監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
正直に白状すると、僕も最初は「TikTokで採用なんて、本当にできるの?」と半信半疑でした。
ダンス動画のイメージしかなかったし、「うちみたいな会社が踊っても寒いだけでは…」と本気で思っていたんです。ところが、いざ自分たちで運用してみたら、100万回再生を超える動画が1本、2本…と増えていって、気づけば181本。累計の再生数は3.79億回になっていました。数えたとき、ちょっと笑っちゃいました。「いやマジか」と。
そしてもっと驚いたのは、その先です。TikTok経由で出した採用広告が、たった20万円で7人の採用につながった。ライブ配信からは、60時間の配信で6人。求人媒体に何十万円も払って苦戦していたあの頃の自分に教えてあげたい。
この記事は、そういう「実際にやってみて分かったこと」を、きれいごと抜きで全部書きます。一般論はネットに山ほどあるので、ここでは僕らのリアルな数字とホンネだけをお届けします。読み終わる頃には、「うちでやるべきか」「何から始めるか」が、肌感覚でつかめているはずです。
- TikTok採用は「運用型・広告型・ライブ型」の3つを組み合わせるのが正解
- 自社データだと、伸びるのは断然“短い動画”(0〜15秒が平均239万再生)
- 「成果が出るまで数ヶ月」って言われるけど、組み合わせ次第で最短1週間で面談まで行けた
- 勝敗を分けるのは「企画(特にトレンドの先回り)」と「続けられる体制」
TikTok採用とは(そして、よくある誤解について)
TikTok採用とは、ざっくり言えばTikTokの短い動画を使って、会社を知ってもらい、応募につなげていく採用のやり方です。SNS採用(ソーシャルリクルーティング)の一種ですね。
で、これが他の媒体と決定的に違うのは、「働く空気」がそのまま伝わってしまうこと。求人票には絶対書けない、社員の表情とか、オフィスのゆるい雰囲気とか、上司のちょっと抜けた感じとか。そういう“におい”が動画だと一発で伝わるんです。だから入社後の「思ってたのと違う…」が減る。これは本当に大きい。
TikTok採用の3つの打ち手(運用型・広告型・ライブ型)
ここ、多くの記事は「運用型」と「広告型」の2つで説明します。でも現場でやってる身からすると、ライブ型を入れた3つで考えないと片手落ちです。実際、僕らがいちばん早く採用までたどり着いたのは、広告とライブの合わせ技でした。
| 打ち手 | ざっくり言うと | 得意なこと | 効き始めの速さ |
|---|---|---|---|
| 運用型(オーガニック) | 自社アカウントでコツコツ投稿 | 認知づくり・中長期の母集団形成 | ゆっくり(資産になる) |
| 広告型(TikTok広告) | お金を払って狙った層に配信 | 短期の応募・面談獲得 | 速い(数日〜) |
| ライブ型(TikTok LIVE) | 生配信から応募フォームへ誘導 | 温度の高い応募を取る | めちゃ速い(即日も) |
新卒・中途、どっちで効く?
両方いけます。新卒なら、Z世代との相性が抜群で、「ここで働く自分」を想像してもらいやすい。中途なら、仕事内容や1日の流れを見せることで、いま転職を考えていない潜在層にも刺さります。特に現場職・専門職は強いです(理由は後で実例つきで話します)。
なぜ今、TikTok採用なのか
「流行ってるから」で片付けたくないので、数字で話します。
まず、TikTokの日本国内のユーザー数は4,200万人を突破しました。ざっくり「日本人の3人に1人」です。…3人に1人ですよ。通勤電車で前に座ってる人を3人見たら、だいたい1人は使ってる計算。これはもう、無視できる規模じゃないですよね。
しかも年代で見ると、10代の65.7%、20代の58.7%が使っている。若い人を採りたいなら、彼らが毎日見ている場所に行くのがいちばん早い。当たり前なんですけど、意外とみんなやってない。
もうひとつ、地味だけど重要な変化があります。若い世代は、もうGoogleで調べないんです。SNSで調べる。Z世代の女性に聞いた調査では、お出かけ先をInstagramで64.6%、TikTokで39.0%が探している。情報源として「インターネット」を重視する割合も、10代で89.3%、20代で90.3%。つまり、会社名すらSNSで“検索”される時代。そこに自社の動画が一本もないって、けっこう機会損失なんです。
【ここが本題】100万再生を181本分析して見えた「伸びる法則」
さて、ここからが他のどの記事にも書いてない部分です。僕らが出した100万再生超え181本(累計3.79億回、平均209万、最高は830万)を、ぜんぶ並べて分析してみました。エクセルとにらめっこした深夜のことは、あまり思い出したくありません(笑)。でも、おかげで再現できる“勝ちパターン”が見えてきました。
| 切り口 | 僕らのデータが言ってること | だから、こう動く |
|---|---|---|
| 動画の長さ | 0〜15秒が最多の74本で、平均239万再生と最強。全体平均でも31.9秒 | とにかく短く。まず15秒で作る |
| ジャンル | コメディが73本で主軸。台本コメディは平均298万で頭一つ抜けてる | “会社あるある・上司・退職ネタ”の共感系が強い |
| 音源 | オリジナル/独自音源が88%(159本) | 自分たちの音源・型を持つとブレずに伸びる |
| 投稿時間 | 朝8〜10時台に集中(181本中177本) | 通勤・始業前の朝に出す |
| 反応 | 平均エンゲージメント率3.69% | 保存・コメントを誘う設計を仕込む |
| 業種 | ベンチャー・ナイトワーク・理容・美容医療まで、多業種で100万超 | 採用に困ってる現場職ほど、むしろ刺さる |
正直、いちばん意外だったのは「短いほど伸びる」でした。最初は「ちゃんと伝えなきゃ」と気合を入れて60秒とか作ってたんですけど、データを見たら15秒のほうが全然強い。気合の方向を間違えてたわけです。
TikTok採用のメリット(やってみて本当に良かったこと)
- 無名でも一発逆転がある:フォロワーゼロでも、内容が良ければ「おすすめ」に乗って跳ねる。僕らも完全に無名から100万再生を量産しました。これはTikTokならではです。
- とにかく安い:後で詳しく出しますが、広告20万円で7人採用(採用単価 約2.9万円/人)。求人媒体を知ってる人なら、この数字のヤバさが伝わるはずです。
- 人柄がそのまま伝わる:作り込んだ会社紹介より、素の社員のほうが響く。だからミスマッチが減る。
- “まだ転職する気がない人”に届く:これが地味に効きます。
- スマホ1台で始められる:高い機材、いりません。
デメリットも正直に(ここで止まる会社が多い)
いいことばかり書くと胡散臭いので、しんどい部分も書きます。
- オーガニックは、すぐには効かない:運用型は資産になるまで時間がかかります。だから広告・ライブと併用するんです。
- 続けるのが、普通にしんどい:企画・撮影・編集・投稿・分析。片手間でやると、だいたい1ヶ月で更新が止まります(経験者は語る)。
- 炎上はこわい:表現や情報管理をミスると一瞬で広がる。これは後でチェックリストを用意しました。
- その場で「うちおいでよ」ができない:応募導線(プロフィールのリンク)をちゃんと作らないと、せっかく見てくれても次につながりません。
要は、デメリットって「やらない理由」じゃなくて「設計でつぶす課題」なんですよね。
結局いくらかかるの?(自社のリアルな数字を公開します)
いちばん気になるところですよね。相場の目安に加えて、うちの実際の数字を出します。ここまで赤裸々に出してる記事、たぶんないです。
ざっくりの相場
| パターン | 費用感 | 中身 |
|---|---|---|
| 完全自社運用 | 人件費だけ | 社内で全部やる。続ける体制が要る |
| 一部だけ外注 | 月数万円〜 | 撮影は社内、編集だけ外注など |
| フルで運用代行 | 月10万〜50万円が目安 | 戦略〜制作〜分析まで丸ごとお任せ |
うちの実数字(自社採用での実績)
ショート動画20本をスマートクリエイティブで回しました。結果は…
- 応募リード:95件(リード単価2,105円)
- 面談:27件(面談単価7,407円)
- 採用:7名(=採用単価 約2.9万円/人)
正直、最初に集計したとき二度見しました。「20万で7人?」って。
- 応募効率:1時間あたり0.75件/応募 46件
- 面談:32件/採用:6名
ライブは地道なんですが、温度が高い。画面の向こうの人とリアルタイムで話すので、応募してくる人の本気度が違うんです。
TikTok採用の始め方(5ステップ)
伸びる動画の企画フォーマットとトレンド活用法
鉄板の企画フォーマット5選(うちの100万再生データ発)
- 会社あるある・共感コメディ:「会社あるある集」「上司の反応」系。うちでいちばん伸びたジャンルです。
- 退職・転職ネタ:「退職するときの気まずい瞬間」とか。働く人のホンネに刺さって、めちゃ拡散します。
- 社員紹介・1日密着:人柄と仕事のリアルが伝わって、応募の動機になります。
- オリジナル音源×ネタ:独自の音源・フォーマットは真似されにくくて、シリーズ化すると資産になります(うちは88%が独自系)。
- トレンド活用:流行の音源・形式に自社らしさを乗せる。これは奥が深いので、次で詳しく。
トレンドは「先回り」で仕込む(最大の差別化ノウハウ)
これは、うちが何百本も投げて気づいた、いちばん大事なコツです。
多くの人は「トレンドはその場で偶然バズるもの」だと思ってます。違います。トレンドの多くは“未来に予測できる”んです。新作アニメや漫画、映画、新曲のリリース、季節のイベント、時事ネタ——公開・発生する日が、もう決まっているものがたくさんある。だったら、流行る前に仕込んでおけばいい。波が来てから慌てて作るんじゃなくて、波の先頭に立つわけです。
やり方はシンプルです。
- 近いうちに話題化が確実なネタを書き出す(映画やアニメの公開、新曲、季節イベントなど)。
- そこから連想されるセリフ・ミーム・展開を予測する。
- それを「自社の職場・社員」と掛け合わせて企画化し、話題がピークになるタイミングに合わせて出す。
たとえば、人気アニメ映画の公開が控えてるとします。作中の名ゼリフ(例:「確定で俺のこと好きじゃん」)は、公開前から「これは絶対バズる」と読める。なら、そのセリフを“あざとかわいい女性社員の日常”と掛け合わせた動画を公開前に作って寝かせておく。そして話題が爆発する瞬間にポンと出す。…これがハマったときの気持ちよさ、ちょっとクセになります(笑)。
ポイントは「流行ってから作る」じゃなくて「流行る前に仕込む」。カレンダーに公開予定のアニメ・映画・イベントを書き出して、月初の企画会議で“先回りネタ”を仕込む。これが、うちのいちばん再現性の高い勝ち筋です。
撮影・編集は、こだわりすぎないのがコツ
- 機材:スマホでOK。ただし三脚とピンマイクだけは用意してください。音が悪いと一瞬でスワイプされます。
- 撮影:縦型・明るい場所・短いカットでテンポよく。
- 編集:冒頭2秒にフックの字幕、全編にテロップ(みんな音消して見てるので)。
- 続けるコツ:撮るときにまとめ撮りして“在庫”を作る。ネタ切れが最大の敵です。
アルゴリズムと「伸ばし方」のコツ
TikTokのいいところは、フォロワー数より「その動画が良いか」で表示が決まること。だから後発でも、無名でも勝てる。僕らがまさにそうでした。データから言える要点はこれです。
- 短くして、最後まで見てもらう:0〜15秒が最強(平均239万再生)。まず15秒で作る。
- 最初の2秒で心をつかむ:離脱させない一言・字幕を必ず置く。
- 保存・コメントを誘う:平均ER3.69%。「続きが気になる」「保存しときたい」構成が拡散の起点。
- オリジナル音源・型を持つ:真似されにくく、シリーズ化で資産になる。
- 朝に出す:うちの伸びた動画は朝8〜10時台に集中してました。
- ハッシュタグは大中小を混ぜる:#就活(大)+#新卒採用(中)+#自社名や職種(小)。
続けるための「運用体制」の作り方
身も蓋もないですが、続かないと成果はゼロです。だから体制を先に決めます。
- 頻度:立ち上げ期は週2〜3本を目安に。まず数を出して反応を見る。
- 役割分担:企画/出演/撮影・編集/投稿・分析。誰がやるか決める。属人化させると、その人が辞めた瞬間に終わります。
- ネタの仕組み化:月初に企画リストを作って、まとめ撮りで在庫化。
- 無理なら外注:編集だけ外注、もしくは丸ごと運用代行も手です。
効果測定とKPI設計(うちの実数字つき)
「再生数だけ」を追うと、絶対に迷子になります。段階を分けて、最後は採用数・採用単価で見るのが鉄則です。うちの数字を当てはめると、こんな感じ。
| 段階 | 見るKPI | うちの実績 |
|---|---|---|
| 認知 | 再生数・リーチ | オーガニックで100万超を181本 |
| 関心 | 視聴維持率・保存・ER | 平均ER 3.69% |
| 行動 | リード・応募数 | 広告95リード/ライブ46応募 |
| 面談 | 面談数・面談単価 | 広告27件(7,407円)/ライブ32件 |
| 成果 | 採用数・採用単価 | 広告7名(約2.9万円/人)/ライブ6名 |
炎上・コンプラ対策チェックリスト(保存推奨)
こわい話を一個だけ。炎上は「起きてから」じゃ遅いんです。だから投稿前のチェックを仕組みにしてください。これ、うちが痛い目を見る前に固めておいて本当に良かったやつです。
- 出演者本人から、撮影・公開の同意をもらった(書面が安心)
- 退職したときの、動画の削除・取り扱いルールを決めてある
- BGM・効果音の著作権/利用規約を確認した(商用OKか)
- 第三者の顔・個人情報・社外秘が映ってない
- 誇大・差別的・不適切な表現がない(複数人でチェック)
- 景品表示法・薬機法など、業界特有の規制に触れてない
- 投稿前に、最低2人でダブルチェックしてる
- 万一炎上したときの一次対応(誰が判断して、どう動くか)を決めてある
成功事例(自社&いろんな業種で)
うちは自社だけじゃなく、いろんな業種のTikTok採用をお手伝いしてきました。そして、そのどれもで100万再生超えのコンテンツが生まれています。
- 自社(ベンチャー):会社あるある・上司ネタの共感コメディで累計3.79億回再生。さらに広告20万円で7名、ライブ60時間で6名を採用。
- 採用難と言われる現場職・専門職(ナイトワーク・理容・美容医療など):仕事のリアルや人柄を見せる動画で、応募がちゃんと集まりました(※業種のみ掲載)。
正直、最初は「カタい業種だと無理かな」と思ってた領域でも、ちゃんと成果が出た。これは僕らにとっても発見でした。共通点は次の3つです。
- 主役は“人”:会社案内じゃなく、社員個人のキャラを前に出す。
- 短尺×共感を、止めずに続ける:15秒前後・あるある/ホンネ系を、頻度を保って。
- 応募導線がつながってる:動画→プロフィール→応募フォームが切れてない。
よくある質問(FAQ)
A. あります。むしろTikTokは動画単位で評価されるので、うちも無名から100万再生を量産しました。最初は誰でもゼロです。
A. オーガニック単体なら数ヶ月は見てほしいです。でも、広告+ライブを組み合わせれば最短1週間で面談まで行けました(うちの実績)。
A. 自社運用なら基本は人件費。広告は20万円で7名採用の実績があるので、目的に合わせて設計します。
A. 踊らなくて大丈夫です(笑)。会社あるある・社員紹介・仕事解説でも、100万再生も採用もいけます。
A. 現場職・専門職・若手採用と特に相性が良いです。むしろナイトワーク・理容・美容医療みたいな“採用に困ってる業種”ほど効きます。
まとめ|まずは15秒、1本から
TikTok採用は、安く・広く知ってもらえて、会社の空気まで伝わってミスマッチが減る、本当に強い手法です。僕ら自身、100万再生を181本出して、広告20万円で7人・ライブ60時間で6人を採用してきました。半信半疑だった自分が、いまではいちばんの推し施策になっています。
勝敗を分けるのは、「短尺×共感の企画とトレンドの先回り」「続けられる体制」、そして「運用型・広告型・ライブ型の組み合わせ」。むずかしく考えすぎなくて大丈夫です。
まずは、
- ターゲットとKPIを決めて
- この記事の型で15秒動画を数本作って投稿して
- 反応の良かったやつを広告・ライブに展開する
この順でやれば、最短距離で面談・採用に近づけます。
「自社だけで続けられるか不安」「立ち上げを早く・確実にしたい」——そんなときは、運用代行という手もあります。よかったら、まずは無料相談で「うちの場合どうすべき?」を一緒に整理しましょう。気軽にどうぞ。
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出典
- TikTok社発表「TikTok、日本国内のMAUが4,200万を突破」2025年11月27日(自社調べ。TikTokおよびTikTok Liteの月間アクティブユーザー数、重複を除く). https://newsroom.tiktok.com/tiktok-mau-4200?lang=ja-JP
- 総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和7年6月公表)。TikTok利用率:全年代33.2%/10代65.7%/20代58.7%. https://www.soumu.go.jp/main_content/001017160.pdf
- SHIBUYA109 lab.(2025年7月調査、15〜24歳女性 n=413)。お出かけ場所・体験の発見に使うSNS:Instagram64.6%・TikTok39.0%・X35.1%. https://www.shibuya109.co.jp/shibuya109lab/reports/250826/
- 総務省「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」。情報源として「インターネット」を重要と回答:10代89.3%・20代90.3%. https://www.soumu.go.jp/main_content/000953019.pdf
- SNS採用運用代行サービスの料金相場(月額10万〜50万円が目安)。※一次統計は存在せず、各社比較サイト・ベンダー公表値に基づく参考値. https://azu-rite.co.jp/clumn/sns-recruitment-agency
参考データ(本文補強用):Z世代(17〜28歳)のTikTok利用率は52.8%で上世代を21.9ポイント上回る(サイバーエージェント次世代生活研究所「2025年Z世代のSNS利用率」2025年10月調査. https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=32772 )。