TikTokでバズる方法は?定番の8つを企業244社・6,943本で答え合わせしたら、差が出ていたのは「企画の中身」でした

TikTokでバズる方法

最終更新日:2026年10月13日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

こんな方に読んでほしい記事です
  • 「バズる方法◯選」に書いてあることを一通り試したのに、会社のTikTokの数字が動かない担当者の方
  • 毎日投稿・投稿時間・ハッシュタグ・流行りの曲のうち、どれに手間をかければいいのか決めたい方
  • 社内で「次は何を変える?」と聞かれて、根拠をもって答えたい方
答え合わせの結果を、ひとことで

検索上位の「バズる方法」で定番になっている8つを、日本の企業TikTokアカウント244社の直近6,943本で確かめてみました。

  • 投稿時間とハッシュタグは、どれを選んでもバズ率の差は小さい結果でした。毎日投稿も、投稿ペースとバズ率に一定の向きはありません
  • 「短くする」「時事ネタに乗る」は、むしろ逆の傾向。「流行りの曲」は、このデータでは分かりません(既存の曲を使った動画はやや低め:社内比0.91、オリジナル系1.05)
  • 差が出ていたのは何を撮るか。クイズ・参加型、業務の裏側、問いかけで始める冒頭が、当たった動画の中に多く含まれていました
  • 反対に、インタビュー形式、商品の売り込み、求人が目的の動画は、当たった動画の中に少ない傾向でした

このあと、8つの答え合わせの表、差が出ていた企画の中身、次の企画会議で変えることと試した回に見る数字の順にお伝えします。

週3本だった投稿を、思い切って毎日に増やした。時間は19時にそろえて、#fypと#おすすめも付けた。流行っている曲を探して、動画は15秒に切った。「バズる方法13選」に書いてあったことは、ほとんど全部やったはずなのに、3か月たっても再生数のグラフは横ばいのまま。会社のTikTokを任されて、そんな経験をしたことはありませんか。

次の企画会議が近づくと、「もう打てる手がない」「自分のやり方が間違っているのかも」と考えてしまいますよね。でも、数字が動かなかったのは、あなたのやり方が悪かったからではないかもしれません。

企業アカウントの動画を数えてみると、定番の方法の多くは、差が小さいか、逆の傾向が出ているものでした。中には、このデータでは判定できないものもあります。差が出ていたのは、企画会議でいつも頭を悩ませている「何を撮るか」のほうです。

「8選」「9選」「13選」「17選」と並ぶ一覧には、企業アカウントで確かめた数字が付いていません(2026年10月13日時点)。そこで、BEEMが運用支援の参考に集めてきた日本の企業アカウント244社の直近6,943本で、一覧の方法を1つずつ答え合わせしました。当たった動画とふつうの動画の中身もAIで分類し、「何を撮った動画が当たっていたのか」を比べています。

【答え合わせ】よく言われる「バズる方法」8つを、企業244社のデータで確かめた

「毎日投稿した」「19時に出した」「#fypを付けた」。これまで試してきたことを、まずは左の列から探してみてください。その行の「データの向き」が、244社の数字が指していた方向です。

よく言われる方法 企業244社・6,943本のデータ データの向き 詳しい記事
投稿時間を選ぶ(夜のゴールデンタイムなど) 9〜23時はバズ率7.7〜9.5%、社内比0.97〜1.06。差が出たのは0〜8時の低さ(4.9〜5.6%)と日曜(11.3%) 差は小さい 伸びる時間
ハッシュタグを工夫する(#fyp・個数) #fyp・#おすすめの社内比0.98。付けた回と付けない回がある46社でも0.98対1.01。ふだんよりタグが多い回は0.92、少ない回は1.26 差は小さい(増やす方向はむしろ逆) ハッシュタグ
短くテンポよく 15秒以下のバズ率5.8%(社内比0.85)、61秒以上9.8%(1.14)。10秒以下は4.2%(0.70) むしろ逆の傾向 動画の長さ
毎日投稿する 投稿ペースは中央値で週1.1本。会社ごとのバズ率はペースで一定の向きが無く、毎日以上の7社は4.3% このデータでは裏付けなし 表の下で補足
流行りの曲を使う 既存の曲を使った動画はバズ率6.6%、オリジナル系の音源は8.7%。両方を使う174社の中で比べると社内比は既存の曲0.91、オリジナル系1.05。曲が流行っているかどうかは分けられていない このデータでは分からない(既存の曲はやや低め) 表の下で補足
時事・トレンドに乗る 時事・トレンドの話題は、当たった動画の中で3.9%、ふつうの動画の中で7.3% むしろ逆の傾向 トレンド
冒頭で掴む 問いかけ・クイズで始まる動画は、当たった動画の中で20.0%、ふつうの中で14.0%。映像だけで始まる動画は10.4%と16.0% データで裏付けあり(掴み方による) 2章
まずフォロワーを増やす 244社のデータではフォロワー数を比べていない。TikTokは、フォロワー数は直接の要因ではないと説明 このデータでは分からない フォロワー

数えたのは、BEEMが集めた日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本(計6,943本・2026年10月8日取得)です。バズは、その会社の直近約30本の再生数の中央値(ふだんの再生数)の5倍以上、かつ3万回以上とし、560本(8.1%)・176社が当てはまりました。社内比は、その区分の動画が、その会社のいつもの当たりやすさと比べてどうだったかを表します(1.0でその会社のいつもどおり)。「冒頭で掴む」「時事・トレンド」の2行だけは、2章と同じく、バズ560本とふつうの動画300本の中身をAIで分けた数字です(読み方は2章で説明します)。

「毎日投稿は裏付けなし、19時も#fypも差は小さい……。あの3か月は何だったの?」と、力が抜けた方もいるでしょう。投稿の本数や時間、タグの付け方と当たりやすさの間に、はっきりした結びつきは見えていません。8つのうち、当たった動画の側に多く含まれていたのは、「冒頭で掴む」の行の一部、問いかけで始める形だけでした。同じ「掴む」でも、映像だけで始める形は逆に少なく、掴み方で向きが分かれています。

この記事のバズは「その会社のいつもの5倍以上、かつ3万回以上」という高めの線です。244社全体をならしても、当たったのは6,943本中560本、100本に8本ほどでした。当たりが出ない期間が続くのは、珍しいことではありません。

「データの向き」の列は、BEEMや代表の評価ではなく、このデータで数字がどちらを向いていたかをそのまま言葉にしたものです。

表の「社内比」は、同じ会社の動画だけで比べて、その会社のいつもの当たり方を1.0としたときの値です。ふだんの再生数は会社によって大きく違うので、会社ごとの“いつも”を物差しにしました。

1.0を上回れば、その会社としてはいつもより当たりやすかった、と読んでください。

投稿時間・ハッシュタグ・長さ:詳しい記事がある3つ

投稿時間:TikTokで1番バズりやすい時間は、9〜23時の中なら、決まった1時間は見当たらない、というのが答えです。差が見えたのは、早朝・深夜がやや低いことと、曜日では日曜(11.3%)が高いことくらいでした。自社の時間の決め方はTikTokが伸びる時間の記事にまとめています。

ハッシュタグ:#fypや#おすすめは、同じ会社の中で付けた回と付けなかった回を比べても、差がありませんでした。タグを増やした回ほど当たっていた、という形も出ていません。選び方の手順はTikTokのハッシュタグの記事で扱っています。

長さ:「TikTokは短いほうがいい」とは、よく聞く話です。ところが244社では、15秒以下のバズ率が5.8%と低く、61秒以上は9.8%と高めでした(10秒以下は4.2%)。もっとも、これは両端を比べた数字で、秒数が長いほど上がっていくわけではありません。長さは企画の種類と一緒に決まるので、「長くすれば当たる」とも読めません。詳しくはTikTok動画の長さの記事で扱っています。

毎日投稿:投稿ペースの違う会社を比べても、バズ率に一定の傾向は無かった

毎日出せばどれかは当たる、とよく言われます。244社の投稿ペースは中央値で週1.1本。毎日以上出している会社は7社だけでした。会社ごとのバズ率の平均を、投稿ペースで分けてみます。

  • 週1本未満(114社):8.0%
  • 週1〜2本(57社):8.6%
  • 週2〜3.5本(40社):7.2%
  • 週3.5〜7本(26社):9.5%
  • 毎日以上(7社):4.3%

本数が増えるほど上がる、という並びにはなっていません。毎日以上の4.3%は7社だけの数字なので、「毎日出すと下がる」とまでは言えませんが、毎日投稿がバズの条件になっている形は見えませんでした。同じ日に2本出した日の動画も、社内比0.85と、その会社のいつもより少し低めです。

流行りの曲とトレンド:曲は判定できず、時事ネタは当たった動画の中に少なかった

音源は、名前が「オリジナル楽曲」「アップロード楽曲」「original sound」となっている動画(4,777本・243社)と、既存の曲を使った動画(2,166本・175社)に分けて数えました。バズ率はオリジナル系が8.7%(社内比1.03)、既存の曲が6.6%(0.92)。両方を使ったことがある174社に絞り、同じ会社の中で比べても、社内比はオリジナル系1.05、既存の曲0.91でした。既存の曲の回は、その会社のいつもより1割弱当たりにくかった計算になります。

では、流行りの曲は使わないほうがいいのか。ここは答えが出せません。差は小さく、その曲がいま流行っているかどうかまでは分けられていないからです。「流行りの曲を使う」という方法そのものへの答えは、このデータでは出せない、というのが正確なところです。少なくとも、曲探しに時間をかけるほど当たりやすくなる、という結果は出ていません。

一方、時事や季節もの、流行りのネタを扱った動画は、当たった動画の中では3.9%、ふつうの動画の中では7.3%。当たった動画の側に少ない結果でした(確信度「低」を除いても同じ向き)。トレンドを使うなら、自社の業務や職場とどう組み合わせるかが問われそうです。取り入れ方はTikTokのトレンドの記事で解説しています。

フォロワー:TikTokは「直接の要因ではない」と説明している

今回の244社のデータでは、フォロワー数とバズの関係は比べていません。ただTikTokは、2020年に公開したおすすめの仕組みの説明で、フォロワー数や、過去に当たった動画があるかどうかは、おすすめの直接の要因ではないとしています※1。フォロワーが少ない会社でも、1本ごとにおすすめに載る機会はある、ということです。フォロワーが増えないときの見直し方はTikTokのフォロワーが増えないときの記事にまとめています。

この記事の数字はどこまで言えるのか

表の数字を上司に見せる前に、どこまでは言えて、どこからは言えないのかを確かめておきます。2章・3章の数字にも同じことが当てはまります。

  • 対象は日本の企業アカウントだけです:244社の直近約30本(2026年10月8日取得)で、個人のクリエイターや海外のアカウントは入っていません
  • 「これをしたから当たった」とは言えません:2章・3章は、当たった動画とふつうの動画で中身の割合がどう違ったかを見たもので、ある企画に切り替えたら当たるのかを試したわけではありません。企画の中身は投稿時間・長さ・タグとも一緒に動いているので、どれが当たりに効いたのかも切り分けられていません
  • AIの分類にも迷いがあります:AIは分類と一緒に、その判定にどれくらい自信があるか(確信度)も付けています。860本のうち338本は、その確信度が「低」でした。そこで、確信度「低」を除いた522本(バズ345・ふつう177)で数え直しても結果が同じだったものだけを、結論にしています
  • 割合の比から「その型が当たる確率」は出せません:全6,943本を中身で分類したわけではないからです。バズ率として書いているのは、全本数から数えた投稿文の言葉ごとの数字だけです
  • 本数の少ない区分は、強く読まないでください:毎日以上投稿している会社(7社)や、肩書きの名乗りで始まる動画(合わせて15本)は、数本の違いで数字が大きく動きます
  • 再生数は10月8日に数えた時点の値です:取得の数日前に出た動画は、そのあとも再生が増えているかもしれません

では、差はどこに出ていたのか。

差が出ていたのは「何を撮るか」:企画の型・テーマ・冒頭のつかみ

当たった動画560本(176社)と、ふつうの動画300本の中身を、企画の型・テーマ(何の話か)・冒頭のつかみの3つの切り口で比べています。ふつうの動画は、その会社のふだんの再生数の0.5〜1.5倍、いわば「いつもどおり」だった動画から無作為に選んだ300本(141社)です。分類は、動画の文字起こしと映像をもとにAIが行いました。

この章と3章では「割合の比」という物差しを使います。くじで考えると、つかみやすくなります。当たりくじの束とふつうのくじの束に、赤い紙のくじがそれぞれ何割混じっているかを数えた、と想像してください。割合の比は「当たった動画560本の中でその中身が占める割合÷ふつうの動画300本の中での割合」です。1.0より大きいほど、当たりの束に多く混じっていたという意味になります。

ただ、くじ全体で赤いくじが何枚あったかは数えていないので、「赤いくじを引けば何倍当たりやすい」とは言えません。同じように、割合の比は「バズ率が◯倍」という意味ではありません。バズと数えた動画が実際に何回くらい再生されていたのかは、よくある質問のQ1にまとめました。

当たった動画の中に多く含まれていた中身のうち、確信度「低」を除いても結果が同じだったものを、下の図と表に並べています。

TikTokで当たった動画560本とふつうの動画300本の中身の割合の比較
中身の区分 当たった動画560本の中の割合 ふつうの動画300本の中の割合 割合の比(確信度「低」を除くと)
【企画の型】クイズ・参加型(読み方・値段当て・これ何でしょう) 16.6% 9.0% 1.8(2.2)
【企画の型】あるある寸劇(場面の再現+一言のオチ) 6.2% 4.0% 1.6(1.8)
【テーマ】業務知識・裏側(工程・道具・値段当てなどの業界ネタ) 30.2% 22.0% 1.4(1.4)
【冒頭】問いかけ・クイズで始める(「いくらに見える?」など) 20.0% 14.0% 1.4(1.5)

BEEM調べ(244社のバズ560本・176社と、ふつうの動画300本・141社をAIで分類)。割合の比はバズ率の倍率ではありません(この章の最初の説明を参照)。あるある寸劇は当たった動画35本・ふつうの動画12本と本数が少ないため、ほかの行より数字がぶれやすい区分です。

クイズ・参加型:35社にまたがって当たっていた

クイズ・参加型の動画は、当たった動画の中では16.6%、ふつうの動画の中では9.0%を占めていました。確信度「低」を除いて数え直すと、割合の比は2.2まで開きます。

どこか1社が当て続けたわけでもありません。当たったクイズ動画は35社にまたがり、いちばん多い会社でも8本でした。

投稿文の言葉で見ても、同じ向きが出ています。こちらは全6,943本から数えたバズ率です。投稿文に「クイズ」「何でしょう」「いくら」のどれかを含む動画は225本(58社)で、そのうち52本がバズ。バズ率は23.1%で、全体の8.1%を大きく上回っていました。全体では100本に8本ほどだったのが、4本に1本近くになっている計算です。投稿文に「あるある」を含む動画(120本・47社)も15.8%でした。

投稿文に含まれる言葉別のバズ率。クイズ系23.1%、あるある15.8%、全体8.1%

クイズは、見る人がつい答えを考えたくなり、コメントで答えを書きたくなる企画です。しかも、自社の商品や業務をそのまま題材にできます。たとえば建設会社なら「この道具、何に使うでしょう?」、飲食店なら「この仕込み、何分かかると思う?」。毎日見ている現場の中にも、問題のタネはありそうです。

業務の裏側:その会社にしか撮れない題材

テーマで見ると、工程・道具・値段当てといった、業界の中の人しか知らない話(業務知識・裏側)は、当たった動画の30.2%、ふつうの動画の22.0%でした。当たった動画のおよそ3本に1本がこのテーマで、74社にまたがっています。値段当てのような業界ネタも含むので、上のクイズ・参加型とは題材が重なる部分もあります。

「うちの仕事なんて地味だし、見せるものがない」。でも、たとえば物流倉庫の仕分けの手順や、製造ラインで使う専用の工具は、働く人には当たり前でも、外の人にとっては初めて見る世界です。個人のクリエイターには撮れない、その会社にしか撮れない題材でもあります。

冒頭は「問いかけ」が多く、「映像だけ」が少なかった

最初の1〜2秒のつかみでは、「いくらに見える?」のような問いかけ・クイズで始まる動画が、当たった動画の中で20.0%、ふつうの中で14.0%でした(53社)。反対に、言葉が無く映像や動きだけで始まる動画は10.4%と16.0%で、当たった動画の側に少ない結果です。

冒頭に言葉があれば何でもいい、というわけでもありません。「◯◯あるある」「◯◯な理由」のようにお題を言い切って始める形は、47.5%と47.0%で、どちらにも同じくらい入っていました。差が出ていたのは、言葉を置いたときではなく、見る人に問いを投げたときです。たとえば「新人が最初に覚える作業です」と言い切るか、「新人が最初に覚える作業、何だと思いますか?」と聞くか。

クイズには#クイズが付く:1章の表と切り離して読まない

クイズの動画には#クイズが付きますし、企画によって長くなりやすいものも、短く終わるものもあります。1章の投稿時間・長さ・タグの数字は、その裏にある企画の中身と一緒に動いています。そのため、1章で差が小さかった方法と、この章で差が出ていた中身は、互いの影響を取り除いて測ったものではありません。どちらも「当たった動画にそういう傾向があった」というところで受け取ってください。

ほかの型にも触れておくと、Vlog・密着(当たった動画の中で12.0%、ふつうの中で9.3%)は、確信度「低」を除くと差がほとんど無くなったため、結論には入れていません。企画の立て方そのものはTikTokの企画の考え方で解説しています。

当たった動画の中に少なかった、企業アカウントらしい4つの中身

反対に、当たった動画の中に少なかった中身を並べると、企業アカウントだからこそ選びがちなものが並びました。ここでも、確信度「低」を除いて数え直しても結果が同じだったものだけを4つ挙げています。

中身の区分 当たった動画560本の中の割合 ふつうの動画300本の中の割合 割合の比(確信度「低」を除くと)
【企画の型】インタビュー・対談 8.0% 17.0% 0.5(0.4)
【テーマ】商品・サービス紹介 4.6% 10.7% 0.4(0.4)
【目的】商品・営業 5.2% 11.3% 0.5(0.4)
【目的】求人 12.9% 19.0% 0.7(0.8)
【冒頭】映像・動きから(言葉なし) 10.4% 16.0% 0.6(0.5)
(参考)【冒頭】肩書きの名乗り(「社長です」など) 1.1%(6本) 3.0%(9本) 0.4(「低」を除くと3本と4本で、向きは言えない)

出典:BEEM調べ(2章の表と同じ860本)。商品は、テーマ(商品・サービス紹介)と目的(商品・営業)の2行を、下の本文では「2. 商品・サービスの売り込み」の1つにまとめて扱っています。肩書きの名乗りは本数が少ないため、結論には含めず参考として載せています。

1. インタビュー・対談

質問に答えてもらう、会話が中心のインタビュー・対談形式は、当たった動画の中では8.0%、ふつうの動画の中では17.0%でした(当たったのは31社)。確信度「低」を除くと、割合の比は0.4まで下がります。社員紹介や対談は、当たった動画の中では、ふつうの動画の半分以下の割合でした。

2. 商品・サービスの売り込み

自社の商品や実績を紹介する動画は、当たった動画の中では4.6%、ふつうの動画の中では10.7%でした。目的で見ても、商品・営業が目的の動画は5.2%と11.3%(確信度「低」を除くと5.2%と11.9%)で、同じ向きです。

「会社のアカウントなんだから、商品を見せなくてどうするの」。その声に応えるなら、2章の「値段当てクイズ」のように、見る人が参加できる形に商品を乗せるのが、当たった動画の形に近い出し方です。たとえば部品メーカーなら、自社の部品を手に「これ1個、いくらだと思いますか?」と聞いてみる、といった形です。

3. 求人が目的の動画

求人が目的の動画は、当たった動画の中で12.9%、ふつうの中で19.0%でした。確信度「低」を除いて数え直すと15.9%と19.8%(比0.8)で、向きは同じですが、差は縮みます。4つの中では、いちばん控えめに読んでほしい行です。なお、投稿文に「求人」「募集」「採用」を含む動画は1,052本(133社)と多いのに、バズ率は5.8%で、全体の8.1%を下回っていました。

採用のために始めたアカウントなら、気になる結果です。一方で、待遇や求人の話題そのものは、当たった動画の中で9.6%、ふつうの中で9.7%と、ほとんど同じでした。差が出ていたのは話題ではなく、動画の目的のほうでした。求人の話を扱うこと自体より、「応募してほしい」を前面に出した作りのほうが、当たった動画の中に少なかったと読めます。採用につながる動画の作り方はTikTokの採用動画の記事で解説しています。

4. 言葉なしで映像から始まる冒頭

2章でも触れたとおり、言葉が無く映像や動きだけで始まる動画は、当たった動画の中で10.4%、ふつうの中で16.0%でした。確信度「低」を除くと比は0.5です。ほかに、ダンス・口パク(当たった動画の中で5.2%、ふつうの中で6.7%)も、当たった動画の側にやや少なめでした。

職場の風景や製品の映像をそのまま流し始めるのは、企業アカウントでよく見かける作りです。映像はそのままに、2章の「新人が最初に覚える作業、何だと思いますか?」のような一言を最初の1〜2秒に置けば、少なくとも当たった動画に多かった「問いかけで始める冒頭」にはなります。

参考:「社長です」から始まる名乗り(本数が少ない)

冒頭で「社長です」のように肩書きを名乗って始める動画は、当たった動画の中で1.1%(6本)、ふつうの中で3.0%(9本)でした。ただ、合わせて15本しかなく、確信度「低」を除くと3本と4本まで減るため、このデータでは向きを言えません。経営者・幹部が出演している動画全体で見ると7.5%と10.0%で、差はもっと小さくなります。投稿文に「社長」を含む動画(493本・80社)のバズ率は6.9%でした。

社長が出ること自体を避ける理由は、このデータからは出てきません。名乗りから入るかどうか迷うなら、2章の「問いかけ」で始める版と並べて、自社の数字で比べてみるのが確実です。

こうして並べてみると、インタビュー、商品紹介、求人の告知、映像を流すだけの冒頭と、企業アカウントが手を付けやすい形式が多く入っています。作りやすい形式と、当たった動画に多い形式は、必ずしも一致していませんでした。

次の企画会議で変える5つのことと、試した回に見る数字

ここからは、1〜3章の結果を、来週の企画会議で決めることに置き換えていきます。表の上の3行は、2章・3章で当たった動画とふつうの動画の間に差が出ていた中身、下の2行は1章で差が小さかった時間・タグ・長さです。右半分には、それぞれを試した回に、TikTok Studioで何を見ればいいかを並べています。

豊田優人

とりあえず時間を食べさせることが1番大事

投稿したあとにどの数字を見ればいいかを、代表の豊田に聞いたときの1文です。下の表では、2行目の冒頭2秒の残り方と、5行目の平均視聴秒が、この話に近い数字になります。

「試した回に見る数字」の例は、BEEMの公式アカウント(@beem_official・フォロワー約47万人)のTikTok Studioから取りました。244社の公開データには、動画ごとの視聴の記録が含まれていないからです。対象は、記録が細かく残る2023年1月以降の251本。ここでの「当たり」は244社の「バズ」とは別の物差しで、その動画の前後20本の再生数の中央値の2倍以上(38本)としています。

1つのアカウントの数字なので、2章の結果を裏付けるものではなく、自社の数字を読むときの目安として使ってください。表は横に長いので、まず左の列で気になる行を1つ選んでから、右へ読み進めてください。

変えること そう考えるデータ(244社) 試した回に見る数字(BEEM公式の例) 読み過ぎない点
1. 企画の型を1つ、クイズ・参加型か業務の裏側に寄せる
次の数本のうち1本を「この道具、何に使うでしょう?」「この工程、何分かかると思う?」の形にする
クイズ・参加型は当たった動画の中で16.6%、ふつうの動画の中で9.0%。業務知識・裏側は30.2%と22.0%(2章)。投稿文に「クイズ」などを含む動画のバズ率は23.1%(全体8.1%) 再生のうち、おすすめ経由の割合。251本の中央値は、当たりが85%、それ以外が66% 企画が届いた回ほど後から高くなる値。この割合を目標に作りを変えるのではなく、その回がおすすめに広がったかの確認に使う
2. 冒頭の1文を、見る人への問いかけにする
映像だけ・名乗りから入っていた回も、最初の1〜2秒に問いを1つ置いた版を作る
問いかけ・クイズで始まる動画は20.0%と14.0%(2章)。言葉なしで映像から始まる動画は10.4%と16.0%(3章) 2秒の時点で残っていた視聴者の割合。251本を残った割合の低い順に4つの組(67本・70本・67本・47本)に分けると、当たり率は60%以下6.0%(4本)、60〜64%12.9%、64〜67%20.9%、67%超23.4%(11本) 当たりとそれ以外を比べると、残った割合の中央値は65%と64%でほぼ同じ。1本の数字で問いかけ版の良し悪しを決めず、数本ためた組どうしで比べる
3. 売り込み・求人を、動画の主役から外す
商品は値段当ての題材に、職場は業務の裏側の舞台に。言いたいことは投稿文やプロフィールへ回す
商品・サービス紹介は4.6%と10.7%、商品・営業が目的の動画は5.2%と11.3%。インタビュー・対談は8.0%と17.0%。求人が目的の動画は12.9%と19.0%(3章) 動画ごとには1・2行目と同じ数字。言いたいことを投稿文やプロフィールへ回したなら、アカウント全体の流入元で「プロフィール」「検索」の割合が動いたかも見る。BEEMの直近365日は、おすすめ56.4%・プロフィール21.7%・検索18.3% 流入元はアカウント全体の数字で、1本ごとの比較には使えない。求人は確信度「低」を除くと15.9%と19.8%で差が縮むので、5つの中でいちばん控えめに読む行
4. 時間とタグは一度決めて、しばらく動かさない
9〜23時のどこかに1つ、タグは中身を表す言葉と社名タグに固定する(決め方は伸びる時間とハッシュタグの記事)
9〜23時のバズ率は7.7〜9.5%、社内比0.97〜1.06。#fyp・#おすすめは、付けた回と付けない回がある46社で0.98対1.01(1章) 投稿から1日たった時点の再生数。1時間ごとの記録がそろう2本では、48時間分のうち1時間で16〜17%、24時間で83〜86%が入っていた。流入元には「ハッシュタグ」という項目そのものが無い 48時間の推移は2本だけの例。1時間後の数字で、時間やタグの当たり外れを決めない
5. 長さは秒数を先に決めず、企画が伝わる長さで作る
(詳しくは動画の長さの記事)
15秒以下のバズ率5.8%(社内比0.85)、61秒以上9.8%(1.14)。両端を比べた数字(1章) 1回の再生あたりの平均視聴秒。251本では15秒以下8.9秒、91秒以上27.7秒 最後まで見られた割合は15秒以下33.1%、91秒以上5.0%と、長い回ほど下がる。長さの違う回どうしは平均視聴秒で比べる。ただし最後まで見られること自体も、TikTokは長めの動画を最後まで見たかどうかのような強い興味のサインとして、弱いサインより重く扱うと説明している※1

出典:「そう考えるデータ」はBEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社・6,943本、企画の中身は2章・3章の860本をAIで分類し、当たった動画の中で占める割合を比べたもの)。「試した回に見る数字」はBEEM公式アカウント(@beem_official)のTikTok Studioのデータ(2026年10月13日取得)。

表の数字は、どれもTikTok Studioのインサイトで確かめられます。画面の見方はTikTokインサイトの見方、回ごとの記録のつけ方はTikTokアナリティクスの記事にまとめています。

どの行も、1本の結果で良し悪しを決めないでください。変えた回といつもの回を、数本ずつためてから並べます。次の企画会議では、まず表から1行だけ選んで、「次の数本のうち1本を、これにしてみませんか」と出してみてください。「企業244社のデータで、当たった動画にこういう中身が多かった」と添えれば、上司にも根拠をもって説明できるはずです。

それでも数字が動かないときは、企画以外のところに原因があることもあります。切り分け方はTikTokが伸びないときの記事にまとめています。

TikTokでバズることについてよくある質問

「何回を超えたらバズ」という公式の線はありません。この記事では、その会社のふだんの再生数(直近約30本の中央値)の5倍以上、かつ3万回以上をバズと数えました。再生数の絶対値で区切らなかったのは、企業アカウントのふだんの再生数が、会社によって大きく違うからです(会社ごとの中央値で5,744回、真ん中の半分の会社は2,246回〜1.56万回)。

この基準で数えたバズ560本は、実際にはこれくらい再生されていました。

  • 中央値:11.6万回(真ん中の半分は6.3万〜31.3万回)
  • 下から10%の位置:4.1万回/上から10%の位置:72.6万回
  • 最大:1,890万回
  • その会社のふだんの再生数と比べると、中央値で12.2倍(真ん中の半分は7.5〜23.3倍)

ふだんが数千回の会社で、バズと数えた動画が10万回前後。線として引いた「5倍」を大きく超えた動画が、実際のバズの中心になっていました。

BEEM公式で1時間ごとの記録がそろっている2本では、投稿後1時間に入った再生は48時間分の16〜17%、24時間では83〜86%でした。会社ごとにふだんの再生数が違うので、「何回」という回数の目安は、私たちのデータからは出していません。

1時間後にアプリを開いて、数字の少なさに肩を落とす。でも、この2本で見ると、最初の1時間に入るのは2日分の2割にも届かない程度です。「バズる前兆を1時間後に見分けたい」という質問もよく聞きますが、この2本で言えるのはそこまで。最初の1時間が小さくても、それだけで外れと決める根拠にはなりません。当たり外れは、翌日以降の数字で比べるほうが安心です。

金額は、このデータからは出せません。この記事の244社のデータは再生数と動画の中身を数えたもので、収益は入っていないからです。再生に応じて報酬が出る仕組みとしては、TikTokの英語版ヘルプに「Creator Rewards Program」の説明があります。挙がっている条件は、フォロワー1万人以上、直近30日の動画再生10万回以上、対象は1分以上の動画、などです※2。日本で提供されているかどうかは、2026年10月時点では確認できていません。

公式の説明を見る限り、可能性はあります。TikTokは、フォロワー数や過去に当たった動画があるかどうかは、おすすめの直接の要因ではないと説明しています※1。判断の材料として挙げているのは、見る人の反応(いいね・シェア・コメントなど)や、投稿文・音源・ハッシュタグといった動画の情報です。今回の244社のデータではフォロワー数とバズの関係を比べていませんが、少なくとも公式の説明では、フォロワーが少ないというだけでおすすめに載らない仕組みにはなっていません。

運の要素がまったく無い、とは言えません。ただ、244社のうちバズが1本以上あった会社は176社。バズの多い上位10社を合わせても、バズ全体の16.6%でした(1社で最も多くて13本)。一部の会社が当て続けているというより、多くの会社が少しずつ当てています。2章のクイズ・参加型も、当たった動画は35社にまたがっていました。バズの8割以上は、上位10社以外の会社から出ていました。

使うな、とまでは言えません。244社では、既存の曲を使った動画のバズ率は6.6%、オリジナル系の音源は8.7%でした。両方を使う174社の中で比べた社内比も、既存の曲0.91、オリジナル系1.05と、既存の曲がやや低めです。ただ、このデータでは曲が流行っているかどうかまでは分けられていないので、「流行りの曲」が効くかどうかは判定できません。曲で当たりやすさが大きく変わる形も見えていないので、曲を探すより先に、企画の型を決めてしまうのがおすすめです。

そうとは言えません。この記事の数字は、当たった動画の中にクイズ・参加型が多く含まれていた、という傾向です。クイズを出した会社が必ず当たったという意味ではありませんし、全6,943本を企画の型で分類したわけでもありません。投稿文に「クイズ」などを含む動画のバズ率は23.1%でしたが、裏を返せば、4本に3本以上は当たっていません。選択肢の1つとして加えて、自社のいつもの動画と比べるところから始めてみてください。

まとめ:定番を試し終えたら、次の1本で「何を撮るか」を1つ変える

答え合わせの結果と、次の1本
  • 定番の8つのうち、投稿時間・ハッシュタグ・毎日投稿は、企業244社・6,943本のデータでは差が小さいか、一定の向きが無かった
  • 短くする・時事ネタに乗るは、むしろ逆の傾向。流行りの曲は、このデータでは分からない(既存の曲はやや低め:社内比0.91対オリジナル系1.05)。フォロワーもこのデータでは比べておらず、TikTokは直接の要因ではないと説明している
  • 差が出ていたのは「何を撮るか」。当たった動画の中に多かったのは、クイズ・参加型(16.6%対ふつう9.0%)、業務の裏側(30.2%対22.0%)、問いかけで始める冒頭(20.0%対14.0%)。投稿文に「クイズ」などを含む動画のバズ率は23.1%(全体8.1%)
  • インタビュー形式・商品の売り込み・求人が目的の動画・映像だけで始まる冒頭は、当たった動画の中に少なかった(求人は確信度「低」を除くと差が縮む)
  • どれも傾向で、企画の中身と時間・長さ・タグは一緒に動いているため、因果とは読めない
  • 次の1本で変えるのは、4章の表から1つ。同じ行の「見る数字」で、変えた回といつもの回を数本ずつためてから比べる

3か月動かなかったのは、手を入れていた場所が、差の出にくいところだっただけかもしれません。次の企画会議に持っていくのは、4章の表から1つだけで十分です。たとえば次の1本をクイズの形にして、その回といつもの回を並べてみてください。

4章の表を毎週の企画会議で回し続けるには、型ごとの当たり外れを記録し続ける人が欠かせません。クイズの回、業務の裏側の回、いつもの回を分けて、冒頭2秒の残り方とおすすめからの割合を並べていく。その記録が数週間分たまって、ようやく自社でどの型が効いているのかが見えてきます。本業と兼任で続けるには、なかなか骨の折れる作業です。

BEEMの運用代行では、この記録を私たちが取り、次の週の企画の題材選びに戻すところまでを運用の中に組み込んでいます。社内に記録を続ける手が足りないときは、企画の題材探しの段階からご相談ください。

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この記事の監修者

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。

出典

  1. TikTok Newsroom「How TikTok recommends videos #ForYou」(2020年6月18日公開)。おすすめの判断材料として、見る人の反応(いいね・シェア・フォロー・コメントなど)と、投稿文・音源・ハッシュタグなどの動画の情報を挙げ、「neither follower count nor whether the account has had previous high-performing videos are direct factors」と記載。長めの動画を最後まで見たかどうかのような強い興味のサインを弱いサインより重く扱うとの説明も参照。2026年10月13日に確認 https://newsroom.tiktok.com/how-tiktok-recommends-videos-for-you?lang=en
  2. TikTokサポート「Creator Rewards Program」(英語版)。対象は1分以上の動画、参加条件にフォロワー1万人以上・直近30日の動画再生10万回以上など、との記載を参照。日本での提供状況は未確認。2026年10月13日に確認 https://www.tiktok.com/support/faq_detail?id=7581821550694013452&lang=en
数字の扱いについて
答え合わせのバズ率・社内比と、投稿文の言葉ごとのバズ率は、BEEMが集めた日本の企業TikTokアカウント244社の公開投稿(各社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)を数えたものです(自社調べ)。バズは、その会社の直近約30本の再生数の中央値の5倍以上、かつ3万回以上(560本)としました。企画の型・テーマ・冒頭のつかみ・目的の割合は、バズ560本(176社)と、ふだんの再生数の0.5〜1.5倍だった動画から無作為に選んだ300本(141社)を、文字起こしと映像をもとにAIで分類した結果です。バズ率ではなく「当たった動画の中で占める割合」を示しており、AIの確信度が「低」だった338本を除いても結果が同じだったものだけを結論にしています。音源は名前が「オリジナル楽曲」「アップロード楽曲」「original sound」のものと、それ以外の既存の曲に分け、会社名・アカウント名・音源名は載せていません。冒頭2秒の残り方・おすすめ経由の割合・平均視聴秒・最後まで見られた割合は、BEEMの公式アカウント(@beem_official・公開607本・累計4.61億再生・100万再生超え137本)のうち、TikTok Studioに詳しいデータが残る2023年1月以降の251本のデータです。流入元の内訳は同じアカウント全体の直近365日、48時間の推移は記録がそろう直近の2本です(いずれも2026年10月13日取得)。

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