体の良し悪しより、他社と同じ形になっていないかを見てください。豊田は、伸びる動画と伸びない動画の分かれ目の1つに「今にない、見たことのないフォーマットか」を挙げています。ユーザーは少しでも見たようなスタイルだと動画の先を予測してスクロールする、とも見ています。続かない・伸びない会社の共通点の1つとして挙げているのも、全員が同じ戦略・同じやり方を取っていることです。
おすすめしません。5章のとおり、豊田は「TikTokのオーガニック運用だけで採用・認知が完結する」という考えに反対しています。TikTokで知ってもらい、ホームページや求人媒体へ送る線を引くのが前提です。
まとめ:面接で聞かれた質問を、動画の順番に並べ替える
- 採用のTikTok動画は、①知ってもらう・②確かめてもらう・③応募してもらうの3つの役割に分けて撮る
- 撮る順番は②→③→①。調べに来た人が見る動画を先に揃える
- 求職者が確かめたいことのうち、条件は文字(キャプション・求人ページ)、中身は動画で答える
- 出演者は、社長・役員(ライブ)、現場の社員(質問だけ渡して1発撮り)、社内で名前の知られている人(入口)。見栄えのために社外の人は呼ばない
- 企画は狙う心理から。急かす表現は、実際の募集状況と一致しているかを確かめる
- 送り先は、TikTok → ホームページ → 求人媒体・応募。知名度がなければ入口は広告で取る
- 募集を呼びかける投稿には、名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の6つを書く
今日やることは1つです。最近の面接で聞かれた質問を5つ書き出し、2章の表で「文字で答えるもの」と「動画で答えるもの」に振り分けてください。動画のほうに入った質問が、7章の1本目・2本目で答える問いになります。書き出してみると、求人ページに書き足すだけで済む質問が見つかることもあります。
振り分けてみたものの、誰に出てもらうか、どこへ送るかが決めきれない。そんなときは弊社にご相談ください。ご相談ではまず、どんな人材が欲しいのか、どこで自社を知ってもらうのか、リーチをオーガニックで取るか広告で取るかの3点をうかがいます。欲しい人材に合わせてコンテンツを組まないと、必ず外すからです。この記事の1章と5章で決めたことが、そのまま答えになります。
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この記事を書いた人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウントを含む自社TikTokアカウント群を運用し、100万再生を超えた動画は137本、累計4.61億再生。自社の採用募集ではTikTok広告とTikTokライブの両方を回している。複数の記事で取り上げられたほか、大学での登壇歴がある。株式会社BEEMは「SNS採用のみで採用したメンバーで構成される会社」として、TikTokの運用代行・広告運用・採用支援を提供している。
出典
- 厚生労働省「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について」(6つの情報、職業安定法第5条の4、Q&A)。2026年9月30日確認 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1_00006.html
- 厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」(令和4年10月1日施行。求人等に関する情報の的確な表示の義務化)。2026年9月30日確認 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497_00003.html
- 厚生労働省リーフレット「2024年4月から、労働者の募集や職業紹介事業者への求人の申込みの際、明示しなければならない労働条件が追加されます。」(明示事項の一覧、明示するタイミング、正確かつ最新の内容に保つ義務)。2026年9月30日確認 https://www.mhlw.go.jp/content/001114110.pdf
- 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」(業務の変更の範囲・就業場所の変更の範囲・有期労働契約を更新する場合の基準)。2026年9月30日確認 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1.html