最終更新日:2026年10月21日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- 役員会や経営会議で「TikTokを続ける意味はあるのか」を数字で示すよう求められている方
- 週ごとのレポートで再生が上下するたびに、理由の書き方に困っている方
- 再生回数の先にある、問い合わせや応募までをどうつないで測るか決めかねている方
- BEEM公式アカウントの再生の入り口を同じ日に見ると、直近7日の区切りではおすすめ41.1%・検索25.4%、直近28日ではおすすめ86.2%・検索4.0%。どの入り口が大きく見えるかは、区切る期間で入れ替わりました
- 再生は一部の当たりに集まります。BEEM公式の251本では、当たりはおよそ7本に1本。その回が新規フォロワーの46.4%を連れてきていました。月の合計には「出した本数のうち何本が当たりか」を添えます
- 1本ごとの数字は、投稿から14日目に写します。企業244社の動画では、投稿から2週間に届かない回はその会社のいつもの5〜7割ほどでした
- アカウント全体の数字は、毎月決まった日に直近28日の再生・プロフィール表示・新規フォロワーを控え、3か月分を足して判断に使います
- TikTokの効果測定は、指標を選ぶ前に「いつ・どの長さで」を決める
- 7日間の数字で判断すると、見え方が入れ替わる
- 「先月が良すぎただけ?」には、出した本数のうちの当たりで答える
- 記録する日を、1本ごとに「投稿から14日目」にそろえる
- 再生の「その先」は、プロフィール表示・フォロー・問い合わせの順につなぐ
- いいね率が下がった月を「悪化」と書かない
- 役員会に出す1枚の組み立て方と、続ける・見直すの線
- 広告の効果を測りたいときは、物差しが変わる
- 「うちにも当てはまるの?」と聞かれたときの、数字の持ち主と使いどころ
- TikTokの効果測定でよくある質問
- まとめ:効果は、期間の合計と当たりの割合で語る
たとえば来週の役員会で、TikTokの効果を1枚にまとめるよう頼まれたとします。今月のレポートを開くと、再生の合計は先月のほぼ半分。資料の書き出しを企画の反省にする前に、確かめておきたいことがあります。その数字は、どの期間を切り取ったものでしょうか。
週ごとのレポートを作っていると、再生は上がったり下がったりします。下がった週に理由を書こうとして、「企画が弱かった」としか書けなかったことはありませんか。何を相手にすれば「効果」と呼べるのかが決まらないまま毎週書き足すと、上下のたびに説明を探すことになります。
先に答えを書いておくと、効果の判断は週ではなく四半期(3か月)の単位で行い、1本ごとの数字は投稿から14日目(2週間後の同じ曜日)に記録します。この記事は広告を使わない投稿(投稿運用)に絞り、なぜその長さとその日なのかを実測でたどって、最後に会議へ出す報告の型まで組み立てます。広告の効果測定を探している方は、8章から読んでください。
全部を一度に始める必要はありません。手が回らないうちは、1本ごとに14日目の数字を写す、出した本数のうち何本が当たりだったかを数える、毎月決まった日に直近28日の再生などを控える、の3つで足ります。流入元やいいね率の行は、そのあとで加えれば間に合います。
TikTokの効果測定は、指標を選ぶ前に「いつ・どの長さで」を決める
何を測るかは、検索上位の記事でもよく整理されています。再生回数、いいね・コメント・保存・シェア、プロフィール表示、フォロワーの増減。多くは、指標の一覧、画面での見方、PDCAの回し方、という順で書かれています。
画面のどこに何が出るかはTikTokインサイトの見方、数字を次の企画にどう使うかはTikTokアナリティクスの見方が詳しいので、ここでは繰り返しません。
手が止まりやすいのは、その次の段です。同じ再生回数でも、7日で区切るか28日で区切るか、投稿の翌日に取るか2週間後に取るかで、良くも悪くも見えてしまう。何本たまれば「効果があった」と言えるのかも、指標の一覧からは決まりません。
そこでこの記事では、指標の前に次の3つを固めておきます。
- 何を:再生の合計、出した本数のうち当たりが何本だったか、再生の先(プロフィール表示・新規フォロワー・問い合わせや応募)の件数
- いつ:1本ごとに、投稿から14日目の数字で
- どの長さで:月で経過を追い、四半期で判断する
どれも特別な道具はいりません。ただ、週を使わない理由と記録の日まで待つ理由が腹に落ちていないと、会議で先週の分を求められたときに揺らぎます。2章から4章で、その理由を1つずつ確かめます。
7日間の数字で判断すると、見え方が入れ替わる
BEEMの公式アカウント(@beem_official)で、アカウント全体の再生がどの入り口から来ているかを見てみます。2026年10月13日に、期間だけを変えて取った数字です。右の列は、その区切りだけで週や月の報告を書いたら、どう読めてしまうかの例です。
| 見た期間 | おすすめから来た割合 | 検索から来た割合 | この区切りだけで報告を書くと |
|---|---|---|---|
| 直近7日 | 41.1% | 25.4% | 「検索から来る人が増えた」と読めてしまう |
| 直近28日 | 86.2% | 4.0% | 「おすすめ頼みで、検索からはほとんど来ていない」と読めてしまう |
| 直近60日 | 79.0% | 7.0% | 28日の行に近い形で、おすすめが8割に迫って見える |
| 直近365日 | 56.4% | 18.3% | おすすめが半分強で、残りを検索・プロフィールが分け合って見える |
BEEM公式(@beem_official)のアカウント全体の流入元。2026年10月13日取得。直近365日の残りは、プロフィールから21.7%、フォロー中から3.6%です。右の列はBeeMedia編集部が書いた読まれ方の例です。

直近7日だけを見ると、検索から来た割合が25.4%もあります。
「検索から来る人が増えてる? プロフィールや投稿文の工夫が効いてきたのかな」
そう読みたくなるところですが、区切りを4週間に広げると、検索は4.0%しかありません。代わりにおすすめが86.2%と、9割近くを占めています。
4つの行のちがいは、何日分をひとまとめにしたかだけです。長い箱に、おすすめから大勢が流れ込んだ回が入っていれば、その回の再生が大半を持っていく。7日の箱にその回が無ければ、もともとアカウントを知っている人の分が大きく残ります。7日間で検索の割合が大きくても、検索から来た人数が増えたとは限りません。
右の列の文は、どれも1つのアカウントの1日分の画面から書けてしまいます。区切りを固定しないまま書くと、どの文も間違いではないのに、毎週ちがう話になる。自社のアナリティクスでも、期間の切り替えひとつで似た入れ替わりが起きるかは確かめられます。流入元を報告に載せるなら4週間以上の期間で取り、直前の、長さのそろった期間と照らしてください。
期間が変わると、見ている人の顔ぶれまで変わりうる。この点は、5章で再生の先を数えるときにもう一度出てきます。
「先月が良すぎただけ?」には、出した本数のうちの当たりで答える
先月の半分。その差を前にすると、今月の企画のどこが悪かったのかを探したくなります。けれど、差の大半が1本か2本の当たりのあるなしで生まれていることもあります。

BEEM公式で、詳しい記録が残る2023年1月以降の251本を数えると、前後20本の中央値の2倍以上伸びた回(ここでは「当たり」と呼びます)は38本、およそ7本に1本でした。その38本が、新規フォロワーの46.4%と、再生の40.7%を連れてきています。公開607本全体でも、上位10%にあたる60本が全再生の40.8%を占めており、偏り方は変わりません。
企業244社の6,943本でも、上位1%の69本が全再生の38.6%。1本あたりの平均は、中央値の約9倍に膨らんでいました。
再生がこれだけ偏るなら、当たりの出た月と出なかった月とで合計が大きく違ってくるのは自然なことです。月の報告では、合計の隣に「◯本中◯本が当たり」と分数の形で書いておきます。件数だけだと、出した本数の違う月どうしで読み違えるからです。
何本・何か月たまれば、判断していいのか
では、何本たまれば「効果があった・なかった」と言えるのか。検索上位の記事では「10〜20投稿の平均で判断する」という目安を見かけます。根拠の数字は示されていませんでしたが、1か月の印象で判断せずに本数をまとめて見る、という考え方そのものは確かです。引っかかるのは「平均」のほうです。
平均は、当たりが1本入るかどうかで大きく動きます。7本に1本ほどの割合なら、10〜20本のまとまりに当たりが1本も入らないことも、2〜3本入ることもある。前のまとまりの平均と突き合わせても、見えるのは中身の差より、当たりが何本混ざったかの差になりがちです。
本数でまとめるなら、真ん中の値(中央値)を使い、当たりは分数で別に数える。244社の「ふだん」も、直近約30本の真ん中の値で出しています。その約30本は、会社ごとの真ん中で183日、ほぼ半年分の投稿でした。判断の時期は次に書く四半期の区切りにそろえておけば、期間ごとの報告と食い違いが出ません。
判断の単位を四半期に置くのは、1か月では当たりの入らない月が珍しくないからです。7本に1本の割合だと、出す本数の少ない月に当たりが0本でもおかしくはない。その月だけで「効果がない」と結論づけると、たまたま当たりの入らなかった月を切り取ることになります。
3か月に何本出すかは、自社の過去の投稿をさかのぼって決めます。何本に1本くらい当たりが出ていたかを数え、「◯本に1本」と分かったら、四半期の本数をその◯本より多めに組む。◯本に届かない本数では、当たりの入らない期があっても不思議ではないからです。多めに組んでも0本で終わる期はありえますが、「出した本数が足りなかったのでは」という迷いは一つ消えます。
当たりの線は、自社で1本だけ決めておく
何を「当たり」と呼ぶかは、会社ごとに選んでかまいません。この記事の中でも線は2つあります。BEEM公式の当たりは「前後20本の真ん中の2倍以上」、244社のバズは「その会社のふだんの再生(直近約30本の真ん中)の5倍以上、かつ3万回以上」です。どちらにしても、一度引いた線は期をまたいで動かさないでください。線が動けば、前の期の当たりとは数え方が変わってしまいます。
あわせて、自社の「ふだんの再生」も報告に載せます。この記事では、その期間に出した回の、14日目の再生の中央値を指します。直近約30本で出す244社の数え方と違って期で区切るのは、期どうしの差を見るための物差しだからです。相手にするのは自社の前の期で、244社ではありません。真ん中の値の出し方はTikTokの再生回数の平均で説明しています。
記録する日を、1本ごとに「投稿から14日目」にそろえる
動画1本ごとの数字を、いつ表に写していますか。投稿の翌朝に写す回もあれば、報告の前日にまとめて写す回もある。写す日がばらばらだと、1枚の表に投稿3日目の再生と1か月後の再生が混ざります。
日の浅い回ほど低く出ることは、244社を1日で切り取った断面でも見えていました(2週間に届かない回は、その会社のいつもの半分から7割ほど。詳しくはTikTokの再生回数の平均)。ただし14日目は、そこで伸び切ると分かっている日ではありません。どの回も同じ日数で見るために、こちらで置く日です。
投稿した日に、記録の日の予定をカレンダーへ入れておき、その日が来たら再生・いいね・保存・シェア・コメントと、その回で増えた新規フォロワーの6つを1行に写します。1行の列は、次の順で足ります。
記録の列:投稿日/記録した日(14日目)/再生・いいね・保存・シェア・コメント・その回の新規フォロワー/当たりの印/広告をかけた回の印
月の報告は、その月に出した最後の回が記録の日を迎えたところで締めます。締めは月末から半月ほど後ろにずれますが、月の初めに出した回も終わりに出した回も、日数のそろった値になります。
会議の日が先に決まっていて記録の日が間に合わない回は、再生の欄を空けたまま「◯月◯日に記録」と予定日だけを書いておきます。次の報告でその行を埋めれば、前の月の表もあとから条件がそろいます。
1本ごとの行とは別に、アカウント全体の数字にも写す日を設けます。インサイトの28日の区切りを使い、毎月同じ日に、直近28日の再生・プロフィール表示・新規フォロワーを書き留める。1本ごとの新規フォロワーはどの回が当たりかを見分けるため、アカウント全体の分は期の件数を出すため、と役目が違います。
28日は暦の1か月より数日短く、月の合計とぴったりは合いません。それでも毎月この長さで取っていれば、先月とも3か月前とも条件がそろう。3か月分を足したものを、四半期の値として扱ってください。期間を選ぶ画面の操作はTikTokインサイトの見方にあります。
再生の「その先」は、プロフィール表示・フォロー・問い合わせの順につなぐ
「再生の話はわかった。それで、問い合わせは増えたの?」
会議でそう聞き返される場面を想像してみてください。再生と問い合わせ・応募のあいだには、いくつかの段があります。動画を見た人がプロフィールを開き、フォローし、その一部がリンクや検索を経て問い合わせや応募に進む。ここで追うのは、TikTok側のプロフィール表示と新規フォロワー、その先を自社の窓口で数えた件数です。
BEEM公式の直近365日では、再生4,231,205回に対してプロフィール表示が172,698回。1,000回再生されるごとに、プロフィールが40.8回開かれた計算です。
月ごとに分けると、2025年11月は再生945,982回・プロフィール表示32,903回、2026年6月は再生85,853回・表示5,693回でした。再生が大きく上下するなか、プロフィール表示も同じ向きに動いています。
ただ、この2つの月で1,000再生あたりの値をそれぞれ出すと、一致しません。2章のように期間で見ている人の顔ぶれが変わりうるなら、割り算の値が月ごとに動くのも不思議ではない。とはいえBEEM公式の2つの月だけの話で、ほかの月まで確かめたわけではありません。
新規フォロワーも、251本の動画ごとの値の中央値で見ると、1,000回再生あたり当たりの回が0.59人、それ以外の回が0.42人でした。1万回見られて6人弱と4人ほど。期の割り算の値も、その期にどの回が多く入ったかで変わります。
1,000再生あたりに直すと、見られた量の違う月どうしでも差を見やすくなります。そのとき分母にするのは、4章で書き留めた同じ28日の再生です。14日目に写した1本ごとの再生の合計とは混ぜません。
期どうしで見るなら、28日を3つ足した分で割り算し、当たりの割合が近い期を相手に選ぶと条件がそろいます。報告には件数と1,000再生あたりの値を両方載せておく。届いた人数と、見られた量に対する多さは、別々に聞かれうるからです。
問い合わせ・応募は、数え始めた月から3か月分で見る
問い合わせや応募はTikTokのアナリティクスには出てこないので、フォームの「何を見て知りましたか」やプロフィール用のリンクなど、自社の窓口で数えます。先に固めておきたいのは、いつから・何か月分で見るかです。
数え始めた月を報告の欄外に書き、前の期と突き合わせるのは3か月分がたまってから。窓口での聞き方やリンクの分け方を期の途中で変えると物差しが変わるので、変えるなら期の切れ目にします。
BEEMが自社の採用で成果まで追った例には、TikTok広告に20万円をかけて7名を採用し、1名あたり約2.9万円というものがあります(TikTok採用とはで公開しているものです)。広告を含む数字なので、投稿だけの効果を報告するときは別の行に置きます。広告を含めた測り方はTikTok広告の効果に譲ります。
いいね率が下がった月を「悪化」と書かない
レポートに「いいね率」や「エンゲージメント率」の欄があるなら、まず確かめたいのは、その率をどう出しているかです。月のいいねの合計を月の再生の合計で割った値と、1本ごとに率を出してその真ん中をとった値は、同じ「いいね率」でも別物になります。
合計どうしの割り算は、再生の多い回に引っぱられます。当たりが1本入った月は、その1本の率が月の率をほぼ左右してしまう。しかも、再生が広がった回ほど率は低く出やすいのです。
月の報告の率が下がって見える理由は、244社でも説明がつきます。同じ会社の動画どうしでは、いいね率の高い回ほど再生は少なめで(順位の重なりを会社ごとに出した値の真ん中で−0.49)、バズした回のいいね率はその会社のいつもの0.75倍でした。当たりのあった月の率が下がっても、中身が悪くなったからとは限りません。
そこで月の報告には、いいね率といいねの件数を、期間をそろえて両方書き留めます。率は1本ごとの率の中央値で出す。逆を向いた月は「率は◯%から◯%、件数は◯件から◯件。率を下げたのは当たりの◯本」のように、どの回で下がったかまで1文で書いておきます。
「いいね率3%」「保存率1%」などの目安と、244社の中央値
検索上位の記事には、いいね率3%・保存率1%・シェア率0.5%・コメント率0.1%といった目安が載っていることがあります。どれも、何社のどの動画から出した数字なのかは示されていませんでした。
こうした目安と照らすなら、自社の率も1本ごとの真ん中の値で出してください。244社・6,943本では、1本ごとのいいね率の中央値が1.31%(再生1,000回あたり13.1件)。会社ごとのふだんのいいね率で見ると、真ん中の会社でも1.27%で、上位25%の境目が2.37%、下位25%の境目が0.82%でした。自社の中央値が3%に届かないこと自体は、244社と照らして低いという意味にはなりません。
保存・シェア・コメントも、244社の再生1,000回あたりの真ん中の値を率に直すと、保存は1.0件で約0.1%、シェアは0.1件で約0.01%、コメントは0.4件で約0.04%。保存は目安の10分の1、シェアは50分の1にあたります。月の報告で使いやすい物差しは、外の目安より、自社の前の3か月の値のほうです。
上位の記事がよく載せている視聴維持率や完了率も、外の目安より自社の過去の数字と照らすものです。どの画面に出るかはTikTokインサイトの見方が、次の企画への生かし方はTikTokアナリティクスの見方が手引きになります。
役員会に出す1枚の組み立て方と、続ける・見直すの線
ここまでの話を、1枚の報告にまとめます。週ごとのレポートを束ねるのでなく、月か四半期の単位で作り直すイメージです。
| 行 | 書くこと | 決まり |
|---|---|---|
| 期間 | 今月(今四半期)と、照らす前の期間 | 同じ長さどうし。週の単位は使わない |
| 出した本数 | 期間内に投稿した本数 | 記録の日がまだ来ていない回も、本数には入れる |
| 再生の合計 | 14日目の数字の合計 | どの回も記録の日の値を使う |
| ふだんの再生 | 期間内に出した回の、14日目の再生の中央値 | 相手は自社の前の期。244社とは照らさない |
| 当たり | 出した本数のうち何本が当たりか(分数)と、その回が合計に占める割合 | 線は1本に決め、期をまたいで変えない |
| 見られ方 | おすすめ・検索など、入り口ごとの割合 | 4週間以上の期間で取る |
| 再生の先 | プロフィール表示・新規フォロワー・問い合わせや応募の件数と、1,000再生あたりの値 | 毎月書き留めた直近28日を3か月分足す。1,000再生あたりは、その期間の再生で割る |
| かけたもの | 期間内の制作時間と外注費(数字は自社で入れる)と、1件あたりの額 | 広告費は入れず別の行に置く(8章)。1件あたり=かけたもの÷問い合わせ・応募の件数 |
| 判断と次の手 | 続ける/見直すと、次の期に変えることを1つ | 判断は四半期ごと。月は経過の確認 |
BeeMedia編集部の作成。どの行にも目標値は入れていません。相手にするのは、自社の前の期間です。
上の4行は、多くの月次報告にすでにある項目かもしれません。この1枚の要は、下の5行です。
合計が先月の半分でも、当たりが「◯本中2本」から「◯本中0本」になっていたなら、まず疑うのはそこ。そのうえで、ふだんの再生と再生の先が前の期並みなら、当たり以外の部分は崩れていないと読めます。
「続ける意味あるの?」という問いに向けた行が、かけたものです。得たものの横に、それに何をかけたかがあると、続けるかどうかの判断材料がそろう。5章の採用の例(1名あたり約2.9万円)も、かけた額を人数で割った形ですが、広告費を含むので投稿の行には入れません。
1件あたりの額は、下の3つの向きには入れず、「次の手」を決める材料に使います。
続ける・見直すは、四半期ごとに3つの向きで決める
ここから先の線は、この記事の数字を見て編集部が置いた目安です。次の3つが、どれも前の期より下を向いた四半期を、見直しの合図と考えてみます。
- 出した本数のうち当たりが占める割合が、前の期より下がった(0本だった場合を含む)
- ふだんの再生が、前の期より下がった
- 再生の先(プロフィール表示・新規フォロワー)の件数が前の期より減り、1,000再生あたりで見ても下がった
反対に、合計が落ちていても当たりが出ていて、再生の先の件数が前の期並みなら、続ける側の材料になります。
3つのうち2つだけが下を向いたときは、その場で結論を出さず、同じ形の報告をもう3か月続けます。そのあいだに「次の手」の変更を1つだけ試しておくと、次の期にどの行が動いたのかを追いやすくなります。
再生は伸びているのに問い合わせや応募が動かないときは、動画の中身より先に、見た人の行き先(プロフィールの文やリンク)を見直す番かもしれません。手を付ける順番は、TikTokが伸びないときの原因の切り分け方の記事で整理しています。
広告の効果を測りたいときは、物差しが変わる
TikTok広告を出しているなら、効果測定の考え方は変わります。費用が先に出ていくので、1件の獲得にいくらかかったかなど、投稿運用にはない数字が中心になるからです。
広告で何を効果と呼ぶか、管理画面の外まで含めた測り方はTikTok広告の効果に、上長や経営者に渡す報告書の作り方はTikTok広告のレポートにまとめています。広告と通常の投稿を両方やっている場合は、この記事の報告は投稿の分だけで作り、広告をかけた回には印を付けて別に数えておきます。
「うちにも当てはまるの?」と聞かれたときの、数字の持ち主と使いどころ
この記事の数字を会議の資料に引くと、たぶん一度はこう聞かれます。答えに詰まらないよう、数字の持ち主と、どこまで言える数字なのかをここにまとめます。
流入元、プロフィール表示、新規フォロワー、当たりの出方(およそ7本に1本)は、BEEMの公式アカウント(@beem_official)のものです。フォロワー約47万人のアカウント1社のもので、流入元・プロフィール表示・新規フォロワーは2026年10月13日に取得しました。
当たりへの集中は、公開607本と、詳しいデータが残る2023年1月以降の251本から出しています。自社の見込みとしてではなく、自社の数字をこのやり方で数えるときの見本として使うのが合っています。
上位1%の集中、日の浅い動画の再生、いいね率と再生の順位、いいね率や保存・シェア・コメントの水準と会社ごとの分かれ方は、BEEMが集めた日本の企業アカウント244社から出したものです。
- 対象:フォロワー1,000人を超えるところまで続けた会社(会社公式215社、社長・社員名義の会社関連29社。取得時点で最後の投稿が90日以上前の会社も58社含みます)の直近約30本、計6,943本。1,000人に届く前にやめた会社、開設したばかりのアカウント、個人、海外は入っていません
- 時点:2026年10月8日取得。再生数はその日までの累計で、投稿から日の浅い回はその日の断面です
- バズの線:その会社のふだんの再生(直近約30本の中央値)の5倍以上、かつ3万回以上。6,943本のうち560本、8.1%が当てはまりました
- 率:いいね率1.31%は1本ごとの率の中央値、1.27%・2.37%は会社ごとのいいね率(直近約30本の中央値)を244社で見た境目です。保存・シェア・コメントの率は、1,000回あたりの真ん中の値を百分率に直しただけのものです
244社について分かるのは、公開されている再生・いいね・コメント・保存・シェアだけです。視聴維持率や完了率、問い合わせ・応募・来店につながったかは分かりません。どれも「当たりの回で新規フォロワーが多かった」「再生が多い回ほどいいね率が低かった」という傾向で、何かをすれば効果が上がるという因果までは示していません。
TikTokの効果測定でよくある質問
出した本数と、その週に記録の日を迎えた回の6つの値、それに気づいたことのメモがあれば十分です。週の欄には、良し悪しの判断と流入元は書きません。7日の区切りでは入り口の比率が大きく動くので(2章)、書けばそのたびに理由を探すことになります。
最初の週のレポートに「判断は月と四半期の報告で行う」と一行入れておくと、週の欄が何のための記録なのかが読む側にも伝わります。
検索上位の記事では「成果まで3〜6か月」という目安を見かけますが、その根拠になった数字は載っていませんでした。この記事でも、何か月で効果が出るという目安は出していません。
半年続けていれば、手元には3か月の区切りが2つあります。後の3か月を前の3か月と照らして、7章の3つの向きで見てください。3つがそろって下を向いていれば見直しの合図、当たりが出ていて再生の先の件数が並みなら、続ける側の材料です。まだ記録が無い場合は、次の期の報告から始めて、判断はそれがたまってからにします。
手順は変えなくて大丈夫です。1本ごとの記録の日をそろえること、月に一度アカウント全体を書き留めることは、本数に関係なく使えます。
変わるのは判断の待ち方です。3章で数えた「◯本に1本」より3か月に出す本数が少ないなら、当たりが入らない期は珍しくありません。その場合は当たりの行だけ前の期と足して6か月で見る、と報告の下に書いておく。たまたまの0本で見直しに傾くのを防げます。
今日から始められるのは2つです。これから出す回を14日目に記録することと、毎月決まった日にアカウント全体の値を書き留めること(4章)。最初の3か月は、相手にする記録を作る期間と考えてください。
前任の時期の動画は、今日までの累計の再生として残っています。投稿からの日数がまちまちなので今の合計の相手にはせず、何本に1本当たりが出ていたかを数える(3章)のに使う程度にとどめます。
休んだ月も、毎月の書き留めは続けておきます。その月の記録が残っていれば、四半期の合計がどこで減ったのかを、あとから月ごとにたどれます。
出した本数が大きく違う期どうしは、合計ではなく割合で見ます。当たりは「◯本中◯本」の分数で照らし、再生はふだんの再生の上下を見る。合計だけで見直しに踏み切ると、出さなかった分の差を中身の差と取り違えやすくなるからです。報告の「出した本数」の行には、休んだ月があったことを書き添えてください。
まとめ:効果は、期間の合計と当たりの割合で語る
- 測る長さは月と四半期。BEEM公式の流入元は、同じ日に見ても7日と28日の区切りで、どの入り口が大きく見えるかが変わった
- 再生は一部の当たりに集まる。合計の隣に「出した本数のうち何本が当たりか」を書き、線は1本に絞って変えない。本数でまとめるなら平均ではなく中央値で見て、3か月に出す本数は自社の当たりの頻度から決める
- 1本ごとの値は投稿から14日目で記録し、月の報告はその日が来てから締める
- アカウント全体の数字は毎月同じ日に直近28日で書き留め、プロフィール表示と新規フォロワーは3か月の件数と、同じ期間の再生で割った1,000再生あたりの値を両方載せる
- 月のいいね率は合計の割り算ではなく1本ごとの率の中央値で出し、件数と一緒に書く。いいね率3%などの目安と照らすときもこの出し方で(244社の1本ごとでは1.31%)
- 報告には、かけたもの(制作時間・外注費)と1件あたりの額も載せる。広告費は別の行に分ける
- 続ける・見直すは四半期ごとに、当たりの割合・ふだんの再生・再生の先の3つの向きで決める。2つだけ下がったら、もう3か月見る
役員会で求められているのは、どの期間のどの数字が、何を相手にどう動いたかです。区切り方をそろえて毎月決まった日に書き留めていれば、再生が半分になった月にも、減ったのが当たりなのか、ふだんの再生なのかを分けて書けます。
測り方が決まると、次に気になるのは「当たりをどう増やすか」かもしれません。何を撮るかを変える段階に来たら、TikTokでバズる方法に、244社のデータから見た企画の変え方があります。会議に出す報告づくりから手を借りたい場合は、BEEMのTikTok運用代行でご相談を受け付けています。
関連記事
- TikTokのKPIの決め方
- TikTok運用の効果
- TikTokマーケティングとは
- TikTokの再生回数の平均(企業244社で見た「ふだん」の数字とバズの基準)
- TikTokインサイトの見方
- TikTokアナリティクスの見方
- TikTokが伸びないときの原因の切り分け方
- TikTokのフォロワーが増えないとき
- TikTokでバズる方法
- TikTok広告の効果(広告の効果測定はこちら)
- TikTok広告のレポート
- TikTok採用とは
この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。
2章・3章・5章のBEEM公式の数字は、BEEMの公式アカウント(@beem_official)のアカウント全体の流入元・プロフィール表示(2026年10月13日取得)、公開607本、詳しい記録が残る2023年1月以降の251本から出しています。「当たり」は前後20本の中央値の2倍以上になった回(38本・251本の15.1%。本文では「およそ7本に1本」)、5章の1,000再生あたりの新規フォロワーは動画ごとの値の中央値です。
3章・4章・6章の企業の数字は、BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)です。対象の範囲・バズの線・率の出し方は9章に書いたとおりで、バズはBEEM公式の当たりとは線が違います。直近約30本の期間は、会社ごとの真ん中で183日。読者が自社で出す「ふだんの再生」は、期どうしの差を見るため、期間内に出した回の14日目の中央値としています。
5章・7章の採用の例は、TikTok採用とはの記事で公開している自社のものです。どの会社のものか分かる名前・投稿文・使用曲は、本文に載せていません。