TikTok広告の動画の作り方|使える4つの型と設計シート、差し替えの判断手順【100万再生超え137本の運用会社が解説】

TikTok広告の動画の作り方

最終更新日:2026年10月13日
執筆:株式会社BEEM(BeeMedia編集部)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

この記事はこんな方に向けて書いています
  • TikTok広告を出すことは決まったのに、肝心の動画をどう作ればいいか決められないマーケ・販促担当者の方
  • 広告用に1本しっかり作って配信したのに、表示は出ているのに見られていない気がする方
  • 配信を始めたあと、どの数字を見て、いつ、動画のどこを替えればいいのかが分からない方
先に、この記事の結論をお伝えします

TikTok広告の動画は、「冒頭2秒」と「見る人の時間を使わせる設計」でほぼ決まります。映像のきれいさで勝負する場所ではありません。弊社代表の豊田は、いま伸びるのは作り込みすぎない、TikTokの完成動画とInstagramストーリーズの中間くらいのリアルな空気感の動画だと言っています。

ゼロから考えなくて大丈夫です。3章に広告で使える動画の型を4つ、6章に記入例つきの設計シート、8章に数字別の差し替え表と、判断の前にそろえる条件を置きました。

作り方の順番は、送り先を決める → 届け先を決める → 型を選ぶ → 冒頭2秒で狙う心理を1つ決める → 冒頭を3案書く → 1発撮り。出したあとは、学習期間が落ち着いてから、悪い数字の場所だけを差し替えます。

広告の動画を「1本」作って、止まっていませんか

広告の予算が通った。制作会社に頼むか社内で撮るかで1週間迷い、やっと1本できた。配信を開始して3日。管理画面を開くと、表示回数は増えている。でもクリックが来ない。……で、次は何をすればいいんだろう。

こういう止まり方をしている担当者の方に向けて、この記事を書いています。

弊社(株式会社BEEM)は、自社の採用募集でTikTok広告を回しています。約40日・広告費20万円で、リード95件、面談27件、採用7名。自社アカウントでは100万再生を超えた動画が137本、累計4.61億再生あります。

この記事では、代表の豊田が動画について「ここが大事」と言い切っていることを軸に、広告で使える動画の型と、1本を設計する手順、出したあとの差し替えの回し方をお渡しします。「何秒が正解か」「何日で替えるか」のように弊社として数字を持っていないところは、他社記事の数字で埋めずに、公式の目安と比べ方の手順をお渡しします。

この記事でわかること
  • TikTok広告の動画とオーガニック投稿の違いと、広告の「動画の役目」
  • 広告で成果が出る動画の4つの条件
  • 広告で使える動画の4つの型と、それぞれの架空の広告化例
  • 冒頭2秒を「狙う心理」から設計する方法と、使いやすい心理要素6つ
  • 記入例つきの「広告クリエイティブ設計シート」と、公式仕様の早見表
  • 広告マネージャーのどの指標が悪ければ動画のどこを替えるか、いつ・何と比べて判断するか
スマートフォンを取り付けた自撮り棒
イメージ(写真:photoAC)

TikTok広告の動画とは?オーガニック投稿との違い

TikTok広告の動画とは、お金を払って、おすすめフィードなどに配信する動画のことです。この記事では、ふだんの投稿と同じように縦にスクロールする流れの中に表示されるインフィード広告を前提にします。

インフィード広告の動画は、大きく2つの出し方があります。

出し方 中身 向いている場面
広告用に動画を入稿する 広告マネージャーに動画ファイルをアップロードして配信する 新しく広告用に撮る/複数の冒頭案を並べて試したい
Spark Ads 自社アカウントの投稿や、許可を得た他のクリエイターの投稿を、そのまま広告として配信する。広告で得た視聴・いいね・フォローなどは元の投稿に積み上がる※3 すでに反応の良かった自社の投稿がある

どちらを選んでも、動画の中身の作り方は同じです。出稿の手順やSpark Adsの投稿コードの発行は「TikTok広告とは?費用・始め方・効果」にまとめているので、この記事では中身をどう作るかだけを扱います。

TikTok広告とは?100万再生超え137本・累計4.61億再生の会社が、費用・始め方・効果を実数で全部話します TikTok広告とは?100万再生超え137本・累計4.61億再生の会社が、費用・始め方・効果を実数で全部話します

オーガニック投稿と、何が違うのか

オーガニック投稿 広告の動画
届き方 おすすめに載るかどうか次第 予算と配信設定で、届ける人を決めて届ける
見る人の状態 ふつうの投稿として見る 広告だと分かったうえで見る
動画の役目 見てもらう・フォローしてもらう 見てもらい、そのうえで次の場所へ動いてもらう
作り方 基本は同じ。作り込まない(2章)

いちばん大きな違いは3行目の「動画の役目」です。豊田は、無名の会社ならリーチは広告で取って、そこからホームページや求人媒体へ送るという考え方をしています。広告の動画は、見られて終わりではなく、送り先まで人を運ぶところまでが仕事です。

豊田は、バズっても成果につながらないアカウントの特徴として、何をしている会社か分からないこと、会社の信頼性を担保できるものがないことを挙げています。この記事では、広告でも同じことが起きる前提で設計します。お金を払って届けた人に、何の会社かが伝わらないまま流される。これをいちばんもったいない負け方として避けます。

広告で成果が出る動画の4つの条件

先に、この記事の書き分けをお伝えしておきます。「豊田は」と書いた部分と吹き出しは代表の言葉です。代表の考え方は主に自社アカウントの運用から出てきたもので、それを広告の動画に当てはめた条件・型・例・手順は編集部の提案です。例はすべて架空です。弊社が数字で持っていないこと(広告で何秒が正解か、何日・何%で替えるか)は、公式の目安と、比べ方の手順で代えています。以降の章では、この断りを繰り返しません。

条件1:冒頭2秒で離脱されない

「動画は冒頭1〜3秒のフックが大事」。どの記事にも書いてある話ですが、豊田はこれにはっきり◎を付けています。ただし理由の置き方が少し違います。

豊田優人

初めの2秒で離脱されたら、時間を食わせられない。

冒頭が大事なのは「つかみが大事だから」ではなく、その先の時間がすべて冒頭の2秒の上に乗っているからです。ここで指が動いたら、中身がどれだけ良くても、誰にも届いていないのと同じです。

条件2:見る人の時間を使わせる(総再生時間)

豊田が投稿後にいちばん重視している数字は、再生数ではありません。

豊田優人

最重要は総再生時間。とりあえず時間を食べさせることが1番大事。

理由は逆算です。TikTokを運営するByteDanceは広告で収益を上げているので、ユーザーの数と滞在時間が担保されないと、広告の成果が落ちる。だったら、ユーザーの時間を使わせてくれるクリエイターやコンテンツを優遇するはずだ——というのが豊田の考え方です。冒頭2秒の離脱や平均視聴率は、この総再生時間を稼ぐための手段として見ています。

この逆算を広告の側から見ると、広告の動画も、見る人の時間を使わせられなければ、プラットフォームにとってありがたくない動画になるはずです。広告だから短く言い切って終わり、ではなく、広告こそ時間を使わせる設計が要ります。

条件3:作られた感を出さない

3つ目は、広告の予算がついたときほど逆をやりたくなる条件です。

豊田優人

作り込まない。NGカットも使い切る。程よく形になりつつ、撮影時間も少なくて、人間味が出る、ちょっと崩れた感じも出る。作られた感が出すぎる動画はダメ。

背景には、見る側の変化があります。豊田は直近1年の変化として、「運用代行が入っているんだろうな」とステマ的に見る目線のユーザーが増えたこと、そして作り込みすぎない、TikTokの完成動画とInstagramストーリーズの中間くらいのリアルな空気感の動画が伸びるようになったこと(2025年3月頃から)を挙げています。

TikTok for Business自身も、広告主向けの資料で同じ方向のことを書いています。大きな制作予算は要らずスマホで始められる、ただし「ローファイ」は低画質という意味ではない、という趣旨です※2。崩すのは空気感であって、画質や音声ではありません。

「広告っぽさを消す」は、広告であることを隠すことではありません

ここで言う「作られた感を出さない」は、演出や作り込みの量の話です。広告であることを隠す話ではありません。広告なのに広告だと分からないように見せる表示は、景品表示法のステルスマーケティング規制の対象です(10章)。

条件4:見たことのない形にする

豊田は、伸びる動画と伸びない動画の分かれ目の1つに「今にない・見たことのないフォーマットか」を挙げています。ユーザーが育ったことで、少しでも見たようなスタイルだと、動画の後を無意識に予測されてスクロールされるからです。

広告で言えば、同業の広告と同じ始まり方がいちばん危ない、ということになります。商品のアップから入る、ロゴから入る、「〇〇でお悩みではありませんか?」から入る。どれも一度は見た形です。

要するに

広告の動画は、①冒頭2秒で離脱されない ②時間を使わせる ③作られた感を出さない ④見たことのない形の4つで作る。画質・音声・テロップの読みやすさは落とさない。

広告で使える動画の4つの型

条件が分かっても、「で、どんな動画を撮ればいいの?」で止まりますよね。ここでは、4つの条件を満たしやすい動画の型を4つお渡しします。

型の中身は、豊田が弊社の会社アカウントの「毒上司」シリーズ(上司役と部下役のやりとりを1発撮りで撮るシリーズ)などの設計として話していることです。それを広告の形に置き換えたのは編集部で、弊社の広告でこの型が勝った、という話ではありません。型はあくまで「形」で、中身(何を言うか)は自社の商品に合わせて入れ替えてください。

型A:立場の違う2人が、どちらも自分ごとで見る型

何が起きる型か 1本の中に立場の違う2人を置く。どちらの立場の人も「これは自分のことでは」と重ねて見るので、最後まで見られやすい=時間を使わせる(条件2)
元になっている考え方 毒上司シリーズは、部下側は「自分がやばい新人なのでは」と確認するために見て、上司側は「自分が抱えている部下はやばい新人では」「自分のむかつく上司は毒上司では」と重ねて見る設計。豊田は、上司・部下の両方が自分ごと化して最後まで見る=総再生時間を稼ぐ設計だと説明しています。企画の前に「複数の立場が自分ごと化して最後まで見る設計になっているか」を確認しているのも、この考え方からです
広告にするとこうなる(架空) 学習塾の無料体験の広告。「勉強しなさい」と言う親役と、「今やろうと思ってた」と返す子ども役のやりとり。親は「うちの子だ」、子どもは「うちの親だ」と思って見る。最後に塾長が「言い合いが終わる場所、あります」と一言、無料体験の申込ページへ
冒頭に付ける部品(4章) ①カクテルパーティー効果(1秒目に、どちらかの立場の決まり文句を置く)

型B:演技力がなくても成立する、単純な型

何が起きる型か 「1つ質問して、1言で返す」のような単純な形にする。出る人が変わっても、題材を変えても同じ形で撮れるので、冒頭違い・出演者違いを何本も撮れる。作り込みようがないので、作られた感も出にくい(条件3)
元になっている考え方 豊田は毒上司を、投稿前の企画段階で「いける」と見ていました。理由の1つがフォーマットが単純で、演技力がなくても成立すること(だから真似されてトレンドになる)。企画の前に「撮影の手間が小さいか」「他人が真似できるフォーマットか」を確認しているのも同じ考え方です
広告にするとこうなる(架空) パン屋の取り置き予約の広告。店主が「今日いちばん先に売り切れたの、どれ?」と聞き、店員が1言で答えるだけ。質問を変えれば、同じ日に何本でも撮れる。最後は「売り切れる前に、取り置きはこちらから」で予約ページへ
採用目的なら:質問を「まかない、週に何回食べてる?」にして、応募ページへ送る
冒頭に付ける部品(4章) ②好奇心のギャップ(質問を先に出し、答えは最後)

この記事では、この型を「真似されてトレンドになる」側ではなく、同じ形で差し替え用の本数を安く作れる側として使います。8章の差し替えを回すとき、撮り足しが楽になるからです。

型C:音源で、届けたい年齢に合わせる型

何が起きる型か 曲を「流行っているか」ではなく「誰が聴いている曲か」で選ぶ。曲のファン層と届けたい年齢層が重なると、その層に見られやすくなり、時間も使ってもらいやすい
元になっている考え方 豊田はトレンド音源に◎を付けつつ、「流行っているから使う」のではなく狙うターゲットの年齢層とアーティストのファン層を一致させるために使うと分けています。毒上司ではNumber_iの「稲妻」を使い、狙った新卒=23歳前後とファン層を一致させました
広告にするとこうなる(架空) 大学生向けの自動車教習所の広告。商用利用できる音源の中から、大学生がよく聴いていそうな曲を選び、教官と教習生の「あるある」を乗せる
冒頭に付ける部品(4章) ④定位反射(曲の頭の音が鳴るところから映像を始める)

広告で使うときは、ひとつ大きな制約があります。広告に音楽を使うなら、商用利用できる音源(Commercial Music Library)から選ぶことになっています※2。毒上司のような既存のヒット曲を、広告でそのまま使えるとは限りません。「選べる曲の中で、誰が聴いている曲か」で選ぶ、と読み替えてください。音源で届け先を作る考え方の詳しい話は「TikTok広告のターゲティング設定完全ガイド」にあります。

型D:会社ではなく、人のアカウントに見せる型

何が起きる型か 会社が作った広告の見た目ではなく、出ている人の個人アカウントのような見た目にする。完成動画とストーリーズの中間の空気感(条件3)に寄せやすい
元になっている考え方 豊田が直近の実例として挙げた、キャバクラの採用企画。影響力のあるキャストの個人アカウント風の動画を採用アカウントに載せ、そのファンのおすすめ欄に届け、最後に「私と一緒に働こう」をキャプションとコメント欄に置いた設計です
広告にするとこうなる(架空) 美容室の新規予約の広告。店長が自撮りで「今日いちばん切ってよかった常連さんの話」をする。最後に「初めての方の予約は、こちらから」と一言、予約ページへ
採用目的なら:最後の一言を「この店で一緒に働きませんか」にして、採用ページへ送る
冒頭に付ける部品(4章) ③視線効果(1コマ目からカメラを見て話し始める)
型Dは「見た目」の話です

個人アカウント風にするのは見た目の話で、誰の広告かを隠すことではありません。社外のインフルエンサーやクリエイターに出てもらう場合は、依頼した関係を隠すとステルスマーケティング規制の対象になります(10章)。

どの型から始めるか

自社の状況 まず試す型
届けたい人の周りに、立場の違う人がいる(親と子、上司と部下、夫婦など) 型A
出演者に演技の経験がない/差し替え用に本数を作りたい 型B
届けたい年齢層がはっきりしている 型C
社内に「この人を見に来る」と言える顔がいる 型D

型は組み合わせてもかまいません(型Bの形を型Dの見た目で撮る、など)。ただし4章で書くとおり、1本の冒頭で狙う心理は1つにしてください。

上の広告化例はすべて架空です。実際に配信されている他社の広告を見たいときは、TikTok公式のCreative Center(クリエイティブセンター)の「トップ広告」が使えます。パフォーマンスの高いオークション広告を、業種・目的・地域などで絞り込んで見られます※9。自社の業種で絞り込んで何本か開き、1本ずつ「型A〜Dのどれに当たるか」「冒頭で何の心理を狙っているか」を当ててみてください。同業の広告がどの始まり方に寄っているかが分かると、条件4(見たことのない形)で外すべき形も見えてきます。

型の冒頭に付ける部品|狙う心理から設計する

型が決まったら、次は冒頭2秒です。「インパクトのある冒頭を」と言われて、大きな文字と効果音を足すところで会議が終わっていませんか?

弊社には、企画のときに使う心理要素のリスト(97項目)があります。そして企画を出す前に「どの心理要素を狙うか」を当てはめてから台本を書く、という順番で企画しています。この順番を、広告の冒頭2秒に使います。狙う心理が先に決まっていると、冒頭の一言を考える範囲がぐっと狭くなるからです。

リストにある心理要素の定義は心理学・行動経済学で一般に知られているもので、弊社が発見したものではありません。弊社が独自にやっているのは「企画の前に当てはめる」という運用のほうです。下の6つは、97項目の中から冒頭2秒に使いやすいものを選んだもので、弊社の広告での使用実績を並べたものではありません。

心理要素 一般的な意味 冒頭2秒に当てはめると(架空の例) 相性のよい型
①カクテルパーティー効果 雑音の中でも、自分に関係のある話は耳に入る 1秒目で「この春、引っ越す人だけ見てください」と呼びかける 型A
②好奇心のギャップ 知っていることと知りたいことの隙間を感じると、埋めたくなる 「この椅子、いくらだと思います?」と聞き、答えは最後に出す 型B
③視線効果 画面越しでも視線を感じると、注意が向く 1コマ目から出演者がカメラを見て話し始める。ロゴや商品カットから入らない 型D
④定位反射 突然の音や動きに、本能的に注意が向く 1秒目に「ドン」と箱を置く、ドアを開けるなど、画か音が動くところから始める 型C
⑤両面提示の効果 良い点だけでなく悪い点もあえて示すと、信頼されやすい 「うちの店、駅から遠いです」と弱みから入る 型D
⑥フォン・レストルフ効果 ほかと違う特徴を持つものは、記憶に残りやすい 同業の広告が商品のアップから入るなら、うちは作っている人の手元から入る どの型でも

※「一般的な意味」は心理学・行動経済学で一般に知られている定義の要約です。「当てはめ例」「相性のよい型」は、読者の方が自社に置き換えるための架空の例と組み合わせの目安です。

使い方:冒頭2秒で狙う心理は、1本につき1つ

1本の冒頭で狙う心理は1つにしてください。2秒に2つ詰めると、どちらも起きません。

そのかわり、同じ中身に対して、狙う心理を変えた冒頭を3案作っておきます。これが8章の差し替えで効いてきます。冒頭だけ替えた3本なら、撮影は1回で済みます(中身は共通で、頭の数秒だけ撮り分ける)。

冒頭で使わないほうがいい心理要素

リストには、恐怖や不安をあおる「恐怖訴求」、怒りをかき立てる「怒り・憤慨の効果」、先に好条件で合意させて後から条件を変える「ローボール・テクニック」なども入っています。冒頭の反応は取りやすくても、使い方次第で炎上や景品表示法上のリスクにつながるので、この記事の表からは外しました。使う場合は、表現を社内の法務・広報と必ず確認してください。

冒頭以外も含めた「企画の立て方」全体は、「TikTok企画の立て方|ネタより先に心理を決める順番と企画シート」で扱っています。

TikTok企画の立て方 TikTok企画の立て方|ネタより先に心理を決める順番と企画シート【100万再生137本の会社が公開】
スマートフォンで撮影する2人の女性
イメージ(写真:photoAC)

TikTok広告の動画の作り方7ステップ

ここまでを手順に並べます。順番に意味があるので、上から順にやってください。

STEP.1
送り先を決める(撮る前に)

最初に決めるのは動画の中身ではなく、見た人をどこへ送るかです。

豊田優人

撮る前に、どこで自社を知ってもらうのかのチャネル設計を先に決めろ。無名ならリーチは広告で取って、そこからHP・求人媒体へ送る。

ホームページの予約ページなのか、商品ページなのか、問い合わせフォームなのか。送り先を1つに決めてから次へ進みます。

STEP.2
誰のおすすめ欄に届けるかを決める

届けたい人の立場と年代を1行で書きます。管理画面の設定は「TikTok広告のターゲティング設定完全ガイド」が担当です。

STEP.3
型を1つ選び、冒頭で狙う心理を1つ決める

3章の「どの型から始めるか」の表で型を選び、4章の6つから冒頭で狙う心理を1つ決めます。迷ったら、表の「相性のよい型」の組み合わせから始めてください。

STEP.4
冒頭の一言と1コマ目を3案書く

狙う心理を変えて3案。1コマ目に何が映っているかまでセットで書きます。ロゴ・会社名・商品の全景から始まる案は、ここで外します。

STEP.5
2秒以降に「最後まで見る理由」を置く

総再生時間を稼ぐ設計です。答えを最後に出す(型B)、立場の違う2人のやりとりにする(型A)など、選んだ型の形をそのまま使えます。

STEP.6
1発撮りで撮る。NGは残す。尺違いも撮っておく

作り込まない。NGカットも使い切る。冒頭3案は、頭の数秒だけ撮り分けます。あわせて、冒頭を同じにした尺違いの版も1本作っておきます(7章)。テロップが読める・声が聞こえる、は落としません。撮影と編集の具体的な手順は「TikTok動画の作り方」にあります。

STEP.7
規格に合わせて書き出し、差し替え表を決めてから入稿する

7章の早見表で規格を確認して書き出します。そして入稿の前に、8章の差し替え表を先に埋めておく。出してから考えると、数字を見て迷っているうちに予算が溶けます。

ステップ6について補足すると、会社アカウントには上下関係があるため「作られた台本の中の作られた雰囲気」が構造上出てしまい、それが伸びない原因になる、というのが豊田の考え方です。台本を書くかどうかそのものについて、代表に確認が取れているのはこの考え方までです。この記事では「台本を書くな」とは書きませんが、セリフを暗記させて演技をつける方向には振らないことをおすすめします。型Bが撮りやすいのは、このためです。

明日そのまま使える「広告クリエイティブ設計シート」

7ステップを1枚にしたものです。右端の「根拠」列で、代表の考え方に基づく欄・公式の仕様に基づく欄・編集部案の欄を分けてあります。社内で説明するときに、どこまでが裏付けのある話かを区別して使ってください。

記入例は、地域の家具店が来店予約を取る広告という架空の設定です。

欄 書くこと 記入例(架空) 根拠
①送り先 見た人をどこへ送るか(1つ) 店舗ホームページの来店予約ページ 代表の考え方(撮る前にチャネル設計を決める)
②届け先 届けたい人の立場・年代を1行で この春に引っ越しを控えた、近隣に住む20〜30代 設定はターゲティングの記事
③型 3章の4つから1つ 型D(店長の自撮り風) 型の中身は代表の考え方、広告への当てはめは編集部案
④冒頭で狙う心理 4章の6つから、⑤の案ごとに1つ(1案に2つ詰めない) A=②好奇心のギャップ/B=⑤両面提示の効果/C=①カクテルパーティー効果 心理を先に当てはめるのは弊社の運用。選び方は編集部案
⑤冒頭の3案 1コマ目に映るもの+最初の一言 A:店長がソファに座ったまま「このソファ、いくらだと思います?」
B:店の外観の前で「駅から遠い家具屋です」
C:段ボールの山の前で「この春引っ越す人だけ見てください」
編集部案(弊社の広告で使った文言ではない)
⑥最後まで見る理由 2秒以降に何を置くか 座り心地を店長が本音でしゃべり、値段は最後に出す 総再生時間が最重要(代表)。仕掛けの形は編集部案
⑦最後の一言 ①の送り先へ動いてもらう一言 「実物に座れるのは、お店だけです」 送り先まで運ぶのが広告の役目(代表の考え方)
⑧尺 公式推奨の長さの版と、短く詰めた版の2本。冒頭は同じにする A案で、25秒版と、座り心地の話を1つに絞った18秒版 推奨21〜34秒は公式(7章)。2本で比べるのは編集部案
⑨撮り方 誰が・何回で撮るか 店長がスマホで1発撮り。言い間違いは残す。A〜Cは頭の数秒だけ撮り分け 代表の編集方針(作り込まない・NGも使い切る)
⑩作られた感チェック ロゴから入っていないか/演技をつけていないか/言い直しを全部消していないか 3つともOK 代表の考え方をチェック項目にしたもの
⑪差し替えの段取り 8章の表のどの症状なら、⑤〜⑦のどこを替えるか 冒頭で離れる→B・Cへ。最後まで見られるのに押されない→⑦を替える 判断のタイミングは公式の学習期間の目安(8章)

記入例の⑤〜⑧から、配信に入れるのはA(25秒)・A(18秒)・B・Cの4本になります。Aの2本は冒頭が同じなので、差が出たら尺の差、と読めます。

コピー用:空欄の設計シート

広告クリエイティブ設計シート(1本分)
  1. 送り先(1つ):
  2. 届け先(立場・年代を1行で):
  3. 型(A〜Dから1つ):
  4. 冒頭で狙う心理(案ごとに1つ):
  5. 冒頭の3案(1コマ目+最初の一言) A: B: C:
  6. 2秒以降に置く「最後まで見る理由」:
  7. 最後の一言(送り先へ):
  8. 尺(推奨の長さの版/短く詰めた版。冒頭は同じ):
  9. 撮り方(誰が・1発撮り・NGの扱い):
  10. 作られた感チェック(ロゴ始まり/演技/言い直し全消し):
  11. 差し替えの段取り(症状→替える欄):

シートの①が空欄のまま⑤を書き始めたら、一度手を止めてください。送り先が決まっていない広告の動画は、うまくいっても「見られただけ」で終わります。

規格・尺の早見表(公式の仕様)

規格は最低限だけ置きます。数値はTikTok for Businessの公式ページで2026年9月30日に確認したものです。仕様は改定されるので、入稿の直前に公式ページで最新の値を確認してください。

項目 公式の仕様・推奨 出典
アスペクト比と解像度 縦9:16(推奨)・540×960px以上/横16:9・960×540px以上/正方形1:1・640×640px以上 ※1
動画の長さ(入稿できる長さ) 最大10分 ※1
ファイル形式 .mp4/.mov/.mpeg/.3gp/.avi ※1
ファイルサイズ 500MB以下 ※1
ビットレート 516kbps以上 ※1
表示されるアカウント名 日本語は最大10文字(1行) ※1
セーフゾーン 画面上のボタンやテキストと重ならない範囲を示すファイルが公式に用意されている。重要な文字はその内側に置く ※1
推奨の尺 21〜34秒(インフィード広告の推奨として、2021年5〜7月の調査をもとに示されたもの) ※2
画質 720p以上を推奨 ※2
音楽 広告に音楽を使うなら、アプリ内のCommercial Music Library(商用利用できる音源)から選ぶ ※2

尺について。弊社は、広告に出した動画の尺別の成果を、記事に出せる形では持っていません。そのため「広告は何秒が正解」とは書かず、設計シートの⑧のとおり推奨の長さの版と短く詰めた版を、冒頭を同じにして並べる方法をおすすめしています。公式が示す推奨の尺は資料や時期によって示し方が異なり、ここに載せた21〜34秒も2021年の調査にもとづく数字です。どの数字を見た場合でも、最後は自社の配信結果で決めるのが確実です。

差し替えの回し方|どの数字を見て、いつ、どこを替えるか

広告の動画は、出したら終わりではありません。むしろ出してからが本番です。とはいえ、「数字が悪いから新しいのを作ろう」と毎回ゼロから作り直していたら、担当者の体がもちません。

考え方はシンプルです。悪い数字の場所に合わせて、動画の一部分だけを替える。豊田が見ている数字——最重要の総再生時間と、その手段として見る冒頭2秒の離脱・平均視聴率——を、広告マネージャーの指標名に置き換えて、動画の頭から順に並べたのが下の表です。

症状 広告マネージャーで見る指標(計算の仕方) 替える場所(設計シートの欄) 替えないもの
冒頭で大半が離れる 「動画の2秒視聴数」÷「動画視聴数」
=再生が始まったうち、2秒を越えた割合。低いほど冒頭で離れている
⑤冒頭だけ(B案・C案へ) ⑥中盤・⑦最後
2秒は越えるが途中で離れる 「25%までの再生数」「50%までの再生数」「75%までの再生数」「再生完了数」をそれぞれ「動画視聴数」で割り、どこで大きく落ちるかを見る。あわせて「動画視聴1回あたりの平均視聴時間」 ⑥最後まで見る理由(または⑧尺の短い版へ) ⑤冒頭(ここは勝っている)
最後まで見られるのに押されない 「クリック数(誘導先)」÷「インプレッション数」 ⑦最後の一言と、①送り先との言っていることのズレ ⑤⑥
押されるのに成果にならない 「コンバージョン率(CVR、クリック)」
=誘導先へのクリックのうち、コンバージョンにつながった割合
動画ではなく送り先のページ 動画全部

※「」内の指標名は、TikTok広告マネージャー ヘルプセンターの「動画再生のデータ指標」「基本データ指標と定義」に載っている表記です(2026年9月30日確認)※7※8。割り算の組み合わせは編集部の提案する見方で、この形の列が管理画面に用意されているわけではありません。豊田が最重要とする総再生時間にそのまま当たる指標は、この2ページには載っていないため、目安としては「動画視聴1回あたりの平均視聴時間」×「動画視聴数」で見てください。

判断の前にそろえる3つの条件

表のどの行に当たるかを決める前に、比べ方をそろえます。ここがずれていると、「冒頭が悪い」のか「条件が違っただけ」なのかが分かりません。

比べる前にそろえること
  1. 学習期間が落ち着くまで待つ。公式ヘルプでは、通常、キャンペーンが学習期間に入ってから約25件の成果または7日が経過するとパフォーマンスの変動が落ち着き始める、とされています。学習期間中は、キャンペーン/広告セットの一時停止や、学習期間のステータスを再度発生させる編集を避けるよう案内されています※6。この前の数字で動画を替えないでください。どの編集がそれに当たるかまではこのページに書かれていないため、この記事では「動画を替えた・足したら、その広告セットの数字はまた揺れる」ものとして扱い、替えるのは1回に1か所、替えたらまた落ち着くまで待ってから次を見る、を手順にします
  2. 比べる動画の条件をそろえる。同じ広告セット(同じ届け先・同じ予算の枠)に入れ、同じ日数で見る。比べる2本は替えた1か所以外を同じにしておく(冒頭違いなら中盤と最後は同じ、尺違いなら冒頭は同じ)
  3. 回数ではなく率で比べる。同じ広告セットの中でも、動画ごとの表示回数には差が出ます。上の表の割り算のように、割合で並べて比べます

そのうえで、並べた中でいちばん悪い1本の、表の該当する1か所だけを替えます。「冒頭2秒の離脱が何%を超えたら」という絶対の基準は、弊社としては持っていません。商材や届け先で変わる数字なので、自社の動画どうしの比較がいちばん条件のそろった物差しになります。

4行目の「送り先の問題」をどう診断するかは、「TikTok広告の費用」で扱っています。

勝った動画は「焼き直し」ではなく「冒頭違い」で増やす

1本当たると、同じ動画をもう1本作りたくなります。ここで気をつけたいのが、豊田が「もう通用しなくなった手法」に挙げている既存の動画をもとにした焼き直し運用です。

豊田は、伸びない会社の共通点の1つとしても、既存の動画をもとに運用するので同じコンテンツばかり増えることを挙げていて、これは自社運用でも運用代行でも起きる、と言っています。

勝った1本を増やすときは、中身(⑥)は残して、冒頭(⑤)の狙う心理を変える。型Bのような単純な形なら、題材だけ替えた別の回を撮る手もあります。見る人から見て「見たことのある広告」にならないことが、条件4(見たことのない形)とも両立します。

要するに

差し替えは学習期間が落ち着いてから、条件をそろえた比較で、「悪い数字の場所」だけ。冒頭で離れるなら冒頭、途中で離れるなら中盤か尺、押されないなら最後の一言、成果にならないなら送り先。

自社の実数を、差し替え表の段に分けて読む

弊社が自社の採用募集で回したTikTok広告の数字は、約40日・広告費20万円で、リード95件→面談27件→採用7名です。これを、8章の差し替え表の段に並べ直してみます。

段 差し替え表の行 この配信の数字
冒頭2秒 1行目(⑤冒頭) この記事では出していません
中盤(最後まで見るか) 2行目(⑥・⑧)
最後の一言(押されるか) 3行目(⑦)
送り先で申し込む 4行目(①送り先) リード95件(1件あたり約2,105円)
面談 動画の外 27件(リードの約28%)
採用 動画の外 7名(面談の約26%)

※1件あたりの金額と割合は、上の4つの数字(20万円・95件・27件・7名)からの計算値です。

こう並べると、この実績から言えることと言えないことがはっきりします。言えるのは、広告費20万円で、動画を見た人が送り先で申し込むところまで95件分つながったこと、そしてリードから先の面談・採用は、動画を差し替えても直接は動かない段だということです。逆に、どの冒頭・どの型・何秒の動画が効いたかは、1〜3行目の数字を出していないので、この表からは言えません。販促や商品購入の広告でも同じ単価になるかも、採用目的の配信の数字なので言えません。

この表は、読者の方が自社の広告を見るときにもそのまま使えます。数字を段ごとに分けて書き出しておけば、悪いのが動画(1〜3行目)なのか、送り先(4行目)なのか、その先なのかを最初に切り分けられます。動画を替えるのは、1〜3行目が悪いときだけです。

この数字の読み方

これは採用(人材の応募獲得)を目的とした配信の実績です。販促や商品の購入が目的なら、オファーの重さが違うので、単価は同じになりません。「うちの商品でもリード2,105円で取れる」とは読まないでください。この配信で使った動画の中身は、この記事では載せていません。

予算から何本入れられるかの逆算は「TikTok広告の費用」で扱っています。

やりがちな失敗と、法律まわりの注意

やりがちな失敗5つ

  • 予算がついたから、作り込む。2章の条件3の逆です。カット割りやエフェクトを足すほど、完成動画の側に寄っていきます
  • 見た目のいい人を起用すれば勝てると考える。下の豊田の言葉のとおりです
  • 勝った動画を焼き直す。8章のとおり、増やすなら冒頭違いで
  • ロゴ・会社名・商品の全景から始める。条件4の「見たことのある形」の代表です
  • 学習期間中に動画を入れ替える。数字が落ち着く前に替えると、何が悪かったのかが分からないまま次に進みます(8章)

2つ目について、豊田の言葉はかなりはっきりしていました。

豊田優人

キャスティングして可愛い子を出すだけの差別化は、今はステマチックに見られるので取らない。

否定しているのは「出すだけ」の差別化です。外部の出演者を起用すること自体の線引きは、代表に確認が取れていません。型Dのように「人に出てもらう」なら、見た目で選ぶのではなく、その人を見に来る人がいるかで選ぶ、というのが3章の置き換え方です。

法律まわりで、最低限おさえること

広告の動画は「作り込まない」ほうがいい一方で、表現のルールは作り込まないでは済みません。出稿前に、少なくとも次の3つは確認してください。

出稿前に確認する3つ
  • ステルスマーケティング(景品表示法):2023年10月1日から、広告であるのに広告であることが分からない表示は景品表示法違反になりました。企業がインフルエンサーなど第三者に依頼・指示した投稿も対象です※4。Spark Adsで他のクリエイターの投稿を使う場合や、型Dのように個人アカウント風に見せる場合は特に注意してください
  • 薬機法(医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器など):虚偽・誇大な広告は禁止されていて、医師などが保証したと誤解させる表現も違反になります※5。「使ってみたら治った」のような体験談の形でも、効能効果の言い方には注意が必要です
  • 音楽の権利:広告に音楽を使うなら、商用利用できる音源(Commercial Music Library)から選びます※2。ふだんの投稿で使えた音源が、広告でも使えるとは限りません(3章の型C)

広告審査で差し戻されやすい表現と、落ちたときの対処は「TikTok広告とは?費用・始め方・効果」にまとめています。

広告の動画は、社内で作るか外に頼むか

ここは、読者の方が気にされるところだと思います。先に言っておくと、弊社も運用代行をしている側です。そのうえで、判断の材料を正直に書きます。

まず、8章で触れた「同じコンテンツばかり増える」は、豊田によれば自社運用でも運用代行でも起きることです。外に頼めば解決する、という話ではありません。

そこで、次の3つで判断してください。

確認すること 「はい」なら 「いいえ」なら
設計シートの①送り先と②届け先を、社内で決められるか 社内で進められる ここは外に頼んでも、最後は社内で決めることになる。先に社内で相談相手を探す
型を選び、冒頭3案を、狙う心理を変えて書けるか 社内で進められる 企画だけ外に頼む選択肢がある
8章の差し替えを、学習期間を待ってから条件をそろえて回せる体制があるか 社内で進められる 運用ごと外に頼むことを検討する

外に頼む場合は、作り込みの量ではなく、冒頭の案の数と差し替えの回数で見積もりを取ることをおすすめします。1本を磨く見積もりは、2章の条件3と逆の方向にお金が流れやすいからです。

TikTok広告の動画でよくある質問

中身の作り方は同じです。どちらも作り込まず、冒頭2秒と総再生時間で考えます。すでに反応の良かった自社の投稿があるなら、Spark Adsでその投稿を広告として配信する方法もあります※3。新しく撮るなら、3章の型を1つ選び、6章の設計シートで冒頭を3案用意しておくと、差し替えが回ります。

この記事で確認した公式資料の推奨は21〜34秒です(2021年の調査にもとづく推奨)※2。入稿自体は最大10分まで可能です※1。公式が示す推奨の尺は資料や時期によって示し方が異なるので、1つの数字に決め打ちせず、推奨の長さの版と短く詰めた版を、冒頭を同じにして並べて、自社の配信結果で決めてください(6章の⑧)。

この記事の提案は、同じ中身に冒頭違いを3案、そのうち1案に尺違いを1本の計4本です。冒頭だけ撮り分ければ撮影は1回で済み、8章の差し替えも回せます。予算に対して何本入れられるかは「TikTok広告の費用」で扱っています。

その不安はよく分かります。ただ、豊田は「作られた感が出すぎる動画はダメ」と言っていて、TikTok for Businessの資料も、大きな制作予算がなくてもスマホで始められる、という方向です※2。崩すのは空気感で、画質・音声・テロップの読みやすさは落とさない、と分けて考えてください。

豊田は「キャスティングして可愛い子を出すだけの差別化は取らない」と言っています。この記事の範囲で言えるのは、誰が出るにしても演技をつけないこと、そして社内に「この人を見に来る」と言える顔がいるなら3章の型Dが使えることです。誰を出すかで届く人が変わる、という話は「TikTok広告のターゲティング設定完全ガイド」にあります。

まだ替えないでください。公式ヘルプでは、学習期間に入ってから約25件の成果または7日でパフォーマンスの変動が落ち着き始める、とされています※6。落ち着いてから、8章の差し替え表でどこで人が離れているかを見ます。冒頭・中盤・最後の一言のどこかで離れているなら動画、押されているのに成果にならないなら送り先のページです。配信設定の見直しはターゲティングの記事に譲ります。

まとめ:型を1つ選んで、設計シートを1枚埋める

この記事の要点
  • 広告の動画は送り先まで人を運ぶところまでが仕事。撮る前に送り先を決める
  • 成果が出る条件は4つ:①冒頭2秒で離脱されない ②時間を使わせる ③作られた感を出さない ④見たことのない形
  • 使える型は4つ:A 立場の違う2人/B 演技力がなくても成立する単純な形/C 音源で年齢を合わせる/D 人のアカウントに見せる
  • 冒頭2秒は狙う心理を1つ決めてから書く。同じ中身に、心理違いの冒頭を3案
  • 尺は推奨の長さの版と短く詰めた版を、冒頭を同じにして並べる
  • 差し替えは学習期間が落ち着いてから、条件をそろえて、悪い数字の場所だけ
  • 勝った動画は焼き直さず、冒頭違いで増やす
  • ステマ規制・薬機法・音楽の権利は、出稿前に必ず確認

今日やることは2つです。6章の設計シートの①送り先を1行で書き、3章の表で型を1つ選んでください。そこが決まれば、④〜⑪は上から順に埋まります。

もし、①送り先や②届け先の段階で社内の意見がまとまらない、冒頭の3案が出てこない、差し替えを回す手が足りない——そういうときは、弊社に相談していただくこともできます。ご相談で最初にうかがうのは次の3点です。

  1. どんな人材が欲しいのか(それに合わせてコンテンツを組まないと外すため)
  2. どこで自社を知ってもらうのか(ホームページ・求人媒体・SNSのどれを前提に組むのか)
  3. リーチをオーガニックで取るのか、広告で取るのか

1つ目は採用を前提にした聞き方ですが、販促の場合も、2つ目と3つ目はそのまま当てはまります。この2つは、この記事の設計シートの①と②そのものです。

関連記事

TikTok広告の運用のやり方 TikTok広告の運用のやり方|出稿後に見る指標の順番と週次の回し方 TikTok広告の効果は?出る商材・出ない商材と測り方、出稿の判断基準 TikTok広告の効果は?出る商材・出ない商材と測り方、出稿の判断基準 TikTok広告の成功事例7選 TikTok広告の成功事例7選|公式事例を目的別に読み、自社に当てはめる方法

この記事を書いた人

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウントを含む自社TikTokアカウント群を運用し、100万再生を超えた動画は137本、累計4.61億再生。複数の記事で取り上げられたほか、大学での登壇歴がある。株式会社BEEMは「SNS採用のみで採用したメンバーで構成される会社」として、TikTokの運用代行・広告運用・採用支援を提供している。

出典

  1. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTokオークションIn-Feed広告」(2026年6月更新)。アスペクト比・解像度・動画の長さ・ファイル形式・ファイルサイズ・ビットレート・アカウント名・セーフゾーン。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/video-ads-specifications?lang=ja
  2. TikTok For Business「7 Top Tips for Making TikTok Videos」/「TikTok Creative Quality Control Checklist」(PDF)。インフィード広告の推奨尺21〜34秒(Decision Tree Model based Ads Creative Performance Research, May – July 2021)、9:16、720p以上、Lo-Fiの考え方、Commercial Music Library。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/business/library/Top_Tips_One_Pager_SMB.pdf
  3. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「Spark Adsについて」(2026年6月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/spark-ads?lang=ja
  4. 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」2026年9月30日確認 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
  5. 厚生労働省「医薬品等の広告規制について」。2026年9月30日確認 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/index.html
  6. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「学習期間について」(2026年6月更新)。学習期間に入ってから約25件の成果または7日でパフォーマンスの変動が落ち着き始めること、学習期間中に避ける操作。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/learning-phase?lang=ja
  7. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「動画再生のデータ指標」(2025年11月更新)。動画の2秒視聴数・動画視聴数・25%/50%/75%までの再生数・再生完了数・動画視聴1回あたりの平均視聴時間の名称と定義。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/video-play?lang=ja
  8. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTok広告マネージャー内の基本データ指標と定義について」(2025年10月更新)。インプレッション数・クリック数(誘導先)・コンバージョン率(CVR、クリック)の名称と定義。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/basic-data?lang=ja
  9. TikTok Creative Center「トップ広告:高いパフォーマンスを発揮するオークション広告」。業種・目的・地域・広告フォーマット・広告言語などでの絞り込み。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/business/creativecenter/inspiration/topads/pc/ja
本文中のデータについて

本文中の広告実績(約40日・20万円・リード95件・面談27件・採用7名)は、弊社(株式会社BEEM)が自社の採用募集で配信したTikTok広告の実績です。リード単価・各転換率は、この数字からの計算値です。100万再生超え137本・累計4.61億再生は、弊社の会社アカウントの公開中の投稿(607本)から数え直した数字です(2026年10月13日時点)。3章の型は代表が自社アカウントの設計として話している内容をもとに編集部が広告向けに置き換えたもので、広告化例・心理要素の当てはめ例・設計シートの記入例は架空のものです。心理要素の定義は心理学・行動経済学で一般に知られている内容の要約です。広告の仕様・ポリシー・法令の記載は2026年9月30日時点で確認したもので、改定される場合があります。

SNS採用でお困りなら

採用につながるSNS運用、まるごとお任せください

無料で相談してみる

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です