TikTok広告のレポートの作り方|管理画面での出し方と、上司・経営者・クライアントに渡す1枚の型

TikTok広告のレポートの作り方

最終更新日:2026年10月13日
執筆:株式会社BEEM(BeeMedia編集部)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

この記事はこんな方に向けて書いています
  • TikTok広告の結果を、上長・経営者・クライアントに出すレポートにまとめる担当になった方
  • 広告マネージャーから数字を書き出したものの、どの列を、どの順番で載せればいいか決められない方
  • 代行会社から毎月レポートが届くが、どこを見て、何を聞き返せばいいか分からない方
先に、この記事の結論をお伝えします

TikTok広告のレポートづくりは、「管理画面から数字を取り出す作業」と「読み手に渡す1枚を作る作業」の2つに分けると迷いません。

取り出すほうは、広告マネージャーのカスタムレポートを週次用・月次用の2本だけ保存し、毎回同じ条件で出すこと。渡すほうは、1枚目の一番上に「効果と呼ぶ数字」を1つ置き、管理画面の外の数字(来店・契約・採用など)を同じ紙に並べること。そのうえで、読み手(担当者・上長/経営者・クライアント)ごとに順番と粒度を変えます。

5章に、そのまま埋められる週次1枚・月次4ページの型と記入例を置きました。

書き出したファイルは、列が多すぎて「報告書」にならない

月末の締めの日。広告マネージャーからデータを書き出して開くと、横にずらりと列が並んでいます。キャンペーン名、広告セット名、費用、インプレッション数、クリック数……。明日の午前中には、経営会議の資料に1枚差し込まなければいけない。全部の列を貼るわけにはいかないし、どれを残せばいいのかも分からない。

あるいは、受け取る側の悩みもあります。代行会社から毎月届くPDFは、ページ数こそ多いのに、最後まで読んでも「で、申込は増えたの?」の答えがどこにもない。グラフはきれいでも、次に何をするのかが書かれていない。

どちらも原因は同じで、数字を「取り出す」ことと、読み手が判断に使える「報告書」にすることが、ひとつの作業として混ざっていることです。

この記事では、2つを分けたまま順にお渡しします。先に広告マネージャーでレポートを作る手順を公式ヘルプの記載どおりに。次に読み手に渡す1枚の作り方を。動画の行の並べ方には、TikTokの運用代行と広告運用を手がける株式会社BEEMの代表・豊田が投稿後にいちばん重く見る数字(総再生時間)の考え方を当てはめています。レポートの型は、公式ヘルプの仕様と代表の考え方をもとに編集部が組んだもので、弊社の社内フォーマットをそのまま公開したものではありません。

この記事でわかること
  • 広告マネージャーのカスタムレポート・エクスポート・定時実行の手順(公式ヘルプ準拠)
  • レポートの1枚目に置く数字の決め方と、管理画面の外の数字の並べ方
  • 担当者・上長/経営者・クライアント、読み手別の構成
  • そのまま使える週次1枚・月次4ページの型と記入例
  • 代行会社から届くレポートで確かめる6つの点
グラフのレポート資料とノートパソコン
イメージ(写真:photoAC)

TikTok広告のレポートとは?管理画面の「レポート」と、人に渡す「報告書」は別物

「TikTok広告のレポート」という言葉は、2つのものを指して使われています。

管理画面のレポート 人に渡す報告書
何か 広告マネージャーで数字を表やグラフにして取り出す機能(カスタムレポートなど) 上長・経営者・クライアントが判断に使う資料
中身 選んだ切り口(行)と数字(列)の一覧 結論、効果と呼ぶ数字、その理由、次にやること
数字の範囲 管理画面が数えたものだけ 管理画面の外の数字(来店・契約・採用など)も入る
役割 材料 成果物

管理画面のレポートは、どれだけ作り込んでも「材料」です。読み手が知りたいのは、結局うまくいっているのか、次に何をするのか、自分は何を決めればいいのかの3つ。材料をそのまま渡すと、読み手が自分で答えを探すことになります。

この記事は、材料を取り出す手順(2章)と、成果物に仕立てる手順(3〜5章)を分けて説明します。それぞれの指標が何を意味するか、数字が悪いときにどこを直すかは「TikTok広告の運用のやり方」に、そもそも何を効果と呼ぶかは「TikTok広告の効果は?」に任せています。

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広告マネージャーでレポートを作る手順|カスタムレポート・エクスポート・定時実行

広告マネージャーで数字を取り出す入口は2つあります。キャンペーンページ(その場で見て、その場で書き出す)と、カスタムレポート(条件を保存して、毎回同じ形で出す)です※1※4。毎週・毎月出す報告書の材料は、カスタムレポートで作っておくのがおすすめです。条件を保存できるので、先月と今月で列や期間がずれません。

カスタムレポートを作る

公式ヘルプ「レポートの作成と管理」に沿うと、手順は次のとおりです※1。

STEP.1
「カスタムレポート」を開く
広告マネージャーの上部にあるメニューから「カスタムレポート」をクリックします。メニュー名は、ヘルプのページによって「分析」と「アナリティクス」の2通りの表記があります※1※2。画面に出ているほうを選んでください。
STEP.2
新しく作るか、テンプレートから始めるかを選ぶ
「レポートを作成」で空のレポートから、またはドロップダウンの「テンプレートで開始」で用意されたテンプレートから作ります。テンプレートから始めた場合も、ディメンションとデータ指標はあとから追加・削除・修正できます。
STEP.3
ディメンション(行)とデータ指標(列)を選ぶ
画面の左に「ディメンション」と「データ指標」の一覧が出ます。ディメンションはデータの分け方で、行になります(例:キャンペーン、広告セット、広告、プレースメント)。データ指標は配信の成果で、列になります。
STEP.4
期間を選ぶ
昨日、過去7日間、過去30日間、カスタム(期間を指定)から選びます。
STEP.5
「保存」して名前をつける
保存したレポートは、次から同じ条件で開けます。

表示は、シンプルな表(ピボットテーブル)のほか、ピボットテーブルのドロップダウンから「トレンドライン」を選ぶとグラフでも見られます※1。週ごとの推移を報告書に貼るときは、こちらが便利です。

自分で計算した列を足す|カスタムデータ指標

管理画面にない数字は、カスタムデータ指標として足せます。既存のデータ指標に数式を当てて保存する機能で、キャンペーンページのドロップダウンの「カスタム列」から、またはカスタムレポートから作れます。名前(最大45文字)、形式(番号・パーセンテージ・金額)、数式、見られる範囲(自分のみ/全員)を決めて保存します※3。

報告書のために作っておきたいのは、3章で使う「費用1,000円あたりの総再生時間の目安」の列です。公式ヘルプの動画の指標には、総再生時間そのものは載っていません※6。そこで「動画視聴1回あたりの平均視聴時間 × 動画視聴数」で総再生時間の目安を作り、それを費用で割って1,000を掛けます。広告では再生を費用で買うので、割らずに並べると、費用を多く配分された動画が上に来るだけになるからです。数式でこの計算が組めない画面なら、書き出したあとに表計算ソフトで計算しても同じです。

ただし公式の定義では、平均視聴時間はリピート視聴の時間を含み、動画視聴数はリプレイを除いて数えます※6。掛けた値は正確な合計ではなく、同じ広告アカウントの中で動画どうし・週どうしを比べるための物差しとして使ってください。

書き出す|エクスポートと定時実行

カスタムレポートからの書き出しには、すぐにダウンロードする「エクスポート」と、自動で作られたレポートをメールで受け取る「定時実行」の2つがあります※1。定時実行の設定は次の流れです※2。

  • カスタムレポートの右上の「定時実行」ボタンをクリックし、「定時実行」のトグルをオンにする
  • 頻度・受信者・ファイル形式を選び、「保存」をクリックする
  • 受信できるメールアドレスは最大5つ。メールは広告アカウントのタイムゾーンで5:00〜6:00頃に届く

報告書を作る側として、知っておきたい注意が2つあります※2。

定時実行の2つの注意(公式ヘルプ)
  • レポートをダウンロードできるのは、TikTok広告マネージャーへのアクセス権限があるユーザーだけ。広告マネージャーを使っていない上長や経営者を受信者に入れても、そのまま開けるとは限りません。読み手に渡すのは、3章以降で作る1枚にします
  • 受信者全員が3か月続けて1つもダウンロードしなかった場合、定時実行は自動でキャンセルされる。「最近メールが来ない」と気づいたら、ここを疑います

キャンペーンページから書き出すこともできます。右上の3点アイコンから「データをエクスポート」を選ぶ形です。キャンペーンページでは、カレンダーのアイコンで期間を絞り、右上の「カスタムテーブル」で並べる列を選び、日・週・月ごとの内訳や比較も確認できます※4。

書き出しが失敗するとき

公式ヘルプでは、ダウンロードできない原因としてデータが大きすぎる・サーバーが混雑している・複数のレポートを一度に書き出しているの3つが挙がっています。対処は、期間を短くして必要な項目だけで書き出す、定時実行で決まった間隔に届くようにする、30分待ってからやり直す、1度に1つだけ書き出す、です※5。

複数の広告アカウントをまとめた報告が必要な場合は、アナリスト・オペレーター・管理者の役割を持つユーザーなら、カスタムレポートの上部の広告アカウントの選択から複数のアカウントを使ったレポートを作れます※1。

保存しておくのは2本だけ

カスタムレポートは何本でも作れますが、報告書の材料として保存するのは、週次用と月次用の2本に絞ることをおすすめします。

週次用 月次用
名前の例 【週次】TikTok広告_商材名 【月次】TikTok広告_商材名
期間 過去7日間 カスタム(前月1日〜末日)
行(ディメンション) 広告(動画ごとの差を見るため) キャンペーン(全体の推移を見るため)+必要なら広告
列(データ指標) 費用/インプレッション数/リーチ数/動画視聴数/動画の2秒視聴数/動画視聴1回あたりの平均視聴時間/費用1,000円あたりの総再生時間の目安(カスタムデータ指標)/クリック数(誘導先)/コンバージョン数/コンバージョン単価

列は、公式ヘルプに載っている表記から選んでいます※6※7。それぞれの数字が何を意味し、悪いときにどこを直すかは「TikTok広告の運用のやり方」で扱っています。この2本の列を、途中で入れ替えないこと。先月と比べられなくなるからです。

要するに

材料はカスタムレポートで作り、週次用・月次用の2本を、同じ条件のまま保存する。費用1,000円あたりの総再生時間の目安はカスタムデータ指標で足す。定時実行はアクセス権限のある人しか開けず、3か月ダウンロードがないと止まる。

レポートに載せる項目と並べ方|1枚目の一番上は「目的」で決める

材料がそろったら、読み手に渡す1枚を作ります。ここでいちばん大事なのは、1枚目の一番上に何を置くかです。読み手が1行しか読まなくても、そこで状況が分かるようにします。

並べ方は「結果 → 理由 → 次の手」の3段

段 置くもの どこから持ってくるか
上段:結果 効果と呼ぶ数字(1つ)と、その先の管理画面の外の数字。費用 コンバージョン数など+社内で数えた数字
中段:理由 動画ごとの成果の差と、なぜその差が出たかを示す数字を2〜3個 週次用・月次用のカスタムレポート
下段:次の手 今週(今月)変えたこと、次に数字を見る日、読み手に決めてほしいこと 運用担当のメモ

管理画面の書き出しは、左から「キャンペーン名、費用、インプレッション数……」と、上流の数字から順に並んでいます。それをそのまま貼ると、読み手は右端まで目を動かして、やっと結果にたどり着く。報告書では、この順番を逆さまにします。

上段の「効果と呼ぶ数字」は、目的と知名度で変わる

上段に置く数字は、広告を出した目的で決まります。申込を取るための広告なら申込の数、知ってもらうための広告なら届いた人数とその先の変化です。

もう1つ、上段を左右するのが自社がすでに知られているかどうかです。豊田の考えでは、撮るより先にどこで自社を知ってもらうか(チャネル設計)を決め、すでに知られている会社なら再生数は0でよいので会社の中身が分かる動画を置き、無名ならリーチは広告で取ってホームページや求人媒体へ送ります。目的と知名度による考え方は「TikTok広告の効果は?」で扱っています。

この考え方をレポートに移すと、知られている会社の報告書では再生数を1枚目の一番上に置く理由がありません。置くのは、動画を見た人がその先に進んだか(問い合わせ・申込)です。まだ知られていない会社は、広告で買ったリーチそのものが最初の成果なので、届いた人数と、そこから送り先に進んだ数を上段に並べます。同じTikTok広告でも、会社の立場で1枚目は変わります。

中段の「動画の行」は、成果の単価と費用あたりの時間で並べる

中段には動画ごとの数字が並びます。申込や予約などのコンバージョンを目的にした広告なら、動画の行の左端に置くのは動画ごとのコンバージョン数とコンバージョン単価です。上段の「効果と呼ぶ数字」を、動画ごとに分けたものだからです。

では、その差がなぜ生まれたのかを、どの数字で説明するか。豊田は投稿後に見る数字について、こう言っています。

豊田優人

最重要は総再生時間。ユーザーの時間を食べさせること。冒頭2秒の離脱と平均視聴率は、その手段として見る。

理由は、TikTokを運営するByteDanceが広告で収益を得ている以上、ユーザーの数と滞在時間が担保されないと広告の成果も落ちるので、時間を使わせるクリエイターやコンテンツほど優遇されるはずだ、という逆算です。

この考え方を広告の動画の行に移すと、総再生時間は「なぜその動画が効いたのか(効かなかったのか)」を説明する数字になります。ただし広告では、再生は費用を払って買うものです。総再生時間の目安をそのまま並べると、費用を多く配分された動画ほど上に来て、動画の出来ではなく予算の配り方を比べることになります。そこで、2章で作った「費用1,000円あたりの総再生時間の目安」で比べます。

並べ方は、コンバージョン目的の広告ならコンバージョン単価の低い順。その右に、費用1,000円あたりの総再生時間の目安と、手段の数字として「動画の2秒視聴数 ÷ 動画視聴数」の割合を1列ずつ添えます。知ってもらうことが目的の広告なら、費用1,000円あたりの総再生時間の目安の多い順に並べます。こうしておくと、読み手は上から「払った費用に対してよく働いた動画」を確かめられ、担当者は「冒頭で離れられているのか、途中で離れられているのか」を同じ行で説明できます。

管理画面の外の数字を、同じ紙に並べる

上段に「その先の管理画面の外の数字」を置くのは、豊田が再生数を成果に変える導線として、TikTok単体で完結させず「TikTokで知る → ホームページを検索する → 求人媒体や応募へ」と送るクロスチャネルの導線を挙げているからです(採用の文脈の話で、販促なら、求人媒体や応募が予約・申込・購入に替わります)。成果がTikTokの外で起きる以上、管理画面のレポートだけで報告書を閉じると、いちばん大事な段が抜けます。

並べ方のコツは、管理画面の数字と外の数字を別のページに分けず、1本の流れとして横に並べることです。「広告で取ったリード → 社内で数えた商談 → 契約」が1行で見えれば、読み手は「広告の数字は良いのに、契約が増えていない」といったずれに自分で気づきやすくなります。外の数字の受け取りがまだ決まっていない場合も、欄だけは先に作り、空欄のまま出してください。空欄があること自体が、社内で決めるべきことの報告になります。

豊田がバズっても1円にもならないアカウントの特徴の1つに挙げるのが、「どこで知ってもらい、どこへ送るか」のチャネル設計がないままTikTokのオーガニックだけで完結させようとすることで、外の数字の欄が何か月も空いたままのレポートは、広告でもこの「どこへ送るか」がまだ決まっていないしるしかもしれません。外の数字を社内の誰がいつ渡すかの決め方は「TikTok広告の運用のやり方」で扱っています。

要するに

並べ方は結果 → 理由 → 次の手。上段の数字は目的と知名度で決め、管理画面の外の数字を同じ行に並べる。動画の行はコンバージョン単価の低い順(知ってもらう目的なら費用1,000円あたりの総再生時間の目安の多い順)に並べ、費用あたりの時間と2秒の割合を添える。

読み手別の構成|担当者・上長/経営者・クライアント

同じ材料でも、読み手が変われば並べる順番と細かさが変わります。報告書を作る前に、誰が、何を決めるために読むのかを1行で書いてから始めてください。

読み手 読んで決めること 1枚目に置くもの 付録に回すもの 頻度の目安
担当者(自分・運用チーム) 今週どこを直すか 動画ごとの数字(3章の並べ方の順)と、変えたことの結果 —(全部が本文) 週1回
上長・経営者 続けるか、増やすか、変えるか 結論1行/効果と呼ぶ数字(目標・前期間と比較)/管理画面の外の数字/費用 動画ごとの数字、管理画面の列 週1回は1枚、月1回は4ページ
クライアント(代理店・制作側として出す場合) この運用でよいか、何を社内で用意するか 合意した目標に対する進み具合/今月変えたことの一覧/来月の提案 カスタムレポートの書き出し 月1回(+週次の簡易版)

担当者向け|「動画の差」が見える粒度で

自分やチームで見る報告書は、行を広告(動画)単位にします。キャンペーン単位の合計では、どの動画が効いていて、どの動画が足を引っ張っているかが消えるからです。週次用のカスタムレポートをそのまま使い、3章の並べ方で並べれば十分です。

上長・経営者向け|結論を1行目に、判断の選択肢を最後に

上長や経営者が知りたいのは、動画の出来ではなくお金の使い方を変えるべきかどうかです。1行目に結論、2行目以降に効果と呼ぶ数字と管理画面の外の数字、最後に「決めてほしいこと」を置きます。決めてほしいことは、「来月も同じ予算で続けるか」「新しい動画の撮影日を確保できるか」のように、はい・いいえで答えられる形にしておくと、会議で話が進みやすくなります。

経営者向けでは、TikTok広告だけの紙にしないことも大事です。豊田は、今なら絶対にやらないこととしてTikTokのみに予算を落とすことを挙げています。TikTokで知った人が自社サイトを検索して申し込む流れなら、検索から来た申込も同じ紙に並べておく。そうすると、TikTok広告を止めたときに何が減りそうかまで、読み手が想像しやすくなります。

クライアント向け|「変えたこと」と「お願いしたいこと」を必ず入れる

代理店や制作側としてクライアントに出す場合は、数字の報告に加えて今月変えたことの一覧を入れます。何も変えていない月は、変えなかった理由を書く。もう1つ、管理画面の外の数字はクライアントの社内にしかないので、「来月までにこの数字をください」というお願いの欄を作っておきます。受け取れなかった月は、その欄を空欄のまま残しておけば、次の打ち合わせの議題にできます。

グラフのレポートと電卓
イメージ(写真:photoAC)

そのまま使えるレポートの型(週次1枚・月次4ページ)と記入例

ここまでを型にします。コピーして、自社の言葉に置き換えて使ってください。記入例は、体験レッスンの予約を取る広告を出している架空の英会話スクールです。

週次1枚(上長・経営者向け)

欄 書くこと 記入例(架空)
1. 今週の結論 良かったか悪かったか+理由+次の手を、1文で 体験予約は先週より増えたが目標には届かず。冒頭の違う動画を1本足した
2. 効果と呼ぶ数字 今週/先週/目標 体験レッスン予約 21件/18件/25件
3. 管理画面の外の数字 その先の1段(受け取れていなければ空欄のまま) 先週予約した人のうち来校 12人(受付の集計)
4. 費用 今週の費用/今月の累計/今月の予算 6.1万円/12.3万円/25万円
5. 動画の数字 3章の順に上位2本と、費用あたりの時間・2秒の割合 1位 動画B「講師の言い間違い」予約単価2,400円/2位 動画A「受付の1日」予約単価3,100円。動画Aは費用あたりの時間・2秒の割合とも先週より低下
6. 変えたこと・次に見る日 今週変えたことを1つと、次に数字を見る日付 動画C(冒頭違い)を追加。次に見るのは10月15日
7. 決めてほしいこと はい・いいえで答えられる形で 1月の入会時期に向けた動画の撮影日を、11月中に半日取ってよいか

運用担当がつけている週次の記録(動画ごとの数字や変更の記録)から、この7行だけを抜き出すイメージです。7行に収まらないことは、上長向けの週次には書かない。書きたくなったら、それは月次か、担当者向けの資料に回します。

「TikTok広告の運用のやり方」では、上長への週次報告は、運用担当がつける週次の記録と変更の記録を1行ずつ出せば足りる、という形を紹介しています。この7行は、その2行に比べる相手・管理画面の外の数字・費用・決めてほしいことを足して、読み手がその場で判断まで済ませられるようにした版です。予算や撮影日を決めてもらう週は、こちらを使ってください。

月次4ページ(上長・経営者・クライアント向け)

  • 1ページ目:サマリー——結論3行、効果と呼ぶ数字の月の合計と前月・目標との比較、費用、決めてほしいこと
  • 2ページ目:広告から成果までの流れ——管理画面の数字と外の数字を、左から右へ1本の流れで並べる
  • 3ページ目:動画ごとの数字——3章の並べ方の順。上位と下位それぞれ2〜3本に、費用あたりの時間と2秒の割合、なぜその順位になったかの一言
  • 4ページ目:今月変えたことと、来月やること——変更の一覧(日付・何を・結果)と、来月の動画の予定。クライアント向けなら「来月までにいただきたい数字」の欄も
  • 付録——月次用カスタムレポートの書き出し(読み手が自分で確かめたいときのため)

2ページ目の記入例|弊社の採用広告の場合

2ページ目の「流れ」は、実際の数字で見たほうが早いので、弊社が公開している自社の採用募集の実績で書いてみます。

広告側 リードの先
期間 広告費 リード 面談 採用
約40日 20万円 95件 27件 7名

左の3列は広告の側の数字、右の2列はリードのあとの選考で生まれた数字です。この2つを1行に置くのが2ページ目の役割で、販促なら右の2列が「来店 → 入会」「商談 → 契約」に替わります。

要するに

週次は7行1枚、月次はサマリー → 流れ → 動画 → 変えたことと来月の4ページ+付録。2ページ目で、管理画面の数字と外の数字を1本の流れにする。

代行会社から届くレポートで確かめる6つの点

代行会社に運用を任せている場合、レポートは「読む」だけでなく「確かめる」ものです。届いたら、次の6つを見てください。

代行会社のレポートで確かめる6項目
  1. 1枚目の一番上に、自社が決めた「効果と呼ぶ数字」があるか。インプレッション数や再生数から始まっていたら、何を目標にしているかをすり合わせ直す
  2. 期間と、比べている相手が書いてあるか。「前月比」の前月が何日から何日か。週次と月次で期間の切り方がそろっているか
  3. 管理画面の外の数字の欄があるか。空欄でもよいので、欄があるか。なければ、自社から渡す数字と渡す日を決める
  4. 今月変えたことと、その結果が書いてあるか。「引き続き様子を見ます」だけの月が続いていないか
  5. 新しく足した動画が、前の月と似たものばかりになっていないか。数字の表より、動画のタイトルの一覧を先月のものと並べて見るほうが早く気づける
  6. 自社でも広告マネージャーを開いて、同じ数字を確かめられるか。開ければ、2章のカスタムレポートで同じ期間・同じ列を出して突き合わせられる

6つの点で引っかかったら、次の3つを質問として送ってみてください。

  • 「このレポートで、私たちが決めた目標に対していちばん近い数字はどれですか」
  • 「先月から今月にかけて、何を1つ変えて、その結果はどうでしたか。次に数字を見るのはいつですか」
  • 「管理画面の外の数字(来店・契約など)を、いつまでに、どの形でお渡しすれば運用に反映できますか」

答えが返ってくるなら、次はレポートの形を整えてもらう相談に進めます。答えに詰まるなら、レポートではなく運用の進め方のほうを話し合う時期かもしれません。

レポートが読まれないときに見直す4つの点

せっかく作った報告書が、会議で開かれない。返事が来ない。そんなときは、次の4つを見直してみてください。

見直す点 起きていること 直し方
1. 列を全部貼っている 書き出しの並び(上流の数字が左)のまま。結果が右端にある 3章の「結果 → 理由 → 次の手」に並べ替え、1枚目は7行まで
2. 比べる相手がない 「予約21件」とだけ書いてある。多いのか少ないのか、読み手には分からない 必ず「先週・先月」と「目標」の2つを横に置く。期間の切り方を毎回そろえる
3. 結論が最後にある 経緯から書き始め、最後のページで「来月も継続します」 1行目に結論。経緯は付録へ
4. 読み手が決めることがない 報告だけで終わり、読み手が返事をする理由がない 「決めてほしいこと」を、はい・いいえで答えられる形で最後に1つ置く

4つの中でも、まず足しておきたいのは4つ目です。読み手に「決めること」を1つ渡しておくと、返事をもらいやすくなります。

TikTok広告のレポートでよくある質問

公式ヘルプでは、受信者全員が3か月続けて定時実行のレポートを1つもダウンロードしなかった場合、定時実行は自動でキャンセルされるとされています※2。カスタムレポートの右上の「定時実行」から、設定が残っているかを確認してください。メールは広告アカウントのタイムゾーンで5:00〜6:00頃に届くので、時差のあるタイムゾーンで広告アカウントを作っている場合は、届く時刻もずれます。

おすすめしません。定時実行のレポートをダウンロードできるのは広告マネージャーへのアクセス権限があるユーザーだけです※2。仮に開けたとしても、届くのは管理画面の数字の一覧で、管理画面の外の数字も「決めてほしいこと」も入っていません。上長に渡すのは5章の週次1枚にしてください。

公式ヘルプでは、データが大きすぎる・サーバーが混雑している・複数のレポートを同時に書き出している、が原因として挙げられています。期間を短くして必要な項目だけにする、1度に1つずつ書き出す、30分待ってやり直す、定時実行に切り替える、が対処です※5。週次用・月次用の2本に列を絞っておくと、そもそも起きにくくなります。

公式ヘルプの動画の指標の一覧には、総再生時間という指標は載っていません※6。2章のとおり、「動画視聴1回あたりの平均視聴時間 × 動画視聴数」で目安を作り、広告の動画どうしを比べるときは費用で割って費用1,000円あたりにしてください。割らずに比べると、費用を多くかけた動画が上に来るだけになります。リピート視聴の扱いが違うため正確な合計ではなく、同じアカウントの中で比べるための目安です。

入れて構いませんが、欄は分けてください。広告マネージャーの数字と、アカウントのアナリティクスの数字は、出どころも数え方も別です。オーガニック投稿の数字の読み方は「TikTokアナリティクスの使い方」「TikTokインサイトの見方」()で扱っています。

目標の欄を空けたまま出すより、「目標未設定」と書いて、決めてほしいことの欄に「来月の目標を◯件にしてよいか」と入れるほうが話が進みやすくなります。何件を目標にするかの考え方は、目的によって変わります。「TikTok広告の効果は?」と「TikTok広告の費用」を参考にしてください。代表に確認が取れた業種別の合格ラインは、この記事では載せていません。

まとめ:取り出すのは2本、渡すのは1枚

この記事の要点
  • TikTok広告のレポートは、管理画面から取り出す材料と、読み手に渡す報告書の2つに分けて作る
  • 材料は広告マネージャーのカスタムレポートで、週次用・月次用の2本を同じ条件のまま保存する。費用1,000円あたりの総再生時間の目安はカスタムデータ指標で足す
  • 定時実行は便利だが、アクセス権限のある人しか開けず、3か月ダウンロードがないと止まる
  • 報告書は結果 → 理由 → 次の手の順。1枚目の一番上は、目的と知名度で決めた「効果と呼ぶ数字」
  • コンバージョン目的なら、動画の行はコンバージョン単価の低い順に並べ、総再生時間は費用1,000円あたりに直して、効いた理由を説明する数字として添える
  • 管理画面の外の数字を同じ紙の同じ流れに並べる。受け取れていなくても欄は作る
  • 代行会社のレポートは、6項目で確かめて、質問を返す

次の報告日が来る前に、週次用のカスタムレポートを保存して、自分宛ての定時実行をオンにしておいてください。材料を取りに行く手間がなくなれば、報告の準備は、届いた数字を5章の7行に写して「決めてほしいこと」を1つ書き足す作業になります。代行会社からレポートを受け取る側なら、次のレポートが届く前に、6章の3つの質問のうち1つを送ってください。届いたレポートにその答えが入っているかどうかが、次に確かめる点です。

弊社にご相談いただく場合、はじめに確認するのは次の3点です。それぞれ、この記事で作るレポートの欄に対応しているので、作りかけのレポートを手元に置いたままお話しいただけます。

はじめに確認する3点 レポートで見る欄
1. どんな人材が欲しいのか(それに合わせてコンテンツを組まないと必ず外すため。販促なら「どんなお客様に来てほしいのか」) 1枚目の一番上の「効果と呼ぶ数字」
2. どこで自社を知ってもらうのか(ホームページ・求人媒体・SNSのどれを前提に組むのか) 月次2ページ目の、管理画面の外の数字の欄
3. リーチをオーガニックで取るのか、広告で取るのか 動画の行の並べ方(3章)

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この記事を書いた人

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウントを含む自社TikTokアカウント群を運用し、100万再生を超えた動画は137本、累計4.61億再生。複数の記事で取り上げられたほか、大学での登壇歴がある。株式会社BEEMは「SNS採用のみで採用したメンバーで構成される会社」として、TikTokの運用代行・広告運用・採用支援を提供している。

出典

  1. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「レポートの作成と管理」(2025年12月更新)。2026年10月1日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/create-manage-reports?lang=ja
  2. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTok広告マネージャーでカスタムレポートのエクスポートをスケジュール設定する方法」(2025年12月更新)。2026年10月1日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/create-scheduled-reports?lang=ja
  3. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「カスタムデータ指標について」(2025年2月更新)。2026年10月1日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/about-custom-metrics?lang=ja
  4. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTok広告マネージャーで広告配信成果を確認するには」(2025年12月更新)。2026年10月1日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/view-data?lang=ja
  5. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「レポートがダウンロードできない」(2025年5月更新)。2026年10月1日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/troubleshooting-unable-to-download-report?lang=ja
  6. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「動画再生のデータ指標」(2025年11月更新)。2026年10月1日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/video-play?lang=ja
  7. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「TikTok広告マネージャー内の基本データ指標と定義」(2025年10月更新)。2026年10月1日確認 https://ads.tiktok.com/help/article/basic-data?lang=ja
本文中のデータについて

採用広告の実績は、弊社(株式会社BEEM)が自社の採用募集で行った配信の数字です。100万再生超え137本・累計4.61億再生は、弊社の会社アカウントの公開中の投稿から数え直した実績です(2026年10月13日時点)。2章の「保存しておく2本」から7章の4つの見直し点までの型・並べ方は編集部の提案で、英会話スクールは架空の例です。広告マネージャーの画面名・ボタン名・指標名は2026年10月1日時点の公式ヘルプの記載に基づくもので、改定される場合があります。

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