最終更新日:2026年10月21日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- 期初の目標設定で、TikTokのKPIと目標値を書く欄を任された方
- 「いいね率3%以上」「保存率1%」など、出どころの分からない目安のどれを使えばいいか決めかねている方
- 目標に届かなかった月に、何をどう報告するかまで決めておきたい方
- KPIは目的(認知・興味・行動)ごとに、主KPIを1〜2個に絞ります。認知なら再生回数を「自社のふだんの何倍か」で、行動なら1,000再生あたりのプロフィール表示や新規フォロワーで見ます
- 目標値は、自社の直近の数字から置きます。244社の分布は、自社がいまどの位置にいるかを確かめるのに使います(ふだんのいいね率なら、244社の真ん中の会社が1.27%、上から4分の1の境目が2.37%)
- いいね率を主KPIにすると、広がった回ほど悪く見えます。同じ会社の中では、いいね率の高い回ほど再生が少ない傾向でした(237社の中央値で−0.49)
- 合否は1本ずつではなく、月と四半期で判定します。BEEM公式1社の251本では、15.1%の当たりの回が新規フォロワーの46.4%を占めていました
- TikTokのKPIは、目的(認知・興味・行動)ごとに主KPIを決める
- KPIの目標値はいくつが妥当か。自社の直近から置き、244社で位置を確かめる
- いいね率をKPIの中心にすると、広がった回ほど悪く見える
- KPIの合否は1本ずつではなく、月と四半期でまとめて判定する
- 同じアカウントでも、見る期間を変えると流入元の割合が入れ替わる
- 行動のKPIは「1,000再生あたり」に直すと、月をまたいで比べられる
- TikTokのKPI設定の手順:6つの順番と、月次で使うKPI表
- 2つのデータの範囲と、このデータでは分からないこと
- TikTokのKPIについてよくある質問
- まとめ:KPI表は四半期ごとに見直し、期の途中では主KPIを変えない
KPIを決めるとき、最初に考えておきたいのは、目標に届かなかった月のことかもしれません。
たとえば期初の目標設定で、上司から「TikTokのKPIを決めて、毎月数字で報告して」と頼まれたとします。シートには「KPI」と「目標値」の欄が空いていて、検索で見つけた数字を入れれば、その場は埋まる。困るのは数か月後です。届かなかった月の報告で「その目標、どこから出てきたの?」と聞かれたら、何と返せばいいでしょうか。
その問いに答えられる目標値は、自社の直近の投稿から出した数字です。そこに、目的ごとに絞った主KPIと、月・四半期という判定の単位を組み合わせれば、KPIの欄は埋まります。決め方の根拠には、日本の企業アカウント244社・6,943本の実測と、BEEMの公式アカウントの251本を使います。
TikTokのKPIは、目的(認知・興味・行動)ごとに主KPIを決める
KGIは、会社がTikTokに最終的に求める成果(問い合わせや応募の数、社名を知ってもらうことなど)で、KPIは、そこへ向かう途中で毎月追いかける数字です。KGIから逆算して決めるという考え方は、検索上位の記事とも変わりません。
迷いやすいのはその先です。どの数字を、何と比べて、どの単位で見るか。ここが決まらないまま始めると、毎月の報告は「再生が増えました/減りました」の繰り返しになりがちです。目的を3つに分けて、KPIにする数字を整理してみます。
| 目的 | 主KPIにする数字 | 目標値の置き方 | この記事で示す数字(出どころ) |
|---|---|---|---|
| 認知 (見てもらう) |
再生回数 | 自社のふだんの再生(直近約30本の中央値)の何倍か。ふだんの5倍以上になった回の本数 | 244社:会社ごとのバズの本数の分かれ方(2章) |
| 興味 (見続けてもらう) |
2秒時点で残っている人の割合/完全視聴率 | 自社の、長さや企画の近い回どうしで比べる | BEEM公式1社の251本:当たりとの結びつき+0.31/+0.22 |
| 行動 (プロフィール・フォロー) |
1,000再生あたりのプロフィール表示/新規フォロワー | 自社の直近3か月ほどの値から置く | BEEM公式1社:40.8回/0.42〜0.59人(6章) |
| 補助 | いいね率・保存率・コメント率 | 同じ種類の動画どうしの比較に使い、合否には使わない | 244社:ふだんのいいね率は真ん中の会社で1.27% |
244社はBEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。BEEM公式1社は、@beem_officialの2023年1月以降の251本と、直近365日のアカウント全体の数字です。結びつきは、当たりの回ほどその数字が高いかを順位で見た値(6章)。
主KPIは、今期の目的に合わせて1〜2個に絞ります。4行すべてに目標を付けると、報告のたびに「今月はどれを見るのか」から話すことになります。
表の「ふだんの再生」は、直近約30本の再生回数の中央値を指します。出し方はTikTokの再生回数の平均と目安の記事に任せ、ここでは目標の物差しとして使います。
補助の行には、検索上位でよくKPIの候補に挙がるいいね率を、あえて下げて置いています。理由は3章で、244社のデータを見ながら説明します。
KPIの目標値はいくつが妥当か。自社の直近から置き、244社で位置を確かめる
KPIの記事を検索すると、逆算の考え方や指標の一覧は丁寧でも、目標値は「現実的な数字を」で止まっているものが目立ちます。効果測定まで広げて調べると「いいね率3%」「保存率1%」といった目安も出てきますが、どの会社のどんな数字から出したのかは書かれていませんでした(2026年10月21日時点)。
この記事の置き方は1つです。目標値は、自社の直近の数字から置く。本数をKPIにするなら、直近約30本のうち、ふだんの再生の5倍以上になった回を数えます。244社では直近約30本がほぼ半年分(中央値183日)。自社で何か月分かを添えておけば、その本数が次の期の出発点です。
数えた本数を244社と並べたいときは、数え方をもう1つそろえます。この記事でいう「バズ」は、ふだんの5倍以上で、しかも3万回以上になった回(6,943本のうち560本・8.1%)。並べるときだけ、自社の本数も3万回以上の回で数え直してください。自社の前の期と比べるだけなら、3万回の条件は外したままでかまいません。244社を会社ごとに数えると、こう分かれます。
- 0本:68社
- 1本:47社
- 2〜3本:71社
- 4本以上:58社(244社の中央値は2本)
3万回以上の条件で数えて0本なら、68社と同じ側。2本なら、ちょうど真ん中のあたりです。上司に「いまどのあたりにいるのか」を聞かれたら、この分かれ方を見せるのがいちばん早いでしょう。目標の数字そのものは、244社の真ん中ではなく、自社の本数から置きます。
反応の率も、同じように位置を確かめられます。比べるときは、自社も直近約30本のいいね率を1本ずつ出し、その中央値を使ってください。244社の会社ごとのふだんのいいね率を低い順に並べると、下から4分の1の境目が0.82%、真ん中の会社が1.27%、上から4分の1の境目が2.37%。保存率では0.05%・0.09%・0.15%です。
ここに当てはめると、ふだんのいいね率を3%に置く目標は、上から4分の1の境目(2.37%)よりさらに上。保存率1%は、境目0.15%の6倍を超えます。244社なら4社に3社以上が、ふだんの値ではまだ届いていない高さです。
「うちのいいね率は1.0%くらい。これって低いってこと?」
直近約30本の中央値で1.0%なら、244社の真ん中(1.27%)より少し下で、下から4分の1の境目(0.82%)よりは上にいます。ただ、目標に置くなら、この位置ではなく自社の直近の値を出発点にしてください。
上司から「フォロワーは月1,000人増やしたい」のような人数の目標を示されることもあるでしょう。人数は、見られた量と、1,000再生あたりに何人増えるかのかけ算で決まります。なので、再生の量から逆算すると確かめやすくなります。
月の新規フォロワーの見込み = 自社の1,000再生あたりの新規フォロワー(直近3か月)× その月に見込む再生回数 ÷ 1,000
月1,000人のような数字は、この式の答えと並べて、届きそうかどうかを見るために使います。式に入れるのは、どれも自社の値です。
直近の値から何割上げれば妥当か、という上げ幅は、このデータからは出せません。企業アカウントのフォロワーが月に何人増えているかも、244社については分かりません。最初の期は直近の値そのものを目標にして、上げ幅は自社の数字が何期分かたまってから決める。そのほうが、届かなかった月にも理由を話せます。
いいね率をKPIの中心にすると、広がった回ほど悪く見える
たとえば月次の報告で、こう聞かれたらどうでしょう。

「今月いちばん回った動画、いいね率はいつもより低いね。中身はいまいちだったのかな」
いいね率を主KPIにしていると、この問いにうまく答えられません。244社のデータでは、再生が伸びた回ほどいいね率が低いほうが、むしろふつうの並びだったからです。
確かめ方が少しややこしいので、順に書きます。会社ごとに、自社の動画を「いいね率の高い順」と「再生がふだんの何倍だったかの高い順」の2通りに並べ、2つの並びがどれくらい一致するかを数字にしました(順位相関。+1なら同じ並び、−1なら正反対の並び)。
この値を出せた237社の中央値は、−0.49。いいね率の高い回ほど再生は少ない、という逆向きの並びに寄っています。再生が多い回ほどいいね率も高い、という同じ向きの会社は、237社のうち18%にとどまります。
2章のバズに入った回に絞ると、いいね率は、その会社のふだんのいいね率と比べて中央値で0.75倍。大きく伸びた回が、いいね率ではふだんの4分の3ほどに見えるのが、244社の真ん中の姿です。
コメント率と保存率も、再生と同じ向きには並んでいません(順位相関の中央値で−0.09・−0.11)。弱く同じ向きに出たのは、シェア率だけ(+0.17)。
いいね率を合否の欄に置くと、広く届いた回ほど「未達」として表に残りやすくなります。クイズの回どうし、社員紹介の回どうしのように、同じ種類の動画を比べる補助の欄へ回しておけば、さっきの問いにも「広がった回のいいね率が下がるのは、244社でもよくある並びです」と返せます。
KPIの合否は1本ずつではなく、月と四半期でまとめて判定する
この章から6章は、BEEMの公式アカウント(@beem_official)1社の数字です。TikTok Studioで動画ごとの詳しい数字を見られる2023年1月以降の251本について、投稿順で前後20本(計41本)の再生の中央値と比べ、2倍以上になった回を「当たり」と呼びます。251本のうち38本で、2章のバズとは別の線です。
この251本で増えた新規フォロワーは、合計80,504人。そのうち当たりの38本、251本の15.1%が、新規フォロワーの46.4%を占めていました。再生の合計で見ても、当たりの回が40.7%です。
BEEM公式では、100本に15本ほどの回が、増えたフォロワーの半分近くを連れてきた形になります。合格の線を当たりの水準に置いて1本ずつ判定すると、残りの8割強の回は、どれも不合格の側に並んでしまいます。
244社のほうで分かるのは、新規フォロワーではなく、バズの本数の分かれ方です。2章で数えたとおり、半年ほどの投稿でバズが1本も無い会社が4社に1社強。1本だけの会社を合わせると、半分近くになります。半年に1〜2本なら、ひと月ずつ区切るとバズの無い月のほうが多くなります。
「バズも当たりも無かった月は、報告することが無いのでは」と気になったかもしれません。そこで月次と四半期で役割を分けます。月次では、ふだんの再生と、1,000再生あたりの行動の数字がどう動いたかを見る。5倍以上の回の本数は、四半期でまとめて数える。7章の表は、この分け方で作っています。
同じアカウントでも、見る期間を変えると流入元の割合が入れ替わる
KPIに「検索から来た割合」や「おすすめから来た割合」を入れるなら、どの期間の数字を取るかを先に決めておきます。BEEM公式のアカウント全体では、同じ日に取った数字でも、検索から来た割合が直近28日では4.0%、直近7日では25.4%でした(2026年10月13日取得)。当たった動画が入っている期間はおすすめが大半を占め、当たりの無い週は、検索とプロフィールから来る割合が上がります。

「先月は検索経由が4%だったのに、今月は25%に増えた」と報告しても、期間が7日と28日で違えば、比べたことになりません。月次の報告では、毎回同じ期間の数字を取り、取った日を書き添える。これで、期間の取り方による見かけの上下はかなり減らせます。
動画1本ごとに見ても、流入元は当たりとそれ以外で分かれました。251本の中央値で、おすすめから来た割合は当たりが85.2%、それ以外が66.4%。当たりとの結びつきは+0.69で、251本で見た指標の中ではいちばん強い値です。
プロフィールから来た割合は反対で、当たりが7.7%、それ以外が21.8%(−0.65)。ふだんの回は、プロフィールを開いてから見に来る人の割合が高いわけです。
KPI表では、この割合は補助の欄に置き、合否は再生や行動の数字で決めます。おすすめの割合は「伸びた月に、どこから見られていたか」を説明する材料です。
行動のKPIは「1,000再生あたり」に直すと、月をまたいで比べられる
プロフィール表示やフォロワーの数は、再生が多い月ほど大きくなります。当たりのあった月と無かった月を並べても、行動が増えたのか、見られた量が増えただけなのかが分かりません。なので、再生1,000回あたりの数字に直して比べます。
BEEM公式1社の直近365日(2025年10月13日〜2026年10月12日)では、再生4,231,205回に対してプロフィール表示が172,698回。1,000再生あたり40.8回です。1,000回見られるごとに40回ほど開かれていた計算で、自社でも期間の合計どうしを割れば出せます。
新規フォロワーは、251本の動画ごとの値を当たりとそれ以外に分けて中央値をとると、1,000再生あたり当たりが0.59人、それ以外が0.42人(結びつき+0.36)。自社の値を直近3か月ほどで出しておけば、翌月から比べる相手になります。
興味の数字は、当たりとの結びつきがもう少し弱めです。2秒時点で残っている人の割合は、当たりで65.0%、それ以外で64.0%(+0.31)。
完全視聴率は27.4%と24.7%で、結びつきは+0.22。どちらも1本の合否より、長さや企画の近い回どうしで、どこで見るのをやめられたかを探すのに向いた数字です。
これらの数字が画面のどこにあるかはTikTokインサイトの見方に、数字を次の企画にどう生かすかはTikTokアナリティクスの使い方に分けて書いています。
TikTokのKPI設定の手順:6つの順番と、月次で使うKPI表
ここまでの話を、KPIを決める順番に並べ直します。上から順に埋めていけば、目標設定シートの空欄に書く言葉が決まります。
「問い合わせを増やす」「応募を集める」「会社の名前を知ってもらう」など。数字はまだ入れなくてかまいません。上司と最初にすり合わせるのはここです。
応募や問い合わせがKGIでも、見られる量がまだ少ないうちは、行動の数字が小さすぎて月ごとに比べにくくなります。その間は認知を主にして、行動の数字は補助で追いかける、という置き方もできます。
1章の表から選びます。いいね率・保存率は補助の側に置き、主KPIの合否には使いません。
ふだんの再生と5倍以上の回の本数は直近約30本で、1,000再生あたりの数字は直近3か月ほどの合計で出します。244社と並べるなら、3万回以上の回だけの本数も控えておきます。投稿がまだ少なければ今ある本数で始め、四半期ごとに出し直します。
最初の期は、たとえば「ふだんの再生を直近の値より下げない」「四半期で、ふだんの5倍以上の回を、直近半年と同じペースで出す」。上げ幅は、2章のとおり自社の数字がたまってから足します。
流入元や1,000再生あたりの数字は、毎月同じ期間(たとえば直近28日)で取ります。締め日に投稿から日が浅い回は、合否の計算に入れず「集計外」と書いておきます。日の浅い回がどのくらい低く出るかは、再生回数の平均の記事に244社の数字があります。
決めた中身は、毎月次のような表に収めると、前の月と見比べやすくなります。空欄の形だけを置いておくので、自社の数字で埋めてください。
| 欄 | 今月 | 先月 | 直近3か月 | 書くときの決まり |
|---|---|---|---|---|
| 今期の目的と主KPI | 例:認知/ふだんの再生と、ふだんの5倍以上になった回の本数 | 期の途中で変えない | ||
| ふだんの再生(直近約30本の中央値) | ◯回 | ◯回 | ◯回 | 期初の値の何倍かを添える |
| ふだんの5倍以上になった回 | ◯本 | ◯本 | ◯本 | 合否は四半期の合計で見る。244社と並べるときは3万回以上の回だけ数える |
| 1,000再生あたりのプロフィール表示 | ◯回 | ◯回 | ◯回 | 毎月同じ期間の合計から出す |
| 1,000再生あたりの新規フォロワー | ◯人 | ◯人 | ◯人 | 同上 |
| 補助:おすすめから来た割合 | ◯% | ◯% | ◯% | 7日と28日を混ぜない |
| 補助:いいね率(同じ種類の回どうし) | ◯% | ◯% | ◯% | 主KPIの合否には使わない |
| 取得日と集計の期間 | 例:◯月◯日取得・直近28日 | 日の浅い回は「集計外」と書く | ||
2つのデータの範囲と、このデータでは分からないこと
自社と並べる前に、2種類のデータの範囲をまとめて書いておきます。
1つめは、BEEMが集めた日本の企業TikTokアカウント244社です。フォロワー1,000人を超えるところまで続けた会社で(取得時点で最後の投稿が90日以上前の会社も58社含みます)、会社名で出している公式アカウント215社と、社長や社員が名前を出して会社のことを話すアカウント29社です。運用をやめた会社、1,000人に届く前に止まった会社、個人のクリエイター、海外の企業は入っていません。
各社の直近約30本、計6,943本は2026年10月8日に取得しました。再生回数はその日までの累計なので、取得の直前に出た動画はその後も伸びているかもしれません。どの数字も、ある1日に切り取った断面です。
244社について分かるのは、再生と、公開されている反応の数(いいね・コメント・シェア・保存)だけ。プロフィール表示、フォロー、問い合わせや応募は分かりません。行動のKPIの話をBEEM公式の数字でしているのは、このためです。バズの線(ふだんの5倍以上かつ3万回以上)は、ふだんが数百回の会社にとってはかなり高い線でもあります。
2つめのBEEM公式は、フォロワー約47万人の1社の数字です。251本の当たりは「前後20本の中央値の2倍以上」で数えていて、244社のバズとは線が違います。ほかの会社の見込みとしては使わないでください。
どちらのデータでも、結びつきや逆向きの並びは「そういう傾向があった」ところまで。なぜ逆向きに並ぶのかも含めて、因果までは分かりません。
TikTokのKPIについてよくある質問
主KPIは1〜2個、補助は2〜3個くらいまでが扱いやすい数です。補助の数字には目標値を付けず、主KPIが動いた理由を探す手がかりとして置きます。
ふだんの再生が下がった月に、おすすめから来た割合も下がっていれば、見られ方が変わったことを話す材料になります。いいね率のように主KPIと逆向きに並びやすい数字を補助に置くときは、同じ種類の回どうしで比べてください。
置いてもかまいません。ただ、BEEM公式1社では新規フォロワーの半分近くが当たりの回から来ていました(4章)。月次は「1,000再生あたりの新規フォロワー」で比べ、人数そのものは四半期の合計で見ると、当たりの有無に振り回されにくくなります。
人数の目標を置くなら、2章の逆算の式で出した値が出発点です。フォロワーが増えないときの見直し方は、TikTokのフォロワーが増えないときで順に扱っています。
1〜2か月の未達で下げる必要はなさそうです。直近約30本でバズが1本も無かった会社は、244社のうち68社。バズの無い月が続くこと自体は珍しくありません。目標値の置き直しは、四半期の区切りで直近の値を出し直したときにまとめて行います。
下がり続けているのが5倍以上の回の本数ではなく、ふだんの再生のほうなら、目標より先に中身や出し方を見直す合図です。見直す順は、伸びないときの切り分けの記事に沿うと迷いにくくなります。
検索上位の記事では、(いいね+コメント+シェア+保存)÷再生回数×100 という式がよく使われています。244社の1本ごとの中央値で4つを比べると、いいね率1.31%、保存率0.10%、コメント率0.04%、シェア率0.01%。いいねがほかの3つより1けた以上大きい数字です。
KPIに使うなら、合計の率を1つ置くより、いいね・保存・シェアを分けて、同じ種類の回どうしで比べるほうが読み違えにくくなります。3章のとおり、いいね率は再生と逆向きに並びやすく、シェア率だけは弱く同じ向きでした。
広告では、お金をかけて見せる回数を買うので、費用あたりの数字(1件の問い合わせにいくらかかったか、など)がKPIの中心になります。この記事の数字は、広告ではないふだんの投稿のものです。
広告の数字をどう並べて報告するかは、TikTok広告のレポートの記事で扱っています。
KGIに近い数字なので、入れられるなら入れたい数字です。採用や問い合わせが目的なら、1章の表の行動の行が、そのまま主KPIの候補になります。入れるときは、TikTokから来たものかを分けて数える仕組み(応募フォームに「何で知ったか」の欄を設けるなど)を先に作っておきます。
そのうえで、1,000再生あたりのプロフィール表示と並べておくと、見られた量から応募までのどこで止まっているかが見えやすくなります。
まとめ:KPI表は四半期ごとに見直し、期の途中では主KPIを変えない
- KGIから今期の目的を認知・興味・行動の1つに決め、主KPIは1〜2個に絞る
- 目標値は、自社の直近の数字(ふだんの再生・ふだんの5倍以上になった本数・1,000再生あたりの数字)から置く。244社の分布は、数え方をそろえたうえで自社の位置を伝えるために使う
- 同じ会社の中では、いいね率が高い回ほど再生が少ない傾向(237社の中央値で−0.49)。いいね率は補助に回す
- 当たりは一部の回に偏る(BEEM公式1社で15.1%の回が新規フォロワーの46.4%)。5倍以上の回の本数は四半期でまとめて判定する
- 流入元は期間で大きく入れ替わる。毎月同じ期間で取り、行動の数字は1,000再生あたりに直す
KPI表は、作ったあとの回し方で使いやすさが変わります。四半期の終わりに、ふだんの再生と5倍以上の回の本数、1,000再生あたりの数字を出し直し、次の四半期の目標を置き直す。目標値を動かすのは、この区切りだけにしておきます。
期の途中で主KPIを替えないのは、当たりが一部の回に偏るからです。当たりの無い月が1〜2か月続いたところで替えてしまうと、先月と比べる相手がいなくなり、四半期の合計も出せなくなります。
届かなかった月の報告は、たとえばこう組み立てられます。「今月、ふだんの5倍以上になった回は0本でした。ふだんの再生は期初の◯倍、1,000再生あたりのプロフィール表示は◯回で、先月と同じ水準です。四半期の目標まで、あと◯本です」。主KPIの数字と、比べた相手と、判定の単位がそろっていれば、未達の一行で話が終わらずに済みます。
毎月の数字の取り出しや、四半期ごとの目標の置き直しを外に任せたい場合は、BEEMのTikTok運用代行でもお手伝いしています。作りかけのKPI表を見ながらの相談もできます。
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この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。