TikTok広告の運用のやり方|出稿後に見る指標の順番と週次の回し方

TikTok広告の運用のやり方

最終更新日:2026年10月13日
執筆:株式会社BEEM(BeeMedia編集部)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

この記事はこんな方に向けて書いています
  • TikTok広告を出稿したものの、管理画面のどの数字を見て、何から直せばいいのかが決められない方
  • 予算やターゲットをいじってみたが、何が効いたのか分からなくなった方
  • これから出稿するにあたって、運用の手間と、社内で回せるのかを先に知っておきたい方
先に、この記事の結論をお伝えします

TikTok広告の運用は、「見る順番」と「直す順番」を先に決めて、週1回、同じ手順で回すことです。

見る順番は、届いているか → 冒頭で止まっているか → 時間を使ってもらえているか → 押されているか → 成果になっているかの5段。上から見て、最初に悪い段が直す場所です。直す順番は動画 → 送り先のページ → 届け先(ターゲティング)→ 入札・予算。1回に1か所だけ直し、「次に数字を見る日」まで待ちます。

5章に、そのまま使える運用カレンダー・週次シート・変更ログを置きました。

月曜の朝、「先週の広告どうだった?」に答えられますか

月曜の朝会で、上司に聞かれる。「先週のTikTok広告、どうだった?」

管理画面を開くと、列が何十個も並んでいる。費用は予定どおり減っている。申込は、先週より少ない気がする。でも、なぜ少ないのか、次に何を変えればいいのかが言えない。「もう少し様子を見ます」と答えて、また1週間が過ぎる。

出したあと、何を見て、何から直して、誰が回すのか——ここが決まっていないと、広告は「出しっぱなし」か「触りすぎ」のどちらかになります。

弊社(株式会社BEEM)は、TikTokの運用代行と広告運用をしている会社です。自社アカウントでは100万再生を超えた動画が137本、累計4.61億再生。自社の採用募集でも、TikTok広告を約40日・広告費20万円で回し、リード95件、面談27件、採用7名につなげました。

この記事では、代表の豊田が「ここを見る」と言い切っていることを軸に、出稿後の運用を週次で回すための手順をお渡しします。手順そのものは、公式ヘルプの仕様と代表の考え方をもとに編集部が組んだ提案で、弊社の社内手順をそのまま公開したものではありません。

グラフを表示したノートパソコンとタブレット、電卓
イメージ(写真:photoAC)

TikTok広告の「運用」とは?出稿してから変えられるもの

この記事でいうTikTok広告の運用とは、出稿したあとに数字を見て、直す場所を1つ決めて、直して、また数字を見る——このサイクルを回し続けることです。

TikTok広告マネージャーの広告は「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3階層でできています。キャンペーンで目的と予算、広告セットで配置・ターゲット・予算とスケジュール・最適化の目標と入札方法、広告で動画などのクリエイティブやテキストを決めます※2。運用中に動かすのは広告セットと広告で、いちばん回すのは広告の階層の動画です。キャンペーンの目的は、運用中は変えない前提で組みます。

もう1つ、管理画面の外にある送り先のページ(予約フォーム・申込ページ・商品ページ)も運用の対象に入れます。管理画面だけを見ていると抜け落ちますが、広告を押した人が最後に申し込むかどうかを決めているのは、そのページです。つまり運用で変えられるのは、動画・送り先・届け先・入札と予算の4つです。

出稿した直後にやること|配信と計測の確認、学習期間は触らない

出稿した日と、その後の数日にやることは多くありません。むしろ「やらないこと」を決めておくほうが大事な時期です。先に、豊田が「撮る前に決めろ」と言っていることを置いておきます。

豊田優人

撮る前に、どこで自社を知ってもらうのかのチャネル設計を先に決めろ。無名なら、リーチは広告で取って、そこからホームページや求人媒体へ送る。

広告で取ったリーチをどこへ送るか。これが決まっていないと、次のチェックの3つ目で詰まります。

STEP.1
配信ステータスを見る
広告セットのステータスが「配信中」かを見ます。公式ヘルプでは、「承認待ち」は審査中で配信されていない状態、「制限付き配信」は一部のみ配信中の状態、「未配信」は予算不足や配信ポリシー違反などで配信されていない状態とされています※3。「配信中」以外なら、数字を見る前にここを解決します。
STEP.2
成果が計測されるかを確かめる
申込・予約・購入をTikTok側で数えるには、送り先のサイトにTikTok Pixel(サイト上のイベントをTikTokと共有できるようにするコード)を設置します。公式ヘルプでは、TikTok PixelとイベントAPIの両方を同時に設定することが勧められています※4※5。社内で1件テストで申し込み、「コンバージョン数」に計上されるかを確かめておくと、「成果がゼロなのか、数えられていないだけなのか」で迷いません。
STEP.3
動画と送り先で、言っていることが合っているかを見る
動画の最後で「初回体験はこちら」と言っているのに、送り先がサービス一覧のトップページ——というズレを潰します。スマホで広告を実際に押して、着地した画面を見るのがいちばん早い確認です。
STEP.4
予算とスケジュールを見る
1日の予算と配信期間が、社内で決めたとおりに入っているかを見ます。予算の決め方は「TikTok広告の費用」で扱っています。
STEP.5
ここから先は、触らない
確認が終わったら、学習期間が落ち着くまで待ちます(次の項)。

学習期間は、数字を見ても判断しない

TikTok広告には学習期間があります。公式ヘルプでは、広告システムがキャンペーンの目標に合う人を探していく期間で、この間はパフォーマンスが大きく変動しやすく、通常、学習期間に入ってから約25件の成果または7日が経過すると変動が落ち着き始めるとされています。同じページで、学習期間中に避けるよう案内されているのは次の3つです※1。

学習期間中に避けること(公式ヘルプ)
  • キャンペーン/広告セットの一時停止
  • 学習期間のステータスを再度発生させる編集
  • 不適切な予算設定やクリエイティブ数の設定

この記事では、5章の変更ログに「次に数字を見る日」を日付で書けるよう、動画・送り先・届け先・入札と予算のどれかを変えた日からも、同じ目安(約25件の成果または7日)で待つ扱いにしています。公式の目安は学習期間に入ってからのもので、変更後に当てはめるのはこの記事の決め方です。

学習期間中に、毎日見る3つ
  1. ステータスが「配信中」のままか
  2. 費用が予定どおり使われているか(まったく減っていない・想定より早く減っている、がないか)
  3. コンバージョン数が計上されているか(申込が来ているのにゼロのまま、がないか)

手を入れるのは、配信が止まっている・計測が取れていない・送り先が壊れているときだけ。反応の良し悪しは、まだ判断しません。

見る指標と順番|5つの段で、最初に悪いところを探す

学習期間が落ち着いたら、数字を見ます。先に、豊田が動画の数字について言っていることを聞いてください。

豊田優人

最重要は総再生時間。ユーザーの時間を食べさせること。冒頭2秒の離脱と平均視聴率は、その手段として見る。ByteDanceは広告でマネタイズしているから、ユーザー数と滞在時間が担保されないと広告成果が落ちる。だから時間を使わせるクリエイター・コンテンツを優遇するはず。

豊田は「冒頭1〜3秒のフックが大事」という通説にも◎を付けています。理由は「初めの2秒で離脱されたら、時間を食わせられないから」。冒頭は、総再生時間の起点という位置づけです。この考え方で広告マネージャーの数字を並べると、見る順番は次の5つの段になります。

見る順番=5つの段
  1. ①届いているか——お金が使われ、狙った人数に表示されているか
  2. ②冒頭で止まっているか——再生が始まった人が、2秒で離れていないか
  3. ③時間を使ってもらえているか——総再生時間につながる段
  4. ④押されているか——見た人が、送り先へ進んでいるか
  5. ⑤成果になっているか——押した人が、申込・予約・購入までしたか

①から順に見て、最初に悪い段が、今週直す場所です。上の段が崩れていたら、下の数字はその影響を受けているだけかもしれません。

①届いているか——いちばん上なのに、いちばん見落とされる段

申込が減ると⑤から見たくなりますが、①が崩れていたら、動画をどれだけ直しても見る人が足りません。①で見るのは、公式ヘルプの「基本データ指標と定義」に載っている次の4つです※7。

  • 費用:広告費の合計
  • インプレッション数:広告が表示された回数
  • リーチ数:広告を1回以上視聴したユニークユーザーの数
  • フリークエンシー:一定期間内に、1ユーザーあたりが広告を見た平均回数

①で起きるのは、だいたい次の3つの形です。

  • 費用が予定どおり減っていない → 配信が回っていません。ステータス(2章)を見たうえで、届け先の絞りすぎや入札・予算の設定を見ます(4章の3番・4番)
  • 費用は同じなのに、インプレッション数が減った → 「費用÷インプレッション数」を週ごとに並べ、いつから変わったかを変更ログと突き合わせます
  • リーチ数が伸びず、フリークエンシーが上がっている → 同じ人に同じ動画が何度も出ています。次の項のとおり、②と並べて見ます

フリークエンシーが上がってきたら、②と並べて見る

豊田は直近1年の変化として、「ユーザーが育ち、少しでも見たようなスタイルだと、動画の後を無意識に予測されてスクロールされる」ことを挙げています。

そこで、フリークエンシーが週ごとに上がり、同じ時期に②の割合が下がってきたら、届け先を広げる前に、新しい冒頭の動画を足すサインとして読みます。届け先を広げても、出ていくのは「見たことのある」動画のままだからです。

②〜⑤は、どの指標で見るか

公式ヘルプの表記でいえば、②は「動画の2秒視聴数」と「動画視聴数」、③は「動画視聴1回あたりの平均視聴時間」と「再生完了数」、④は「クリック数(誘導先)」と「CPC(誘導先)」です※6※7。②には割合の列がないので、2秒視聴数を動画視聴数で割って並べます。どの数字が悪いときに動画のどこを替えるかは「TikTok広告の動画の作り方」にまとめています。

TikTok広告の動画の作り方 TikTok広告の動画の作り方|使える4つの型と設計シート、差し替えの判断手順【100万再生超え137本の運用会社が解説】

⑤は「コンバージョン数」「コンバージョン率(CVR、クリック)」「コンバージョン単価」で見ます※7。④まで良いのに⑤が悪いなら、直すのは動画ではなく送り先のページです(4章)。

架空の整体院で、1週分をたどってみる

駅前の整体院が、初回体験の予約を取る広告を出して4週目。先週より予約が減りました。

①
届いているか
費用は予定どおり。インプレッション数も先週並み。ただ、リーチ数が伸びず、フリークエンシーが3週続けて上がっている。ここで引っかかる。
②
冒頭で止まっているか
念のため②も見ると、2秒を越える割合が、先月から回している動画ほど下がっている。①の「同じ人に何度も出ている」と話がつながる。
判断
今週直す場所と、打ち手
最初に悪い段は①。原因は届け先の狭さではなく「同じ動画を見飽きられている」ほう。打ち手は新しい冒頭の動画を1本足す。届け先と予算は触らない。変更ログに書き、次に見る日を決める。

ここで⑤の予約フォームを直していたら、予約はおそらく戻りません。下から見ると、症状の出ている場所を直してしまう。上から見るのは、原因の場所を先に見つけるためです。なお、前の週と比べるときは、変更ログで間に何か変えた日がないかを確かめ、変えた日の前後を分けて見てください。

要するに

学習期間が落ち着いたら、①届いているか ②冒頭で止まっているか ③時間を使ってもらえているか ④押されているか ⑤成果になっているかを上から見る。最初に悪い段が今週直す場所。①は費用・インプレッション数・リーチ数・フリークエンシーで見て、フリークエンシーが上がったら②と並べる。

改善の打ち手の優先順位|動画→送り先→届け先→入札・予算

成果が出ないとき、最初に予算やターゲットを触りたくなる気持ちは分かります。管理画面の中ですぐ変えられるからです。でも、順番は逆です。

順番 打ち手 どの段が悪いときか 詳しくは
1 動画(差し替え、新しい冒頭の動画の追加) ②③④、または①でフリークエンシーが上がっているとき 「TikTok広告の動画の作り方」
2 送り先のページ(予約・申込・購入の画面) ⑤、または④で「押されるのに離れる」 この章の下
3 届け先(ターゲティング) ①で「届いていない」、または動画と送り先を直しても②〜⑤が動かない 「TikTok広告のターゲティング設定完全ガイド」
4 入札・予算 ①で「費用が使われない・使われすぎる」、または1〜3を直して⑤の単価が安定してから 「TikTok広告の費用」

なぜ動画が1番目なのか

3章の豊田の言葉のとおり、成果の起点は見る人の時間を使ってもらえるかです。②③④を動かせるのは、管理画面の設定ではなく動画のほう。届け先を絞っても、動画の冒頭は1秒も変わりません。

なぜ送り先が2番目なのか。⑤が悪いときに見る3点

豊田は、バズっても成果にならないアカウントの特徴として、「何をしている会社か分からない」「会社の信頼性を担保できるものがない」こと、そして「どこで知ってもらい、どこへ送るか」のチャネル設計がないことを挙げています。広告でも、押した人が着地したページで「何の会社か」「信頼していいか」を判断できなければ、⑤で止まります。ここは動画をいくら替えても動きません。

⑤が悪いとき、送り先で見る3点
  1. 動画の最後の一言と、着地した最初の画面が同じことを言っているか。「初回体験はこちら」と言ったなら、最初の画面に初回体験の申込があるか(2章のSTEP.3を週次でもう一度)
  2. その画面だけで「何の会社か」「信頼していいか」が分かるか。会社名・所在地・実績・利用者の声など、会社の中身が分かるものがスクロールせずに目に入るか(6章末の、トップがライブで話した例も参照)
  3. 申込の最後まで、実際に進めるか。スマホで最後まで入力して1件テストで申し込む。入力項目の多さ、空き枠の見つけにくさ、完了時に「コンバージョン数」が計上されるか(2章のSTEP.2)

1回に1か所、変えたら記録して待つ

打ち手のルール
  • 1回に変えるのは1か所だけ。動画とターゲットを同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなります
  • 変えたら、変更ログに書く(5章)。日付・何を・なぜ・次に数字を見る日
  • 次に数字を見る日までは、同じ広告セットで次の変更をしない(変えた日から約25件の成果または7日)

自動化キャンペーンやスプリットテストを使う場合

どちらも、運用で手を入れる範囲が変わるものとして押さえておけば十分です。Smart+キャンペーンは、オーディエンスターゲティング、最適化、クリエイティブまでのプロセスの自動化をサポートするもので、広告主はKPI、クリエイティブアセット、ターゲット地域、言語を設定する形だと説明されています※8。届け先の細かな設定は任せられますが、入れる動画と送り先のページは自社で用意するものなので、打ち手の1番目と2番目はそのまま残ります。

スプリットテストは、オーディエンスを2つの同数のグループに分け、各グループに1つの広告セットのみを配信して、どちらがより効果的かを判断できる機能です※9。変数にはターゲティング、プレースメント、クリエイティブ、予算戦略、入札&最適化などがあり※10、期間は最低7日間が推奨されています(最大30日間)※11。前の週との比較には時期の違いが混ざるので、同じ期間に2案を並べて1か所の違いだけを比べたいときの道具になります。

要するに

直す順番は動画 → 送り先 → 届け先 → 入札・予算。管理画面ですぐ変えられるものほど後ろ。⑤が悪いときは、送り先で「言っていることの一致・会社の中身・最後まで進めるか」を見る。1回に1か所、変えたら記録して、次に見る日まで待つ。

統計グラフの資料と電卓、スマートフォン、パソコン
イメージ(写真:photoAC)

週次・月次の運用カレンダー(そのまま使えるテンプレ)

ここまでの手順を、カレンダーに落とします。曜日は自社に合わせて変えてください。大事なのは、毎週同じ手順を、同じ順番で回すことです。

いつ やること やらないこと
出稿日 2章の確認5つ —
学習期間中 毎日:ステータス・費用・コンバージョン数だけ見る
並行して:次に替える動画を1本用意しておく
反応の良し悪しで、動画・届け先・予算を変える
毎週(定例) 1. 変更ログの「次に数字を見る日」を過ぎたか確かめる(過ぎていない広告セットは見るだけ)
2. 週次シートを1行埋める
3. ①から順に見て、最初に悪い段を1つ決める
4. 4章の順番で、打ち手を1つ決める
5. 変更ログに書く
6. 次の週に替える動画が1本あるか確かめる
2か所以上を同時に変える/次に見る日より前に、同じ広告セットを変える
毎月 月次の点検4項目(下で説明) 1か月の数字だけで「TikTok広告は合わない」と決める

週次シート(コピーして使ってください)

広告セットごとに1枚、動画ごとに1行でも構いません。

週 ①費用/インプレッション数/リーチ数/フリークエンシー ②動画の2秒視聴数÷動画視聴数 ③動画視聴1回あたりの平均視聴時間/再生完了数 ④クリック数(誘導先)÷インプレッション数 ⑤コンバージョン数/コンバージョン単価 最初に悪い段 今週の打ち手(1つ)
第1週
第2週
第3週
第4週

変更ログ(週次シートの横に置く)

「次に数字を見る日」は、変えた日から7日後の日付を書きます。それより前に、その広告セットのコンバージョン数が変更後に約25件たまったら、前倒しで見て構いません。日付がないと、翌週の定例で「もう見ていいのか」が決められません。担当者が替わったときの引き継ぎにもなります。

変更した日 何を変えたか(1か所) なぜ(どの段が悪かったか) 次に数字を見る日 結果
(記入例)10/6 新しい冒頭の動画Cを1本追加 ①フリークエンシーが3週続けて上昇、②も同じ時期に低下 10/13(約25件たまれば前倒し) (10/13以降に記入)

月次の点検4項目

週次が「直す」時間なら、月次は「方向がずれていないか」を確かめる時間です。

月1回の点検
  1. 管理画面の外の数字を受け取ったか。予約した人が来店したか、申込した人が契約したか(6章)
  2. 来月の「予測できるトレンド」を決めたか。世の中の注目が集まる時期に合わせた冒頭案を、先に用意しておく
  3. 先月足した動画が、同じやり方の反復になっていないか。変更ログを見返し、下の3つの問いに当てる
  4. TikTok広告だけに寄っていないか。広告で知った人が会社名で検索したときに、何の会社か・信頼していいかが分かるページがあるか(7章)

2つ目のトレンドについて。豊田は「トレンド=TikTok内で流行っている動画」という理解に、はっきり反対しています。

豊田優人

トレンドとは、今この瞬間に世の中の注目が集まっているもの。4月=新社会人、12月=クリスマスのように、予測できる。川の流れに従う。

予測できるなら、先回りして仕込めます。架空の学習塾なら、3月の点検で「4月は新学期」と決め、4月第1週から回す冒頭案をその時点で撮っておく。これで週次の「次の1本」が切れません。

3つ目の点検には、豊田が挙げている伸びる動画と伸びない動画の分かれ目——時期(トレンド)に乗れているか、見たことのないフォーマットか、作り込みすぎていないか——を使います。先月の変更ログに並んだ動画を、この3つに当ててみてください。

  • その月の時期に合った冒頭になっていたか
  • 先月までの動画と、見た目の形が違っていたか(「当たった1本の少し違う版」ばかりになっていないか)
  • 広告だからと、作り込みを足していなかったか

3つ目の問いの目安として、豊田は2025年3月頃から、作り込みすぎない、TikTokの完成動画とInstagramストーリーズの中間くらいのリアルな空気感の動画が伸びるようになったと話しています。3つとも「いいえ」が並ぶ月は、週次の差し替えが同じ場所を回っているだけかもしれません。来月の最初の1本は、形から変えます。

要するに

学習期間中は3つだけ見て、触らない。毎週は次に見る日の確認→週次シート→最初に悪い段→打ち手1つ→変更ログ。毎月は管理画面の外・来月のトレンド・同じやり方の反復・TikTokへの偏りを点検する。

管理画面の外の数字を、誰が・いつ・どう渡すか

⑤までは管理画面が数えてくれます。でも、その先——予約した人が来店したか、資料請求した人が契約したか——は、社内の誰かが数えて運用担当に渡さない限り、運用に入ってきません。

弊社の採用募集の広告でも、約40日・広告費20万円で管理画面が数えたのはリード95件まで。面談27件・採用7名は、社内で数えた数字です(採用目的の数字なので、販促で同じ比率になるとは限りません)。販促なら、⑤の先には予約 → 来店 → 購入、資料請求 → 商談 → 契約、初回購入 → 2回目の購入といった段があります。

管理画面の外の数字の受け渡し(4つだけ決める)
  1. 何を渡すか。⑤の先の1〜2段(来店数、契約数、2回目の購入数など)。最初は1段だけで構いません
  2. 誰が数えて、誰に渡すか。受付・営業・EC担当など、その数字がいちばん先に分かる人から広告の運用担当へ。名前で決めておきます
  3. いつ渡すか。少なくとも月次の点検の前まで。週次の定例に間に合うなら週ごとでも
  4. どう分けるか。予約フォームに「何で知りましたか」を置く、広告用の送り先ページを分けるなど、広告から来た人を分けられるようにしておく。分けられない場合は、配信期間と来店日を並べて見ます

受け取った数字は、月次の点検で⑤とその先を並べて見ます。⑤は増えているのに、その先が増えていない月は、呼んでいる人が来てほしいお客様とずれている可能性があります。見直すのは、4章の順番どおり動画と送り先です。この受け渡しは、外に頼んでも最後は社内から渡すものです(8章の判断表の3行目)。

なお、弊社の公開している実績には、TikTokライブ(配信60時間56分→応募46件→面談32件→採用6名)や、広告とライブを組み合わせて最短1週間で面談につながった例もあります。ライブ全般について豊田は、役員・会社のトップがライブで何を考えているかを話すと、コンテンツとのギャップで会社の中身が伝わり、信頼性が担保されて採用につながったと振り返っています(上の配信実績と同じ配信の話とは限りません)。4章で見た「何の会社か・信頼していいか」を、広告の外の接点で伝えた形です。

TikTok広告の運用が止まる会社の共通点

豊田に「伸びない・続かない会社の共通点」を聞いたとき、返ってきたのはこの4つでした。

豊田優人

全員が同じ戦略、同じやり方を取っている。既存の動画をもとに運用するので、同じコンテンツばかり増える。これは自社運用でも運用代行でも起きる。市場の変化——アカウントが増えて、ユーザーが成熟していること——を分かっていないので、同じコンテンツを出し続ける。「費用対効果が合わない」と判断して手を出さない。

運用全体についての話ですが、広告に当てはめると、どれも変更ログや管理画面に形が出ます。1つ目と2つ目は、変更ログの打ち手が全部「当たった1本の少し違う版」になっている状態です。豊田は既存の動画をもとにした焼き直し運用を、もう通用しなくなった手法としても挙げていて、理由はコンテンツ力の低下ではなく、アカウント数・クリエイター数の増加とユーザーの成熟という構造の変化だと言います。

3つ目の「市場の変化を分かっていない」は、広告の数字でいえば、フリークエンシーが上がり②が下がっているのに、同じ動画を回し続ける形で出てくると私たちは読んでいます。

4つ目は、学習期間中や、まだ1か所も直していない段階の数字で「TikTok広告は合わない」と止めることにあたります。

「TikTokだけ」に予算を寄せない

もう1つ、豊田が「今なら絶対にやらない」と言い切っていることがあります。

豊田優人

TikTokのオーガニックだけで認知を取ろうとする戦略。TikTokのみに予算を落とすこと。

豊田が成果につなげる導線として挙げているのは、TikTokで知る → ホームページを検索する → 申込や応募へというクロスチャネルの流れです。管理画面の数字だけを良くしても、広告を見た人が次に検索したときの受け皿が弱ければ、成果は取りこぼします。どのチャネルにいくら配分するかは商材で変わるので、この記事では決めません。まず「広告を見た人が、次にどこへ行くか」を1枚の図に描いてみてください。

要するに

運用が止まるのは、同じやり方を繰り返すか、直す前に見切るか。そして広告はTikTokだけで完結させない。週次で1か所ずつ直し、月次で「同じやり方になっていないか」「受け皿はあるか」を点検する。

運用は社内で回すか、代行に頼むか

5章のカレンダーの「毎週」の行を分けると、中身は数字を見て打ち手を1つ決める・次の動画を用意する・送り先を直すの3つ。「毎月」の行には管理画面の外の数字を受け取るが入っています。社内で回すか外に頼むかは、この4つを社内の誰が担えるかで、行ごとに決めます。

弊社は運用代行を受ける立場ですが、下の表には「外に頼んでも解決しない」行も入れています。

確認すること 「はい」なら 「いいえ」なら
週1回、週次シートを埋めて「最初に悪い段」と「打ち手1つ」を決める時間を、社内で取れるか 社内で回せる 数字を見て打ち手を決める部分を、外に頼むことを検討する
次の週に替える動画を、前の週のうちに社内で用意できるか 社内で回せる 動画づくりだけ外に頼む選択肢がある
管理画面の外の数字(来店・契約・購入など)を、広告の担当が毎月受け取れるか(6章) 社内で回せる 外に頼んでも解決しない。社内で数字の受け渡しを先に決める
送り先のページを、社内の判断で直せるか 社内で回せる ページの修正も含めて頼めるかを、依頼先に確認する

3行目が決まっていないまま外に頼むと、依頼先もリードの数と単価までしか見られません。

外に頼むなら、見積もりの前に聞いておくこと

7章の「同じコンテンツばかり増える」は、豊田によれば運用代行でも起きます。また豊田は直近1年の変化として、「運用代行が入っているんだろうな」とステマ的に見る目線のユーザーが増えたことも挙げています。この2つを踏まえて、依頼先には次のことを聞いておくと安心です。

  • 週次で、どの段の数字を見て、何を1つ変えたかを記録して共有してもらえるか(変更ログにあたるもの)
  • 勝った動画を増やすとき、焼き直しではなく新しい冒頭をどう出すか
  • 出てくる動画が、作り込んだ「いかにも広告」にならないよう、どう作るか
  • 管理画面の外の数字を、どう受け渡して運用に反映するか
  • 送り先のページの修正は、依頼の範囲に入るか

何を外に任せるかの考え方は「TikTokコンサルは必要か」で、費用は「TikTok広告の費用」で扱っています。

TikTok広告の運用Q&A

毎日見るのはステータス・費用・コンバージョン数の3つで十分です。公式ヘルプでは、学習期間中はキャンペーン/広告セットの一時停止や、学習期間のステータスを再度発生させる編集、不適切な予算設定を避けるよう案内されています※1。手を入れるのは、配信が止まっている・計測が取れていない・送り先が壊れているときだけ。反応の良し悪しで何かを変えるのは、週1回の定例で週次シートを埋めてからにしてください。

日数や金額の線は、この記事では置いていません。代表に確認が取れた基準の数字がまだないためです。代わりに「直す場所が、まだ残っているか」で判断してください。5つの段のどこが悪いかを特定し、4章の順番で打ち手を1つずつ試したか。動画も送り先も一度も直していない段階で止めるのは、7章の「費用対効果が合わないと判断して手を出さない」にあたります。

1本だけだと、フリークエンシーが上がったときに足す「次の1本」がありません。学習期間中に次の1本を用意しておくところから始めてください。何本用意するかは「TikTok広告の動画の作り方」と「TikTok広告の費用」で扱っています。

豊田は、無名ならリーチは広告で取り、そこからホームページなどへ送ると言っています。そして、オーガニックだけで認知を取る戦略も、TikTokのみに予算を落とすことも、今なら取らないと言い切っています。広告で知ってもらった人を、どこへ送るかを先に決めるのが順番です。

週次シートの1行と、変更ログの1行をそのまま出すのがおすすめです。「今週は①が最初に悪かった。フリークエンシーが上がっていたので、新しい冒頭の動画を1本足した。次に数字を見るのは10月13日」。これで「どうだった?」「次は何をする?」「いつ分かる?」の3つに答えられます。

まとめ:週1回、5つの段を上から見て、1か所だけ直す

この記事の要点
  • 運用とは、数字を見て、直す場所を1つ決めて、直して、また見るを回すこと
  • 出稿直後はステータス・計測・動画と送り先のズレ・予算を確認し、学習期間が落ち着くまで触らない(約25件の成果または7日が目安)
  • 見る順番は①届いているか ②冒頭で止まっているか ③時間を使ってもらえているか ④押されているか ⑤成果になっているか。最初に悪い段が直す場所
  • 直す順番は動画 → 送り先 → 届け先 → 入札・予算。1回に1か所、変更ログに次に数字を見る日を日付で書いて待つ
  • 毎月は管理画面の外・来月のトレンド・同じやり方の反復・TikTokへの偏りを点検する
  • 「同じコンテンツばかり増える」は自社運用でも代行でも起きる

今日やることは2つです。5章の週次シートをコピーして、先週の数字で1行埋めてください。そして、①から順に見て「最初に悪い段」に丸をつけてください。そこが、今週直す場所です。

どの段が悪いのか判断がつかない、次に替える動画が用意できない、管理画面の外の数字をどう追えばいいか分からない——そういうときは、弊社に相談していただくこともできます。ご相談では、まず次の3点をうかがいます。

  1. どこで自社を知ってもらうのか(ホームページ・求人媒体・SNSのどれを前提に組むのか)
  2. リーチをオーガニックで取るのか、広告で取るのか
  3. どんな人材が欲しいのか(それに合わせてコンテンツを組まないと外すため)

3つ目は採用のご相談での言い方で、販促の広告なら「どんなお客様に来てほしいのか」にあたります。1つ目と2つ目は、この記事で見てきた「広告で知ってもらった人を、どこへ送るか」そのものです。

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この記事を書いた人

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウントを含む自社TikTokアカウント群を運用し、100万再生を超えた動画は137本、累計4.61億再生。複数の記事で取り上げられたほか、大学での登壇歴がある。株式会社BEEMは「SNS採用のみで採用したメンバーで構成される会社」として、TikTokの運用代行・広告運用・採用支援を提供している。

出典

  1. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「学習期間について」(2026年6月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/learning-phase?lang=ja
  2. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTok広告構造について」(2025年2月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/tiktok-ads-structure?lang=ja
  3. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「広告マネージャー内の広告セットステータスと定義リスト」(2025年2月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/ad-group-statuses-and-definitions?lang=ja
  4. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTok Pixelについて」(2026年6月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/tiktok-pixel?lang=ja
  5. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「ピクセルの設定と検証」(2026年6月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/get-started-pixel?lang=ja
  6. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「動画再生のデータ指標」(2025年11月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/video-play?lang=ja
  7. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTok広告マネージャー内の基本データ指標と定義について」(2025年10月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/basic-data?lang=ja
  8. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「Smart+キャンペーンについて」(2025年6月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/about-smart-plus-campaign?lang=ja
  9. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「スプリットテストについて」(2026年1月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/split-testing?lang=ja
  10. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「変数のスプリットテストについて」(2026年1月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/split-testing-variables?lang=ja
  11. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「スプリットテストのベストプラクティス」(2026年1月更新)。2026年9月30日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/split-test-best-practices?lang=ja
本文中のデータについて

広告実績とライブ実績は、弊社(株式会社BEEM)が自社の採用募集で行った配信の実績です。100万再生超え137本・累計4.61億再生は、弊社の会社アカウントの公開中の投稿(607本)から数え直した数字です(2026年10月13日時点)。5つの段から体制の判断表までの手順は編集部の提案で、整体院・学習塾は架空の例です。広告の仕様・指標名は2026年9月30日時点で確認したもので、改定される場合があります。

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