最終更新日:2026年10月16日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- 社長や上司の一声で、会社のTikTokアカウントの立ち上げ(または止まりかけたアカウントの立て直し)を任された方
- アカウントの作り方は分かったものの、週に何本出せばいいのか、どこまで行けば「うまくいっている」と言えるのかが分からない方
- 「他の会社はどれくらい見られてるの?」と聞かれたときに、数字で答えられるようにしておきたい方
- 244社のフォロワーの真ん中は3,692人。1本あたりのふだんの再生は5,744回、投稿ペースは週1.12本でした
- フォロワー1千〜3千人の会社でも、97社のうち67社は、ふだんの再生がフォロワー数を上回っていました。フォロワーの多い会社ほどバズ率が高い、という並びにもなっていません
- 投稿ペースとバズ率は、一緒に動いていませんでした。本数を増やした会社ほど当たっている形ではないので、本数は「続けられるかどうか」で決められます
- 最後の投稿が90日以上前の会社は58社、4社に1社。止まった会社にも、続いている会社と大差ない割合でバズがありました
「で、他の会社はどれくらい見られてるの?」
社長の「うちもTikTokやるぞ」の一言でアカウントの担当になり、広報や採用の仕事を抱えたまま、ひとまず作り方は調べ終えた。そんなところで社長にこう聞かれたら、すぐには答えにくいですよね。比べる相手が、手元に無いのですから。
物差しを1つ、先にお渡しします。日本の企業アカウント244社を並べると、フォロワーの真ん中は3,692人でした。テレビCMで見かけるような大きな会社のアカウントを思い浮かべていたなら、ずいぶん手の届く数字に見えるかもしれません。
この244社は、BEEMが集めた日本の会社のアカウントです。各社の直近約30本、計6,943本から、1本あたりのふだんの再生や投稿ペース、止まってしまった会社の数まで出しています。週に何本出せばいいのか。フォロワーの少ない会社の動画を、誰が見てくれるのか。担当になったばかりの方が引っかかりやすいところに、始め方の手順と一緒に、この数字で答えていきます。
TikTokの企業アカウントとは:撮る前に決めておく4つ
TikTokで「企業アカウント」と呼ばれているものの多くは、会社が運用するビジネスアカウントのことです。個人のアカウントと何が違うのか、始める前に押さえておきたいのはこのくらいです。
- 費用はかからず、審査もありません。個人のアカウントからアプリの設定で切り替えられ、あとから個人に戻すこともできます
- 切り替えても、フォロワーや過去の投稿はそのまま残ります
- TikTokのヘルプでは、ビジネスアカウントにはパフォーマンスデータ指標・オーディエンスインサイト・クリエイティブツールが備わる、と説明されています
- 会社の宣伝に使う曲は、商用音楽ライブラリから選ぶのが前提です。流行りの曲が使いにくくなる、と言われるのはこの点です
切り替えの手順と、流行りの曲の問題をどう考えればいいかは、TikTokビジネスアカウントの記事で詳しく扱っています。ここから先は、切り替えたあとの運用の話です。
名義も、最初に決めておきたいところです。この記事で数えた244社のうち、215社は会社名の公式アカウント、29社は社長や社員の名前で会社の発信をしているアカウントでした。両者の数字の違いは、よくある質問のQ3に書いています。
始める前に、企業のTikTokの弱いところも見ておきます。1本ごとの再生では良し悪しが分かりにくく、判断できるまでに本数と時間がかかること(目安はFAQのQ5)。本業の横で回すぶん、担当の異動や繁忙期に止まりやすいこと(5章)。社員が顔を出すので、本人の気持ちや、見た人・求職者の受け取り方に気を配る必要があること。3つめは、姉妹記事「痛い・つまらないと言われる企業TikTok」で扱っています。
どれも、最初に決めておけば備えられる部分があります。アカウントができたら、最初の1本を撮る前に、次の4つを決めておくと進めやすくなります。
採用につなげたいのか、会社や商品を知ってもらいたいのか。目的によって、撮る動画も見る数字も変わります。企業がふだん作っている動画と当たった動画では、目的の割合にずれがありました(6章)。
社員が出るのか、社長が出るのか、顔を出さずに現場の映像で見せるのか。当たった動画とふつうの動画で、出ている人の割合に大きな差は出ていません(6章)。まずは社内で無理なく出られる人から考えるのが現実的です。
フォロワー数だけでなく、1本ごとの再生(ふだんの再生)も見ておくと、244社の幅(2章)と比べられます。どの画面で拾えるかは、TikTokインサイトの見方で確かめられます。
日本の企業アカウントの「ふつう」:244社のフォロワー・再生・投稿ペース
冒頭の質問に、もう少し詳しく答えてみます。日本の企業アカウント244社を並べたときの、真ん中と幅です。
| 項目(会社ごと) | 下から25%の会社 | 真ん中(中央値) | 上から25%の会社 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| フォロワー数 | 2,190人 | 3,692人 | 10,875人 | 上から10%の会社は3.1万人。244社の4割(97社)は1千〜3千人 |
| ふだんの再生(直近約30本の真ん中の再生数) | 2,246回 | 5,744回 | 1.56万回 | 直近の投稿を再生の多い順に並べた真ん中の1本。半分の動画はこれより少ない |
| 投稿ペース(週あたり) | 週0.56本 | 週1.12本 | 週2.35本 | 上から10%の会社は週4本以上 |
| 動画の長さ(会社ごとの真ん中) | 27秒 | 41秒 | 57秒 | 当たった動画の長さの真ん中は48秒 |
BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。対象はフォロワー1,000人を超える日本の会社のアカウント(会社公式215社・社長や社員の名前で会社の発信をする29社)で、個人のクリエイターや海外のアカウントは入っていません。「ふだんの再生」は、その会社の直近約30本を再生数の順に並べたときの真ん中の値。投稿ペースは、直近約30本を投稿した期間から週あたりに割り戻した本数です。
社長に返すなら、「日本の企業アカウントの真ん中は、フォロワー3千人台で、1本あたりふだん5千回台。投稿は週に1本ちょっと」です。上から4分の1の境目でも、フォロワーは1万人ほど、ふだんの再生は1.56万回です。
表の中で、この記事がいちばんよく使うのが「ふだんの再生」です。たまに出る大当たりにも、たまの不発にも引っぱられないように、直近約30本の真ん中の値をとっています。自社の数字も同じ方法で出せます。直近の投稿を再生数の順に並べ、真ん中の1本を見るだけです。
「どこまで行けばうまくいっていると言えるのか」も、この表に当てはめられます。ふだんの再生が5,744回を超えていれば244社の真ん中より上、1.56万回を超えていれば上から4分の1。ただし、並んでいるのはフォロワー1,000人を超えるまで続いてきた会社だけです。
業種の目安も見ておきます。投稿文の言葉から業種を推し量ると、いちばん多かったのは建設・職人の会社で79社(ふだんの再生の真ん中5,504回・バズ率7.8%)。次が物流・運送の31社(6,467回・7.3%)です。どちらも、244社全体の真ん中から大きくは離れていません。製造や飲食、介護など、ほかの業種の社数は7章に載せています。
この記事では、「バズ」という線も使います。その会社のふだんの再生の5倍以上で、しかも3万回以上になった動画のことです。6,943本のうち560本(8.1%)、100本に8本ほどがこの線を越えています。244社のうちバズが1本以上あった会社は176社(72%)で、1本も無い会社が68社という内訳です。
具体的にどんな会社のアカウントがあるのかを見たい方に向けては、姉妹記事「企業アカウントの成功事例・人気の一覧」にまとめています。
フォロワーが少ない会社でも見られている?中小企業のTikTokをフォロワー規模で比べる
「うちみたいな小さい会社がやって、意味あるのかな」
立ち上げを任された方なら、一度は頭をよぎる問いだと思います。このデータには社員数が入っていないので、会社の規模そのものでは分けられません。代わりに、フォロワーの規模で5つに分けてみました。
| フォロワー | 社数 | ふだんの再生(真ん中) | ふだんの再生÷フォロワー(真ん中) | バズが1本以上あった会社 | バズ率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1千〜3千人 | 97社 | 3,059回 | 1.68倍 | 64% | 6.3% |
| 3千〜1万人 | 81社 | 7,238回 | 1.59倍 | 80% | 10.7% |
| 1万〜3万人 | 40社 | 1.11万回 | 0.78倍 | 75% | 8.3% |
| 3万〜10万人 | 15社 | 2.73万回 | 0.61倍 | 73% | 5.5% |
| 10万人以上 | 11社(社数が少ない) | 10万回 | 0.42倍 | 73% | 6.4% |
BEEM調べ(244社・2026年10月8日取得)。バズ率は、その区分の会社の動画のうち、バズ(その会社のふだんの再生の5倍以上かつ3万回以上)の線を越えた動画の割合です。
4列目を見てください。フォロワー1千〜3千人の会社では、ふだんの再生がフォロワー数の1.68倍ありました。フォロワーより、ふだんの再生のほうが多い会社が真ん中にいます。

244社全体でも、ふだんの再生がフォロワー数以上だった会社は143社(59%)。1千〜3千人の97社に絞ると67社、3社に2社ほどになります。フォロワーが全員1回ずつ見ても届かない再生が、ふだんから出ているわけです。見ている人の多くはフォロワー以外の人だ、と読むのが自然でしょう。フォロワーが少ないことは、見てもらえないことと同じではありませんでした。
反対に、フォロワー1万人以上の66社では、ふだんの再生がフォロワー数を上回っていた会社は25社と、半分に届きません。フォロワーの多い順と、ふだんの再生の多い順は、かなりそろっています(順位相関0.51)。それでも、フォロワーが増えるのと同じ勢いで、ふだんの再生まで増えていたわけではありません。
バズのほうは、もっと関係が薄くなります。フォロワーの多い順とバズ率の高い順は、ほとんどそろっていませんでした(順位相関0.09)。表でもバズ率がいちばん高いのは3千〜1万人の会社(10.7%)で、10万人以上の会社(6.4%)を上回っています。
1千〜3千人の会社のバズ率が6.3%と低めなのには、線の引き方も関わっていそうです。この区分のふだんの再生は3,059回で、5倍しても3万回に届きません。小さい会社ほど「3万回以上」の条件のほうが先に効いてくる、厳しめの数え方になっています。それでも、10万回を超えた動画を持つ会社は244社の約半分(121社)で、1千〜3千人の97社の中にも27社ありました。
自社に当てはめるなら、今のフォロワー数と、直近の投稿を再生数の順に並べた真ん中の1本を見比べてみてください。真ん中の1本がフォロワー数を上回っていれば、1千〜3千人の会社の3社に2社と同じ側にいます。
TikTokの企業アカウントは週何本?毎日投稿と、続けられるペース
検索上位の記事を読むと、「最低でも週3回」「週2本が最低ライン」「毎日投稿のほうがフォロワーが増える」といった言葉が並びます。どれも、何社を数えた結果なのかは書かれていませんでした。兼任でそれを言われても、毎日なんて無理だと、読んだそばから気が重くなりますよね。
| 投稿ペース | 社数 | ふだんの再生(真ん中) | バズが1本以上あった会社 | バズ率 |
|---|---|---|---|---|
| 週0.5本未満 | 53社 | 5,261回 | 75% | 9.7% |
| 週0.5〜1本 | 60社 | 4,616回 | 65% | 6.5% |
| 週1〜2本 | 56社 | 7,904回 | 75% | 8.9% |
| 週2〜4本 | 49社 | 4,889回 | 73% | 7.5% |
| 週4本以上 | 25社 | 1.03万回 | 76% | 7.7% |
BEEM調べ(244社・2026年10月8日取得)。投稿ペースは、直近約30本を投稿した期間から週あたりに割り戻した本数です。
表を上から下へたどっても、投稿の多い会社ほどバズ率が高い、という並びにはなっていません。いちばん高いのは週0.5本未満の会社(9.7%)で、週4本以上の会社は7.7%。ペースとバズ率の順位相関は-0.02、ペースとふだんの再生のあいだも0.05。本数は、バズ率ともふだんの再生とも一緒に動いていませんでした。

会社どうしを比べるだけだと、もともと当たりやすい会社が混じります。そこで、同じ会社の中でも見ています。ここで使う「社内比」は、その会社にとっていつもどおりの当たりやすさを1.0とした値です。前の投稿から何日あけたかで分けると、1〜2週間あけた回が0.86と少し低め。2週間以上あけた回は0.95で、間をあけた回が大きく沈む形にはなっていません。
とはいえ、この表はペースの違う会社を並べたもので、同じ会社が本数を変えて試したわけではありません。「週1本で十分」「少ないほうが当たる」と読むのは行き過ぎです。見えなかったのは、本数を増やすほど当たりやすくなる、という形のほうでした。
それなら、本数は「続けられるかどうか」で決めて構いません。たとえば、撮影と編集に使えるのが週に半日なら、まず週1本。手伝ってくれる社員が増えたら、週2本に。244社の真ん中の半分は週0.56〜2.35本の間に収まっているので、そのあたりから始めて、無理が出たら下げればいいんです。
本数が決まると、次は何時に出すかが気になってくるはずです。時間帯の決め方はTikTokが伸びる時間の記事に回します。
止まる企業アカウントは、見られていなかった会社なのか:続いている会社と比べる
本数よりも先に考えておきたいのが、止まらないことです。244社それぞれの最後の投稿がいつだったかを、データを取った10月8日からさかのぼって数えました。
- 最後の投稿が30日以内:162社(66%)
- 最後の投稿が90日以上前:58社(24%)
- そのうち、最後の投稿が1年以上前:27社
4社に1社は、3か月以上投稿が止まっていました。フォロワー1,000人を超えるところまで育てた会社でも、です。
止まった会社は、もともとあまり見られていなかったのでは。そう考えたくなりますが、数字はそうなっていません。止まった58社のふだんの再生の真ん中は5,942回で、それ以外の会社(5,698回)とほとんど同じです。
バズのほうも比べてみます。止まった58社のうち39社(67%)は、直近約30本の中にバズが1本以上ありました。続いている186社では137社(74%)、244社全体では72%なので、差は小さめです。止まった会社は、当たりが無かった会社ばかりではありませんでした。かといって、当たった会社ほど止まりやすい、と言えるほどの差でもありません。
担当の異動、本業の繁忙期、会社の方針の変更。止まるきっかけは、どの会社にも起こりうるものばかりです。だからこそ、立ち上げのときに「続ける仕組み」も一緒に決めておくと安心です。たとえば、こんな決め方があります。
- 担当を1人にしない。企画を考える人、出る人、投稿ボタンを押す人を分けておく
- 撮影日を先に社内の予定に入れ、何本かまとめて撮っておく
- 1本ごとの再生の多い少ないで本数を動かさず、決めたペースで出し続ける
- 振り返りの日を決め、自社のふだんの再生を2章の表と並べて見る
どれも特別なことではありません。ただ、1人の兼任担当が頭の中だけで回していると、その人が抜けた週に代わりに動ける人がいません。決めたことを紙に書いて社内で共有しておけば、担当が替わっても引き継げます。
何を撮るか:企業がふだん作る動画と、当たった動画のずれ
本数と続け方が決まったら、次は中身です。企業がふだん作っている動画と当たった動画の中身を比べた結果のうち、立ち上げのときに知っておきたい3つだけを挙げます。
比べたのは、当たった動画(バズ)560本と、再生数がその会社のふだんに近かった「ふつうの動画」300本です。それぞれの中身をAIが分類し、2つの束にどんな動画がどれくらい混じっていたかを数えました。その動画を撮ったときに当たる確率ではない点に気をつけて、読んでみてください。
- 商品・サービスの売り込みが目的の動画:当たった動画の中で5.2%、ふつうの動画の中で11.3%(AIの判定の確信度が低いものを除いて数え直しても5.2%と11.9%)
- インタビュー・対談の形の動画:当たった動画の中で8.0%、ふつうの動画の中で17.0%。ふつうの動画では、いちばん多い型でした
- 業務の知識や裏側がテーマの動画:当たった動画の中で30.2%、ふつうの動画の中で22.0%。当たった動画の中では、いちばん多いテーマです
立ち上げたばかりの頃は、商品の紹介や社員インタビューから始めたくなるものです。会社として伝えたいことが、そこにあるからです。ただ、この2つはふつうの動画の側に多く、当たった動画の側には少なめでした。反対に、当たった動画の中でいちばん多かったのは、その業界で働く人なら知っている仕事の知識や裏側の話です。インタビューと業務の裏側も、判定の確信度が「低」の動画を除いて数え直したとき、向きは同じでした。
出る人のほうは、差が小さめです。複数人の掛け合いは当たった動画の中で50.5%、ふつうの中で51.7%。社員1人は26.8%と23.3%、経営者・幹部は7.5%と10.0%です。判定に自信の無い動画を除いて数え直しても、どの出演者も差が小さいことは変わりませんでした。1章のSTEP.2で「出られる人から考える」と書いたのは、この結果があるからです。
15の企画の型ごとの割合と数え直しの結果はTikTok企画の一覧に、投稿時間やハッシュタグといった定番の方法の答え合わせはTikTokでバズる方法に、業務の裏側を社内で掘る方法はTikTokのネタ探しにまとめています。
244社をどう数えたか、どこまで信じていいか
表の数字を社内で見せる前に、数え方と、このデータの弱いところを、ここで1か所にまとめておきます。
数えたのは、BEEMが集めた日本の企業TikTokアカウントのうち、フォロワーが1,000人を超える244社です。会社名の公式アカウントが215社、社長や社員の名前で会社の発信をしているアカウントが29社。各社の直近約30本、合わせて6,943本を2026年10月8日に取得しました。再生数はその日までの累計なので、取得の数日前に出た動画は、そのあとも伸びているかもしれません。
いちばん気をつけてほしいのは、ここにいるのが「続いてきた会社」だけという点です。途中でやめた会社や、フォロワー1,000人に届かなかった会社は入っていません。しかも直近約30本の断面なので、アカウントを開いてからの歩みは分かりません。表の数字は244社をならした姿で、「自社も始めれば何か月でここまで行く」という見込みではない、と読んでください。
フォロワー規模別・投稿ペース別の表は、違う会社どうしを並べたものです。同じ会社がフォロワーや本数を変えたら何が起きるかを試したわけではないので、「フォロワーが少なくても伸びる」「週◯本にすれば伸びる」という因果までは読めません。5章の止まった58社についても、止まった理由は数字には残っていません。
社数の少ない区分もあります。業種は、投稿文に業種の言葉が3回以上出た会社をその業種とみなした目安で、104社は判定できていません。投稿文の言葉で決めているので、実際の業種とずれている会社も混じっているかもしれません。製造・工場は7社、飲食は6社、介護・医療は5社と少なく、業種ごとの数字は出していません。社長や社員の名前のアカウント(29社)と、フォロワー10万人以上の会社(11社)の数字も、社数が少ないぶん差を強く読まないでください。
6章の中身の分類について、「AIの判定って、どこまで当てになるの?」と思った方もいるかもしれません。AIは判定ごとに自信の度合い(確信度)も付けていて、860本のうち338本は「低」でした(高135本・中387本)。そこで、低を除いた当たった動画345本・ふつうの動画177本で数え直し、向きが変わらなかったものだけを6章で取り上げています。それでも、型やテーマは長さや投稿時間とも重なり合っているので、6章の割合も傾向として読んでください。
TikTokの企業アカウントについてよくある質問
会社の宣伝や採用のために使うなら、ビジネスアカウントに切り替えて始めるのが前提になります。無料で審査も無く、フォロワーや投稿は残ったまま切り替えられます。気になりやすいのは、会社の宣伝に使う曲が商用音楽ライブラリからになり、流行りの曲が使いにくくなる点です。その考え方と、切り替えの手順・個人アカウントへの戻し方は、TikTokビジネスアカウントの記事を見てください。
244社のうち29社が、社長や社員の名前で会社の発信をしているアカウントでした。この29社は、フォロワーの真ん中が10,100人、ふだんの再生の真ん中が9,755回で、会社名の公式アカウント215社(3,509人・5,261回)より多め。一方でバズ率は6.1%と、公式アカウントの8.3%を下回っていて、向きが割れています。どちらにするかは、数字よりも、その人が異動や退職をしたときにアカウントをどうするかで決めるほうが現実的です。最初に社内で話しておくと、あとで慌てずに済みます。
このデータでは、はっきりした差は出ていません。経営者・幹部が出ている動画は、当たった動画の中で7.5%、ふつうの動画の中で10.0%でした。社長が出れば当たる、出なければ当たらない、どちらの形も見えていません。社長が出る企画を、出演者・テーマ・投稿文の言葉に分けて細かく数えた結果はTikTok企画の一覧にあります。出るかどうかは、データよりも、社長本人が続けて出られるかどうかで決まってくるはずです。
月数で区切るより、本数で区切るほうが判断しやすいはずです。2章の表は各社の直近約30本から出しているので、自社も30本ほどたまれば同じ比べ方ができます。数えると、週1本なら約30週(7か月ほど)、週2本なら約15週(4か月弱)。これは数え方から出した目安で、その頃に結果が出るという予測ではありません。その時点で、直近の投稿を再生数の順に並べて真ん中の値を出し、表の幅(下から25%の2,246回〜上から25%の1.56万回)のどこにいるかを確かめてみてください。同じ数え方を続けていけば、自社の中での変化も追えます。
244社の動画の長さは、会社ごとの真ん中で41秒でした(真ん中の半分の会社は27〜57秒)。当たった動画の長さの真ん中は48秒で、全6,943本の41秒より少し長めです。ただ、長さは企画の型とセットで決まるものなので、先に撮りたい企画を決め、その企画に要る長さにするのが順番です。秒数ごとの当たり方はTikTok動画の長さの記事で比べています。
決め手になるのは、毎週続ける人を社内でそろえられるかどうかです。5章で見たとおり、当たりが出ていても止まった会社はあります。企画を考える人、出る人、撮影日を押さえて投稿する人を、本業と並べて毎週そろえられるなら、自社で回せます。担当が1人きりで、その人の繁忙期に止まりそうなら、続ける部分を外に任せることも選択肢に入れてみてください。
まとめ:物差しの数字と、止めずに続けられる本数を手元に置く
- 会社で使うならビジネスアカウントが前提(無料・審査なし)。撮る前に、目的・誰が出るか・週何本・どの数字を見るかの4つを決めておく
- 日本の企業アカウント244社の真ん中は、フォロワー3,692人、ふだんの再生5,744回、週1.12本、動画の長さ41秒
- フォロワー1千〜3千人の会社でも、3社に2社はふだんの再生がフォロワー数を上回っていた。フォロワーの多い会社ほどバズ率が高い、という並びでもなかった
- 投稿の多い会社ほど当たっている、という並びも見えなかった。本数は、続けられるかどうかで決める
- 90日以上止まっていた58社も、ふだんの再生やバズのあった会社の割合は、続いている会社と大差なかった。止まるのは、見られていなかった会社ばかりではない
- 中身では、商品の売り込みとインタビューがふつうの動画の側に多く、業務の知識・裏側が当たった動画の側に多かった
目標の置き場所は2章の表で、本数は4章の話で決められます。難しいのは、そこから止めずに続けることのほうかもしれません。撮影日の確保も、出てくれる社員との調整も、毎週の振り返りも、本業の横で回し続けることになります。社内だけで続ける形がどうしても描けないときは、その体制ごとBEEMのTikTok運用代行に預ける、という選び方もあります。
関連記事
- TikTokビジネスアカウントへの切り替え(手順と、流行りの曲が使いにくくなる問題)
- TikTok企画の一覧(企業244社の当たった動画とふつうの動画を15の型で比較)
- TikTokでバズる方法(よく言われる8つのコツを企業244社のデータで確かめた記事)
- TikTokのネタ探し
- TikTokが伸びる時間
- TikTok動画の長さ
- TikTokインサイトの見方
- TikTokのフォロワーが増えないとき
- TikTokが伸びないときの原因の切り分け方
- TikTok運用代行
- 企業アカウントの成功事例・人気の一覧
- 痛い・つまらないと言われる企業TikTok
この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。