最終更新日:2026年10月21日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- 制作会社の料金表をいくつ開いても、修正回数や権利の欄が見当たらなかった方
- 見積もりを取る前に、何を聞けばいいかを決めておきたい方
- 契約したあとで「それは別料金です」と言われる事態を避けたい方
- 料金を公開している18社でも、修正の回数・納期・素材の権利を書いていたのは各6社。3社に1社です。出演者の肖像権に触れた会社は0社、BGMのライセンスは1社だけ
- そもそも42社のうち、TikTok・ショート動画の料金を公開していたのは18社。非公開は19社で、名前の知られた会社も非公開の側に入ります
- 1本の料金は、公開18社を範囲ごとに分けた真ん中の値で、編集のみ2.5万円(6社)、撮影から3万円(9社)、出演者の手配まで9万円(6社)。「撮影込み」だけでも1.8万〜30万円と開くのは、撮り方の前提が違うためです
- 料金表に欄が無い項目は、見積もりを頼むときに聞くしかありません。5章の「見積もり依頼に添える10の質問」は、そのまま送れる文面にしてあります
見積書の明細に、「TikTok動画制作一式」の1行と金額だけが並んでいる。
候補の会社に見積もりを頼んで、そんな書面が返ってきたとします。いくらかかるかは分かります。けれど、修正を何回まで頼めるのか、できた動画を広告にも回せるのか、出てくれた社員の映像をいつまで使えるのかは、どこにも書かれていません。そのまま契約して、2回目の直しを頼んだところで「ここからは別料金です」と言われる。できれば避けたい順番です。
見積もりを頼む前に読める公式ページなら、どうか。TikTokやショート動画の制作を請け負う42社の料金表・サービスページ・FAQを、BeeMedia編集部で2026年10月21日に1社ずつ開くと、料金を公開している18社でも、修正の回数・納期・素材の権利を書いていたのはそれぞれ6社でした。出演者の肖像権に触れた会社は、1社もありません。
料金表に欄が無いなら、見積もりの段階で聞いて、答えを文書でもらうしかありません。そのときに手元にあると助かるのが、外注先の種類と、1本の料金の目安と、聞く項目の一覧です。会社に順位はつけません。公式ページで分かるのは料金と条件の書き方までで、動画の出来や担当者との相性は、そこからは読み取れないからです。
TikTok動画制作会社は4種類。まず「どこまで任せたいか」で絞る
ひと口に「TikTokの動画制作会社」と言っても、外注先は、引き受ける範囲と頼み方で大きく4つに分けられます。比較記事では同じ一覧に並んでいても、編集だけを請け負う会社と、毎月の投稿まで請け負う会社とでは、比べる物差しがそもそも違います。
どれが合うかは、自社で何をして、何を外に出したいかで決まります。素材は撮れるけれど編集の手が足りないのか。撮影から任せたいのか。企画や投稿、数字の振り返りまで手放したいのか。ここが決まらないまま比べ始めると、範囲の違う見積もりを並べて「高い」「安い」を言うことになってしまいます。
ショート動画を専門にする制作会社:1本から、範囲を選んで頼める
縦型のショート動画を中心に請け負う会社です。料金表に「編集だけ」「撮影から」「出演者の手配まで」と段階を設けている会社があります。たとえばショートワン(SANN)で1本だけ頼むと、素材を渡して編集だけなら4,900円、シナリオと撮影からなら2.8万円。顔出しのキャストまで手配してもらうと4.5万円です。
美手紙(ショート動画屋さん)も、編集セット3万円、撮影セット5万円、出張セット7万円(いずれも1本・税抜。最低3本から、出張セットは1か所4本以上)と、範囲ごとに値段を分けています。TaTap(TaTap Short Studio)も、1本単位の料金表を出している会社です。数本作ってみて相性を見たい会社に向く種類で、企画の方向づけから毎月の投稿まで任せたいなら、3つめの運用代行会社のほうが話が早いはずです。
撮影日を組む映像制作会社:人と機材をそろえて、1本を作り込む
撮影日を1日押さえ、撮影の人員と機材をそろえて撮る前提の料金表もあります。課題解決プラットフォームはショート1本15万円〜で、1都3県の出張撮影は料金に含まれます。ワントラックは撮影1日・1拠点・本編1本で30万円、同じ日に3本撮ると50万円です(どちらも税抜・税別の表示)。
会社紹介や説明会で流す1本、広告に回す1本など、作り込みたい動画に向きます。毎週の投稿を全部この単価で作ると、予算はすぐに足りなくなるでしょう。同じ日にまとめて何本撮れるかを最初に聞いておくと、計算が立てやすくなります。
運用代行会社:企画・撮影・投稿・振り返りを月額で
動画を作るだけでなく、企画の立案や投稿、数字の分析までを月額で請け負う会社です(MOVIS・マジカル・Mteam・Lumii・フェリエストなど)。料金は「月◯本で月額◯万円」の形が中心で、撮影込みのいちばん小さいプランを本数で割ると、公開していた7社の真ん中は1本5万円になります。
最低契約期間を設けている会社が多く、1本だけ試す使い方とは合いにくい形です。反対に、社内に企画を考える人も、投稿を続ける人もいない会社なら、1本ずつ制作会社に頼むより話がまとまりやすいでしょう。運用代行で何をどこまで任せられるか、見積もりの行をどう読むかは、TikTok運用代行とはの記事で詳しく扱っています。
クラウドソーシング・個人:編集だけを安く。条件は出品ごとに違う
ココナラやランサーズ、クラウドワークスで、個人の編集者に頼む方法です。「TikTok 動画 編集 外注」で検索すると、上位6件のうち3件がこの3つのサービスの一覧ページでした(2026年10月21日確認)。ココナラで上位に出たショート動画編集の出品29件を開くと、1本あたりの基本価格は真ん中で4,500円。制作会社の「編集のみ」の真ん中2.5万円と比べると、5分の1ほどです。
この4,500円は、尺の延長や台本、テロップの量などのオプションを足す前の、いちばん安い価格です。尺の上限や修正回数は出品ごとに違い、1件ずつ開かないと分かりません。素材と台本は自社で用意できて、編集の手だけが足りない会社に向く頼み方です。
TikTok動画1本の料金の目安。編集のみ・撮影から・出演者込みで分けて見る
目安の元になったのは、1本あたり、または本数つきで料金を公開していた18社(42社の43%)です。要問い合わせや資料請求で料金が見えない会社は19社(45%)。残る5社のうち3社は、金額はあっても本数か作業の範囲が書かれておらず、1本に直せません。2社はページが開けませんでした。
非公開の側には、名前の知られた会社が並びます。Crevoは料金一覧に価格帯を載せていますが、TikTok・ショート動画の料金はそこにありません。studio15やコムニコの公式ページにも、TikTokの料金は出ていません。料金を公開しているのは、中小やショート動画を専門にする会社が中心です。表に載らない会社も、見積もりで同じ項目を聞けば並べて比べられます(FAQのQ1)。
表は、行が任せる範囲、列が安い順の値です。自分が任せたい範囲の行の、真ん中の列を見れば、ひとまずの目安になります。1社が複数の区分に料金を出しているときは、それぞれの区分で数えています。
| 任せる範囲 | 社数 | いちばん安い | 真ん中 | いちばん高い |
|---|---|---|---|---|
| 編集のみ(素材は自社で撮って渡す) | 6社 | 4,900円(60本まとめると2,900円) | 2.5万円 | 5万円 |
| 撮影+編集(出演者は自社で用意) | 9社 | 1.8万円 | 3万円 | 30万円 |
| 企画から出演者の手配まで | 6社 | 4.5万円(60本まとめると2.98万円) | 9万円 | 約33.3万円 |
| (参考)運用代行の月額を本数で割った値 | 7社 | 2.7万円 | 5万円 | 11.25万円 |
各社の公式ページ(2026年10月21日確認)。1社につき1つの値で集計。1本から頼める会社は1本だけ頼んだときの単価、月額プランしかない会社はいちばん小さいプランの月額を本数で割った値です。税込表示の2社は税抜に直し、税込か税別かを書いていない6社は表示どおりの金額で数えています。
「撮影から頼んで真ん中が3万円なら、30万円の会社は高すぎるってこと?」
表の2行目だけを見れば、そう読めます。けれど、3万円前後の会社と15万〜30万円の会社では、撮り方の前提が違います。3万円前後の会社は、スマホや簡易な機材で量産する前提です(TaTapの料金表では、撮影は「スマホ/Osmo」)。15万〜30万円の会社は、撮影日を1日取り、プロの撮影隊で撮る前提です。同じ「撮影込み」でも中身が違うので、この2つを1つの平均にまとめても、比べる役には立ちません。
料金表を読むときは、ほかにも次の点で金額が動きます。
- 本数で単価が下がる:表の括弧の値がその例。JPCも、月4本なら1本3万円、月8本なら2.5万円。「1本◯円〜」の「〜」は、まとめて頼んだときの値のことが多い
- 出演者の費用は別建てが多い:キャスト込みの料金を公開していたのは6社だけ。TaTap・Lumii・ヒビミルは、キャスティングを別途見積にしている
- 撮影は「1日いくら」の会社がある:Lumiiは撮影15万円〜/日(税抜)。スナップレイス・タレントは出張撮影10万円/日に、アシスタント1名5万円/日(税別)
- 広告用は桁が違う:JPCの広告用の撮影+編集は1本35万円(2本まとめると1本30万円)。投稿用の2.5万〜3万円と同じ欄に並べない
「TikTok 動画制作会社」で上位に並ぶページからは、料金の手がかりはあまり得られません(2026年10月21日時点)。会社紹介の記事のうち2本は、紹介した会社の料金を1社も載せておらず、上位の制作会社の公式トップページ2つにも料金の記載がありません。「TikTok 動画制作 費用」など関連する語の上位には相場が載っていますが、1本1万円〜、3〜5万円、5万〜50万円と、記事によって桁が違います。
相場の金額を出していた上位の記事8本は、どれも何社をいつ調べた数字なのかを書いていません。編集だけと撮影込みを1つの幅にまとめた記事も目立ちます。候補を絞ったあとの金額は、各社の公式ページと見積もりで確かめるのが確実です。
公式ページに契約の中身はどこまで書いてあるか。料金公開18社の記載
金額の次に比べたいのは、その金額に何が含まれ、何が含まれないかです。下の表は、料金を公開している18社の公式ページ(料金表・サービスページ・FAQ)に、契約にかかわる6つの項目が書かれていたかどうか。右端の「書いていなかった」の数が大きい項目ほど、問い合わせで聞くことになる項目です。
| 確かめた項目 | 数字や条件で書いていた | 方針だけ書いていた | 書いていなかった |
|---|---|---|---|
| 修正の回数 | 6社(1回まで1社・2回まで5社) | 2社 | 10社 |
| 納期(日数) | 6社(最短5営業日〜1〜2ヶ月) | 3社 | 9社 |
| 素材の権利・二次利用 | 6社 | ― | 12社 |
| BGM・音源のライセンス | 1社 | ― | 17社 |
| 出演者の肖像権 | 0社(出演モデルの扱いに触れたのが1社) | ― | 17社 |
| 税込か税別か | 12社 | ― | 6社 |
料金を公開している18社の公式ページ(2026年10月21日確認)。料金を公開していない19社は料金表が無いため、この表には入れていません。「方針だけ」は、回数や日数ではなく「体裁の修正は料金内」「1か月前までに依頼」のような書き方をしていた会社です。

「肖像権」という言葉は、18社のどのページにもありませんでした。BGMの音源を「商用利用できるもの」と書いていたのも1社だけです。料金を公開している会社でさえ、料金表から読み取れる契約の中身はこのくらいです。
ここで気になるのは、書いていない会社は修正や二次利用に応じてくれないのか、ということですよね。
そうとは限りません。料金を公開していない会社でも、サービスページに権利のことを書いている例があります。Crevoは動画を納品する形なので「二次利用も可能」、コムニコは「2次利用の範囲に制限は設けておらず」という書き方です。どの項目を料金表に載せるかは会社ごとの判断で、載っていないのは、ページに書いていないというだけのことです。
とはいえ、載っていない項目は、会社ごとに扱いが分かれていても、ページを読むだけでは違いが見えません。料金表に欄の無い項目ほど、見積もりの時点で聞いておく理由があるのは、そのためです。
制作会社を選ぶとき、公式ページと見積もりで確かめる7つのこと
「TikTok 動画制作会社」の上位に出る会社紹介の記事では、選ぶ観点として実績・対応範囲・費用・納品のスピード・体制などが挙がります(2026年10月21日時点)。修正の回数や二次利用、肖像権、BGM、データの受け渡しを観点に入れた記事はありませんでした。
見積もりの返事が届いたとき、各社の書き方の幅を知っていれば、短い答えと細かい答えの差に気づけます。以下の会社名は書き方の例で、順位ではありません(記載はどれも2026年10月21日時点)。
1. 修正:何を直すと「1回」に数えるか
メディアエクシードのように「原則1回まで」とする会社もありますが、回数の数字だけでは比べきれません。確かめたいのは、何を直すと1回に数えるかです。いちばん細かく値段を出していたのは美手紙で、構成と編集はそれぞれ2回まで無料。出演者の部分的な撮り直しは1回まで無料で、2回目からは1回5,000円、全体の撮り直しは1万円です(税抜)。
TaTapとアビリブは、直す中身で線を引いています。TaTapは、テロップやカットの順番、BGMといった見た目の直しは料金内で、企画や構成からの作り直しは別。アビリブの最大2回は文字・BGM・色の軽い直しのことで、3回目からは別料金です。
見積もりでは、次の3つがそれぞれ修正何回分になるかを聞いておきましょう。「テロップの言い回しを変える」「冒頭の構成を変える」「出演者を撮り直す」。別料金になるなら、その金額もです。社内で確認する人が何人かいるなら、意見をまとめて1回で返す段取りも決めておきたいところです。
2. 納期:数え始める日が、会社ごとに違う
公開日が決まっている動画ほど、気になるのは日数です。けれど各社の記載を並べると、どこから数えた日数なのかがそろっていません。
- TaTap:撮影日が決まってから初稿まで最短5営業日。修正込みで1〜2週間
- 課題解決プラットフォーム:依頼から納品まで通常10〜14営業日
- メディアエクシード:契約から約2週間
- 美手紙:1本目は、編集セットで14営業日、撮影・出張のセットで20営業日
- ワントラック:相談から納品まで1〜2ヶ月
起点は、撮影日が決まった日、依頼した日、契約した日、相談した日とばらばらです。同じ「2週間」でも、どの日から数えるかで公開日は前後します。料金を公開していないコムニコは、初回の打ち合わせから納品まで最短1〜2か月。うち約2週間は、業務委託の基本契約と秘密保持契約を結ぶ期間にあてられています。
見積もりに「契約」「撮影」「初稿」「納品」の4つの日付が並んでいれば、公開日から逆算できます(5章の質問4番)。社内の稟議にかかる日数も、そこに足しておきます。
3. 権利とデータ:完成したMP4と、編集のプロジェクトファイルを分けて聞く
素材の権利や二次利用を書いていた6社のうち、範囲をいちばん広く書いていたのはヒビミル(フェリエスト)で、二次利用は「無期限・無制限」です。ほかの会社は、追加費用なしで二次利用できる(ワントラック)、広告のクリエイティブにそのまま使える(TaTap)といった書き方です。課題解決プラットフォームは、広告などほかの用途は無料相談で案内する形です。
同じ会社の中で、プランによって手元に残るものが変わる例もあります。美手紙は、出張セットで一眼レフで撮った素材なら自社で二次利用してよいとする一方、編集ファイルは譲渡しません。アビリブは、.psd・.ai・.aepといった中間データを渡さず、MP4で納品します。
「公開したあとで、テロップの1行だけ社内で直したい」
そういう場面を考えると、手元にあるのが完成したMP4だけでは、直す手段が限られます。美手紙は納品後の追加修正にも値段を出していて、編集のみなら1シーン5,000円(税抜)です。編集データまで受け取れるのか、受け取れないなら直しをいくらで頼めるのかは、5章の質問5番で聞いておけます。
運用代行に出す場合に、解約のとき何を手元に残すべきかは、TikTok運用代行の記事で項目ごとに整理しています。
4. BGM:音源の出どころと、使える場所
BGMのライセンスまで書いていたのは、課題解決プラットフォームだけです。使う音源を「商用利用できるもの」としています。美手紙・ムビサク・TaTap・Lumiiも作業内容にBGMの選定や追加を挙げていますが、音源のライセンスには触れていません。
TikTokの中で流すだけなのか、広告やほかのSNS、自社サイトにも使うのかで、確かめることは増えます。音源の扱いをどう判断するかは、この記事では決められません。聞いておくのは、「どこの音源を使うのか」と「ほかのSNSや広告でも同じ音源のまま使えるのか」です(5章の質問6番)。答えが文書で残っていれば、転用を決めたときに読み返せます。
5. 出演者:肖像権のことは料金表には書かれていない
出演者の肖像権に触れていた会社は、18社の中に1社もありません。出演者の扱いに触れていたのはアビリブだけで、出演モデルの更新料は無料、著作権の譲渡は含まない、という内容です。
出演者の費用の出し方が会社で分かれることは、2章の箇条で挙げたとおりです。そのほか、アビリブはモデル手配を8万円〜(税別)のオプションにしていて、ワントラックは出演する人数で金額が変わらないとしています。
「うちは社員が出るんだから、肖像権の話は関係ないでしょう」
社内でそう言われることもあるかもしれません。それでも、社員が出た動画を広告に回すのか、出演した社員が退職したあとも公開を続けるのかは、いずれ誰かが決めることになります。モデルが出るなら、その動画を何か月、どの用途まで使えるのかを制作会社に確かめます。法律上どう扱われるかは、この記事では判断できません。迷うところは、契約の前に専門家に相談してください。
6. 実績:単位をそろえて出してもらう
実績の数字は、会社ごとに単位がそろっていません。累計の運用アカウント数(ノックデザインは100以上)、累計の投稿・制作本数(ノックデザインは10,000本以上、キングプロテアはプレスリリースで1,500本以上)、100万再生を超えた動画の本数(Andthenは250本超)。Andthenはさらに、支援した会社の数(100社超)と、支援アカウントの平均フォロワー(約10.6万人)も出しています。どれも実績ですが、このままでは横に並べて比べられません。
再生数の保証も、扱いが正反対の会社があります。フェリエストは運用代行の各プランに10万回の再生保証を付けています(プレミアムのみ15万回)。ワントラックは、再生数もおすすめへの掲載も保証しないという立場です。
「保証してくれる会社のほうが安心では?」
保証の中身次第です。どの動画の、投稿から何日までの再生を保証するのか。届かなかったときに何が起きるのか。そこまで聞くと、保証どうしを比べられるようになります。
そのうえで、どの会社にも頼みたいことがあります。自社と同じ業種・同じ目的(認知・採用・販売)の事例を、再生数とその先の数字(来店・応募・売上)で見せてもらうことです。再生数だけでは、その動画が会社に何をもたらしたのかまでは分かりません。
7. 別料金と契約期間:料金表の外にあるお金
料金表の金額とは別にかかるお金として、各社のページに出てきたのは主に次の4つです。
- 交通費・出張費:別にしている会社が多く、条件は会社ごとに違う。美手紙は東京23区・名古屋・大阪・高知・福岡以外、MOVISは遠方のとき、フェリエストは撮影場所を指定したときに別になる
- 特急:TaTapは最短3営業日で要見積、課題解決プラットフォームは別料金
- 横型や正方形へのリサイズ:TaTapは要見積。美手紙は初回の発注時のみ1本1.5万〜3.5万円(税抜)
- 初期費用:Mteam・Lumiiは10万円(税抜)、マジカルは6.6万円(税込)、solezoreは初月3万円
月額で頼むなら、最低契約期間も料金の一部です。期間は3ヶ月(MOVIS・AandIなど)から12ヶ月までの幅があり、Lumiiのように期間を設けていない会社もあります。1つのページの中で、料金表は12ヶ月、FAQは6ヶ月と食い違っていた会社もありました。単発でも、美手紙のように発注後のキャンセルを受けない会社があります。
見積もりを並べるときは、1本の単価と一緒に、最低契約期間のあいだに払う総額と、途中でやめたときにかかる額も書き出しておきます。条件の違う会社どうしでも、そのほうが比べやすくなります。
問い合わせの前に社内で決めることと、見積もり依頼に添える10の質問
4章の7つを聞くには、こちらの答えも先に用意しておく必要があります。制作会社が見積もりを出すときの前提になることを、問い合わせの前に社内で決めておきましょう。
- 目的:認知を広げたいのか、採用につなげたいのか、商品を売りたいのか。実績を見せてもらうときの物差しになる
- 任せる範囲:編集だけか、撮影からか、出演者の手配までか、投稿と振り返りまでか(1章の4種類のどれに当たるか)
- 本数と期間:月に何本を、何か月。本数で単価が変わり、月額の会社には最低契約期間がある
- 出る人:社員か、モデルか、顔を出さないか。出演者の費用と扱いが変わる
- 使う場所:TikTokだけか、広告やInstagramのリール、YouTubeショート、自社サイトにも使うか。二次利用・リサイズ・音源の確認につながる
- 確認する人:誰が見て、誰がOKを出すか。修正の回数をどう使うかが決まる
- 予算の上限:税込か税別かをはっきりさせたうえで、最低契約期間の総額で考える
決まったら、見積もりの依頼に次の質問を添えてください。文面はそのまま使える形にしてあります。
- この金額に含まれる作業(企画・台本・撮影・編集・出演者・BGM・投稿)はどれですか
- 金額は税込ですか、税別ですか
- 修正は何回までですか。テロップの修正、構成の変更、撮り直しは、それぞれ何回分に数えますか。回数を超えたときはいくらですか
- 契約・撮影・初稿・納品は、それぞれいつになりますか
- 完成した動画を、広告やほかのSNSに使えますか。使える期間はいつまでですか。編集データは受け取れますか。受け取れない場合、納品後の修正はいくらですか
- 使うBGM・効果音はどこの音源ですか。広告やほかのSNSでも同じまま使えますか
- 出演者(社員・モデル)が映った動画を使える期間と用途は、どうなりますか
- 交通費・特急・リサイズ・初期費用など、金額とは別にかかる費用はありますか
- 最低契約期間と、途中でやめるときの扱いはどうなりますか
- 当社と同じ業種・同じ目的の事例を、再生数とその先の数字(来店・応募・売上など)で見せてもらえますか
送る先を決めてから返事を読むまでは、次の4つの順で進めると迷いません。
- 任せたい範囲で絞る:1章の4種類のうち、範囲が合う種類の会社だけを候補に残します。
- 料金を公開していない会社も外さない:公開している会社は、2章の表のどの行に当たるかを書き留めます。非公開の会社も、10の質問への答えがそろえば同じ物差しに乗ります。
- 同じ文面で全社に送り、答えは文書でもらう:電話や打ち合わせで聞いたことも、メールなどで書いて返してもらいます。返事は、3章の表で「書いていなかった」が多かった肖像権(質問7)、BGM(質問6)、権利(質問5)から読みます。
- 答えの無い項目は、もう一度聞く:それでも返事が無ければ、契約書の案が出たときに真っ先に読む場所として印をつけておきます。
返事の早さや、分からないことを分からないと答えてくれるかどうかも、担当者との相性を見る材料になります。返ってきた答えを読んで、外に出すほどではないと判断した部分は、自社で作ることになります。社内で撮って編集する手順は、TikTok動画の作り方にまとめています。
42社の調べ方と、公式ページからは分からないこと
この記事の数字は、TikTokやショート動画の制作を請け負う42社の公式ページから取りました。自社サイトの料金表・サービスページ・FAQを、2026年10月21日に1社ずつ開いて記録しています。TikTokの制作サービスが見当たらなかった会社など5社は、42社に入れていません。ページが開けなかった2社は、42社に含めています。
候補を探す段階では比較サイトやまとめ記事も見ましたが、記事に載せた数字はすべて公式ページから取っています。比較記事の中には、公式の料金表では「3本・6本・8本」のプランを、「4本・6本・10本」と紹介していたものもありました。
2章の料金の目安は、料金を公開している中小やショート動画専門の会社が中心の値で、名前の知られた会社の料金は入っていません。3章の表は「公式ページに書いてあるか」を数えたもので、契約で何ができるかを数えたものとは違います。料金や条件も、確認日より後に変わっているかもしれません。契約の前には、各社のページで最新の記載を確かめてください。
何より、公式ページの記載からは、動画の出来も、担当者との相性も分かりません。このデータで言えるのは、各社が何をページに書いているかまでです。比べるときに見る場所の一覧として、使ってもらえたらと思います。
TikTok動画制作会社の選び方でよくある質問
価格の差は1章のクラウドソーシングの節のとおりで、個人のほうがかなり安く出ます。もう1つ違うのが、「編集」に含める作業の広さです。
制作会社の中には、美手紙のように素材選びや企画構成、BGM選定、ナレーションまでを編集の料金に入れている会社があります。Lumiiのように、色の調整やサムネイル、キャプションまで含める会社もあります。個人に頼むときは、尺・修正回数・BGMの音源・できた動画の権利を、出品ページかメッセージで1つずつ確かめてください。
1本から頼めると料金表に書いていた会社には、TaTap・ムビサク・課題解決プラットフォーム・メディアエクシード・ショートワン・ワントラック・solezore・アビリブがあります。美手紙は最低3本からです。運用代行や定額制のプランでは最低契約期間を設けている会社が目立ち、たとえばヒビミルは3ヶ月〜、マジカルは6ヶ月。ただしマジカルは、トライアルのプランには期間を設けていません。
本数で単価が下がる会社では、1本だけ頼んだときの単価がいちばん高くなります(2章の表の括弧の値)。お試しの1本の単価をそのまま本数に掛けると、続けたときの総額は高めに出ます。
使える会社はあります。コムニコは、縦型の動画をInstagramのリールやYouTubeショートに転用できるとしています。TaTapは、3つの媒体向けの書き出しが料金に入っています。
広告に回せるかどうかの各社の書き方は4章の「権利とデータ」、横型や正方形へのリサイズの別料金は同じ章の「別料金と契約期間」にあります。広告で配信する前提の動画をどう作るかは、TikTok広告の動画の作り方で扱っています。
42社の中では、サモテクがAI生成のショート動画(15〜30秒)を5.5万円〜(税込)で出していました。企画構成のサポート、字幕、AIナレーションが含まれ、撮影はありません。修正は2回まで、支払いは前払いで、1本目は約1週間が目安とされています。
AI生成を料金表に出していたのはこの1社だけなので、AI動画の相場として言えることはまだありません。
単発の発注なら、次の1本から別の会社に頼めます。月額の場合は、最低契約期間と途中解約の扱い次第です。たとえば定額制の動画ホーダイ(アビリブ)は、途中解約は原則できないとしています(初月の解約は可能ですが、その場合は撮影ができません)。
会社を変えたあとも前の会社で作った動画を使い続けられるか、編集データを引き継げるかは、最初の契約の時点で聞いておく項目です。4章の「権利とデータ」で挙げたとおり、編集データを渡さない会社もあります。
まとめ:見積もりを頼む日に、10の質問を同じ文面で送る
- 外注先は、ショート動画専門の制作会社・撮影日を組む映像制作会社・運用代行会社・クラウドソーシング/個人の4種類。まず任せる範囲を決める
- 1本の料金は、公開18社の真ん中で編集のみ2.5万円・撮影から3万円・出演者込み9万円。撮影込みでも1.8万〜30万円と開くのは、撮り方の前提が違うから
- 料金を公開している18社でも、修正・納期・権利を書いていたのは各6社。BGMのライセンスは1社、出演者の肖像権は0社
- 料金表に欄の無い項目は、5章の「見積もり依頼に添える10の質問」で聞き、答えは文書でもらう。返事は、書いていない会社が多かった肖像権・BGM・権利から読む
- 実績は、同じ業種・同じ目的の事例を、再生数の先の数字(来店・応募・売上)で見せてもらう
候補の会社が決まったら、10の質問をコピーして、全社に同じ文面で送るところから始めてみてください。
そもそも動画を1本ずつ外に出すのか、企画から投稿・振り返りまでまとめて任せるのか。その線引きで迷っているなら、今の社内の体制と作りたい動画を伝えていただければ、BEEMのTikTok運用代行でその整理からお手伝いできます。
関連記事
- TikTok動画制作の費用
- TikTok動画の編集の外注
- TikTok運用代行の費用(65社の公式ページで確かめた月額)
- TikTok運用代行とは(中身の工程と見積書の読み替え方、解約しても手元に残すもの)
- SNS採用の費用と運用代行の相場
- TikTok広告の動画の作り方
- TikTok動画の作り方
- TikTok企業アカウントの始め方と、他社の「ふつう」の数字
この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。
出典(各社の公式ページ・2026年10月21日確認)
- SANN(ショートワン)https://short-one.com/lp/
- 美手紙(ショート動画屋さん)https://bitegami.com/
- TaTap(TaTap Short Studio)https://tatap.jp/service/short-video/
- 課題解決プラットフォーム https://0120.co.jp/video/
- メディアエクシード https://mediaexceed.co.jp/service/video-selling/
- ワントラック https://onetrack.co.jp/tiktok-douga-hiyou/
- アビリブ(アビリブプロモーション/動画ホーダイ)https://www.ab-net.co.jp/abilivepromotion/service/short/・https://www.ab-net.co.jp/movie-hodai/
- フェリエスト(ヒビミル)https://www.feriest.com/services/tiktok/・https://hibimiru.feriest.com/hibimiru/
- アルファノート(ムビサク)https://mvsk.jp/tiktok-consulting
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