TikTokコンサルは必要か|支援している側の会社が、コンサルを入れても直らないことから先に話します

TikTokコンサルは必要か

最終更新日:2026年10月13日
執筆・監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

この記事はこんな方に向けて書いています
  • 会社のTikTokが伸びず、コンサルや運用代行に頼むべきか迷っている中小企業のマーケ・販促担当者の方
  • 社内で外注の稟議を通す前に、「入れれば本当に伸びるのか」を確かめておきたい方
  • すでに何社か話を聞いたが、どこも同じことを言っていて選べない、という方
先に、この記事の立場を開示します
この記事を書いている株式会社BEEMは、TikTokの運用支援・広告運用を仕事にしている会社です。つまり本記事は「TikTokコンサル」を売っている側が「TikTokコンサル」について書いた記事です。売り手が書いた記事を、そのまま信じる必要はありません。ですのでこの記事は、弊社に頼むべき理由からではなく、コンサルを入れても直らないこと・頼むべきでない状態のほうから先に書きます。そのうえで判断してください。
先に、この記事の結論をお伝えします

結論から言うと、コンサルを入れても直らない失敗の型があります。弊社代表の豊田は、もう通用しなくなった手法のひとつとして「既存の動画をもとにした焼き直しの運用」を挙げています。そして、これが通用しなくなった原因はコンテンツ力の低下ではなく、アカウント数・クリエイター数が増え続ける一方でユーザー数が成熟したという市場の構造変化です。原因が市場の側にある以上、運用する人が社内の担当者から外部のプロに変わっただけでは、この失敗は止まりません。止めるには、撮り方や本数ではなく「どこで自社を知ってもらい、どこへ送るのか」というチャネル設計から先に決め直す必要があります。この記事は、その判定と、頼むときの質問リスト(12項目)を渡すために書きました。なお本記事には弊社の料金が1円も出てきません。書かない理由は9章に正直に置いたうえで、外部メディアが公表している相場だけは(参考値・外部相場)と明記して1段落だけ引いています。

資料を見ながら話す2人のビジネスパーソン
イメージ(写真:photoAC)

この記事は「頼めば伸びます」とは言いません

「TikTokコンサル」で検索したとき、上位に並ぶのはほとんどが支援会社のページです。そして、そこに書いてあることは驚くほど似ています。実績の再生数、支援の流れ、料金プランの表、そして「まずは無料相談へ」。

弊社も同じ業界にいるので、その書き方が悪いとは言いません。ただ、あなたが今いちばん知りたいのは、たぶんそこではないはずです。

知りたいのは、こういうことだと思います。

この記事で答えること
  • コンサルを入れれば伸びるのか。入れても直らないことは何か(2〜3章。ここが本記事の中心です)
  • 今の自社は頼んでいい状態か。頼む前に自社で決めておくことはあるか(4〜5章)
  • 良い会社と、そうでない会社をどう見分けるのか(6〜8章)
  • 見積もりを取るとき、何を確認すればいいのか(9章。12項目のリストを置きました)
  • 提示された実績は、どう読めばいいのか(10章)
  • 自社でやるのと頼むのは、どちらがいいのか(11章)

とくに1つ目です。ここに正直に答えている記事が、この検索キーワードにはほとんどありません。理由は単純で、支援会社にとって「入れても直らないことがある」は書きにくいからです。

ですが、この話を先にしないまま始まった支援は、だいたい途中で止まります。期待していたものと違うからです。お互いに損なので、最初に書くことにしました。

もうひとつ。この記事には弊社の料金が出てきません。理由と、代わりに置いた「見積もりで確認する12項目」は9章にあります。

結論:コンサルを入れても、この失敗は止まりません

弊社代表の豊田に「昔は有効だったが、もう通用しなくなった手法は何か」と聞くと、3つ挙がります。

豊田優人

昔は、会社アカウントをオーガニックでバズらせて認知を取るのが、いちばん費用対効果の良い認知の取り方でした。今はそれが通用しません。キャスティングして可愛い子を出す差別化も、新しくもないし、運用が入ってるなと見透かされます。あとは、既存の動画をもとにした焼き直しの運用。これも通用しない。理由はコンテンツ力が落ちたからじゃなくて、アカウント数もクリエイター数も増え続けていて、ユーザー数のほうは成熟しているという、構造の変化です。

3つ目の「既存の動画をもとにした焼き直しの運用」。ここが、この記事のいちばん大事なところです。

「焼き直し」とは何か

具体的には、こういう運用のことです。

  • 自社の過去に伸びた動画を分解して、同じ型で本数を増やす
  • 同業他社で伸びている動画を見つけて、自社版に置き換えて出す

どれも、真面目な運用です。むしろ「ちゃんとやっている運用」の教科書どおりとも言えます。分析して、当たった型を再現して、本数を出す。多くの支援会社が提案するのも、だいたいこの形です。

そして、これがもう伸びません。

ここからが本題です。この失敗は、誰が運用しても起きます

ここで多くの記事は「だからプロに頼みましょう」と続けます。弊社は続けません。

理由は、代表の説明の後半にあります。焼き直しが効かなくなった原因はコンテンツ力の低下ではなく、市場の構造変化だと言っています。そして「直近1年で変わったこと」を聞いた別の質問には、アカウント数・クリエイター数は全ジャンルで増え続けていて、撤退している業界はひとつも無い。一方でユーザー数は成熟しているので、1アカウントあたりの再生数が落ちるのは構造的に当たり前だ、とも言っています。供給だけが増え続けている市場だということです。

原因が市場の側にあるなら、答えは1つしか出てきません。

この記事の芯

焼き直しが効かないのは「担当者の腕が足りないから」ではなく「市場がそうなっているから」です。ですので、運用する人が社内の担当者から外部のプロに入れ替わっても、やっていることが焼き直しである限り、同じ結果になります。

念のため、この結論の出どころをはっきりさせておきます。「運用する人が替わっても同じ結果になる」という言い方そのものは弊社の見解で、根拠は代表が確定させている2つの事実です。①焼き直し運用はもう通用しない ②その原因はコンテンツ力ではなく市場の構造変化。原因が市場側にあるなら、運用者を替えるだけでは解けない——ここまでは、この2つから素直に出てきます。

逆に言えば、解けるのは「焼き直しではないものを作れるかどうか」のほうです。そしてそこには、外の人間が入る意味が確かにあります。ただしそれは「運用を代わりにやってくれる人」としての意味ではなく、何を作るかを決め直す相手としての意味です。この違いが、発注の成否をほぼ決めます。

もうひとつ。ユーザー側も変わっています

代表が直近1年の変化として挙げているもののうち、発注を検討している方に直接効くのは次の2つです。

  1. ユーザーが育っていて、少しでも「見たようなスタイル」だと、動画の後の展開を無意識に予測されてスクロールされる
  2. 「これは運用代行が入っているんだろうな」とステマ的に見る目線のユーザーが増えた

2つ目は、外注を検討している立場からするとかなり厳しい指摘です。代行が入っていると見透かされること自体が、マイナスに働く時代になっているということだからです。ですので、支援を入れるかどうかを考えるときの問いは「プロに任せれば上手くなるか」ではなく、「入れたことが見えない状態まで持っていけるか」のほうになります。この観点は6章と8章で、確認すべき質問の形に変えて置いておきます。

なぜ「入れれば伸びる」が成り立たなくなったのか

2章の話を、提案書を読む目に変えます。

市場側で起きていること

代表が挙げている直近1年の変化を、発注判断に効く順に並べ直すと、こうなります。

市場で起きていること 発注判断への影響
アカウント数・クリエイター数が全ジャンルで増え続けている。撤退している業界が無い 供給が増え続けているので、同じ努力量では同じ結果にならない。「去年これで伸びました」という提案は、今年も効く保証にならない
一方でユーザー数は成熟している 1アカウントあたりの再生数が落ちるのは構造的に当たり前。去年と同じ再生数を約束する提案は、まずその前提を疑ってよい
ユーザーが育ち、少しでも見たようなスタイルだと、後の展開を予測されてスクロールされる 「他社で当たった型をそのまま持ち込む」提案は、むしろ不利に働きうる
「運用代行が入っているんだろうな」とステマ的に見る目線のユーザーが増えた 外注していることが透けて見える作り方は、それ自体がマイナスになる
作り込みすぎない、TikTokの完成動画とInstagramストーリーズの中間くらいのリアルな空気感の動画が伸びる(2025年3月頃から) 制作クオリティの高さを売りにする提案が、必ずしも成果に直結しない
転職を検討するときに企業のSNSまで調べるのが当たり前になった(とくに20代) 再生数が出なくても、見に来た人に何を見せるかには価値がある。「伸ばす」以外の目的が成立する

この表の右側だけを取り出すと、TikTokコンサルの提案書を読むときのチェックポイントになります。とくに2行目です。

提案書で最初に疑うところ
「昨年、同種のアカウントで◯万再生を出しました。同じ設計で御社も伸ばします」という提案は、上の2行目と正面からぶつかります。供給が増え、ユーザーが成熟している市場では、去年と同じ設計が今年も同じ数字を出す保証がありません。悪意があるとは限らず、単に去年の成功体験を売っているだけのこともあります。「その設計は、今年の市場でも同じように効くと考える根拠は何ですか」と1つ聞いてみてください。ここで説明が止まる会社と、市場の変化を自分の言葉で説明できる会社に、はっきり分かれます。

「費用対効果が合わない」という判断について

もうひとつ、発注を迷っている方に触れておきたいことがあります。

「費用対効果が合わない」と判断して、そもそも手を出さないという選択についてです。弊社は「だから今すぐ出稿すべきだ」と言い切れる材料は持っていません。

この記事の読者は、まさにその判断をしようとしている方だと思います。ですので、この記事の残りは「合うか合わないか」を自分で判定するための材料として組みました。判定に必要なのは金額よりも、次の4章と5章です。

コンサルを頼むべきでない4つの状態

弊社の考えでは、次の4つの状態にあるうちは、コンサルを入れても支払った分は返ってきません。先に自社で片づけたほうが、確実に安く済みます。

状態 何が起きているか コンサルで直るか 先にやること 集客が目的の場合の読み替え
①何をしている会社か分からない 動画が伸びても、見た人が「で、この会社は何屋なんだろう」で止まる。再生数と事業がつながらない 直らない。企画の問題ではなく、会社の伝え方の問題だから プロフィール・固定の1本・ホームページで「何をしている会社か」が3秒で分かる状態を作る 止まる場所が「で、これはどこで買えるのか」に変わるだけで、構造は同じ
②会社の信頼性を担保できるものがない 興味を持った人が調べにきたとき、判断材料が何も無い。とくに20代は転職検討時に企業のSNSまで見る 直らない。用意するのは会社側の情報だから 実績・社内の様子・人の顔など、外から見て信頼を判断できる材料を先に置く 調べにくるのが求職者ではなく購入検討者になる。置くものは実績・利用者の声・作り手の顔に読み替える
③送り先が決まっていない どこで知ってもらい、どこへ送るのか(ホームページ・求人媒体)のチャネル設計がないまま、TikTokのオーガニックだけで完結させようとしている 直らない。ここを決めるのは発注側の意思決定だから 5章。ここが本記事の本題です 送り先が求人媒体ではなく、商品ページ・予約/問い合わせフォーム・店舗になる
④「みんながやっている形」をそのまま外注しようとしている 他社と同じ戦略・同じやり方を、実行だけ外に出そうとしている。実行の質は上がるが、同じことをする人が増えるだけ 直らない。むしろ悪化することがある(外注が入っていると見透かされる分だけ不利) 2章。焼き直しではないものを作れるかどうかに論点を移す 読み替えなし。目的にかかわらず同じように起きる

①と②は、代表が「バズっても1円にもならないアカウントの特徴」として挙げているものです。バズらないアカウントではなく、バズっても金にならないアカウントの話であることが重要です。つまり、数字を出すこと自体は支援で解ける場合があるのに、この2つが埋まっていないと、その数字が事業に届かないまま終わります。

④について、代表はもっと直接的な言い方をしています。業界で本気で反対していることのひとつとして挙げているのが、全員が同じ戦略・同じやり方を取っていること。だから全員結果が出ない、という点です。

ここで少しややこしいのは、外注は「同じやり方」を加速させる装置にもなりうるという点です。支援会社は複数のクライアントを見ているので、当然、社内に共通の型があります。その型が優秀であるほど、同じ型のアカウントが市場に増えます。増えれば、ユーザーには見慣れたものになります。

ですので、候補の会社にはこう聞いてみてください。

④の状態を抜けるための質問

「御社が他のクライアントに提案しているものと、うちに提案しているものは、どこが違いますか」
この質問に具体的に答えられない会社は、あなたの会社を「同じやり方」の中に入れようとしています。答えが「御社の業種に合わせてアレンジします」で止まる場合も同じです。アレンジは、同じ型の話です。

逆に、頼む価値が大きくなる状態

4つの裏返しになりますが、次の状態は外の人間が入る価値が出やすいところです。

  • 何をしている会社かは明確で、送り先(ホームページ・求人媒体・店舗など)も決まっている。詰まっているのは「何を作るか」だけ
  • 社内に撮れる人・出られる人はいるが、企画が焼き直しになっている自覚がある
  • オーガニックだけでは届かないと分かっていて、広告を含めてリーチの取り方を組み直したい
  • 数字は出ているのに事業につながっていない。導線を作り直したい

共通しているのは、頼む目的が「運用の代行」ではなく「設計のやり直し」になっていることです。

ノートと観葉植物を置いた机
イメージ(写真:photoAC)

頼む前に、自社で決めておくこと(ここが本題です)

代表に「これからTikTokを始める企業に、最初の1本として何を撮れと言いますか」と聞くと、撮る話が返ってきません。

豊田優人

撮る前に、どこで自社を知ってもらうのかのチャネル設計を先に決めてください、と言います。知名度がある会社なら、再生数は0でもいいんですよ。会社の中身が分かる動画——インタビューみたいなものを置いておけばいい。YouTubeでロングを作って、切り抜きをTikTokに回す形でもいいです。無名の会社なら、リーチは広告で取る。そこからホームページや求人媒体に送る。

この発言は、コンサルを検討している方にとって二重の意味を持ちます。

意味その1:発注前に決められることが、まだ残っている

チャネル設計は、外注してから決めることではなく、外注する前に決めておけることです。決めるための情報は、全部社内にあります。自社に知名度があるのか、採用が目的なのか集客が目的なのか、応募や問い合わせをどこで受けるのか——これらは支援会社が調べて教えてくれることではなく、あなたの会社が決めることです。

ここが決まっていない状態で発注すると、最初の1〜2ヶ月がヒアリングと方針すり合わせに溶けます。費用が発生している期間に、社内で決められたことを決めているわけです。

意味その2:ここが決まっていると、提案の良し悪しが判定できる

もっと大きいのはこちらです。チャネル設計を自社で持っていれば、提案書を読んだときに「この提案は、うちの設計とかみ合っているか」で判定できます。持っていなければ、判定基準が「実績の再生数」と「金額」しか残りません。

この2つだけで選ぶと、だいたい失敗します。10章で詳しく書きますが、提案書に載っている再生数は、その会社の事業に何が起きたかを何も語らないからです。

発注前に埋めておく3つの欄

難しいことは要りません。次の3つを紙に書けるところまでで十分です。

発注前に自社で埋める3つの欄
  1. 欲しいのは誰か。人材なのか、お客様なのか。人材なら、どんな人材か(職種・年代・経験の有無まで)
  2. どこで自社を知ってもらうのか。ホームページなのか、求人媒体なのか、SNSなのか。SNSは「知ってもらう場所」なのか「知った後に見られる場所」なのか——この2つは設計がまったく違います
  3. リーチはオーガニックで取るのか、広告で取るのか。自社に知名度が無いなら、オーガニックだけで認知を取ろうとすること自体を代表は否定しています

この3つには元ネタがあります。弊社がご相談をいただいたときに、最初に確認している3点そのものです。次の6章でその話をします。

「知名度がある会社は再生数0でいい」の意味

代表の発言の中で、支援会社らしくない一言はここだと思います。知名度がある会社なら、再生数は0でもいい。

これは「TikTokをやらなくていい」という意味ではなく、目的が「拡散」ではなく「調べにきた人への回答」になるという意味です。転職を検討するときに企業のSNSまで見るのが当たり前になった(とくに20代)という変化を踏まえると、見に来た人が必ずいます。その人が見るのは、バズった1本ではなく、会社の中身が分かる動画です。

この場合、必要なのは「バズらせるコンサル」ではありません。会社の中身が伝わる動画を、外から見て信頼できる形で置ける人です。発注の目的が変われば、選ぶ相手も変わります。

良いコンサルの見分け方は「最初に何を聞いてくるか」

ここからは候補を絞る話です。弊社がご相談をいただいたときに最初に確認していることを、そのまま開示します。

豊田優人

ご相談をいただいたとき、うちが最初に確認するのは3つです。ひとつ、どんな人材が欲しいのか。これに合わせてコンテンツを組まないと必ず外します。ふたつ、どこで自社を知ってもらうのか。ホームページなのか、求人媒体なのか、SNSなのか。みっつ、リーチをオーガニックで取るのか、広告で取るのか。

この3つが決まらないうちは企画の話が始まらない、というのが弊社の順序です。どれを前提に組むかで、作るものが変わるからです。

これを、発注側の視点にひっくり返します。初回の打ち合わせで、相手がこの3つを聞いてくるかどうかを見てください。

相手が最初に聞いてくること 読み取れること
どんな人材/どんなお客様が欲しいのか 良い兆候。ゴールから逆算して作ろうとしている。ここを外すとコンテンツは必ず外れる
どこで自社を知ってもらうのか(HP・求人媒体・SNSのどれが前提か) 良い兆候。TikTok単体で完結させない前提で考えている
リーチはオーガニックか、広告か 良い兆候。オーガニックだけで届く前提を置いていない
今のフォロワー数・再生数はいくつか 中立。現状把握として自然。ただしここから始まって最後まで数字の話しか出てこない場合は要注意
投稿頻度は週何本出せるか/撮影に出られる社員はいるか 中立。運用体制の確認として自然だが、これが1問目に来る場合は「実行を請け負う」発想が先に立っている可能性
いきなり企画案・構成案を出してくる 要注意。上の3つを聞かずに作れる企画は、他社に出したものの流用である可能性が高い
他社事例の再生数から入る 要注意。再生数の実績は成果の実績ではない(10章)。事例が自社の状況と接続されているかを見る

6行目の「いきなり企画案を出してくる」について補足します。提案の熱意としては歓迎したくなるところですが、目的も送り先も聞かずに作れる企画は、あなたの会社のために作られたものではありません。代表が「これに合わせてコンテンツを組まないと必ず外します」と言っているのは、この順序の話です。

もう1つ、聞いてほしい質問

3つの確認事項に加えて、弊社が発注側なら必ず聞くだろう質問を1つ挙げます。

4つ目の質問

「うちがTikTokをやらないほうがいい可能性はありますか。あるとしたら、それはどういう場合ですか」

この質問に「ありません、御社は絶対にやるべきです」と即答する会社は、受注の判断と、成果の判断を分けていないということです。4章の4状態に当たる会社に対して「今は着手しないほうがいい」と言える相手かどうかが、ここで分かります。

支援の中身を開示します|企画を出す前に見ている7項目

「設計をやり直す相手として選べ」と書いてきたので、では設計とは具体的に何を見ることなのかを開示します。

弊社代表が、企画を出す前に必ず確認している項目です。

# 企画を出す前に確認していること なぜ見るか
1 いま世の中が何に注目する時期か(予測できるトレンド)を先に取る トレンドはTikTokの中で流行っているものではなく、世の中の注目のこと。4月なら新社会人、12月ならクリスマスと予測できる
2 その時期に走っている進行中のトレンドを掛け合わせる 予測できるものと、今まさに動いているものの二重取りにする
3 誰のレコメンド欄に届くかを決める 届け先を決めずに作ると、誰にも当たらない
4 複数の立場(上司側・部下側など)が自分ごと化して最後まで見る設計になっているか 見る理由が2通りあると、最後まで見られる人数が増える
5 音源がターゲットの年齢層と一致しているか 狙う層とアーティストのファン層を一致させるために選ぶ
6 撮影の手間が小さいか 手間が大きい企画は続かない。続かない企画は本数が出ない
7 他人が真似できるフォーマットか 真似されるとトレンドになる。真似されない企画は自社1社で押し続けることになる

この7項目には、発注検討中の方にとって使える性質があります。1〜5は、動画を1本も撮る前に判定できるということです。

「バズは運か」への答え

この7項目が実際に効いた例として、代表は自社の「毒上司」シリーズについて、こう言っています。

豊田優人

毒上司も、結果論ではありますけど、戦略の元にバズったコンテンツです。バズるべくしてバズった。4月というトレンド、退職代行という進行中のトレンド、上司側も部下側も自分ごと化する設計、狙った新卒の年齢と一致する音源。ここまで事前に決めています。

補足すると、代表が「これはいける」と確信したのは投稿後ではなく企画段階だったそうです。根拠は2つで、①4月は「あの形じゃなくても、ああいうコンテンツが伸びるのは絶対」というトレンドの確信があったこと、②フォーマットが単純で演技力がなくても成立するため「絶対に真似される=トレンドになる」と予測できたこと。上の表の1番と7番です。

この話を、発注判断にどう使うか。候補の会社に「投稿する前に、その企画が当たるかどうかを何で判断していますか」と聞いてみてください。判断材料を持っている会社は、この質問に項目で答えます。持っていない会社は「出してみないと分かりません」「数を出してPDCAを回します」と答えます。

後者が悪いとは言い切れません。実際、出してみないと分からない部分は残ります。ただ「全部出してみないと分からない」なら、外の人間に頼む理由が薄くなります。それは社内でもできることだからです。

企画は「思いつく」ものではない、という話

もう1つ、発注前に知っておくと期待値がずれずに済む話をします。

代表いわく、企画が浮かぶのは2パターンあるそうです。①なんとなく見ていて「使えそう」と思うパターン ②「新しいコンテンツを作りたい」と前提条件をセットして探しているパターン。毒上司は②で、4月に仕掛けると決めた状態でレコメンドを見ていた最中に、看護師の方が上司役とやりとりする動画(看護師とりちゃん「OTBN」)が流れてきて、それが原型になったと言っています。時期は2025年3月、1本目の投稿は3月26日でした。

ここで大事なのは、前提条件を先にセットしていたから、流れてきた動画が企画に見えたという順序です。同じ動画を、前提条件なしで見ていたら通り過ぎていたはずです。

発注の話に戻すと——コンサルに期待すべきは「面白い企画を思いつくこと」ではなく、前提条件を正しくセットすることのほうです。そして前提条件とは、5章で書いたチャネル設計と、この章の1〜5番のことです。

「やりません」と言える会社かどうかを確かめる

選ぶ側にとって、実は「何をやるか」より「何をやらないか」のほうが差が出ます。できることのリストはどの会社も似ますが、やらないことのリストは会社ごとに違うからです。

弊社代表に「今なら絶対にやらないことは何か」と聞くと、こう返ってきます。

豊田優人

今なら絶対にやらないのは、TikTokのオーガニックだけで認知を取ろうとする戦略と、TikTokだけに予算を落とすことです。キャスティングして可愛い子を出す差別化も、今はステマチックに見られるので取りません。

そして「業界でよく言われていることで、本気で反対しているものは何か」という別の質問には、「トレンドを、TikTokの中で流行っている動画のことだと思っている理解」を挙げています。代表の言うトレンドとは、今この瞬間に世の中の注目が集まっているもののことで、4月なら新社会人、12月ならクリスマスと予測できるもの——川の流れに従うだけだ、という整理です。あわせて「TikTokのオーガニック運用だけで採用・認知が完結する」という考え方にも反対しています。

ここから、確認に使える論点が4つ出てきます。

論点1:オーガニックだけで完結させる提案かどうか

上のとおり、代表は「オーガニック運用だけで採用・認知が完結する」に反対しています。ですのでオーガニック運用だけで組まれた提案は、それ自体が判定の材料になります。自社に知名度があって、オーガニックの役割が「調べにきた人への回答」なら整合します。ですが無名の会社で認知から取りにいく話をしているのに、広告を含めたリーチの取り方が最後まで出てこないなら、その提案は5章の3つ目——リーチをどこで取るのか——を決めないまま組まれています。

論点2:TikTok以外の話が出てくるかどうか

「TikTokだけに予算を落とすことはしない」というのは、TikTokの支援会社としてはかなり不利な発言です。ですが、代表が成果につながった導線として挙げているのは、TikTok単体ではありません。

  • ライブ配信。役員や会社のトップがライブで何を考えているかを話すと、コンテンツとのギャップで会社の中身が伝わり、信頼性が担保されて採用につながった
  • クロスチャネルの導線。TikTokで知ってもらう → ホームページを検索してもらう → 求人媒体や応募へ送る

この2つは代表が採用の文脈で挙げた例ですが、構造は集客でも変わりません。信頼性を担保したうえで、知った人を送り先へ渡す。送り先が求人媒体なのか、商品ページ・予約フォーム・店舗なのかが違うだけです。

提案がTikTokのアカウント運用だけで閉じているなら、「知った人をどこへ送るのか」を必ず質問してください。ここに答えがない提案は、4章③の状態を解消しません。

論点3:トレンドの定義がどちらか

これは短い質問で判別できます。「トレンドって、何のことですか」と聞いてみてください。

回答の読み分け

A「今TikTokで流行っている音源・フォーマットです」
→ 代表が反対している側の理解です。

B「今この瞬間、世の中の注目が集まっていることです。4月なら新社会人、12月ならクリスマスのように、ある程度は予測できます」
→ 弊社と同じ理解です。予測できるということは、先に仕込めるということです。

論点4:作り込みの量をどう考えているか

制作クオリティの高さを前面に出す提案は、一見すると安心材料です。ただ代表は、編集で「やらないこと」としてこう言っています。作り込まない。NGカットも使い切る。「程よく形になりつつ、撮影時間も少なくて、人間味が出る、ちょっと崩れた感じも出る」水準に留める。作られた感が出すぎる動画はダメ。

これは市場の変化とも一致しています。作り込みすぎない、TikTokの完成動画とInstagramストーリーズの中間くらいのリアルな空気感の動画が伸びる——というのが、2025年3月頃からの傾向として挙げられているものです。

ですので、制作クオリティの高さは、この市場では以前ほど強みになりません。作り込みの量を提案の主軸に置いている会社は、TikTokのユーザーではなく発注側の稟議のほうを見ている可能性があります。逆に、作り込みを抑える判断を自分の言葉で説明できる会社は、市場のほうを見ています。

料金について|自社の金額を書かない理由と、見積もりで確認する12項目

弊社の料金体系は、この記事では書きません。自社の金額を書けば、この記事は結局のところ営業資料になるからです。業界の相場についても、弊社が実測で確かめた数字は持っていません。確かめていない数字を、確かめたかのように書くことはしない——というのが、このメディアの方針です。

とはいえ「だから何も書きません」で終わらせると、予算の当たりを付けたい方には何も残りません。ですので、他社が公表している目安を「確かめていない数字だと明記したうえで」1段落だけ引きます。

(参考値・外部相場)弊社が実測で確かめた数字ではありません

TikTok運用代行・コンサルの費用を扱う外部メディアは、月額の目安を業務範囲で区切って示しています。運用アドバイス・簡易コンサルティングや、自社で撮った素材の編集だけを頼む形で月額10万〜20万円程度。企画立案・台本作成・撮影・編集まで含む形で月額20万〜60万円程度。演者のアサインや広告運用まで含む総合支援で月額60万〜100万円以上、という3区分です※3。別のメディアは企業規模で区切っていて、小規模・個人事業主が10万〜20万円程度、中規模が30万〜60万円程度、大企業の総合支援が60万〜100万円程度としています※2。区切り方は違いますが、下は10万円台、上は100万円程度という幅は共通しています。

この数字の出どころは支援会社・比較メディアが自社サイトで公表している目安で、算出の母数や方法は開示されていません。弊社が集計して確かめたものでもありません。ですので「だいたいこの範囲の話をしている」という桁感の確認にだけ使ってください。価格帯ごとに中身がどう違うのかは、この記事の中で確かめられます。上の3区分を分けている基準は、結局企画から入るか(12項目の1番)/TikTokの外まで見るか(4番)/広告を含むか(5番)の3点です。候補各社にこの3つを聞けば、価格帯の違いは他人の相場表ではなく自社宛の見積書として出てきます。金額の内訳の掘り下げは、別記事「TikTokコンサルの相場」(近日公開)で扱う予定です。

そのうえで、この記事が置くのは金額そのものではなく、見積もりを取ったときに確認してほしい項目のほうです。実務的には、こちらのほうが判断に効きます。

金額そのものより先に決まること

見積もりを比べるとき、多くの方が月額の数字を横に並べます。ですが、TikTokの支援は同じ「月額◯万円」でも、含まれているものがまったく違います。企画から入るのか、撮影だけなのか、広告の運用費は別なのか、成果の定義は何なのか。ここが揃っていない見積もりを金額で比べても、比べたことになりません。

次の12項目を、そのまま質問リストとして使ってください。この12項目は、弊社が相談の最初に確認している3点と、2〜8章で書いてきた失敗の型から逆算して作りました。汎用の外注チェックリストではなく、この記事で書いてきた失敗の型に対応しています。

なお目的が採用ではなく集客(販促・売上)の場合の読み替えは、右から2列目に括弧書きで入れてあります。聞く順番と項目そのものは変わりません。

# 確認する項目 なぜ聞くか(対応する章) 回答が薄いときのサイン
1 企画は誰が作りますか。自社(発注側)が出す前提ですか 設計をやり直すために頼むのに、企画が発注側任せだと目的を達しない(2章・7章) 「ご一緒に考えます」だけで役割分担が出てこない
2 企画は、うちの過去の投稿や他社の動画をベースに作りますか 焼き直し運用は通用しなくなっている(2章) 「伸びている動画を分析して型化します」で終わる
3 初回に確認するのは何ですか。目的・送り先・リーチの取り方は聞かれますか 弊社が最初に確認している3点(6章)。(集客が目的なら「どんな人材が欲しいか」を「どんなお客様が欲しいか」に読み替えて聞く) フォロワー数と投稿本数の話から始まり、最後までそれで終わる
4 TikTokの外(ホームページ・求人媒体・広告)は範囲に入りますか TikTok単体で完結させない(5章・8章)。(集客が目的なら送り先は求人媒体ではなく、商品ページ・予約/問い合わせフォーム・店舗になる) 「弊社はTikTokのみです」で、送り先の話が出ない
5 オーガニックと広告の役割分担をどう設計しますか 無名の会社がオーガニックだけで認知を取るのは否定している(5章・8章) 広告の話が一切出ない、または広告費が丸ごと別扱いで総額が見えない
6 成果は何で判定しますか。再生数以外の指標は入りますか バズっても1円にもならないアカウントがある(4章・10章)。(集客が目的なら判定は応募数ではなく、指名検索・問い合わせ・来店・購入のどれか) 再生数とフォロワー数だけがKPIになっている
7 レポートには何が載りますか。指標の定義は揃っていますか 指標名が同じでも定義が違うことがある※1 レポートのサンプルを見せてもらえない
8 撮影・出演は誰がやりますか。社員が出る必要はありますか 体制が回らない設計は続かない(7章6番)。(集客が目的でも、会社の中身が伝わるかという論点は同じ) 「弊社が全部やります」だが、会社の中身がどう伝わるかの説明がない
9 その企画は、うちの社内で撮り続けられる手間ですか 手間が大きい企画は続かない(7章6番) 初月の制作物は豪華だが、2ヶ月目以降の体制の話が無い
10 他のクライアントへの提案と、うちへの提案はどこが違いますか 同じ戦略・同じやり方が市場に増えている(4章④) 「業種に合わせてアレンジします」で止まる
11 うちがTikTokをやらないほうがいい可能性はありますか 受注の判断と成果の判断を分けているか(6章) 「ありません」と即答する
12 契約期間・中途解約・成果が出なかったときの扱いはどうなりますか 市場の構造上、去年と同じ成果は保証できない(3章)。だからこそ条件を先に確認する 成果を断言する一方で、条件面の説明が曖昧

12項目のうち、1つだけ選ぶなら11番です。「やらないほうがいい場合はありますか」に具体的に答えられる会社は、あなたの会社の状態を見ています。答えられない会社は、契約を見ています。

金額を判断するときの、たった1つの原則
同じ範囲のものを比べてください。企画から入る提案と、撮影だけの提案と、広告運用まで含む提案では、そもそも買っているものが違います。上の12項目を全社に同じ順番で聞いて、答えを表にしてから金額を横に並べる。この順番を守るだけで、見積もりの比較は別物になります。

提示された実績の読み方(弊社の数字も同じ物差しで開示します)

提案書には、必ず実績が載ります。その読み方です。

まず「再生数の実績」と「成果の実績」を分ける

代表が挙げている「バズっても1円にもならないアカウントの特徴」は、実績の読み方にそのまま使えます。何をしている会社か分からない、信頼性を担保できるものがない、チャネル設計がないままオーガニックだけで完結させようとしている——こうしたアカウントでは、再生数が出ても事業に届きません。

つまり「◯万再生を出しました」という実績は、「その会社の事業が伸びました」という実績ではありません。別の話です。ですので、事例を見せてもらったときは1つだけ聞いてください。「この事例で、再生数の先に何が起きましたか」。応募が増えたのか、問い合わせが来たのか、指名で検索されるようになったのか。ここに答えがある事例が、あなたが買おうとしているものです。

弊社の実績も、同じ物差しで出します

他社に厳しい基準を出しておいて、自社の数字だけ都合よく見せるのはフェアではないので、弊社の数字も同じ条件で開示します。

公開中の投稿(607本)から数え直した実績(2026年10月13日時点)は、自社アカウントで100万再生を超えた動画が137本、累計4.61億再生です。

そのうえで、社内の記録シートに転記のある136本分について、実測の分布を出します。ここから先の数字は「シートに記録のある136本」の範囲の話で、アカウント群全体の数字ではありません。

この136本のデータの限界(先に開示します)
  • 無作為抽出ではありません。反響の大きかった動画から順に記録シートへ転記されたもので、伸びなかった動画は多くが含まれていません。上の137本・累計4.61億再生(会社アカウント全体の数字)とは範囲が違います
  • 時系列が偏っています。136本のうち84本が2021年の投稿で、再生数トップ15のうち12本も2021年です。現在の市場の数字ではありません
  • エンゲージメント率の算出式がシートに記載されていません。いいね数とコメント数だけでは再現できないため、他社の公表値やインサイト画面のERと定義が一致しない可能性があります
  • ですので絶対値を目標にせず、分布の形と相対差だけを使ってください

集計は次のとおりです(2020年9月〜2025年5月投稿分)。

  • 収録本数:136本
  • 合計再生数:2億7,353万4,500回
  • 平均再生数:201万1,283回
  • 平均エンゲージメント率:3.88%

動画の長さ別の平均再生数は、こうなっています。

長さ 本数 平均再生数 全体平均との比
0-15秒 61本 240万5,087回 1.20倍
16-30秒 32本 166万9,566回 0.83倍
31-60秒 33本 171万0,806回 0.85倍
61秒以上 10本 169万4,150回 0.84倍

投稿年別の平均エンゲージメント率は、2021年が4.50%(84本)、2022年が3.17%(26本)、2023年が2.46%(7本)、2024年が2.52%(1本)、2025年が2.79%(15本)です。年ごとの本数の偏りが大きいので、傾向として見る以上のことはできませんが、3章で書いた市場の構造変化とは矛盾しない方向に出ています。

この数字を、発注判断にどう使うか

1つ目は但し書きの有無です。集計対象、抽出方法、時期の偏り。これが付いていない実績は、良い部分だけを切り出している可能性があります。実績の限界を書ける会社は、あなたの成果についても正直に話します。

2つ目は時期です。弊社の136本も84本が2021年に偏っており、数年前の数字が今も同じように出るとは弊社自身が考えていません(3章)。提案書の事例も、それがいつのものかで意味がまったく変わります。3年前の成功例は、3章で並べた市場の変化をひとつも通り抜けていない数字です。

この記事で出していない自社情報について

公平のために、弊社が出していないものも書いておきます。支援したクライアントの社数、業種の内訳、業種別の成果数字。社内で公開できる形に整理できていないため、この記事には載せていません。整理できていない段階で「累計◯社を支援」といった数字だけを出すことはしません。なお、弊社自身の採用でTikTok広告・TikTokライブを使った実績は、別記事【実データ公開】TikTok採用の効果・費用・事例で数字まで公開しています。

ですので、この記事で弊社の支援実績が判断できるとは思わないでください。他社の提案を見るときも同じで、社数や事例数はその中身(いつ・何が起きたのか)とセットでなければ判断材料になりません。

自社でやるか、頼むか|線引きを断定しない代わりに、判断材料を置きます

「うちは自社でやるべきか、頼むべきか」。この記事でいちばん答えたい問いですが、正直に書きます。この線引きについて、弊社は「こういう会社は自社、こういう会社は外注」と言い切れる基準を、社内で確定させていません。言い切ろうと思えば言い切れますが、それは弊社の受注しやすさを反映した線になります。

代わりに、この記事で扱ってきた材料を、判定に使える形で並べます。

判断の材料 自社で回せる可能性が高い状態 外に頼む価値が大きい状態
目的と送り先(5章) 誰が欲しいか、どこへ送るかが社内で決まっている 決まっていない。または決めたが、そこへ届く作り方が分からない
知名度 すでにある。目的は「調べにきた人への回答」でよく、再生数を追う必要がない 無名。認知から取りにいく必要があり、広告を含めた設計が要る
企画の状態(2章) 焼き直しになっていない。前提条件を置いて企画を作れている 過去の投稿や他社動画の焼き直しになっている自覚がある
体制(7章6番) 撮る人・出る人がいて、手間の小さい形で続けられている 企画会議も撮影も止まりがちで、続けられる形が見つからない
数字と事業の接続(4章①②) 数字が出れば事業に届く状態になっている 数字は出ているのに事業に届かない。導線を作り直したい
リーチの取り方(8章) オーガニックで足りている、または広告を自社で運用できる オーガニックだけでは届かず、広告の設計も社内にない

使い方は単純です。右側の列に3つ以上当てはまるなら、外の人間を入れる価値があります。ただし、その場合でも4章の①②③が埋まっていないなら、先にそこを片づけてください。順番を逆にすると、費用の最初の数ヶ月が社内の意思決定に消えます。

逆に左側が多いなら、今は自社で回して問題ありません。そして左側が多い状態を作ること自体が、外注の費用対効果を最大にする準備でもあります。

TikTokコンサルのよくある質問

伸びる保証はありません。弊社代表は、市場としてアカウント数・クリエイター数が全ジャンルで増え続けている一方でユーザー数は成熟しているため、1アカウントあたりの再生数が落ちるのは構造的に当たり前だと言っています。この前提の上で、去年と同じ数字を約束する提案があれば、その根拠を確認してください(3章)。伸ばせる可能性があるのは「焼き直しではないものを作れた場合」で、それは運用者を替えることとイコールではありません(2章)。

弊社の料金体系は書きません。自社の金額を書けば、この記事が営業資料になるためです。外部メディアの目安は、9章に(参考値・外部相場)と明記して1段落だけ引きました。業務範囲によって月額10万円台から100万円程度まで分かれる、という区切り方です。ただし弊社が実測で確かめた数字ではないので、桁感の確認までにしてください。価格帯ごとに中身がどう違うのかは、9章の12項目の1番・4番・5番を候補各社に聞けば、自社宛の見積書の形で出てきます。

会社によって定義が違うので、名称で判断しないほうが安全です。実務的には「企画を誰が作るか」「撮影と編集を誰がやるか」「広告を含むか」「送り先の設計を含むか」の4つで分けて確認するのが確実です(9章の1・4・5・8番)。この記事の立場としては、名称がどちらであれ、設計を決め直す相手として使えるかどうかが重要です。実行を代わりにやってもらうだけでは、2章で書いた失敗は止まりません。

3つです。①欲しいのは誰か(人材なら、どんな人材か)②どこで自社を知ってもらうのか(ホームページ・求人媒体・SNSのどれを前提にするか)③リーチをオーガニックで取るのか広告で取るのか。これは弊社がご相談で最初に確認している3点そのもので、決まっていれば最初の数ヶ月を短縮できます(5章・6章)。逆に、この3つを聞いてこない相手は候補から外して構いません。

ある程度できます。7章の7項目のうち1〜5番は、1本も撮る前に判定できる項目です。とくに「誰のレコメンド欄に届くのか」「複数の立場が自分ごと化して最後まで見る設計になっているか」の2つは、提案書を読みながら確認できます。答えられない企画は、届け先が決まっていない企画です。

いいえ。理由と読み方は10章にまとめました。要点だけ書くと、事例を見せてもらったら「この事例で、再生数の先に何が起きましたか」と「これはいつの実績ですか」の2つを聞いてください。弊社自身の数字にも同じ物差しを当てて、集計の限界を10章に開示しています。

弊社代表は「今なら絶対にやらないこと」としてTikTokのみに予算を落とすことを挙げています。成果につながった導線として挙げているのも、ライブ配信(トップが考えを話すことで会社の中身が伝わり、信頼性が担保される)と、TikTokで知る→ホームページを検索する→求人媒体や応募へ、というクロスチャネルの流れです。提案がTikTokのアカウント運用だけで閉じている場合、送り先をどうするのかを必ず確認してください(8章)。

あります。ただし目的が変わります。代表は「知名度がある会社なら再生数は0でもいい」と言っていて、その場合に置くべきは会社の中身が分かる動画(インタビューなど)です。転職検討時に企業のSNSまで調べるのが当たり前になっている(とくに20代)ので、見にくる人は必ずいます。この目的なら、必要なのは「バズらせるコンサル」ではなく、会社の中身を信頼できる形で見せられる相手です(5章)。

この記事では期間を書きません。弊社代表への確認が取れている項目ではないためです。他社の一般的な期間を借りてきて書くこともしません。書ける範囲で言えば、判断を早めるためにできるのは、発注前に5章の3つを決めておくことです。ここが決まっていないと、最初の数ヶ月が社内で決められることの決定に消えます。契約期間と中途解約の条件は、必ず事前に確認してください(9章の12番)。そのうえで、今が頼むタイミングかは、期間の目安ではなく11章の表の右側にいくつ当てはまるかで決まります。3つ以上なら外に出す価値があり、届かないなら4章の①②③を先に片づけたほうが早く進みます。

代表の答えは「結果論ではあるが、戦略の元にバズったコンテンツ」「バズるべくしてバズった」です。毒上司シリーズについて、4月というトレンド、退職代行という進行中のトレンド、上司側も部下側も自分ごと化する設計、狙った新卒の年齢と一致する音源まで事前に決めていた、と(7章)。運の要素がゼロとは言いませんが、投稿前に決められる部分は相当あります。逆に「出してみないと分かりません」としか言えない相手に頼む理由は、薄くなります。

バレる前提で考えたほうが安全です。代表は直近の変化として「運用代行が入っているんだろうな」とステマ的に見る目線のユーザーが増えたことを挙げています。加えて、作り込みすぎない、リアルな空気感の動画が伸びる傾向にあるとも言っています。ですので、制作クオリティの高さを前面に出す提案は、この市場では必ずしも安心材料になりません。むしろ、作り込みを抑える判断を自分の言葉で説明できる会社のほうが、市場を見ています(8章)。

この記事では断定しません。線引きの確定した基準を、弊社は社内で持っていないからです(理由は11章)。代わりに11章に判断材料の表を置きました。使い方は、6行の表の右側にいくつ当てはまるかを数えるだけです。3つ以上なら、外の人間を入れる価値があります。ただし4章の①②③が埋まっていないなら、そちらが先です。

まとめ:コンサルは「運用する人」ではなく「設計を決め直す相手」として使う

最後に要点をまとめます。

この記事の要点
  • 弊社代表は、もう通用しない手法として①会社アカウントのオーガニックでバズらせて認知を取る②キャスティングして美女を出す差別化③既存の動画をもとにした焼き直し運用を挙げている。理由はコンテンツ力の低下ではなく、アカウント数・クリエイター数の増加とユーザー数の成熟という市場の構造変化
  • 原因が市場側にあるので、運用者が社内の担当者から外部のプロに替わっても、焼き直しである限り結果は同じ。だからコンサルは運用の代行ではなく、設計を決め直す相手として使う——ここが本記事の芯
  • 頼むべきでない4つの状態=①何をしている会社か分からない②信頼性を担保できるものがない③送り先が決まっていない④みんなと同じやり方を外注しようとしている。①②は代表が「バズっても1円にもならないアカウントの特徴」として挙げているもので、数字が出ても事業に届かない
  • 頼む前に自社で決めるのは3つ。誰が欲しいか/どこで知ってもらうか/リーチはオーガニックか広告か。代表は「撮る前にチャネル設計を先に決めろ」と言っており、知名度がある会社なら再生数は0でよく、会社の中身が分かる動画を置けばよい
  • 良い相手の見分け方は「最初に何を聞いてくるか」。目的・送り先・リーチの取り方を聞かずに企画案を出してくる提案は、他社向けの流用の可能性が高い
  • 企画は投稿前に判定できる(7項目のうち1〜5番)。あわせてトレンドの定義と「やらないこと」を持っているかを聞く
  • 弊社の料金はこの記事に書いていない(書けば営業資料になるため)。外部メディアの目安は(参考値・外部相場)として9章に1段落だけ引いた。判断に使うのは見積もりで確認する12項目で、1つだけ選ぶなら「うちがTikTokをやらないほうがいい可能性はありますか」
  • 実績は「再生数の先に何が起きたか」「それはいつの実績か」で読む。弊社の実績(公開中の投稿から数え直した値・2026年10月13日時点)は100万再生超え137本・累計4.61億再生。10章の分布に使った記録シートの136本は無作為抽出ではなく84本が2021年に偏るため分布の形だけを使うこと。支援社数・事例の成果数字・自社/外注の線引きは、この記事に載せていない

今日からやることは、これだけです。

  1. 4章の4つの状態に自社が当てはまっていないか確認する(当てはまるなら、発注より先にそこを片づける)
  2. 5章の3つの欄を紙に書く(誰が欲しいか/どこで知ってもらうか/オーガニックか広告か)
  3. 11章の表で、右側にいくつ当てはまるか数える
  4. 3つ以上なら候補を2〜3社選び、9章の12項目を全社に同じ順番で聞く
  5. 答えを表にしてから、はじめて金額を横に並べる

この順番でやると、「どこに頼むか」で迷う時間が大きく減ります。多くの場合、迷いの正体は会社選びではなく、自社の設計がまだ決まっていないことだからです。

最後に、この記事全体を貫いている代表の言葉を置いておきます。

豊田優人

全員が同じ戦略、同じやり方を取っている。だから全員結果が出ない。

外注は、この「同じやり方」を加速させる装置にも、そこから抜け出す手段にもなります。どちらになるかを決めるのは、支援会社の腕前より先に、発注する側が何を頼むかです。実行を頼めば、実行が速くなります。設計を頼めば、設計が変わります。

ここまで読んでいただいたなら、もう「入れれば伸びますか」とは聞かないはずです。代わりに「うちの設計はどこが決まっていないですか」と聞いてください。それが、いちばん費用対効果の高い最初の質問だと考えています。

その質問をぶつける相手として弊社を候補に入れていただけるなら、ご相談ではまず、①どんな人材が欲しいのか(採用が目的でない場合は、どんなお客様が欲しいのか)②どこで自社を知ってもらうのか(ホームページ・求人媒体・SNSのどれを前提に組むのか)③リーチをオーガニックで取るのか広告で取るのか——この3点をうかがったうえで、現時点でTikTokに手をつけないほうがいい場合は、そうお伝えします。

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この記事を書いた人

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウントを含む自社TikTokアカウント群を運用し、100万再生を超えた動画は137本、累計4.61億再生(2026年10月13日時点)。複数のメディアで取り上げられたほか、大学での登壇歴がある。株式会社BEEMはTikTokの運用支援・広告運用を提供している。

出典

  1. TikTok広告マネージャー ヘルプセンター「動画再生のデータ指標」。「動画視聴数=動画の再生開始回数」「再生完了数=動画が100%(最後まで)再生された回数」「平均視聴時間(1人あたり)=1ユーザーあたりの動画の平均再生時間(リピート視聴の時間を含む)」等の定義を参照。本記事9章7番で「指標名が同じでも定義が違うことがある」と述べている根拠です(本ページは広告マネージャー側の定義であり、アプリ内インサイトの画面表記と完全に一致するとは限りません)。2026年8月3日にURLの実在と当該記載を確認済み https://ads.tiktok.com/help/article/video-play?lang=ja
  2. (参考値・外部相場/弊社の実測ではありません)PAMXY「TikTok運用代行の費用相場はいくら?内訳・選び方・おすすめ26社を比較」(2026年7月31日公開・2026年8月版)。企業規模別の目安として「小規模企業・個人事業主=月額10万円〜20万円程度」「中規模企業=月額30万円〜60万円程度」「大企業・総合支援=月額60万円〜100万円程度」との記載を参照。2026年8月3日にURLの実在と当該記載を確認(同社が自社サイトで公表している目安であり、母数・算出方法の開示はありません) https://pamxy.co.jp/marke-driven/sns-marketing/tiktok/unyoudaikoucost/
  3. (参考値・外部相場/弊社の実測ではありません)tatap「TikTok運用代行の費用相場【2026年最新】」(2026年7月9日公開・2026年7月最終更新)。月額の3価格帯として「10万〜20万円=運用アドバイス・簡易コンサルティング/自社撮影素材の動画編集のみ代行」「20万〜60万円=企画立案・台本作成/プロのカメラマンによる撮影/動画編集(月8〜12本)」「60万〜100万円以上=詳細な分析と戦略定例MTG/演者アサイン/TikTok広告・TikTok Shop連携運用」との記載を参照。2026年8月3日にURLの実在と当該記載を確認(同社が自社サイトで公表している目安であり、母数・算出方法の開示はありません) https://tatap.jp/knowledge/tiktok-operation-agency-market-price/
本文中のデータと、この記事が書いていないことについて
本文中の再生数・エンゲージメント率・動画の長さ別/投稿年別の集計値は、特記なき限り弊社(株式会社BEEM)の実測データ(自社調べ)に基づきます。集計対象と抽出方法の偏りは10章に開示していますので、あわせてお読みください。自社TikTokアカウント(@beem_official)は公開されているので、いつでも見に行って確かめていただいて大丈夫です。
公開中の投稿から数え直した実績(2026年10月13日時点)は100万再生超え137本・累計4.61億再生(公開中の投稿607本)で、これは会社アカウント全体の数字です。本文で分布として使っている136本の合計2億7,353万回は、記録シートに転記のある分に限った数字です。反響の大きかった動画から順に転記されたもので無作為抽出ではなく、会社アカウント全体の数字とは範囲が違うため、両者は一致しません。エンゲージメント率の算出式はシートに記載がなく、いいね数とコメント数だけでは再現できないため、本文のER値は他社公表値やインサイト画面のERと定義が一致しない可能性があります(同旨を10章にも記載)。数値ではなく相対差としてお読みください。
また本記事には、①弊社の料金体系 ②弊社の支援社数・業種の内訳 ③業種別のクライアント事例と成果数字 ④成果が出るまでの標準的な期間 ⑤自社でやるべき会社とプロに任せるべき会社の確定した線引きを書いていません。いずれも弊社の実測または社内の確定情報として提示できる段階にないためです。業界の相場だけは例外で、9章に外部メディア2件の公表値を(参考値・外部相場)と明記し、出典URLと調査時点を付けて1段落だけ引いています。これは弊社が実測した数字ではなく、桁感の確認以上には使えません。該当箇所(3章・9章・10章・11章・12章)で個別にその旨を記載しています。

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