最終更新日:2026年10月14日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- 撮影日が迫っているのに、会社のTikTokで何を撮るかがまだ決まっていない担当の方
- いいね順の検索やネタ帳アプリを見ても、個人向けの動画ばかりで自社に置き換えられなかった方
- ほかの会社が何の話で当たっているのかを知って、ネタ探しの時間を減らしたい方
- 企業アカウントで当たった動画の話題でいちばん多かったのは、業務の知識・裏側。当たった動画の30.2%(ふつうの動画の中では22.0%)を占め、当たりのあった176社のうち74社がこの話題で当てています
- 同じ待遇の話でも、投稿文の言葉で見ると給料・年収は45本中10本が当たり(22.2%・当たりは7社から)、休み・残業は81本・53社で当たりが0本と分かれました
- 商品・サービスの紹介や、時事・トレンドの話は、ふつうの動画と比べて当たった動画の中で少なめでした
- ネタは外で探す前に、現場の道具、仕事の段取り、お客様からの質問、職場のあるあるから掘る。いいね順の検索などの外での探し方は、掘ったネタを確かめる側に回せます
撮影は明日の午後。手伝ってくれる若手社員の予定は押さえてあり、スマホの充電もできている。決まっていないのは、何を撮るかだけです。
TikTokの検索窓に業界の言葉を入れて、並び替えを「いいね順」にしてみる。流れてくるのは、ダンスや個人のVlogばかり。ネタ帳アプリを開いても、会社の動画に置き換えられそうな案は見つからない。半年分の投稿で、社内の話はもう出し切った気もしている。うちの会社に、まだ撮れる話なんて残っているんだろうか。
いいね順の検索も、ネタ帳アプリも、探しているのは会社の外です。ところが、企業アカウントで当たった動画を「何の話をしているか」で分けてみると、いちばん多かったのは会社の中にある話のほう。工程や道具、値段のような、その業界で働く人なら知っている話です。当たった動画のおよそ3本に1本が、この手の話でした。
土台にしたのは、日本の企業244社のTikTokアカウントから集めた当たりの動画560本と、いつもどおりだった動画300本を、話題ごとに11のテーマへ分けて比べた結果です。
企業アカウントで伸びやすいジャンルは?当たった動画の「話」を11テーマで比べた【一覧】
11のテーマは、AIが動画の文字起こしと映像を見て、1本ごとに「何の話をしているか」を1つ選んだものです。分ける基準は中身の話題だけで、撮り方や見せ方(企画の型)は別に数えています。
| テーマ | どんな話か | 当たった560本での割合 | ふつうの300本での割合 | AIが自信をもって判定した動画だけだと | 当たりが出た会社(1社の最多) |
|---|---|---|---|---|---|
| 業務知識・裏側 | 工程・道具・値段当てなど、業界の中の話 | 30.2%(169本) | 22.0%(66本) | 変わらず当たった側に多い | 74社(8本) |
| 職場あるある・社員いじり | 職場の日常、社員同士のやりとり | 18.2%(102本) | 16.0%(48本) | 当たった側に多く、差は開く | 55社(6本) |
| 会社と無関係の娯楽 | クイズ・ゲーム・食べ物など | 15.9%(89本) | 14.0%(42本) | 差がほとんどなくなる | 43社(8本) |
| 待遇・求人 | 給料・休み・募集 | 9.6%(54本) | 9.7%(29本) | どちらにも同じくらい | 35社(4本) |
| 新人・若手・採用候補 | 新人・面接・入社 | 5.9%(33本) | 8.0%(24本) | 変わらず当たった側に少ない | 21社(6本) |
| 商品・サービス紹介 | 自社の商品・実績の紹介 | 4.6%(26本) | 10.7%(32本) | 変わらず当たった側に少ない | 17社(3本) |
| 社長・経営者ネタ | 社長いじり・社長の素顔 | 4.5%(25本) | 5.0%(15本) | 多い少ないが入れ替わる | 14社(6本) |
| 時事・トレンド | 流行ネタ・季節もの | 3.9%(22本) | 7.3%(22本) | 当たった側に少なく、差は開く | 17社(4本) |
| 恋愛・プライベート | 恋愛・家族・私生活 | 3.4%(19本) | 2.0%(6本) | 当たった側に多い(当たり19本のうち6本が1社) | 9社(6本) |
| 地域・コラボ | 地域・他社との共演 | 2.1%(12本) | 4.3%(13本) | 変わらず当たった側に少ない | 9社(4本) |
| 人生・自己啓発 | 人生訓・激励 | 1.6%(9本) | 1.0%(3本) | ふつうの側が0本になり、比べられない | 5社(5本) |
BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。当たった動画(バズ)とは、再生数がその会社の直近約30本の中央値の5倍以上、かつ3万回以上だった560本(176社)。ふつうの動画は、中央値の0.5〜1.5倍だった回を各社から拾い、その中から無作為に選んだ300本(141社)です。5列目では、AIが付けた確信度が「低」の338本を外し、残った当たり345本・ふつう177本で同じ比べ方をしました。3・4列目の割合は、当たった動画とふつうの動画それぞれの束の中での割合です。テーマごとのバズ率ではありません。
上の2行、業務の知識・裏側と職場あるある・社員いじりは、確信度の低い判定を外して数え直しても、当たった側に多いままでした。当たりが出た会社も74社と55社に広がっています。この2つの話は、どちらも材料が社内の持ち場にあります。業務の知識なら現場の道具や作業の段取り、職場のあるあるなら朝礼の前後や休憩室での会話。わざわざ外に探しに行かなくても、毎日の仕事の中に転がっている話です。
3番目の「会社と無関係の娯楽」は、数え直すとふつうの動画との差がほとんどなくなります。社長・経営者ネタは、数え直すと多い少ないが入れ替わりました。恋愛・プライベートと人生・自己啓発は当たった側の割合が大きいものの、当たりの出どころは恋愛・プライベートが9社(うち1社が6本)、人生・自己啓発が5社(うち1社が5本)。この2つは、5章で社内を掘る場所には入れていません。
上位の話題ごとの、ネタのたたき台
表の上位にある話題を、会社の動画の題材に置き換えるとどうなるか。業種を変えながら2つずつ挙げてみます。どれも編集部が想定した仮の例で、実際の動画ではありません。
- 業務知識・裏側:建設なら、図面のどこを見ればその日の作業が分かるのか/飲食なら、仕込みで食材ごとに包丁を替えるのはなぜか
- 職場あるある・社員いじり:物流なら、配車の担当が電話をかけながら予定を組み直す朝/介護なら、夜勤明けの職員どうしで交わす決まった一言
- 会社と無関係の娯楽:製造なら、昼休みの弁当の中身を当て合う/飲食なら、まかないの人気投票
- 待遇のうち給料の話:建設なら、見習いのころと一人前になってからで手当がどう変わるか/物流なら、資格を取ると給料のどこが変わるか(出せる範囲は3章と5章で)
いちばん多かったのは業務の知識・裏側:社内で誰も話題にしない決まりごと
朝礼で毎日読み上げる確認の項目。新人が最初の週に覚える道具の呼び名。ベテランが目分量で決めている材料の量。社内では決まりきっていて、休憩中の話題にさえ上らないものが、AIの分類でいう業務の知識・裏側の中身です。工程、道具、値段の当て合いといった、業界の中にいる人だけが知っている話がここに入ります。
当たった動画の中では、この話題がいちばん多く、当たりは74社に散らばっていました。1社でいちばん多く当てた会社でも8本です。数社が当て続けた結果とは言いにくく、74の会社がそれぞれ自分の現場の話で当てていた形です。
同じ話題が、いろいろな見せ方で当たっていた
当たった業務知識・裏側169本を、見せ方(企画の型)で分けると、次のように散らばります。かっこの中は、ふつうの動画66本での本数です。
- 現場・作業紹介(作業や機械の映像が主役):47本(19本)
- 説明・告知(手順や仕組みをまっすぐ説明):42本(17本)
- クイズ・参加型(見る人に答えを考えさせる):25本(6本)
- Vlog・密着(1日や出来事に密着):18本(6本)
- インタビュー・対談:15本(12本)
当たりは特定の撮り方に固まっておらず、作業の映像が主役の回にも、手順を説明する回にも、問題にして出す回にも出ています。ネタを探す段階では、まず「何の話か」を決め、撮り方はあとから選ぶ順番でも進められます。見せ方の型を一覧で比べたいなら姉妹記事「TikTok企画の一覧」、問題にして出す撮り方なら「TikTokのクイズ動画」が手がかりになります。
投稿文の言葉で拾うと:道具の話は当たりが多め、「裏側」と書くだけでは届かない
同じ動画を、投稿文に書かれた言葉で拾い直すこともできます。こちらはAIの分類とは別に、全6,943本から数えたバズ率です。244社全体をならすと8.1%、100本に8本ほどが当たりの線を越えています。
道具・工具・機械・重機の言葉が入った151本(41社)は、当たりが18本で11.9%。工程・作業・仕事の流れ・やり方の言葉が入った162本(63社)は14本・8.6%で、全体並みです。「お客様」「お客さん」は2本・11.1%(18本・15社のうち)でした。
反対に、「裏側」「舞台裏」「裏話」「知らない」「知られざる」のどれかを書いた65本(31社)は、当たりが3本・4.6%で、全体の8.1%を下回りました。中身で数えると業務の知識・裏側がいちばん多いのに、言葉で拾うと少ない。投稿文の言葉と動画の中身がずれている例です。撮る前に確かめたいのは、映っている中身が業界の中の話になっているかどうか。投稿文に「裏側」と書いたかどうかは、その代わりになりません。
物流と建設では、当たりのどれくらいが業務の話だったか
業種でも分けてみました。ここでの業種は、投稿文に「建設」「物流」のような言葉が3回以上ある会社を、その業種として数えた目安です。
物流・運送と読める会社では、当たった67本のうち41本、61.2%が業務の知識・裏側でした(ふつうの動画では28本中7本・25.0%)。物流の会社が当てた動画の6割ほどは、運ぶ仕事そのものの中身を話していたことになります。
建設・職人と読める会社では、当たった176本のうち64本(36.4%)、ふつうの100本のうち30本(30.0%)。建設の当たりは、業務の話のほかに職場あるある(当たった27本・ふつう16本)や待遇・求人(18本・10本)にも分かれています。製造・工場は当たりが11本、ほかの業種も本数が少ないため、並べたのは物流と建設の2つです。

業種ごとに、業務の知識・裏側に入りそうな話を仮に挙げてみます。どれも業種を想定したたたき台で、実際の動画ではありません。
- 建設:職人の腰道具には何が入っていて、どれから手に取るのか/雨で作業が止まった日、現場では何をしているのか
- 物流:トラックに積むとき、重い荷物と軽い荷物をどこに置くのか/荷物1つが届くまでに、何人の手を通るのか
- 製造:検品の担当は、傷のある製品をどこを見て見分けているのか
- 介護:食事の介助で、器の並べ方を人によって変えるのはなぜか
- 飲食:閉店後の片付けは、どの順番で進めているのか
同じ「待遇」の話でも、給料と休みで分かれた
給料・年収の言葉が入った動画は、45本のうち10本が当たり。休み・残業の言葉が入った動画は81本もあるのに、当たりは1本もない。同じ待遇の話でも、投稿文の言葉で数えるとここまで割れます。
AIが中身で分けたテーマでは、給料も休みもまとめて「待遇・求人」に入ります。その単位で見る限り、当たった動画の中で9.6%、ふつうの動画の中で9.7%と、差はほとんどありません。2章と同じ全6,943本の数え方で、待遇と採用まわりの言葉を並べたのが次の表です。
| 投稿文の言葉(話題) | 使われた動画 | そのうち当たった動画 | バズ率 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|---|
| 給料・年収・ボーナス・月給・手取り | 45本(28社) | 10本 | 22.2% | 当たりは7社から。1社で最多4本 |
| 休み・休日・残業・有給 | 81本(53社) | 0本 | 0% | 53社のどこも当たっていない |
| 新卒・入社・面接 | 412本(78社) | 30本 | 7.3% | 全体の8.1%とほぼ同じ |
| 求人・募集・採用 | 1,052本(133社) | 61本 | 5.8% | 本数はいちばん多い |
BEEM調べ(244社・6,943本)。投稿文にその言葉が1つでも入っていた動画を数え、そのうち当たった動画の割合(バズ率)を出しています。244社全体のバズ率は8.1%。バズの線は1章の表と同じです。
当たりの線に届かなかった回も含めて、1本ずつの再生をその会社のふだんの再生と比べてみても、給料の回はふだんの1.42倍、休みの回は0.85倍ほど(どちらも1本ずつの倍率を並べた真ん中の値)。向きは表と同じです。

じゃあ、来月は給料の話を撮ればいいのか。決める前に、当たりの出どころを見ておきます。給料の当たり10本は7社から出ていて、1社だけで4本を占めています。数社の動画の出来が、そのまま22.2%に出ている可能性があり、自社の見込みにできる数字ではありません。
表の下の2行は、本数の桁が違います。新卒・入社・面接は412本で7.3%、求人・募集・採用は1,052本で5.8%。どちらも全体の8.1%と並ぶか、やや下です。
休みや残業は、応募を考える人には欠かせない情報です。当たりが出なかったからといって、伝えるのをやめる話ではありません。当たりを狙う回と、条件をきちんと伝える回で役割を分け、休みの話は求人の回やプロフィールで伝える、という組み方もできます。求人の回をどう組むかは、TikTokの採用動画の記事が詳しく扱っています。
商品・季節もの・地域コラボ・新人の話は、当たった動画に少なめ。撮るときの扱い方
建材を扱う会社で、職人が朝いちばんに材料の束をほどき、寸法を測って切り、現場のどこに使うかを決めていく。食品の会社で、開発の担当が試作のたびに味のどこを変えたかをノートに書き足していく。どちらも仮の場面ですが、映っているのは商品を扱う人の仕事です。AIの分類では、こうした動画は1章でいちばん多かった業務の知識・裏側の側に入ります。
商品そのものを主役にした商品・サービス紹介は、当たった560本のうち26本(4.6%)、ふつうの300本では32本(10.7%)。確信度「低」の判定を外しても、当たった側に少ない向きは同じでした。新商品の動画を頼まれた週は、商品を扱う人の手元や段取りにカメラを向けると、同じ商品でも話題の分類が変わります。
季節の行事は、先に数字を置きます。クリスマス・ハロウィン・正月などの言葉が投稿文に入った39本(31社)のうち、当たりは1本(2.6%)。AIの分類でも、流行りのネタや季節もの(時事・トレンド)は当たった側が3.9%、ふつうの側が7.3%です。行事の週に1本撮るのは構いません。毎週のネタは別の場所から出す前提で組んでおくと、行事の少ない月に手が止まらずに済みます。流行りを追うときの段取りはTikTokのトレンドの記事にまとめています。
地域の話や他社との共演(地域・コラボ)は、当たった側2.1%(12本)、ふつうの側4.3%(13本)。地元の祭りや他社との共演を撮る回が来たら、その場で自社の人が何を受け持っているかを1つ映しておくと、業務の話の要素も入ります。
入社3か月の新人が、毎日のように先輩に聞いていることを思い浮かべてみてください。新人・若手・採用候補を主役にした話は、当たった側で5.9%、ふつうの側で8.0%と少なめで、数え直しても向きは変わりません。けれど新人の質問には、答える先輩の側に工程や道具の話が詰まっています。新人を聞き手に回して先輩に答えてもらえば、カメラの前に出てくるのは仕事の中身です。
TikTokのネタがないときは、外で探す前に社内のここを掘る
「TikTok ネタ探し」「TikTok ネタがない」で調べると、上位の記事に並ぶのは、検索フィルターのいいね順や期間指定、他社や海外の伸びている動画、コメント欄、生成AIとの壁打ち、日常のメモの習慣です(2026年10月14日時点)。どれも会社の外で探す方法です。
毎週それを繰り返していると、ネタ探しだけで本業の時間が削られていきます。しかも、見つかるのは他社や個人の話で、自社に置き換える手間がもう一段かかる。
手順に入る前に、1〜4章の数字の限界をまとめておきます。数えたのは当たった動画にどんな話が多かったかで、その話を撮れば当たるという因果までは確かめていません。話題が変われば、見せ方や動画の長さ、出る人も一緒に変わるからです。テーマの判定には、AIが自信の低いまま付けたもの(860本中338本)が含まれます。投稿文の言葉は動画の中身とずれることがあり、業種は投稿文の語で分けた目安なので、実際の業種と違う会社も入っています。
ここからは編集部の提案です。1〜4章の結果から逆算すると、外を探す前に、当たった動画に多かった話題が眠っている社内を掘るほうが近道だと考えています。1章で上位だった話題をもとに、社内で掘る場所を5つに分けました。
| 掘る場所 | 誰に聞くか | 聞き方の例 | メモに残すこと | 244社のデータの手がかり |
|---|---|---|---|---|
| 1. 現場の道具・機械 | 現場のベテラン | 「新人のころ、最初に覚えた道具は?」「社外の人に見せて驚かれたものは?」 | 道具の名前、何に使うか、値段や重さなど数字で言えること | 業務知識・裏側は当たった動画の中で30.2%(ふつう22.0%)。投稿文に道具・機械の言葉がある151本のバズ率は11.9% |
| 2. 仕事の段取り | 現場のリーダー | 「1日の中で、社外から見えない作業は?」「慣れないうちに順番を間違えやすいのは?」 | 作業の順番、間違えやすい所、その理由 | 業務知識・裏側の一部。投稿文に工程・作業の言葉がある162本は8.6%で、全体並み |
| 3. お客様からよく聞かれること | 営業、窓口、ドライバーなど社外と話す人 | 「最近お客様に聞かれて、説明に困ったことは?」 | 聞かれたときの言葉そのまま、それへの答え | 業務知識・裏側の題材になりうる話。投稿文に「お客様」がある動画は18本と少ない |
| 4. 職場のあるある | 休憩中の若手と先輩 | 「この会社に来て、最初に驚いた習慣は?」 | どの場面で、誰が言いがちか | 職場あるある・社員いじりは18.2%(ふつう16.0%)。当たりは55社 |
| 5. お金の話で出せる範囲 | 人事・総務 | 「給料や手当の話で、社外に出してよい範囲は?」 | 出してよい数字と、出せない数字 | 投稿文に給料・年収の言葉がある45本は22.2%(当たりは7社から・1社最多4本) |
掘る場所・聞き方・メモの書き方は、BeeMedia編集部のたたき台です。右端の列の数字は、1〜3章と同じBEEM調べ(244社・6,943本)から引いています。
聞き方は、「何かネタない?」ではなく、具体的な場面を1つ指して尋ねるのがコツです。「ネタ」と聞かれると、おもしろい話を探そうとして構えてしまう人もいます。最初に覚えた道具、説明に困った質問、と場面を限ると、相手は自分の記憶から答えるだけで済みます。入社して日の浅い社員に聞くのも手で、ベテランが当たり前すぎて口にしないことを、まだ覚えていることがあります。
聞いた話は、表の「メモに残すこと」の列を埋める形で書き留めておくと、撮影の日に読み返すだけで段取りが組めます。2章で見たとおり、当たった業務の話は、映像・説明・問題といろいろな見せ方に分かれていました。道具1つでも、使っている手元の映像、名前や値段を当ててもらう問題、手入れの手順の説明と、切り口はいくつも出てきます。
外で探す方法は、掘ったネタを確かめる側に回す
検索上位で紹介されている外での探し方も、捨てる必要はありません。順番を入れ替えて、社内で掘ったネタを確かめる道具として使います。
- いいね順の検索:掘った話の言葉(道具の名前など)で検索し、ほかの会社がもう撮っているか、どんな見せ方で出しているかを確かめる。編集部の目安を置くなら、3つ以上のアカウントで同じ話題が当たっているとき、1社の人気だけで伸びた話ではなさそうだと見られます
- クリエイター向けの検索インサイト:よく検索されている言葉の中に、掘った話と重なる言葉があるかを見て、投稿文や冒頭の一言に使う言葉を選ぶ
- 自社の動画のコメント欄:見た人が何を不思議がっていたかを拾い、次に社内で聞きに行く場所を決める
- 生成AI:社内の聞き取りメモを渡して、問題の形や冒頭の一言の言い回しを複数出してもらう
ゼロからAIに「ネタを出して」と頼むと、個人向けの一覧と似た案が並ぶこともあります。先に社内のメモがあれば、AIに頼むのは言い回しの工夫だけで済みます。
掘ったネタには、短い呼び名をつけておく
BEEMの公式アカウント(@beem_official)には、動画ごとに「この動画に検索から来た人が打った言葉」が残っています。会社名の次に多かったのは「会社紹介」(19本の動画で出現)で、「やばい新人」「毒上司」(各10本)、「退職代行」(5本)と続きます。どれも、BEEMの動画シリーズの名前や、題材の言葉です。
BEEMという1つのアカウントの中では、見た人が題材の言葉を打ち込んで動画を探しに来る場面が、実際に起きていました。アカウント全体の流入元(直近365日)では、おすすめが56.4%、プロフィールが21.7%、検索が18.3%。掘ったネタをメモするときは、その話に短い呼び名を1つ付けておくと、続きを作るときの見出しになり、投稿文に入れる言葉の候補にもなります。
選んだネタを台本に落とす順番は、TikTokの企画の立て方で企画シートと一緒に紹介しています。
TikTokのネタ探しについてよくある質問
持ち帰るのは「何の話か」だけにして、同じ話題を自社の中で掘るのがおすすめです。1章のとおり、当たった動画でいちばん多かったのは業務の知識・裏側で、これはその会社の現場にしか無い話です。他社の動画を見たら「どの話題で当たっているか」を表の11テーマに当てはめ、自社の同じ場所に聞きに行く。映像や音声をそのまま使うのは、権利の面でも避けておきましょう。
聞く場所を、会議室から相手の持ち場に移してみてください。倉庫の棚の前や、作業台の横で聞けば、相手は目の前の道具や伝票を指さしながら話せます。何もない会議室で「何かある?」と聞かれたときに比べて、思い出すきっかけが目に入るぶん、話が出やすくなります。聞く言葉は、5章の表の「聞き方の例」をそのまま使えます。出てきた話は、撮るかどうかをその場で決めずに、まずメモに残します。
使えます。撮り方を変える方法は5章の表のあとで触れたとおりで、もう1つの手は、同じ話題を時期を変えて聞き直すことです。たとえば同じ積み込みの段取りでも、荷物が一番多い時期と落ち着いた時期とでは、現場で気をつけていることが変わるはずです。前に撮った話題をメモの見出しで残しておけば、数か月後に「あの話、今の時期はどう?」と聞くだけで、別の回の材料がそろいます。
撮る前に、聞き取りのメモをその持ち場の責任者に一度見てもらうと迷いが減ります。話してくれた本人は、社外に出す前提で話しているとは限らないからです。見てもらうのは、お客様の話なら誰のことか分かってしまわないか、段取りの話なら取引先と決めた手順が入っていないか、お金の話なら5章の表の5番目で決めた範囲に収まっているか。撮ったあとは、図面や伝票、取引先の名前が画面の端に映っていないかも確かめておきましょう。
話題を替えても変わらないなら、目を向ける先は話題の外です。この記事が比べたのは、動画が「何の話をしているか」の1点だけでした。再生の落ち方のうち、市場の変化で説明がつく部分と自社で直せる部分を分けて考えたいならTikTokが伸びないときの記事、毎日投稿や流行りの曲がこの244社の数字でどう出ていたかはTikTokでバズる方法の記事で読めます。
まとめ:明日の撮影は、現場の道具1つから
- 企業244社で当たった動画の話題は、業務の知識・裏側が30.2%でいちばん多い(ふつうの動画の中では22.0%)。当たりのあった176社のうち74社がこの話題で当てていた
- 職場あるある・社員いじりも当たった側に多い(18.2%と16.0%・55社)。会社と無関係の娯楽は、数え直すと差がほぼなくなる
- 待遇の話は、テーマで見ると差がない(9.6%と9.7%)。投稿文の言葉では給料22.2%(当たりは7社から)、休み・残業は81本で当たり0本
- 商品・サービス紹介(4.6%と10.7%)と時事・トレンド(3.9%と7.3%)は、当たった動画の中に少ない。撮るなら商品を扱う仕事の側に寄せる
- ネタは外で探す前に、現場の道具・仕事の段取り・お客様からの質問・職場のあるある・お金の話で出せる範囲から掘る。外での探し方は、掘ったネタを確かめる側に回す
明日の分は、道具1つで足ります。今日のうちに現場のベテランを1人つかまえて、「新人のころ、最初に覚えた道具は?」と聞いてみる。返ってきた道具の名前と使い道が、そのまま明日の撮影の中身になります。
そのあとは、聞き取りを撮影とは別の予定として、月に1回カレンダーに入れておくのがおすすめです。5章の表の掘る場所を1回に1つずつ回り、たまった話から毎週の撮影分を選ぶ。撮影の前日に検索画面を眺めていた時間が、聞き取りのメモを読み返す時間に置き換わります。
相手の予定をもらい、持ち場で場面を指して聞き、メモを撮れる形に整える。この月1回の聞き取りをどう回すか、聞いた話からどれを撮るかで迷ったときは、BEEMのTikTok運用代行に相談してみてください。
関連記事
- TikTokの企画の立て方(掘ったネタを台本に落とす順番と企画シート)
- TikTok企画の一覧
- TikTokのクイズ動画
- TikTokでバズる方法(よく聞くバズの方法を、企業244社の再生数で検証)
- TikTokのトレンドの追い方
- TikTokの採用動画の作り方
- TikTokインサイトの見方
- TikTokが伸びないときの原因の切り分け方
この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。