企業のTikTokが「痛い」「つまらない」と言われるのはなぜ?企業244社の投稿で確かめた線引きと見直し方

企業のTikTokが「痛い」「つまらない」と言われるのはなぜ?企業244社の投稿で確かめた線引きと見直し方

最終更新日:2026年10月16日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

こんなことが気になった方へ
  • 会社のTikTokを任されていて、社員や応募者の反応から「痛いと思われていないか」が気になり始めた方
  • このまま続けるか、中身を組み直すかを、感覚ではなく材料をそろえて決めたい方
  • 企業のTikTokがなぜ「痛い」「つまらない」と言われるのか、理由を知りたい方(見る側・就活や転職中の方も)
「痛い」と言われがちな回は、実際どう見られていたか
  • 投稿文に「お知らせ」「告知」「公式」と書いた回は、26社の62本でバズ率1.6%。244社の全投稿の8.1%を大きく下回りました
  • 求人の言葉が入った回は、それを出していた133社の中で比べると5.8%で、それ以外の回の9.6%より当たりにくい側でした。会社ごとに分けると、求人を「たまに混ぜる」会社のバズ率(9.7%)が、求人の回がない会社(7.5%)を少し上回っています
  • 内輪ノリと言われがちな職場あるある・社員いじりは、当たった動画の中で18.2%と、ふつうの動画(16.0%)より多めでした。社長が出る回は、どの数え方でも差が小さく、どちらとも言えません
  • ダンスの回は、見た人あたりのいいねが多いのに、当たった動画の中では少なめでした
  • 社員が出るときに会社として決めておくことは7章、自社のアカウントを見直す確認項目は8章にあります

会社のTikTokを始めて、そろそろ半年。動画に出てくれている若手社員が、撮影の片付けの途中でふと「あれ、ちょっと恥ずかしいって友達に言われました」と口にする。あるいは採用の面接で、応募者が「TikTok見ました」と言いながら、少し笑ったように見える。もしそんなことがあったら、しばらく頭から離れないと思います。

気になって「企業 TikTok 痛い」と調べると、知恵袋やまとめには、踊っている会社はちょっと……、宣伝ばかりでつまらない、といった声が並びます。うちのも、そう見られているのかな。やめたほうがいいのかな。何が痛くて、何なら大丈夫なのか。その線引きは、どこにも書いてありません。

先に、なぜ「痛い」と言われるのかに答えておきます。検索上位の記事や知恵袋に並ぶ理由を読み比べると、行き着くところは1つです。動画が、見る人より会社の都合のほうを向いて見えるとき。宣伝やお知らせが続く回も、流行りに乗っただけの踊りも、社内でしか通じない笑いも、見る側からすると「この動画、誰に向けて作ったんだろう」と首をかしげる回です。

ただ、言われがちな中身のすべてが、同じように見られていなかったわけではありません。BEEMが集めた日本の企業アカウント244社の投稿で確かめると、投稿文に「お知らせ」「告知」と書いた回は62本で当たりが1本だけだった一方で、内輪ノリと言われがちな職場あるあるは、当たった動画の中にも少なくありませんでした。この記事では、その線引きと、自社のアカウントを見直すときの確認項目をまとめています。

企業のTikTokが「痛い」「つまらない」と言われるのは、どんな動画か

「企業 TikTok 痛い」の検索上位を開くと、9本中6本は知恵袋やX、個人のnoteやブログなど、見る側・働く側の人が書いたものでした(2026年10月15日時点)。「つまらない」のほうは、企業の担当者向けの記事と見る側の書き込みが半々です。どちらも感想や論評が中心で、どの中身がどれくらい見られているかを数えた記事は見当たりません。

挙がっている理由を、重なりを整理して並べると次のようになります。

  • 宣伝くさい(商品やサービスの紹介ばかりで、広告を見せられている気分になる)
  • 同じような社員紹介やお知らせが続いて、つまらない
  • 流行りの音源に乗って、無理に踊っている
  • 内輪ノリ(社内でしか通じない笑いを、そのまま外に出している)
  • 社長や幹部が前に出てきて、圧を感じる
  • 出ている社員が楽しそうに見えない(やらされ感)
  • 若さを売りにしている
  • 求人の告知ばかりが目につく
  • 何の会社なのか、動画から見えてこない

就活や転職の途中で会社のアカウントを開いた人なら、ここに「この会社に入って大丈夫かな」という不安も重なります。見る人の立場によって、同じ動画の受け取り方が変わるわけです。

このデータで分かるのは「当たった回に多かったか、少なかったか」まで

ここからは、言われがちな中身を、BEEMが集めた244社分の企業アカウントの投稿に1つずつ当てていきます。最初に正直に書いておくと、「痛い」「つまらない」と思われたかどうかを数えたデータはありません。コメントに悪口が付いていたかどうかも見ていません。

分かるのは、その中身の回が当たっていたかどうかです。この記事でいう「当たった動画(バズ)」は、その会社の直近約30本を再生数の順に並べた真ん中の値(ふだんの再生数)の5倍以上で、しかも3万回以上の動画のこと。

各社の直近約30本、計6,943本のうち、この線を越えたのは560本でした。244社をならすと、100本に8本ほど(8.1%)です。

見方は2通りあります。1つは、投稿文に入っていた言葉で分けて、その言葉の回のバズ率を数える方法。もう1つは、当たった動画と、再生がその会社のふだんの0.5〜1.5倍だった「ふつうの動画」300本の中身をAIに分けてもらい、それぞれの束の中で何%を占めていたかを比べる方法です。後者の割合は束の中の割合で、その中身を撮ったときに当たる確率(バズ率)とは別物として読んでください。

投稿文に「お知らせ」「告知」と書いた回は、62本で当たりが1本だけ

「痛い」の声は、宣伝くさい、内輪ノリ、といったぼんやりした言葉で語られがちです。まずは、いちばん目に見える形から確かめます。会社が投稿文に自分で「お知らせです」「求人です」と書いた回は、どれくらい当たっていたのか。

投稿文に入っていた言葉 本数(社数) バズ率
「お知らせ」「告知」「公式」 62本(26社) 1.6%
「キャンペーン」「セール」「プレゼント」など 18本(17社) 5.6%
「新商品」「商品」「サービス」「販売」 53本(22社) 7.5%
「#求人募集」(タグ) 77本(16社) 0%
「求人」「募集」「採用」 1,052本(133社) 5.8%
「#踊ってみた」(タグ) 18本(6社) 0%
「ダンス」「踊って」「踊ってみた」 53本(24社) 5.7%
(比べる相手)「あるある」 120本(47社) 15.8%
(比べる相手)244社の全投稿 6,943本(244社) 8.1%

BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。バズ率は、その言葉が投稿文に入っていた回のうち、当たった動画の線(その会社のふだんの再生数の5倍以上かつ3万回以上)を越えた回の割合です。

いちばん低かったのは、「お知らせ」「告知」「公式」と書いた回でした。26社が出した62本のうち、当たりは1本だけ。表のいちばん下にある、全投稿の8.1%と並べてみてください。

本数でいちばん多いのは、「求人」「募集」「採用」が入った回です。133社にまたがる1,052本で、バズ率は5.8%。採用目的の会社にとっては外せない回なので、次の3章で、同じ会社の中の比べ方も含めて詳しく見ます。

商品やサービスの言葉が入った53本は7.5%でした。それを出していた22社の中で比べると、ほかの回は9.9%で、商品の回のほうが低い側です。AIが動画の中身を分けた6章の数字でも、商品・サービスの紹介は当たった動画の中で少なめで、向きはそろっています。

表には「#求人募集」と「#踊ってみた」のタグの回も入れました。どちらも当たりは0本ですが、付けていた会社は16社と6社しかありません。数社の付け方がそのまま出ている可能性があるので、そういう回もあった、という程度に見ておいてください。

比べる相手に置いた「あるある」の120本(47社)は、バズ率15.8%です。職場の場面を見る人に投げかける言葉と、会社から伝えたいことをそのまま書いた言葉。束ねた会社の顔ぶれはそれぞれ違うので、同じ会社の中で比べた差ではありません。それでも、言葉ごとのバズ率にはこれだけの開きがありました。

企業TikTok244社の投稿文に含まれる言葉別のバズ率。クイズ系23.1%、あるある15.8%、全体8.1%、求人系5.8%、ダンス系5.7%、お知らせ・告知1.6%、タグ#求人募集と#踊ってみたは0%

求人の回は出さないほうがいい?同じ会社の中で比べると、当たりにくい側だった

採用のためにアカウントを始めた会社なら、ここがいちばん気になるところでしょう。「求人ばかりで痛い」と言われるなら、求人の回はやめたほうがいいのか。

まず、本数のいちばん多い比べ方から。投稿文に「求人」「募集」「採用」のどれかが入った回を出していた133社に絞り、同じ会社の中でその回とそれ以外の回を比べると、バズ率は5.8%と9.6%でした。133社・1,052本にまたがる数字で、求人の回が当たりにくい側だったことは、この記事の数字の中でもはっきりしているほうです。

では、求人の回が多い会社ほど当たっていないのか。会社ごとに「直近約30本のうち、求人の言葉が入った回がどれくらいあるか」で並べ直したのが次の表です。

直近約30本のうち、求人の言葉が入った回の割合 社数 ふだんの再生(会社ごとの真ん中の値) バズ率
0%(求人の回なし) 111社 7,601回 7.5%
1〜20%(たまに混ぜる) 79社 4,665回 9.7%
20〜50% 25社 3,810回 7.1%
50%超(半分以上が求人) 29社 6,345回 6.6%

BEEM調べ(244社・6,943本)。投稿文に「求人」「募集」「採用」が入った回の割合で会社を分けています。ふだんの再生は、その区分の会社のふだんの再生数(会社ごとの直近約30本の真ん中の値)の中央値です。

バズ率がいちばん高かったのは、求人を「たまに混ぜる」会社の9.7%でした。30本に直すと、求人の回が1〜6本ほどの会社です。一方、求人の回をまったく出していない会社は7.5%、半分以上が求人の会社は6.6%で、この2つは1ポイントも違いません。社数でいちばん多いのは、求人の回がない111社です。

企業TikTokの求人の回のバズ率。求人の回を出した133社の中で求人の回5.8%・それ以外の回9.6%。求人の回の割合別の会社のバズ率は0%で7.5%、1〜20%で9.7%、20〜50%で7.1%、50%超で6.6%

求人の回そのものは当たりにくいのに、たまに混ぜる会社のバズ率が高い。ややこしく見えるのは、表の数字が、求人以外の回の当たり方まで含めた会社ごとの数字だからです。求人の回を出していた133社でも、その割合の真ん中は16.7%、6本に1本ほどでした。

表から言えるのは、求人をときどき混ぜていた会社のほうが、まったく出していない会社よりバズ率は少し高かった(9.7%対7.5%)というところまでです。求人の回をやめるかどうかで悩む前に、自社の直近の投稿で求人の回が何割を占めているかを数えておくと、この表のどこに入るかが分かります。求人そのものの伝え方は、TikTokの採用動画の記事にまとめています。

「内輪ノリ」「社長が出る」は、本当に痛い側なのか

反対に、「痛い」の理由に挙がりながら、当たった動画の中でも少なくなかった中身があります。

いちばんはっきりしているのは、職場あるある・社員いじりのテーマです。当たった動画の中で18.2%、ふつうの動画の中で16.0%。外から「内輪ノリ」とひとくくりにされやすい中身が、当たった動画の5本に1本近くを占めていました。AIが判定に自信を持てなかった回を外しても、15.4%と11.9%で、当たった側のほうが多いままです。

場面を再現して一言で落とす「あるある寸劇」の型も、6.2%と4.0%で当たった側に多め。2章の表で見た、投稿文に「あるある」と書いた回のバズ率15.8%とも、同じ方向を向いています。

若さの押し出しと言われがちな、新人・若手の回はどうか。投稿文に「新人」「新入社員」「若手」と書いた139本(54社)のバズ率は9.4%でした。

ここで「社内比」という物差しも使います。会社によってふだんの再生は大きく違うので、その回が同じ会社のいつもの回と比べて当たりやすかったかを見る数字です。1.0なら、その会社のいつもどおり。新人・若手の回は1.03で、ほかの回とほとんど変わりませんでした。

社長が出る回は、もう少し入り組んでいます。画面に社長や幹部が映っている回の割合は、当たった動画で7.5%、ふつうの動画で10.0%。当たった側がやや少なめです。一方、投稿文に「社長」と書いた493本(80社)の社内比は0.99で、その会社のいつもの回とほぼ同じでした。

社長や経営者の話そのものをテーマにした回は4.5%と5.0%で、判定に自信の低い回を外すと5.5%と4.5%に入れ替わります。3つの見方のどれでも差は小さく、向きもそろいませんでした。社長が出る回は、当たる側にも当たらない側にもはっきりとは寄っていなかった、というのが数字の姿です。

「内輪ノリと言われても、気にしなくていいってこと?」

数字が教えてくれるのは、もう少し細かいことです。同じ「社内の話」でも、職場あるあるは当たった側に多めで、インタビュー・対談の型は少なかった(6章)。分かれ目は、内輪かどうかより、その職場を知らない人が見ても分かる中身になっているかどうかにあるように見えます。ただ、これは数字からの読み方の一つで、そうすれば当たるという因果までは分かりません。

新人が初日に戸惑う場面なら、その会社を知らない人でも思い当たるところがあります。社員をいじる回は、いじられる本人がどう受け取っているかでも見え方が変わりそうなので、7章で会社として先に決めておくことの1つに入れました。

職場あるあるの寸劇の組み方はTikTok企画の一覧に、社内で題材を掘る手順はTikTokのネタ探しにまとめています。当たっている会社が業種ごとに実際どんな回を並べていたのかは、姉妹記事「企業アカウントの成功事例・人気の一覧」で取り上げています。

ダンスの回は、いいねが多いのに当たった動画には少ない

流行りの音源に合わせて踊る、口パクをする。「痛い」と言われる中身の代表のように扱われる回です。AIが中身を分けた回で見ると、ダンス・口パクの型は当たった動画の中で5.2%、ふつうの中で6.7%と、当たった側にやや少なめでした。

中身をもう一段見ると、ダンス・口パクの49本のうち26本は、テーマが時事・トレンド。会社の踊る動画の半分ほどは、流行りに乗った踊りでした。投稿文に「ダンス」「踊って」などと書いた回を出していた24社の中で比べても、その回のバズ率は5.7%、それ以外の回は7.9%です。

ところが、反応のほうを見ると話が変わります。ふつうの動画の中にあるダンスの回20本では、再生1,000回あたりのいいねが、真ん中の値で45.4。ふつうの動画全体では12.3なので、見た人あたりのいいねは多めに付いていました。

「いいねは、いつもよりずっと付いているのに?」

そう思いますよね。ただ、この記事で当たったかどうかを決めているのは再生数です。ダンスの回では、いいねが多いことと、ふだんより大きく再生されることが、一緒には起きていませんでした。そのいいねを付けたのが社員や家族、取引先なのか、会社を知らない人なのかも、このデータからは分かりません。しかもダンスの回は20本しかないので、45.4という数字は目安くらいに受け取ってください。

ダンスの回を続けるかどうかは、いいねの数より、その回の再生がふだんの回と比べてどうだったかで決めるほうが、この記事の物差しに合っています。TikTok Studioのどの画面で確かめるかは、TikTokインサイトの見方で説明しています。

宣伝やインタビュー、流行りの話題の回も、当たった動画の中で少なかった

残りの「痛い」の理由にも、手短に触れておきます。社員紹介そのものを数えた区分はありませんが、近い区分で見ると、インタビュー・対談の型は、ふつうの動画では企業がいちばん多く作っている型でした。それが当たった動画の中では8.0%と、ふつうの17.0%の半分以下です。

「宣伝くさい」の代表である商品・サービスの紹介も、当たった動画の中で4.6%、ふつうの中で10.7%。時事・トレンドの話題や、言葉がなく映像だけで始まる冒頭も、当たった側に少ない向きでした。

このあたりは、TikTokでバズる方法の記事で、当たった動画に多かった中身と並べて詳しく扱っています。流行りの話題を自社の仕事とどう組み合わせるかは、TikTokのトレンドの記事が参考になります。

社員が出る前に、会社として決めておくこと

「痛い」と言われていちばんこたえるのは、画面に出ている社員本人かもしれません。冒頭のような一言がもし出たとしたら、それは出演している社員が、外の友達から直接受け取った反応です。1章に挙げた「やらされ感」も、出ている人が乗り気でないまま撮った空気が、画面越しに伝わってしまうという指摘でした。

検索上位の記事を読んでも、社員が出るときの段取りまで書いたものは、ほとんど見当たりません。ここは数字ではなく、会社として先に決めておきたいことを確認項目の形で置いておきます。まずは、「痛い」と言われたときに効いてくる3つです。

  • いじられ役になる社員には、撮る前と出す前の2回、内容を見てもらっている
  • 出演が業務なのか任意なのか、社内で扱いをそろえている
  • 「痛い」と言われた動画や、本人が嫌だと言った動画を非公開にするかどうかを、誰が決めるかが決まっている

1つ目で2回にしているのは、編集で字幕や効果音が付くと、同じ場面でも受け取り方が変わるからです。2つ目がばらばらだと、出ている社員と出ていない社員のあいだに不公平感が生まれかねません。3つ目を決めていないと、コメントが付いたその日に、担当者が1人で判断を抱えることになります。

出演の同意そのもの(顔と名前をどこまで出すか、どこに使うか、退職したあとの動画の扱い、あとから消してほしいと言われたときの連絡先)は、TikTokの採用動画の記事のよくある質問にまとめています。法律や契約が関わるところは、社内の担当者や専門家と確かめながら決めると安心です。

自社のアカウントを見直す確認項目と、続けるか直すかの考え方

ここまでの話を、自社のアカウントで確かめられる形にしました。直近30本ほどを一覧で開いて、表の上から順に当てていくと早く済みます。244社の数字も各社の直近約30本から出しているので、同じ本数で見ると比べやすくなります。

確かめること 見方 引っかかったら
1. 商品紹介・お知らせ・キャンペーンの回が大半を占めていないか 会社から伝えたいことが主役の回の本数 その一部を、仕事の中身や職場の場面の回に置き換える
2. インタビューや対談の回ばかりになっていないか インタビュー・対談の形で撮った回の本数 同じ社員が出るなら、職場あるあるの形にできないかを考える
3. 求人の回が何割を占めているか 投稿文に「求人」「募集」「採用」が入った回の割合。「#求人募集」のタグを付けた回の本数 求人の回を出していた133社の中で比べると、求人の回は5.8%、それ以外の回は9.6%(3章)。求人の回の再生をほかの回と比べ、求人以外にどんな回を出しているかも一緒に見直す
4. 流行りに乗っただけの回になっていないか ダンスや時事・トレンドの回の本数と、その回の再生数 いいねの多さではなく、ふだんの回と比べた再生数で続けるかを決める
5. 冒頭で、何の動画か分かるか 言葉がなく映像だけで始まる回の本数 画面の文字か最初の一言で、何の話かを先に出した版を作ってみる
6. その職場を知らない人が見ても分かるか 社外の人に1本見てもらい、社内でしか通じない呼び名や出来事が前提になっていないかを聞く 前提になっている内輪の情報を1つ外すか、画面の文字で補う
7. 出ている社員との決めごとができているか 7章の3つの確認項目と、採用動画の記事にある同意の取り方 決まっていなければ、次の撮影の前に決める

続けるか、直すか

引っかかる項目があっても、それだけでアカウントをやめる理由にはなりません。244社の数字ではっきり当たりから遠かったのは、投稿文に「お知らせ」「告知」「公式」と書いた回(1.6%)です。同じ会社の中で比べた求人の回(5.8%)や、ダンス・時事トレンドの回も、当たった側に少なめでした。反対に、内輪ノリと言われがちな職場あるあるは、当たった側のほうが多めです。

会社ごとの表で見ると、求人が半分を超える会社のバズ率(6.6%)は、求人の回がない会社(7.5%)とほとんど変わりません。

表の1〜6にほとんど当てはまらず、7の決めごともできているなら、「痛い」と言われたことだけを理由にやめる根拠は、244社の数字からは見えてきません。今の組み立てのまま続けて、ふだんの回と比べた再生を見ていけば足ります。

直すかどうかで迷うのは、1〜4に当てはまる回が直近の投稿の大半を占めていて、しかも出ている社員から戸惑う声が出ているときでしょう。その場合も、やめる前に中身の組み合わせを変える余地があります。そもそも何を目標にアカウントを続けるのか、から立て直したい場合は、姉妹記事「TikTok企業アカウント」で扱っています。

痛いと言われてやめた会社は、このデータに出てこない(調べ方と限界)

この記事で確かめたかったのは、「痛い」と言われがちな中身の回が、TikTokを続けている会社の中で当たっていたかどうかです。数えたのは、2026年10月8日に取得できた、フォロワー1,000人超の日本の企業アカウント244社(社長や社員の名前で会社の話をしている29社を含む)。裏を返すと、「痛い」と言われて投稿をやめた会社や、フォロワーが1,000人に届かなかった会社は、最初から数に入っていません。見ているのは、続いている会社の中での差です。

数え方は1章で触れた2つです。投稿文の言葉で分けた数字(2章・3章と、社長・新人・ダンスの投稿文の数字)は、244社の直近約30本、6,943本すべてから出しました。4〜6章の「当たった動画の中で◯%」は、当たった560本(176社)とふつうの300本(141社)を、AIが文字起こしと映像から分けた結果です。再生数はどちらも10月8日までの合計なので、出たばかりの回は低めに出ているかもしれません。

AIの判定には、自信の度合いも付いています。860本のうち338本は「低」でした。結論にしたのは、この338本を外しても向きが変わらなかった中身だけです。向きは同じでも差が縮んだものもあり、AIが「求人が目的」と見た回は、当たった側12.9%・ふつう側19.0%が、外すと15.9%・19.8%になりました。3章を投稿文の言葉の数字で組み立てたのは、このためです。

本数の少ない区分は、読み方に気をつけたいところです。ダンス・口パクは当たった29本・ふつう20本。「◯◯会社の◯◯です」と肩書きを名乗って始める回は合わせて15本しかなく、この記事では線を引いていません。投稿文のタグでも、「#求人募集」は16社、「#踊ってみた」は6社だけの数字です。

投稿文の言葉で分けた数字には、言葉と中身がずれるという弱さもあります。「求人」と書かずに求人をしている回もあれば、新人が出ていても「新人」と書いていない回もあるはずです。投稿文の20.1%は72文字前後で切れていて、末尾の言葉は拾えていません。

最後に、この記事で比べたのは、すでに出ている動画どうしです。同じ会社が同じ時期に、ダンスの回とあるあるの回を出し分けて結果を比べたわけではなく、動画の長さや投稿した時間、付けたタグの違いも混ざったままの数字です。「ダンスをやめれば伸びる」「求人を減らせば当たる」という読み方は、この数字からはできません。3章の表も、どちらが先なのか(求人の混ぜ方が当たりに関わったのか、当たっている会社がたまたまそういう混ぜ方をしていたのか)は決められません。

企業のTikTokが痛い・つまらないと言われることについて、よくある質問

手がかりは、踊っている回以外の動画にあります。仕事の中身や職場の様子が分かる回が混ざっているかどうか。面接で「TikTokにはどんな方が出ていますか」「出演は任意ですか」と聞くのも、1つの確かめ方です。244社でダンス・口パクの回が当たった動画の中で少なめだったのは、あくまで動画の見られ方の話で、働く人の感じ方とは別のものです。

職場あるある・社員いじりは、4章のとおり当たった動画の中にも少なくなかったテーマです。とはいえ、いじられる本人が困っている様子が映っていれば、見る人も笑いにくくなるはずです。撮る前と出す前に本人に見てもらう、という7章の項目を先に決めておくと、作る側も安心して撮れます。

先に確かめたいのは、コメントの数より、出ている社員本人がどう受け止めているかです。本人が嫌だと言えば、再生数にかかわらず非公開にする、という決め方もあります。その判断を誰がするかも、7章の確認項目と一緒に決めておくと迷いません。

そこまで気負わなくて大丈夫です。当たった動画は、244社をならしても100本に8本ほど。ふだんの回が大半を占めるのは、どの会社も同じです。当たっていた回に多かった言葉を1つ挙げるなら、「クイズ」「何でしょう」「いくら」が入った回で、58社の225本でバズ率は23.1%でした。おもしろさを無理に足すより、見る人が一緒に考えられる形にするほうが、作り手の負担も軽いはずです。クイズの作り方はTikTokのクイズ動画の記事にあります。

3章の表が手がかりになります。求人の言葉が入った回を直近約30本の1〜20%(30本に1〜6本ほど)混ぜていた会社のバズ率が9.7%でいちばん高く、求人の回がない会社は7.5%、半分以上が求人の会社は6.6%でした。後ろの2つの差は小さいので、本数の上限というより、自社がどの区分に近いかを測る物差しとして使うのが合っています。採用のためのアカウントなら、求人の回は会社として出しておきたい回のはずです。減らすかどうかを決める前に、求人以外の回で何を出しているかを8章の表で見ておくと、判断の材料がそろいます。

「痛い」の声を、直すところと続けるところに分ける(まとめ)

見直すときに手元に置いておくこと
  • 「痛い」「つまらない」と言われるのは、動画が見る人より会社の都合のほうを向いて見えるとき
  • 投稿文に「お知らせ」「告知」「公式」と書いた回は、26社の62本でバズ率1.6%。全投稿の8.1%を大きく下回った
  • 求人の言葉が入った回は、出していた133社の中で5.8%と、それ以外の回の9.6%より低い。会社ごとに見ると、求人をたまに混ぜる会社(9.7%)が、求人の回がない会社(7.5%)より少し高かった
  • 職場あるある・社員いじりは、内輪ノリと言われがちでも、当たった側のほうが多めだった。社長が出る回は、どの数え方でも差が小さく、どちらとも言えない
  • ダンスの回は見た人あたりのいいねが多いのに、当たった動画の中では少なめ
  • いじられ役の社員の2回の確認、出演が業務か任意か、非公開を誰が決めるかは、次の撮影の前に決めておく

冒頭のような若手社員のひと言があったとしたら、それはアカウントをやめる合図というより、どこを見直すかの手がかりになりそうです。8章の表は、できればその社員と一緒に上から見てみてください。外の友達にどう見えたのかに、担当者よりも近いところにいる人です。

とはいえ、本業を抱えたまま直近30本を数え直し、中身の組み合わせを考え直し、出てくれる社員との決めごとまで整えるのは、1人ではなかなか手が回りません。BEEMのTikTok運用代行では、今のアカウントでどんな回をどれくらい出しているかを一緒に見直すところから、相談を受け付けています。

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この記事の監修者

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。

この記事に出てくる2種類の数字
出どころ:BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。「バズ率」と書いた数字は、全6,943本を投稿文の言葉で分け、その言葉の回のうち1章の線を越えた回の割合です(2章・3章の表、社長・新人・ダンスの投稿文の数字、Q4のクイズの数字)。「当たった動画の中で◯%、ふつうの動画の中で◯%」と書いた数字は、AIが中身を分けた860本の束の中の割合です(4〜6章)。5章のいいねは、ふつうの動画の中にあったダンスの回20本の真ん中の値です。調べ方は9章に、検索上位の様子は2026年10月15日に開いて確かめた範囲で1章にまとめました。

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