最終更新日:2026年10月14日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- 会社のTikTokを兼任で担当していて、来月の企画案を何本か出さなければいけない方
- 「企画 一覧」で調べたものの、ライブ配信や個人向けのネタばかりで、会社で使える型が分からなかった方
- 企画案を出すときに、「なぜその企画なのか」を数字で説明したい方
- 会社のアカウントで使える企画を15の型に分けると、当たった動画の中でいちばん多かったのはクイズ・参加型(16.6%。ふつうの動画の中では9.0%)でした
- 企業のふだんの動画でいちばん多い型はインタビュー・対談(17.0%)。当たった動画の中では8.0%にとどまっています
- AIの判定に自信のある動画だけで数え直すと、現場・作業紹介とあるある寸劇(本数は少なめ)も、ふつうの動画より当たった動画の中で割合が大きい型でした。説明・告知はどちらにも多く、差は小さい型です
- 来月の5案は、求人告知を会社の枠として残し、いつもの型を1本だけ比べる物差しに残して、当たった側に寄っていた型(ふつうの動画より当たった動画の中で割合が大きく、判定に自信のある動画だけで数え直しても差が残った型)を中心に3本足す組み方がおすすめです
インタビュー。社内紹介。求人告知。
来月の企画会議の前に「案を5つ出しておいて」と頼まれたものの、手元のメモにはこの3行しかない。どれも先月までに一度は出した企画で、残りの2つがどうしても埋まらない。そんな状態でこのページを開いた方もいるかもしれません。
この3行を、日本の企業アカウント244社の動画に重ねると、3つとも「企業がふだんよく作っている型」の上位に入っていました。一方で、当たった動画の中にいちばん多かったのは、メモに無いクイズ・参加型です。
会社でできる企画って、結局どれなんだろう。会議で「それ、当たるの?」と聞かれたら、何と返せばいいんだろう。その2つに答えられるように、この記事では会社のアカウントで使える企画を15の型に分け、当たった動画560本とふつうの動画300本の中で、それぞれ何割を占めていたかを一覧にしました。
「TikTok 企画 一覧」の検索上位は、ライブ配信の企画まとめや個人向けのネタ一覧が中心です(2026年10月14日時点)。企業アカウントの動画を型ごとに数えた一覧は見当たらなかったので、BEEMが集めた244社のデータで数えています。
企業アカウントで使えるTikTok企画15の型【一覧】
来月の候補は、左の2列から拾ってみてください。真ん中の2列は、その型が当たった動画とふつうの動画の中で、それぞれ何割を占めていたか。その右に、判定に自信のある動画だけで数え直した結果、長さの目安、会社でやるならどんな題材になりそうかを並べています(題材は業種を想定したたたき台で、実在の動画ではありません)。
| 企画の型 | どんな動画か | 当たった動画560本の中 | ふつうの動画300本の中 | 確信度「低」を除いて数え直すと | 長さの目安(中央値:当たった/ふつう) | 会社でやるなら(題材の例) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| クイズ・参加型 | 見る人に答えを考えさせる(読み方・値段・これ何でしょう) | 16.6%(93本) | 9.0%(27本) | 当たった側に多いまま。差は広がる | 55秒/50秒 | 現場の道具の名前当て、材料の値段当て |
| 説明・告知 | 制度・求人・手順をまっすぐ説明する | 14.3%(80本) | 16.0%(48本) | ほぼ同じ(差は小さい) | 49秒/33秒 | 応募から入社までの流れ、休みの取り方 |
| 現場・作業紹介 | 車両・機械・作業の映像が主役 | 12.1%(68本) | 11.0%(33本) | 当たった側に多くなる | 40秒/35秒 | 機械が動く瞬間、荷積みの手元 |
| Vlog・密着 | 1日や出来事に密着する | 12.0%(67本) | 9.3%(28本) | 差がほぼ消える | 63秒/55秒 | 新人の初日、繁忙期の1日 |
| 検証・ドッキリ | やってみる・仕掛けて反応を見る | 8.6%(48本) | 7.7%(23本) | わずかに多いまま(差は小さい) | 60秒/76秒 | 自社の製品や梱包の耐久を試す |
| インタビュー・対談 | 質問に答える・会話が中心 | 8.0%(45本) | 17.0%(51本) | 当たった側に少ないまま。差は広がる | 54秒/54秒 | 社員への質問、先輩と後輩の対談 |
| あるある寸劇 | 場面の再現+一言のオチ | 6.2%(35本) | 4.0%(12本) | 当たった側に多いまま(本数は少なめ) | 40秒/45秒 | 新人と先輩の言葉のすれ違い |
| 一発ネタ | 20秒前後でオチを1つ | 5.9%(33本) | 8.0%(24本) | 少なめだが、差は縮む | 16秒/12秒 | 業界用語の聞き間違い |
| ダンス・口パク | 流行の音源で踊る・口パクをする | 5.2%(29本) | 6.7%(20本) | 当たった側に少ないまま | 15秒/15秒 | 部署ごとに同じ振り付けで踊る |
| 長尺トーク | 30秒を超える一人語り | 3.2%(18本) | 3.7%(11本) | 当たった側に少なめ | 53秒/47秒 | ベテランが仕事のこだわりを語る |
| 所作・作業しながら語り | 作業や運転をしながら語る | 2.7%(15本) | 3.7%(11本) | 当たった側に少なめ(本数は少ない) | 35秒/61秒 | 仕込みの手を動かしながら話す |
| ストーリー寸劇 | 起承転結のある芝居仕立て | 2.5%(14本) | 1.7%(5本) | 当たった側に多め(本数は少ない) | 72秒/55秒 | 入社1年目のつまずきと成長 |
| 自撮りテロップ語り | 自撮り+画面の文字で語る | 1.2%(7本) | 0%(0本) | 本数が少なく判断しない | 25秒/— | 担当者の本音を文字で見せる |
| 写真スライド | 写真を順番に見せる | 1.1%(6本) | 1.7%(5本) | 本数が少なく判断しない | 42秒/20秒 | 創業当時からの写真を並べる |
| AI・特殊エフェクト | AI変身・特殊効果が主役 | 0.4%(2本) | 0.7%(2本) | 本数が少なく判断しない | 28秒/18秒 | 制服姿をAIで別の職業に変身 |
BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。「当たった動画(バズ)」の線は、各社の直近約30本で真ん中にくる再生数(ふだんの再生数)の5倍以上で、しかも3万回以上。この線を越えた560本(176社)を数えています。「ふつうの動画」は、再生数がその会社のふだんの0.5〜1.5倍に収まった回から、無作為に300本(141社)を選びました。型の判定はAIが文字起こしと映像を見て行い、判定への自信が「低」だった動画を外して数え直した結果を5列目に書いています。長さは、型ごとの動画の長さの真ん中の値(参考)です。型と長さは一緒に動くので、長さを合わせれば当たるという意味ではありません。割合は、その型を撮ったときに当たる確率(バズ率)でもありません。
この一覧の数字は、読み方に少しコツがいります。インタビュー・対談の行を例に読んでみます。
当たった動画を100本並べると、そのうちインタビューはおよそ8本(8.0%)。再生数がいつもどおりだった動画を100本並べると、およそ17本(17.0%)です。インタビューは、当たった動画の並びのほうに少なく混じっていた。真ん中の2列が言っているのは、ここまでです。
「じゃあ、インタビューを撮ったら何本に1本当たるの?」という問いには、この表では答えられません。調べた6,943本のうち、型で分けたのは860本だけだからです。分かるのは、当たった動画とふつうの動画に、それぞれどの型がどれくらい混じっていたか、まで。
この2列の比(当たった動画の中の割合÷ふつうの動画の中の割合)を、この記事では「割合の比」と呼びます。インタビュー・対談は1.0を下回り、クイズ・参加型は1.0を上回る型です。そのうえで、ふつうの動画より当たった動画の中で割合が大きく、判定に自信のある動画だけで数え直しても差がはっきり残った型を、以下「当たった側に寄っていた型」と呼びます。
会社がよく作る型と、当たった動画の中で多い型は食い違っていた
一覧を「ふつうの動画の中で多い順」に並べ替えると、企業アカウントがふだん、どんな型をよく作っているかが見えてきます。同じことを「当たった動画の中で多い順」でもやってみました。上位5つずつです。
ふつうの動画の中で多い順(企業がふだんよく作っている型)
- インタビュー・対談:17.0%
- 説明・告知:16.0%
- 現場・作業紹介:11.0%
- Vlog・密着:9.3%
- クイズ・参加型:9.0%
当たった動画の中で多い順
- クイズ・参加型:16.6%
- 説明・告知:14.3%
- 現場・作業紹介:12.1%
- Vlog・密着:12.0%
- 検証・ドッキリ:8.6%
2位から4位は、どちらも説明・告知、現場・作業紹介、Vlog・密着の順で、並びまで同じです。違っているのは両端です。ふつうの動画で1位のインタビュー・対談は、当たった動画では上位5つから外れ、8.0%で6番目。ふつうの動画で5番目だったクイズ・参加型が、当たった動画では1番目に来ています。
本数で言い換えると、ふつうの動画ではおよそ6本に1本がインタビュー、当たった動画ではおよそ6本に1本がクイズでした。

冒頭のメモの3つを当てはめてみると、インタビューはそのままインタビュー・対談、求人告知は説明・告知に入ります。社内紹介は撮り方しだいで、説明・告知にもVlog・密着にもなる型です。3つとも、ふつうの動画の上位に並ぶ型でした。
「インタビューは会社の雰囲気が伝わるし、社員にも頼みやすいから、毎月入れてきたのに」。そう続けてきた会社ほど、この並びは引っかかるところだと思います。
インタビューを出すこと自体がいけない、という話ではありません。当たったインタビュー動画も45本あり、31社にまたがっています。見えてきたのは、毎月の定番の顔ぶれと、当たった動画の顔ぶれが違うということ。メモの3行には、当たった側に寄っていた型が1本も入っていません。求人告知が入る説明・告知は、当たった動画の中でも2番目に多い型ですが、ふつうの動画の中でも同じくらい多く、どちらかに寄ってはいない型です。
型ごとの中身と、会社でやるときの企画例
ここからは型ごとの中身です。まず当たった側に寄っていたクイズと現場の映像。次に、メモの求人告知とインタビューが入る2つの型。そのあとに、多く見えて差の小さい型と、15秒前後で終わる短い型を続け、本数の少ない型は最後にまとめます。あるある寸劇は、次の章で「あるある」の話と一緒に扱います。題材の例は、どれも業種を想定したたたき台です。
クイズ・参加型:当たった動画の中で、いちばん多かった型
「この重機の名前、分かりますか?」と先輩が聞き、新人が首をかしげる。見ている人もつい一緒に答えを考えてしまう、出題と回答でできた型です。読み方当て、値段当て、「これ、何でしょう?」もここに入ります。
当たった動画のおよそ6本に1本がこの型で、15の型の中でいちばん多くなりました。当たったクイズは35社に散らばっていて、1社で最も多くても8本。一部の会社だけが当てていた型ではありません。
投稿文の言葉で数えても、結果は同じでした。全6,943本のうち「クイズ」「何でしょう」「いくら」のどれかを含む225本(58社)は、バズ率が23.1%。244社全体の8.1%を大きく上回っています。
「クイズなんて、うちみたいな地味な業種で作れるのかな」
ここは意外な結果だったので、そのまま書いておきます。当たったクイズ93本のうち55本は、会社の仕事とは関係のない娯楽の題材でした。業務の知識や裏側を題材にしたものは25本です。当たったクイズの半分以上は、仕事とは関係のない題材だったことになります。
作りの面では、当たったクイズのうち79本が2人以上の掛け合いでした。出題する人と答える人がいれば撮れます。たとえば建設なら、先輩が重機の名前を出題する。介護なら、福祉用具の名前を新人に読んでもらう。飲食なら、まかない1食の材料費を当ててもらう。問題の作り方や、商品・求人へのつなぎ方は、姉妹記事「TikTokのクイズ動画」で扱います。
現場・作業紹介:顔を出さなくても撮れる型
社員に「顔はちょっと……」と断られた職場でも、この型なら始められます。主役は人ではなく、車両や機械、作業の手元の映像。当たった68本のうち36本は、人が一人も映らない動画でした。
全体の割合だけを比べると、当たった動画の中で12.1%、ふつうの中で11.0%と、差は小さめです。ところが、判定に自信のある動画だけで数え直すと、当たった側の多さがはっきりしてきました。メモの外から1本足すなら、クイズと並んで候補にしやすい型です。
題材は、業務の知識や裏側と組み合わさることが多く、その組み合わせが当たった動画の中に47本ありました。製造なら金型が開く瞬間、物流ならフォークリフトで荷を積み込む手元、建設なら朝の重機の点検。毎日見慣れている光景が、そのまま題材になります。
説明・告知:メモの求人告知が入る型
メモの3行のうち、求人告知はこの型に入ります。制度や求人、手順をまっすぐ説明する動画です。企業がふだんよく作る型の2位で、当たった動画の中でも2位。どちらの側でも上位にいる型です。
当たった80本の題材を見ると、業務の知識・裏側が42本、待遇・求人が25本。求人の説明そのもので当たっていた動画も、ちゃんとあったわけです。当たった側とふつうの側で割合の差は小さく、このデータからは、増やす理由も減らす理由も出てきません。
違いが出ていたのは長さのほうでした。真ん中の値で、当たった説明動画は49秒、ふつうの説明動画は33秒。当たったほうが長めに作られています(秒数ごとの当たり方はTikTok動画の長さの記事で比べています)。
題材の例を挙げると、介護なら夜勤がある週の勤務の組み方、物流なら入社1週目に覚える仕事の順番、製造なら資格を取るまでの流れ。求人を動画でどう伝えるかは、TikTokの採用動画の記事にまとめています。
インタビュー・対談:作りやすいのに、当たった動画では半分以下
メモの1行目、インタビューの型です。聞き手の質問に社員が答える、会話で進む動画。企業がふだん作る動画ではおよそ6本に1本を占め、15の型でいちばん多い型でした。それが当たった動画の中では、12本に1本ほどになります。
AIの判定があやふやだった動画を外しても、この差は縮みませんでした。むしろ少し広がっています。投稿文に「インタビュー」「対談」「質問」を含む218本(71社)で見ても、バズ率は4.6%で、244社全体の8.1%を下回りました。
同じ会社の中でも比べています。会社ごとにふだんの再生数は大きく違うので、その会社のいつもの当たりやすさを1.0として、インタビュー系の回がどれくらいだったかを出した値です(この記事では「社内比」と呼びます)。結果は0.60。その会社のほかの回と比べても、当たりにくい側でした。
5案のうち2本も3本もインタビューにするのは、このデータとは逆の組み方です。残すなら1本にしぼり、質問も短くする形が考えられます。たとえば建設なら「現場でいちばん緊張した瞬間は?」の1問だけ。物流なら「繁忙期の前の日に必ずやることは?」、飲食なら「ランチのピーク前に何を確かめている?」。どう残すかは、5案の選び方で続けます。
検証・ドッキリとVlog・密着:多く見えて、差は小さい2つ
表の数字だけを見ると、この2つも当たった動画の中の割合のほうが大きく見えます。検証・ドッキリは当たった動画の中で8.6%、ふつうの中で7.7%。Vlog・密着は12.0%と9.3%です。それでも「当たった側に寄っていた型」として扱っていないのには、それぞれ理由があります。
Vlog・密着は、判定の確かな動画だけに絞ると、差がほとんど消えました。投稿文に「密着」「ルーティン」「1日」「vlog」を含む228本(88社)も、バズ率は7.9%で、全体の8.1%とほぼ同じです。新人の初日や繁忙期の1日を追う回は作りやすいのですが、このデータでは当たりやすさの手がかりが見つかりませんでした。
検証・ドッキリのほうは、数え直してもわずかに多いまま。ただ、差は小さい型です。当たった48本のうち40本が2人以上の掛け合いで、クイズと同じく「やる人と見る人」がいる作りでした。題材なら、物流で自社の梱包に入れた中身が無事かを試す、建設で新しい作業着の動きやすさを比べる、といった形が考えられます。
投稿文に「ドッキリ」を含む動画は、バズ率が18.8%と高く出ます。けれど、バズのあった会社は7社だけで、そのうち1社が5本を当てていました。一部の会社に偏った数字なので、ここは強く読まないでください。「検証」「やってみた」を含む60本(39社)なら11.7%です。
ダンス・口パクと一発ネタ:15秒前後で終わる2つ
15の型の中で、いちばん短く終わるのがこの2つです。当たった動画の長さの真ん中の値は、ダンス・口パクが15秒、一発ネタが16秒。個人向けの「ネタ◯選」でよく見かける型でもあります。
流行の音源で踊る・口パクをする型は、企業の当たった動画の中では少なめでした(5.2%。ふつうの中では6.7%)。投稿文に「ダンス」「踊って」を含む53本(24社)も、バズ率は5.7%です。ふつうの動画の中には、ダンス・口パクと流行りの話題を組み合わせた回が13本ありました。流行りの話題や音源との付き合い方は、TikTokのトレンドの記事にまとめています。
20秒前後でオチを1つ見せる一発ネタも、当たった動画の中ではやや少なめです。ただ、数え直すと差が縮むので、「少ない」とまでは言い切れません。当たった一発ネタには、職場あるあるを題材にしたものが18本ありました。業界用語の聞き間違いのように、一言で落とせる題材と組みやすい型です。
残りの6つ:当たった本数が20本に届かない型
30秒を超える一人語りの「長尺トーク」と、作業や運転をしながら語る「所作・作業しながら語り」は、どちらも当たった側に少なめで、判定の確かな動画に絞っても同じでした。当たった本数は18本と15本です。仕込みの手を止めずに話す料理人の回などは撮りやすそうに見えますが、このデータで推せる材料はありません。
起承転結のある芝居仕立ての「ストーリー寸劇」は、当たった側に多めでした。けれど当たったのは14本(8社)だけで、この数字だけで選ぶのは早そうです。当たった動画の長さの真ん中の値は72秒と、15の型でいちばん長い型でもあります。
自撮りに画面の文字を重ねて語る「自撮りテロップ語り」(当たった7本・ふつう0本)、写真を順番に見せる「写真スライド」(6本と5本)、AI変身などの「AI・特殊エフェクト」(2本と2本)は、本数が少なすぎて、多い少ないを言えません。
TikTokの「あるある」企画:寸劇の型と、職場あるあるのテーマ
「TikTok あるある」で調べると、上位に並ぶのは動画のページが中心です(2026年10月14日時点)。見る側の人に向けた結果なので、会社のアカウントで「あるある」をどう使えばいいかは、そこからは分かりません。244社のデータでは、動画の作りとしての「あるある寸劇」、話のテーマとしての「職場あるある」、投稿文の言葉の3つの面から数えています。
あるある寸劇:場面を再現して、一言で落とす
たとえば建設の現場で、先輩の言う「ちょっと待って」が実際には何分なのかを再現して、最後に新人の一言で落とす。飲食なら、ランチのピーク直前に全員の動きが急に速くなる瞬間を、無言のまま見せる。物流なら、繁忙期の前の日の倉庫の空気を、ベテランと新人の温度差で描く。どれも、その職場にいる人なら一度は見ている場面です。
型として数えると、当たった動画の中に35本(24社)ありました。1章の表のとおり当たった側に多く、確かな判定だけで数えても同じ結果です。ただ、当たった動画とふつうの動画を合わせても47本しかありません。数本の違いで割合が動くので、クイズほど強い材料にはなりません。
職場あるあるは、寸劇以外の型でも使われていた
話のテーマとしての「職場あるある・社員いじり」は、当たった動画の中で18.2%、ふつうの中で16.0%でした。数え直しても当たった側に多いままで、バズのあった会社は55社。多くの会社で当たりが出ているテーマです。
当たった動画の中でこのテーマを扱っていたのは、あるある寸劇18本、一発ネタ18本、Vlog・密着とインタビュー・対談と検証・ドッキリが13本ずつ。あるあるは寸劇に限らず、いろいろな型の中で使われていました。インタビューで「入社して驚いた、この職場のあるある」を聞く、という使い方もできます。
投稿文に「あるある」と書いた動画
全6,943本のうち、投稿文に「あるある」を含む動画は120本(47社)。バズ率は15.8%で、244社全体の8.1%を大きく上回りました。その会社のいつもの回と比べた社内比でも1.15です。
言葉を「職場あるある」「会社あるある」「現場あるある」「仕事あるある」にしぼると、32本(11社)のうち8本がバズで、25.0%まで上がります。ただ、この8本はわずか4社から出ていて、1社で3本当てた会社もあります。この25.0%を、自社の見込みとして使うのは無理があります。

人を題材にした言葉も数えました。「上司」「先輩」「新人」「後輩」を含む196本(66社)は8.7%で、その会社のいつもの回とほぼ同じです。上司と新人を出すだけで当たりやすくなる、という形は見えませんでした。社員をいじる回は、いじられる側の本人が一緒に笑える内容かどうかを、撮る前に一度確かめておくと安心です。
社長が出る企画(社長シリーズ)は、見方によって結果が割れた
「TikTok 社長シリーズ」で調べても、並ぶのは動画のページです(2026年10月14日時点)。会議で「社長に出てもらうのはどう?」と聞かれたときのために、244社のデータを3つの見方で数えました。ところが、どこから見るかで結果が割れています。
- 出ている人で見ると:経営者・幹部が出ている動画は、当たった動画の中で7.5%、ふつうの中で10.0%。数え直しても、当たった側にやや少ないまま
- 話のテーマで見ると:社長・経営者の話題は4.5%と5.0%で、やや少ない。ところが、あやふやな判定を外すと、逆に当たった側に多くなる
- 投稿文の言葉で見ると:「社長」を含む493本(80社)のバズ率は6.9%で、社内比は0.99。その会社のいつもの回とほぼ同じ
最初の一言が「社長です」のような肩書きの名乗りになっている動画は、当たった側に6本、ふつう側に9本しかなく、こちらも判断できません。社長シリーズを入れるかどうかは、このデータでは決め手が出ない、というのが正直なところです。入れるなら5案の「試す」の枠に1本置き、物差しにするいつもの回と並べて見る(次の章で説明します)のが無理のない入れ方です。
来月のTikTok企画案5つの選び方
ここで、冒頭のメモに戻ります。インタビュー・社内紹介・求人告知の3行を、全部入れ替える必要はありません。下の表は、メモから2本を残し、当たった側に寄っていた型を中心に3本足す組み方の一例です。
| 枠 | 入れる型 | 題材のたたき台(例) | 会議で添えられる根拠(244社) |
|---|---|---|---|
| 1. 新しく入れる | クイズ・参加型 | 先輩が出題し、新人が答える。現場の道具の名前当てや、材料の値段当て | 当たった動画の中でいちばん多い型。16.6%(ふつうの動画の中では9.0%)。当たったクイズは35社に分散 |
| 2. 新しく入れる | 現場・作業紹介 | 人が映らない作業の手元、機械や車両の動き | 12.1%と11.0%。確信度「低」を除くと差が広がる(割合の比1.39) |
| 3. 試す | あるある寸劇、または検証・ドッキリ | 職場の場面を再現して一言のオチ/自社の製品や梱包の耐久を試す | あるある寸劇は6.2%と4.0%(本数は少なめ)。検証・ドッキリは8.6%と7.7%(差は小さい) |
| 4. 会社の枠として残す | 説明・告知(メモの求人告知) | 応募から入社までの流れ、制度の説明 | 14.3%と16.0%で差は小さく、当たった動画の中でも2番目に多い型。減らす根拠がない |
| 5. 比べる物差しとして残す | いつもの型を1本(メモのインタビューか社内紹介のどちらか) | 質問を1つにしぼったインタビュー | インタビュー・対談は8.0%と17.0%。2本以上は入れない。毎月1本ずつ続け、新しい型と比べる相手にする(表の下で説明) |
割合は「当たった動画560本の中/ふつうの動画300本の中」の順。題材は業種を想定したたたき台です。
メモから残した2本は、残す理由が違います。
求人告知は、採用のために会社として出しておきたい枠です。データの上でも、説明・告知は当たった動画とふつうの動画のどちらにも多く、差は小さい型でした。減らす理由が見つからないので、比べるためではなく、そのまま会社の枠として残しています。
インタビュー(または社内紹介)のほうは、比べるための物差しです。新しい型を試した月に、いつもの型が1本もなければ、伸びたのが型のおかげなのか、その月がたまたまよかったのか、見分けがつきません。いつもの型を毎月1本ずつ出し、数本たまったところで新しい型と並べる。1本きりでは物差しになりにくいので、何か月か続ける前提で置いておきます。
投稿したあと、型ごとの再生数やおすすめからの流入をTikTok Studioのどの画面で拾うかは、TikTokインサイトの見方の記事が手引きになります。
型が決まったら、次は中身です。企画を立てる順番(狙う心理→ネタ→台本)と、そのまま使える企画シートはTikTokの企画の立て方にあります。「何の話をするか」で迷ったときは、姉妹記事「TikTokのネタ探し」も参考にしてください。
「それ、当たるの?」と聞かれたときに言えること・言えないこと
5案を会議に出せば、そう聞かれる場面もあるはずです。この一覧で言えることと言えないことを、ここでまとめておきます。
言えるのは、こういうことです。日本の企業アカウント244社の当たった動画の中では、クイズ・参加型がいちばん多かった。ふつうの動画で最も多いインタビュー・対談は、当たった動画の中では半分以下の割合だった。そして、AIの判定に自信がない動画を除いて数え直しても、この2つの結果は変わらなかった。
言えないのは、「クイズにすれば当たる」ということです。この一覧は、当たった動画とふつうの動画で型の割合を比べたもので、型を切り替えて試したわけではありません。しかも型が変われば、長さもテーマもハッシュタグも変わります。当たりの理由が型なのか、それ以外なのかは、分けて測れていません。全6,943本を型で分けたわけではないため、型ごとのバズ率も出せません。
数字の確かさにも幅があります。AIの判定は、860本のうち338本が確信度「低」でした。だからこの記事では、低を除いた当たった動画345本・ふつうの動画177本で数え直し、結果の向きが変わらなかった型だけを結論に使いました。Vlog・密着のように、低を除くと差が消える型もありました。あるある寸劇やストーリー寸劇のように本数の少ない型は、数本の違いで割合が動きます。投稿文の言葉で分けたバズ率(あるある15.8%、ドッキリ18.8%など)は、その言葉を投稿文に書いた動画を数えたもので、「あるある」と書いていないあるある動画もあるように、言葉と動画の中身はずれることがあります。数えたのは日本の企業アカウントで、個人の発信者や海外の会社は含みません。再生数は2026年10月8日に数えた時点の値です。
もうひとつ、来月の結果を見る前に決めておきたいのが、何と比べるかです。この記事でいう「当たった動画」は、その会社のふだんの5倍以上で、しかも3万回以上の回でした。クイズや現場の映像に変えた回がそこまで届かなかったとしても、それだけで型の選び方が外れだったとは言い切れません。届いたかどうかで白黒をつけるより、同じ会社のいつもの回と比べて伸びたかどうかを見る。物差しとして残したいつもの1本は、そのためにあります。
会議では、たとえば「企業244社の当たった動画でいちばん多かった型を1本入れました。いつもの型も1本残してあるので、数本たまったところで比べられます」と添えてみてください。当たると約束するのではなく、比べて確かめる計画として出す。そのほうが、データの言えることの範囲にも収まります。
TikTokの企画一覧についてよくある質問
「これをやれば必ずバズる」という企画は、このデータからは言えません。言えるのは、企業244社で当たった側に寄っていた型です。ふつうの動画より当たった動画の中で割合が大きく、判定に自信のある動画だけで数え直しても当たった側に多いままだったのは、クイズ・参加型、現場・作業紹介、あるある寸劇(本数は少なめ)、ストーリー寸劇(同じく少ない)でした。投稿時間やハッシュタグ、動画の長さなど、企画以外の定番の方法がデータでどう出ていたかは、TikTokでバズる方法の記事で答え合わせしています。
当たった動画の中には、会社の仕事と関係のない題材もかなり含まれていました。当たったクイズ93本のうち55本は、仕事と関係のない娯楽の題材です。あるある寸劇も当たった側に多めでした。一方、20秒前後でオチを1つ見せる一発ネタは、当たった動画の中で5.9%、ふつうの中で8.0%と、少なめから差がない程度です。笑いの型を選ぶときも、15の型のどれに当たるかで考えると、組み合わせを決めやすくなります。社員が出る回は、本人の了承と社内の確認を先に取っておきましょう。
この記事の244社のデータは、ふだんの投稿動画を数えたもので、ライブ配信は入っていません。「企画 一覧」の検索上位にはライブ配信の企画まとめもありますが、ライブで何をすれば視聴が伸びるかは、この一覧からは答えられません。この記事の15の型は、あくまで通常の動画の企画として読んでください。
題材を探すヒントにはなります。ただ、個人向けの一覧で定番のダンス・口パクは、企業の当たった動画の中では少なめの型で(1章の一覧)、判定の確かな動画に絞ると差はさらに開きました。個人の一覧から拾うときは、そのネタが15の型のどれに当たるかを先に分けて、当たった側に寄っていた型かどうかを確かめてから選ぶと、会議でも説明しやすくなります。
投稿文に「チャレンジ」を含む動画は、全6,943本のうち137本(53社)で、バズ率は10.2%、社内比は1.04でした。その会社のいつもの回とほぼ同じです。チャレンジに乗ったから当たりやすくなった、という形は見えていません。チャレンジでも、中身がクイズなのか、ダンスなのか、検証なのかで、一覧のどの型に入るかが変わります。型のほうで選んでみてください。
まとめ:メモの3行を、来月の5案に組み直す
- 会社のアカウントで使える企画は15の型に分けられる。題材の例と長さの目安は1章の一覧に
- 当たった動画の中でいちばん多かったのはクイズ・参加型(16.6%。ふつうの動画の中では9.0%)。現場・作業紹介とあるある寸劇も、判定に自信のある動画だけで数えて当たった側に寄っていた
- 企業がふだんいちばんよく作るインタビュー・対談(ふつうの動画の中で17.0%)は、当たった動画の中では8.0%
- 説明・告知は両方に多く、差は小さい。Vlog・密着は、数え直すと差がほぼ消える
- 「あるある」は寸劇の型にも、職場あるあるのテーマにも多め。社長が出る企画は、見方によって結果が割れた
- どれも傾向で、型を変えれば当たるという因果ではない。来月の5案は、求人告知を会社の枠に、いつもの型1本を物差しに残し、当たった側に寄っていた型を中心に3本足す
来月のメモは、たとえばこう書き換えられます。求人告知は、会社の枠としてそのまま。インタビューと社内紹介は、どちらか1本にしぼって物差しに。空いた3つに、クイズ、現場の映像、あるある寸劇か検証を入れる。3行だったメモが、新しい型3本と、比べる相手のいる5本になります。
ただ、15の型のうちどれを撮れるかは、会社によって違います。顔を出してくれる社員が何人いるか、現場にカメラを入れられる日があるか、自社の業種ならどんな題材が拾えるか。そこから型を絞り、題材を決めて、来月の5つの枠に落とし込む。この作業は、BEEMのTikTok運用代行と一緒に進めることもできます。
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この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。