- 「うちもTikTokやるか」と言われたが、企業アカウントが本当に伸びるのか半信半疑な広報・SNS担当者の方
- 「企業アカウント」と「ビジネスアカウント」の違いがよくわからないまま検索している方
- 社内でTikTok運用を提案・決裁するために、根拠となる実データを探している方
先に、この記事の結論をお伝えします。
企業のTikTokアカウントは、正しく運用すれば伸びます。弊社(株式会社BEEM)の公式アカウント@beem_officialは、5年半で投稿582本・累計4.27億回再生・100万再生超え124本という結果になりました。しかも約9割の動画が10万再生を超えています。
この記事が他と違うのは、この582本ぜんぶの実測データ(再生数・尺・投稿時間・エンゲージメント)を、隠さず集計して公開することです。うまくいった年も、正直しんどかった年もそのまま見せます。アカウントは公開されているので、疑わしければ今すぐ見に行って確かめていただいてOKです。
目次
TikTok企業アカウントとは?「ビジネスアカウント」との関係
いきなりですが、大事なことをお伝えします。TikTokに「企業アカウント」という専用の登録種別はありません。
「え、じゃあこの記事は何なの?」と思われたかもしれません。整理するとこうなります。
- 世間で言う「企業アカウント」=企業が運用しているTikTokアカウントのこと(呼び方の問題)
- TikTokの機能として実在するのは「ビジネスアカウント」という設定。通常のアカウントを開設したあと、設定画面から無料で切り替えられます※1
- つまり「企業アカウントを作る」とは、実務では「①アカウントを開設して → ②ビジネスアカウントに切り替えて → ③企業として運用する」の3点セット
豊田優人
個人アカウントとビジネスアカウントの違い【比較表】
企業が運用するなら、原則ビジネスアカウントを推奨します。ただしトレードオフが1つだけあり、そこを知らずに切り替えると「あれ、あの曲使えない…」と困ることになります。違いを表にまとめました。
| 項目 | 個人アカウント | ビジネスアカウント |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 無料(切り替えも無料) |
| プロフィールの外部リンク | 原則フォロワー1,000人までは設置不可 | ビジネス情報の登録をすればフォロワーが少なくても設置可※2 |
| 分析機能(インサイト) | 基本的な分析 | 視聴者属性・流入経路など詳細な分析 |
| 広告との連携 | 制限あり | 広告マネージャーと連携可(投稿の広告転用など) |
| 使える音源 | 流行りの楽曲・J-POPなども利用可 | 商用楽曲ライブラリ(CML)内の音源に限定※1 |
最大の論点は、最後の音源制限です。「トレンドの人気曲に乗れないなら、企業アカウントは不利では?」とよく言われます。
豊田優人
音源制限は「企画力で普通に乗り越えられる壁」というのが、5年半運用してきた実感です。
なぜ今、企業がTikTokアカウントを持つべきなのか
「流行っているから」では社内稟議が通らないと思いますので、数字でお話しします。
理由1:日本人の3人に1人が使う場所になった
TikTokの日本国内ユーザー数は4,200万人を突破しました※3。ざっくり日本人の3人に1人です。年代別に見ると、10代の65.7%、20代の58.7%が利用しています※4。若い顧客・若い人材にリーチしたい企業にとって、彼らが毎日いる場所にアカウントがないのは、それだけで機会損失です。
理由2:会社名がTikTokで「検索」される時代になった
見逃されがちな変化ですが、若い世代は調べものをGoogleではなくSNSでするようになりました。Z世代の女性への調査では、お出かけ先を探すのにInstagramを64.6%、TikTokを39.0%が使っています※5。
つまり、会社名や商品名がTikTok内で検索される時代です。検索されたとき、公式の動画が1本もないのと、雰囲気の伝わる動画が並んでいるのとでは、印象がまるで違います。
理由3:フォロワーゼロでも「おすすめ」に載る
TikTok最大の特徴が、フォロワー数より「その動画が良いか」で表示が決まるアルゴリズムです。開設したばかりの無名アカウントでも、内容が良ければ「おすすめ」に乗って一気に広がります。実際、弊社も完全に無名の状態から100万再生を量産しました。後発の企業にこそチャンスがある、珍しいプラットフォームなのです。
【全データ公開】自社アカウント582本・4.27億再生を集計してわかった法則
ここからが、他の記事には絶対に書けない部分です。弊社の公式アカウント@beem_officialの全投稿582本(2020年9月〜2026年4月)の実測データを、すべて集計しました。
豊田優人
まず全体像
| 指標 | 実測値(@beem_official・自社調べ) |
|---|---|
| 投稿本数 | 582本(約5年半) |
| 累計再生数 | 4億2,745万回 |
| 1本あたり平均 | 73.4万回 |
| 100万再生超え | 124本(全体の21%)・この124本だけで2.62億回 |
| 10万再生超え | 519本(全体の89%) |
| 最高再生数 | 830万回(11秒の動画) |
| 平均エンゲージメント率 | 2.88% |
個人的にいちばんお伝えしたいのは、100万再生の本数より「約9割の動画が10万再生を超えている」ことです。一発バズは運でも起きます。しかし9割が10万超えは、運では起きません。型の再現性です。
伸びる動画の共通点(582本の集計結果)
| 切り口 | データが示す事実 | 導き出せるアクション |
|---|---|---|
| 動画の長さ | 0〜15秒が164本で平均112万再生。16秒以上はどの尺でも平均50〜60万で、ほぼ半分 | まず15秒で作る |
| トップ層の尺 | 再生数トップ8はすべて9〜25秒。100万超え124本のうち58本が15秒以下 | 迷ったら削る |
| ジャンル | コメディ系が362本(62%)で主軸。「会社あるある・上司ネタ」の共感系 | 職場のリアルを笑いに変換する |
| 音源 | オリジナル・独自音源が86%(498本) | 音源制限は怖くない。自分の型を持つ |
| 投稿時間 | 93%(540本)を朝8〜10時台に投稿 | 通勤・始業前の朝に出す |
| 反応 | 0〜15秒の平均ERは3.19%で、全体平均2.88%を上回る | 短いほど完走され、反応も付く |
いちばん意外だったのは、やはり「短いほど伸びる」でした。最初は「企業として、ちゃんと伝えなきゃ」と気合を入れて60秒の動画を作っていたのですが、データを見たら15秒のほうが倍伸びていた。企業アカウントが伸びない原因の多くは、この「ちゃんと伝えたい病」だと考えています。
正直に言うと、ずっと右肩上がりだったわけではありません
かっこつけずに、年別の推移も出します。
| 年 | 本数 | 1本あたり平均再生 |
|---|---|---|
| 2020(開始) | 48本 | 26.9万回 |
| 2021 | 185本 | 127.7万回(爆発期) |
| 2022 | 107本 | 70.5万回 |
| 2023 | 55本 | 43.9万回 |
| 2024 | 46本 | 23.1万回 |
| 2025 | 133本 | 50.7万回(立て直し) |
2021年に大きく跳ねたあと、2023〜2024年は投稿本数が落ち、平均再生もはっきり下がりました。理由はシンプルで、忙しくなって投稿頻度が落ちたからです。そして2025年、投稿本数を週2〜3本ペースに戻したら、平均再生も戻ってきました。
「継続が大事」とは標語のように言われますが、うちのデータはそれを数字で突きつけてきます。少し耳が痛いのですが、これから始める方には、この失敗ごと参考にしていただきたいです。
TikTok企業アカウントの作り方5ステップ
「まずは自社でやってみたい」という方のために、開設から運用開始までを5つのステップで整理します。
伸びる企画フォーマットと「トレンドの先回り」
鉄板の企画フォーマット5選(582本の実測データ発)
- 会社あるある・共感コメディ:「会社あるある集」「上司の反応」系。弊社の主軸で、582本中362本がコメディ系です
- 社員紹介・1日密着:人柄と仕事のリアルが伝わる。採用目的なら特に必須
- 仕事の裏側・専門ノウハウ:「プロはこう見る」系。業種の専門性がそのまま企画になります
- オリジナル音源×ネタのシリーズ化:独自の型は真似されにくく、資産になります(弊社は86%が独自系)
- トレンド活用:流行の音源・フォーマットに自社らしさを乗せる。ただしやり方にコツがあります(次で詳しく)
トレンドは「後追い」ではなく「先回り」で仕込む
これが、582本投げて気づいた、弊社のいちばん大事なノウハウです。
多くの企業アカウントは、トレンドが流行ってから慌てて乗ろうとします。しかし企業は確認や決裁で時間がかかるため、乗れた頃には波が終わっている。だから伸びません。
発想を逆にします。トレンドの多くは、未来に予測できるのです。
決裁が遅い企業こそ、この「先回り」型が効きます。月初の企画会議で翌月の先回りネタを仕込んでおく。これが、弊社のいちばん再現性の高い勝ち筋です。
続けるための運用体制と費用(自社運用か、代行か)
身も蓋もない話をすると、企業のTikTokアカウントの死因の第1位は「炎上」でも「ネタ切れ」でもなく、「担当者が忙しくなって更新が止まる」です。弊社の年別データがまさにそれで、投稿が減った2023〜2024年は平均再生も一緒に沈みました。
- 頻度:立ち上げ期は週2〜3本を目安に。まず数を出して反応を見る
- 役割分担:企画/出演/撮影・編集/投稿・分析を誰がやるか決める。1人に全部背負わせると、その人の退職と同時にアカウントが終わります
- まとめ撮り:撮影日を月1〜2回設けて“在庫”を作る。ネタ切れ・多忙対策はこれが一番効きます
- 社内の理解:「再生数が伸びない最初の1〜2ヶ月」に経営層が我慢できるか、先に握っておく
自社だけで回すのが難しければ、編集だけ外注する、あるいは丸ごと運用代行という選択肢もあります。運用代行の相場は月10万〜50万円が目安です※6。詳しくはSNS採用 運用代行の費用相場と失敗しない選び方にまとめています。
弊社(株式会社BEEM)がお手伝いできること
豊田優人
効果測定とKPI設計【実数値つき】
再生数“だけ”を追うと、確実に迷子になります。目的への貢献を段階で見るのが鉄則です。参考までに、弊社が企業アカウントの認知を採用につなげたときの実数を載せます。
| 段階 | 見るKPI | 弊社の実績(自社調べ) |
|---|---|---|
| 認知 | 再生数・リーチ | 582本で累計4.27億回(うち100万超え124本) |
| 関心 | 視聴維持率・保存・ER | 平均エンゲージメント率2.88% |
| 行動 | プロフィール遷移・リンククリック・応募/問い合わせ | 広告転用で95リード(予算20万円) |
| 面談・商談 | 件数・単価 | 面談27件(面談単価7,407円) |
| 成果 | 採用数・成約数と単価 | 採用7名(採用単価 約2.9万円/人) |
オーガニック運用で作った「認知の貯金」を、広告やライブ配信で刈り取る。この組み合わせが一番効率的でした。
炎上・コンプラ対策チェックリスト
企業アカウントは個人と違い、一度の失敗が会社全体の看板に跳ねます。投稿前チェックを仕組みにしてください。弊社が痛い目を見る前に固めておいて、本当に良かったものです。
- 出演する社員本人から、撮影・公開の同意をもらった(書面が安心)
- 出演社員が退職したときの、動画の削除・取り扱いルールを決めてある
- 音源は商用楽曲ライブラリ内か、権利処理済みか確認した(ビジネスアカウントは特に)※1
- 第三者の顔・個人情報・社外秘・お客様情報が映っていない
- 誇大・差別的・不適切な表現がない(必ず複数人でチェック)
- 景品表示法・薬機法など、業界特有の規制に触れていない
- 万一炎上したときの一次対応(誰が判断して、どう動くか)を決めてある
企業アカウントの成功事例
弊社は自社アカウントだけでなく、さまざまな業種の企業アカウント運用を支援してきました。そのいずれでも100万再生超えのコンテンツが生まれています。
- 自社(ベンチャー・@beem_official):会社あるある・上司ネタの共感コメディで582本・累計4.27億回再生。この認知を土台に、広告20万円で7名・ライブ60時間で6名を採用
- 採用難と言われる現場職・専門職(ナイトワーク・理容・美容医療など):仕事のリアルと人柄を見せる動画で、認知と応募を獲得(※業種のみ掲載)
「カタい業種・地味な業種だと無理でしょう」と思われがちですが、実際は逆で、現場のリアルが見えにくい業種ほど、見せたときのインパクトが大きいのです。成功アカウントの共通点は3つです。
- 主役は“人”:会社案内ではなく、社員個人のキャラを前に出す
- 短尺×共感を、止めずに続ける:15秒前後・あるある/ホンネ系を、頻度を保って
- 導線がつながっている:動画→プロフィール→リンク先が切れていない
TikTok企業アカウントのよくある質問
無料です。アプリの設定から数分で切り替えられます※1。あとから元に戻すこともできます。
あります。TikTokはフォロワー数より動画単位の評価で表示が決まるため、弊社も無名から100万再生を量産しました。むしろ後発に優しいSNSです。
弊社の全582本のうち86%はオリジナル・独自音源で、それで累計4.27億回まで来ました。企画と型で十分戦えます。
オーガニック単体なら数ヶ月単位で見てください。ただし、伸びた動画を広告に転用したりライブ配信を組み合わせれば、短期で問い合わせ・応募まで到達できます(弊社は広告+ライブで最短1週間で面談まで行けました)。
その感覚は正しいです。撮影・公開の同意、退職時のルールを先に固めてください。9章のチェックリストをそのままお使いいただいてOKです。
基本は同じですが、採用特化のノウハウ(広告・ライブの使い分け、応募導線)はTikTok採用の完全ガイドに詳しくまとめています。
まとめ:設定は5分で終わる。勝負はそのあと
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 「企業アカウント」という専用種別はない。実務は「開設→ビジネスアカウントに無料切り替え→運用」の3点セット
- ビジネスアカウントの弱点である音源制限は、企画で解決できる(弊社の伸びた動画の86%がオリジナル音源)
- 全582本の実測データから、「15秒×共感系コメディ×朝8〜10時投稿」という再現可能な勝ちパターンが存在する
- 約9割の動画が10万再生超え。バズは運ではなく「型の再現性」
- 投稿が止まると数字も沈む(弊社の2023〜2024年が実例)。続けられる体制づくりが最重要
TikTok企業アカウントの立ち上げ自体は、拍子抜けするほど簡単です。アカウントを作って、ビジネスアカウントに無料で切り替えて、プロフィールを整える。ここまで正味5分。
勝負はそのあとで、「15秒×共感の企画」「トレンドの先回り」「続けられる体制」の3つが揃うかどうかで決まります。弊社自身、半信半疑で始めた企業アカウントが582本・累計4.27億回再生まで育ち、いまでは採用にも事業にも効く、会社の資産になっています。投稿が止まって数字が沈んだ年も含めて、すべてこの記事に置いておきました。
「自社だけで続けられるか不安」「立ち上げを早く・確実にしたい」——そんなときは、お気軽にご相談ください。この記事で公開したデータをもとに、貴社に合わせた進め方をご提案します。
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この記事を書いた人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
TikTokフォロワー数48万人の自社アカウント群を運用し、100万再生超え動画181本・累計3.79億回再生を達成。会社アカウントの企画を自ら担当し、個人TikTokアカウントもフォロワー12万人。株式会社BEEMは、SNS採用のみで採用したメンバーで構成される「TikTok採用の実践企業」として、採用に特化したTikTok運用支援を提供している。
出典
- TikTok公式ヘルプセンター「クリエイターアカウントまたはビジネスアカウントへの切り替え」(切り替え手順・商用楽曲ライブラリの利用条件) https://support.tiktok.com/ja/using-tiktok/growing-your-audience/switching-to-a-creator-or-business-account
- 個人アカウントは原則フォロワー1,000人到達までプロフィールへのリンク設置不可、ビジネスアカウントはビジネス情報登録により設置可。※公式一次情報での明記が確認しづらい仕様のため参考値(Shopify Japan「TikTokのビジネスアカウント:使い方や活用事例(2026年)」ほか複数の解説記事に基づく) https://www.shopify.com/jp/blog/tiktok-for-business
- TikTok社発表「TikTok、日本国内のMAUが4,200万を突破」2025年11月27日(自社調べ。TikTokおよびTikTok Liteの月間アクティブユーザー数、重複を除く) https://newsroom.tiktok.com/tiktok-mau-4200?lang=ja-JP
- 総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和7年6月公表)。TikTok利用率:全年代33.2%/10代65.7%/20代58.7% https://www.soumu.go.jp/main_content/001017160.pdf
- SHIBUYA109 lab.(2025年7月調査、15〜24歳女性 n=413)。お出かけ場所・体験の発見に使うSNS:Instagram64.6%・TikTok39.0%・X35.1% https://www.shibuya109.co.jp/shibuya109lab/reports/250826/
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