TikTokマーケティングとは?戦略を会議の1枚にまとめる方法(企業244社の実測つき)

TikTokマーケティングとは 戦略を1枚にまとめる

最終更新日:2026年10月21日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

会議資料の1行目に「目的:若い層に、会社と商品を知ってもらう」と書いた。ところが、2行目から先がなかなか埋まらない。経営会議で「TikTokでマーケティングを」と振られた方なら、そんな画面に覚えがあるかもしれません。

手段の名前なら、調べればすぐに出てきます。自社アカウントの運用、広告、インフルエンサーへの依頼、ライブ配信、TikTok Shop。決めにくいのはその先です。どれから始めるのか。何本、何か月続けて、どの数字を見たら「続ける」「やめる」を判断するのか。会議で聞かれるのは、おそらくこちらでしょう。

そこでこの記事では、会議に出す1枚のひな形を最初に置き、各行を埋める手がかりを2章から順に示していきます。手がかりに使うのは、BEEMが集めた日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本(計6,943本・2026年10月8日取得)と、BEEMの公式アカウント(@beem_official)の記録です。

文中で「当たり」と呼ぶのは、その会社のふだんの再生(直近約30本の再生数を並べた真ん中の値)の5倍以上に伸び、しかも3万回を超えた動画のこと。244社の6,943本の中に、560本ありました。

TikTokマーケティング戦略の1枚:先に用意する6つの行

経営会議に出す資料は、次の6行で組めます。行ごとに、埋めるための手がかりを置いた章を添えました。

TikTokマーケティング戦略の1枚(ひな形)
  1. 誰に:自社の商品を買う人・選ぶ人と、TikTokで実際に届いている層(4章)
  2. 目的:いつまでに、どれだけの人に知ってもらいたいか。動画の入口に何を置き、商品の案内をどこで受けるか(3章・4章)
  3. 手段:目的の期日と量に合う手段を1つ、主にする。期日のある告知に別の手段を足すなら、それも(2章・3章)
  4. 企画:最初に試す型と、自社の題材(4章)
  5. 測り方:売上・問い合わせ(KGI)までを、どの数字(KPI)でつなぐか(4章)
  6. 期間と予算:判断の単位にする本数と、その本数を出し切れる額(5章)

行の並びは、相手と目的を決めてから手段を選ぶ順です。ただ、記事の章は手段の一覧から始めます。何が選べるのかを知らないままでは、目的の行に「いつまでに、どれだけ」を書き込みにくいからです。会議で真っ先に聞かれやすい6行目の「いつまでに、いくらで、何が分かるのか」は、最後の5章で扱います。

TikTokマーケティングの5つの手段と、それぞれの注意点

TikTokマーケティングは、TikTokで会社や商品を知ってもらい、購入・問い合わせ・来店・応募といった次の行動につなげる取り組みの総称です。検索上位の記事でも、公式アカウントの運用・広告・インフルエンサーの3つを柱に、ライブ配信とTikTok Shopを加えて整理するものが目立ちます。名前だけでは違いがつかみにくいので、「お金や手間をかけて、何が手に入るのか」で分けました。

手段 手に入るもの 向いている場面の例 気をつけたいこと
公式アカウント運用 自社の名前で積み上がる動画とフォロワー 時間をかけて会社や商品を覚えてもらう。採用 1本ごとに届く量は決められない。撮影・編集を続ける体制が要る
広告 決めた期間に、決めた相手へ届く量 発売日やキャンペーンなど、期日のある告知 配信を止めると届かなくなる。費用は配信のあいだかかり続ける
インフルエンサー(クリエイター)への依頼 その人を信頼しているフォロワーへの紹介 自社のアカウントが小さいうちに、他人の口から知ってもらう 広告であることの表示が要る(いわゆるステマ規制)。相手のフォロワーと届けたい層がずれることもある
ライブ配信 見ている人と、その場でやりとりできる時間 質問に答えながら、商品や職場を見せる 画面の前で話せる人が要る。言ったことが編集なしで流れる
TikTok Shop 動画やライブから、アプリの中で買ってもらう売り場 通販で売れる商品がある 在庫・発送・問い合わせに応える体制が要る

それぞれの仕組みから整理した表です。

5つは、どれか1つを選ぶというより、組み合わせて使えます。自社アカウントで反応のよかった投稿を、そのまま広告として配信し直すやり方(Spark Ads)もあり、広告の種類と出し方はTikTok広告とはで詳しく扱っています。クリエイターへの依頼やライブ、TikTok Shopを販促にどう組み込み、広告表示の線をどこに引くかは、TikTokでの販促の記事が参考になります。

TikTokをマーケティングに使うメリットとデメリット

長所の1つ目は、まだ自社を知らない人に動画が届く仕組みがあることです。TikTokでは、フォローしていない相手の動画も「おすすめ」として流れてきます。仕組みのうえでは、フォロワーが少ないうちでも、おすすめに載れば知らない人の画面に出ます。フォロワーが約47万人いるBEEMの公式アカウントでも、直近365日の再生のうちフォロー中の画面から来たのは3.6%で、56.4%はおすすめからでした。フォロワーの多いアカウントでも、再生の入口の中心はおすすめだったことになります。

2つ目は、検索からも見つけてもらえることです。BEEM公式では、同じ直近365日の再生の18.3%が検索から来ていました。TikTokの中で商品名や困りごとを調べた人の前に、過去の動画が出てくる経路です。

短所のほうも、始める前に共有しておくと、あとで「こんなはずでは」となりにくくなります。

  • 再生が一部の回に偏るので、1本ごとの結果では良し悪しを決めにくい(5章)
  • 動画を作り続ける手間がかかる。担当者が兼任だと、手が回らなくなることもある
  • 社員が出る動画や、くだけた言い回しは、見る人によっては「痛い」と受け取られる。どんな回がそう言われやすいかは企業TikTokが痛いと言われる理由で扱っています
  • 再生から売上・問い合わせまでの距離が長く、どこまでがTikTokの成果かを切り分けにくい

数字の範囲も、ここで先に書いておきます。この記事で実測の数字を添えられるのは、5つのうち公式アカウント運用だけです。広告・インフルエンサー・ライブ・TikTok Shopは、比べられる数字がBEEMの手元に無いため、仕組みと注意点の整理にとどめました。公式アカウント運用の数字も、再生と反応までのもので、売上・来店・問い合わせにどれだけつながったかは追えていません。

どの手段から始めるか:公式アカウントの“ふつう”を知ってから決める

広告は配信を止めれば届かなくなり、インフルエンサーの投稿は相手のアカウントに載ります。自社の手元に積み上がるのは、公式アカウント運用だけ。そのかわり、1本ごとにどれだけ届くかは、こちらで決められません。

では、ほかの会社の公式アカウントは、ふだんどのくらい見られているのか。244社それぞれの直近約30本を再生数の順に並べ、真ん中の1本を「ふだんの再生」とすると、244社の中央値は5,744回でした。下から4分の1の会社は2,246回以下、上から4分の1の会社は15,600回以上です。

「1本数千回で、マーケティングと呼べるのか」

役員からそう返されたら、ふだんの1本だけで見ないでほしい、と答えられます。公式アカウントには、ときどき、ふだんを大きく超える回が出るからです。6,943本のうち当たりは560本、8.1%。244社全体をならすと、100本出して8本ほどの割合です。直近約30本の中に当たりが1本以上あった会社は176社で、全体の72%にあたります。

フォロワー1,000人を超えるまで続けた会社の出し方も、計画の前提になります。244社の中央値で見ると、投稿のペースは週1.11本、直近約30本を出すのにかかった期間は183日、約半年でした。動画の長さは中央値41秒で、60秒を超える動画が27.4%。毎日のように出す会社が標準というわけではなさそうです。投稿ペースやフォロワー規模ごとの数字はTikTok企業アカウントの始め方に、長さの決め方はTikTok動画の長さにあります。

「ふだんは数千回、ときどき大きく当たる」。この性質を前提にすると、始める手段は、いつまでにどれだけ届けたいかで分けると決めやすくなります。

  • 発売日やキャンペーンの締め切りまでに、決まった量を届けたい:届く量を費用で決められる広告。公式アカウントの当たりは、出る時期を選べません
  • 半年、1年かけて、会社や商品の名前を覚えてもらいたい:公式アカウント運用。ふだんの回で接点を保ち、当たりの回で新しい人に届く積み上げ方です
  • 自社のアカウントがまだ小さく、まずは誰かの口から紹介してほしい:インフルエンサーへの依頼
  • 通販で売れる商品があり、見た人にその場で買ってほしい:ライブ配信やTikTok Shop

1つに絞る必要はありません。ただ、自社に積み上がる土台として公式アカウントを持つかどうかは、最初に決めておきたいところです。広告を主にする場合でも、反応のよかった自社の投稿を広告に回すことができます。

この244社の数字を自社の見込みに当てはめる前に、どんな会社の数字なのかも押さえておいてください。並んでいるのは、フォロワーが1,000人を超えるまで発信を続けてきた会社だけです。途中でやめた会社、開設したばかりの会社、個人のクリエイター、海外の会社は入っていません。業種の項目も無く、中心は採用目的でTikTokを使う会社です。TikTokが動画に付ける分類ラベルでも、いちばん多いのは「Work & Jobs(仕事)」の2,439本で、全体の35%を占めていました。再生数は2026年10月8日までの累計で、ある日の断面です。

5,744回も「100本に8本」も、自社が始めたらこうなるという見込みではありません。続けてきた会社の、ふつうの散らばりとして読んでください。商品を売る目的で使うなら、採用目的の会社が多い数字だという点も頭の片隅に置いておくと、読み違えにくくなります。

TikTokマーケティング戦略の組み立て方:誰に・何のために・何を撮り・何で測るか

検索上位の記事では、KGI・KPIを決め、ターゲットを定め、競合を調べ、運用方針を決める、という手順がよく紹介されています。ここでは1枚の行の並びに合わせて、誰に→目的→企画→測り方の順に組みます(手段は2章・3章で見たので飛ばします)。目的から先は、244社とBEEM公式の数字を当てながら進めます。

誰に:「若い層」と書く前に、買う人と届く層を突き合わせる

「若い層向けに」と振られた時点で、ターゲットはもう決まっているように見えるかもしれません。けれど、マーケティングの相手はTikTokを見ている人一般ではなく、自社の商品を買う人、選ぶ人です。この2つが重なっているかを確かめるところから始めます。

  • 今の顧客を、買う人・決める人・使う人に分けて書き出す。BtoBなら、発注を決める人と現場で使う人が別のこともある
  • その人たちがTikTokで何を見ているかを、社内の若手や身近な顧客に聞いてみる。同業や関連する話題で検索し、どんな動画にどんなコメントが付いているかも見ておく
  • 何本か出したら、インサイトの画面でフォロワーの年齢層や性別を確かめ、狙った層とずれていないかを見る。画面の開き方はTikTokインサイトの見方にあります

そもそも「若い層」はTikTokをどのくらい使っているのか、年代ごとの利用の割合はTikTokを採用に使うデメリットの記事に並べています。採用向けの記事ですが、どの年代にどれだけ届く媒体かという部分は、マーケティングの相手を考えるときにもそのまま使えます。

同じ「若い層」でも、来月の新商品を手に取ってほしい20代と、数年後に取引先を選ぶ立場になる若手社員とでは、動画で伝えることがまるで違ってきます。

目的:売り込みを動画の入口に置かない

当たった560本と、その会社のふだんに近い再生だった300本。この計860本を、「何のための動画か」でAIに分けてあります。下の表の数字は、当たった動画の中でその目的が占める割合を、ふつうの動画の中で占める割合で割ったもの。1.0倍より大きければ当たった側に多く、小さければ少なかった、と読みます。

動画の目的(AIの分類) 当たった動画の中での多さ(ふつうの動画と比べて)
認知・バズ狙い 1.42倍
啓発・地域 1.23倍
社風・人柄 0.95倍
告知・他SNS誘導 0.71倍(14本)
求人 0.68倍
商品・営業 0.46倍

BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。当たった動画560本と、ふだんに近い再生だった動画300本の中身をAIで分類しています。

目的ごとに当たった動画の中の割合がふつうの動画の何倍か。認知・バズ狙い1.42倍、求人0.68倍、商品・営業0.46倍

当たった側に多かったのは、認知・バズ狙い(1.42倍)と、啓発・地域(1.23倍)。社風・人柄は0.95倍で、当たった動画とふつうの動画のあいだにほとんど差がありませんでした。いちばん少なかったのが商品・営業の0.46倍です。売り込みを前に出した回は、当たった動画の中での割合が、ふつうの動画の中の半分にも届いていません。

この倍率は、読み方に少し注意が要ります。まず、その目的の動画を撮ったときの当たりやすさではなく、当たった動画の中での割合を比べた数字です。次に、AIは動画の中身を見て分けているので、大きく広がった動画ほど「バズ狙い」に見えて、そこへ分けられやすいことも考えられます。告知・他SNS誘導は14本しかなく、差を読む材料にはなりません。表から読み取れるのは、売り込みの回が当たった動画の中に少なかった、という並びです。

「でも、会社としては最終的に売りたくてやるんだけど……」

もっともな声です。この並びが示しているのは、売り込みの回を出すなということではありません。売り込みを動画の入口に置かず、動画で知ってもらったあと、商品の案内はプロフィールやリンク先で受ける。そういう組み立て方も取れます。BEEMの公式アカウントでは、直近365日で再生1,000回あたり40.8回、プロフィールが開かれていました。動画で興味を持った人の一部は、自分からプロフィールまで来ています。

企画:当たった動画の中に多かった型、少なかった型

同じ860本を、企画の型でも分けています。数字の読み方は、目的の表と同じです。

  • クイズ・参加型:1.85倍
  • あるある寸劇:1.56倍
  • Vlog・密着:1.28倍
  • 検証・ドッキリ:1.12倍
  • 現場・作業紹介:1.10倍
  • 説明・告知:0.89倍
  • インタビュー・対談:0.47倍

上に来たのは、見ている人が答えを考えるクイズや、職場の場面を再現する寸劇。インタビューのように、伝えたいことをそのまま話す型は0.47倍と少なめで、会社の説明・告知(0.89倍)も1倍を下回りました。企画会議で真っ先に挙がりやすい会社紹介と社員インタビューが、どちらも当たりの側で目立っていない。計画を立てる前に知っておいて損のない並びです。

TikTokの分類ラベルでも見ておきます。こちらは割合の比ではなく、そのラベルの動画のうち当たりになった割合(当たりの率)です。244社全体の8.1%に対して、企業アカウントにいちばん多いWork & Jobs(仕事)は8.2%で、ほぼ全体並み。Cooking(料理)3.6%とPets(ペット)3.2%は低めで、Pranks(ドッキリ)16.0%やNon-Video Games(ゲーム機を使わない遊び)11.8%は高めでした(いずれも80本以上あるラベル)。仕事を題材にしても、当たりの率で不利になっているわけではありません。

型ごとの企画例はTikTok企画の一覧に、企画を決める手順はTikTok企画の立て方に、倍率のいちばん高かったクイズを会社で撮る段取りはTikTokのクイズ動画にまとめてあります。

測り方:KGIからKPIへ、数字をつなげて持つ

測り方の行は、いちばん遠いゴールから手前へ、逆向きにたどると埋めやすい行です。

  1. KGI:売上・問い合わせ・来店・応募の数。自社の売上管理や問い合わせフォームで測る
  2. その手前:プロフィールやリンク先が開かれた回数
  3. さらに手前:どこから見られたか(おすすめから来た再生の割合)
  4. いちばん手前:ふだんの再生と、当たりの回が何本あったか

3と4の段には、BEEM公式の記録に手がかりがあります。直近365日の再生の入口は、2章で触れたおすすめ56.4%・検索18.3%・フォロー中3.6%のほかに、プロフィールからが21.7%。2023年1月以降の251本で、前後20本の中央値の2倍以上に伸びた回(38本)を当たりとすると、おすすめから来た再生の割合は、当たりの回で85.2%、それ以外で66.4%でした(どちらも中央値)。

KPIを置くときに読み違えやすいのが、いいね率です。いいねの多い回ほど良い回、と考えたくなるところですが、同じ会社の動画どうしで、いいね率(再生に対するいいねの割合)の高い順と再生の多い順を比べると、そろい方を表す順位相関(−1〜1)は244社の中央値で−0.49でした。いいね率の高い回ほど、再生は少ない並びです。

いいね率を成否の物差しにすると、広く届いた回ほど「反応の悪かった回」に見えてしまいます。KPIには、届いた量(ふだんの再生と、ふだんの何倍だったか)と、届き方と届いた先の動き(おすすめから来た割合、プロフィールが開かれた回数)を分けて置くのがおすすめです。再生1,000回あたりの反応の目安はTikTokの再生回数の平均に、それぞれの数字が画面のどこに出るかはTikTokインサイトの見方とTikTokアナリティクスの見方にあります。

KGIの段だけは、TikTokの画面には出てきません。売上管理の表か、問い合わせフォームの記録か。誰がどこから数字を拾うのかを、1本目を出す前に決めておいてください。

TikTokマーケティングの期間と予算:再生は数本に集まる前提で決める

期間と予算の行を書く前に、社内でそろえておきたい性質があります。TikTokの再生やフォロワーの伸びは、出した本数に比例して少しずつ積み上がるのではなく、一部の回に偏って集まっていました。

見た範囲 上位の回 その回が占める割合
企業244社の6,943本 再生の多い上位1%(69本) 全再生の38.6%
BEEM公式の公開607本 再生の多い上位10%(60本) 累計再生の40.8%
BEEM公式の251本(2023年1月以降) 当たりの回38本(15.1%) 新規フォロワーの46.4%

企業244社はBEEM調べ(2026年10月8日取得)。BEEM公式は、@beem_officialで公開中の607本(10月13日時点)と、2023年1月以降に投稿した251本。251本の当たりは前後それぞれ20本の中央値の2倍以上に伸びた回で、244社の当たり(ふだんの5倍以上かつ3万回以上)とは数え方が異なります。

244社では、100本に1本の動画が全体の再生の4割近くを集めていました。BEEM公式でも、1割の動画で累計再生の4割。新しく増えたフォロワーも、15%ほどの当たりの回が半分近くを連れてきています。

「ふだん」そのものも動きます。BEEM公式の投稿を年ごとに分けると、再生の中央値は2021年が918,400回、2024年が145,450回でした。同じアカウントの中でも、ふだんの水準は年によってこれだけ動きます。

で、何か月、いくら見ておけばいいのか。

金額を決める前に、社内で合わせておきたいのは「何を単位に判断するか」です。この単位が決まっていないと、1本目の結果だけで続けるかやめるかの話になりがちです。

  • 判断の単位を、1本ではなくまとまった本数にする。244社の中央値では、直近約30本に183日、半年ほどかかっていた。1本の外れで予算を削らず、1本の当たりで予算を倍にしない、と先に決めておく
  • 予算は「何本出せるか」から組む。撮影・編集の手間や外注の費用を1本あたりで見積もり、判断の単位にした本数を出し切れる額を置く
  • 当たりが出たら、その回の型を次の数本で試す。広告を併用するなら、当たった投稿を広告で後押しする使い方もある
  • 振り返りでは、期間中のふだんの再生と、当たりの回の本数を見る。ふだんが前の期間より上がったか、当たりの回が出たかで、続け方を決める

広告を併用するときの費用の考え方はTikTok広告の費用に、運用を外に任せたときの料金の相場はSNS採用の費用と運用代行の相場にまとめています(後者は採用目的の記事ですが、運用代行の相場の部分はマーケティング目的でも参考になります)。社内で作るか外に任せるかの考え方は、TikTok運用代行とはで扱っています。

1枚の最後の行には、たとえば「判断の単位は30本、約半年。その本数を出し切れる額を置き、1本ごとの結果では予算を動かさない」と書けます。30本は244社のデータの区切り(各社の直近約30本)で、半年はその30本を出すのにかかった期間の中央値(183日)です。自社で出せる本数に合わせて、増やしても減らしてもかまいません。

TikTokマーケティングを社内で提案するときに、よく出る質問

このデータでは、BtoBかどうかを分けていません(集計の範囲は3章の終わりに書いたとおりです)。分かっているのは、仕事を題材にした動画(Work & Jobs)が、企業アカウントでいちばん多い題材だということです(6,943本の35%)。

BtoBの会社でも、仕事の現場や働く人は撮れる題材です。発注を決める人に直接売り込むより先に、会社の名前と仕事ぶりを覚えてもらう場として位置づける考え方があります。届けたい相手の確かめ方は、4章の「誰に」の手順がそのまま使えます。

いちばんの分かれ目は、期日があるかどうかです。発売日や締め切りまでに決まった量を届けたいなら、届く量を費用で決められる広告。期日がなく、時間をかけて名前を覚えてもらいたいなら、公式アカウント運用です。

両方の目的があるなら、片方に寄せずに組み合わせる道もあります。広告の仕組みはTikTok広告とは、費用はTikTok広告の費用で確かめられます。

目安になるのは、通販で売れる商品があるか、画面の前で質問に答えられる人が社内にいるか、の2つです。どちらもまだ無いうちは、公式アカウントで動画を積むほうが、準備の負担は小さく済みます。

ライブやTikTok Shopを販促にどう組み込むかは、TikTokでの販促の記事にまとめています。

できます。よく使われるのは、プロフィールに自社サイトや問い合わせ先へのリンクを置き、動画の中や投稿文で「詳しくはプロフィールから」と案内する形です。4章で見たとおり、動画で興味を持った人の一部は、自分からプロフィールを開きに来ています。

プロフィールにリンクを置ける条件や、会社で使うアカウントの設定は、TikTokビジネスアカウントの記事で確かめてください。

検索上位でよく紹介される大手のハッシュタグチャレンジは、広告費をかけて一気に届けるキャンペーンとして組まれたものです。自社アカウントの投稿を積み上げる公式アカウント運用とは、届け方の仕組みが違います。

中小〜中堅の会社が自社の計画と並べるなら、同じ物差しで測った企業アカウントの事例のほうが比べやすいはずです。ふだんの再生や当たりの回の本数で事例をまとめる方法は、TikTok企業アカウントの成功事例の記事にあります。

まとめ:6行の1枚と「判断の単位」で、TikTokマーケティングを説明する

1枚の各行に書けること
  • 誰に:「若い層」と書く前に、買う人・決める人と、TikTokで届いている層を突き合わせる
  • 目的:いつまでに、どれだけ届けたいかを書く。当たった動画の中には商品・営業が目的の回が少なかった(0.46倍)。売り込みは入口に置かず、プロフィールやリンク先で受ける形も選べる
  • 手段:公式アカウント運用・広告・インフルエンサー・ライブ・TikTok Shopは、手に入るものと注意点が違う。目的の期日と量で選び、組み合わせてもよい
  • 企画:当たった動画の中には、クイズ・参加型(1.85倍)や寸劇(1.56倍)が多く、インタビュー(0.47倍)は少なかった
  • 測り方:KGI(売上・問い合わせ)から、プロフィール、おすすめの割合、ふだんの再生へとつなぐ。いいね率だけでは判断しない
  • 期間と予算:再生は一部の回に集まる(244社では上位1%で全再生の38.6%)。判断は本数のまとまりで

「若い層向けに、TikTokで何かできないか」という一言も、6つの行に分けて埋めていけば、会議で説明できる1枚になります。数字を添えられた行と、自社で測るしかない行が分かれていること自体も、会議では説得力のある材料になるはずです。

1枚ができたら、次は1本目の企画です。何時に出すか、タグをいくつ付けるかといった定番のコツが企業アカウントで実際どうだったかは、TikTokでバズる方法で確かめられます。どの手段を主にするか、目的をどこに置くかで社内の意見が割れたときは、1枚の段階からBEEMのTikTok運用代行にご相談ください。

関連記事


この記事の監修者

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。

1枚の根拠にした数字と、その範囲
3〜5章とFAQの企業アカウントの数字は、BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)です。244社は、フォロワー1,000人を超える会社公式215社と、社長や社員の名前で自社のことを発信する29社で、個人のクリエイターと海外の会社は含みません。「ふだんの再生」は会社ごとの直近約30本の再生数の中央値、「当たり」はふだんの5倍以上かつ3万回以上になった動画(560本)です。4章の目的と企画の型の倍率は、当たった560本と、ふだんに近い再生だった300本の中身をAIで分類し、当たった動画の中の割合をふつうの動画の中の割合で割った値です。分類ラベルはTikTokが動画に付けているもので、当たりの率は80本以上あるラベルだけを載せました。いいね率と再生の関係は、会社ごとに出した順位相関の中央値です。BEEM公式の数字は、BEEMの公式アカウント(@beem_official)で10月13日時点に公開中の607本、TikTok Studioに記録が残る2023年1月以降の251本、アカウント全体の直近365日の流入元によるもので、251本の当たり(前後それぞれ20本の中央値の2倍以上・38本)は244社とは数え方が異なります。2章の手段の表とデメリット、メリットのうち仕組みの説明、4章の「誰に」の手順は、それぞれの仕組みからの整理で、実測の数字は含みません(メリットに添えた再生の入口の割合は、BEEM公式の直近365日の流入元です)。社名・アカウント名・投稿文・使われていた曲名など、会社が分かる情報は載せていません。

SNS採用でお困りなら

採用につながるSNS運用、まるごとお任せください

無料で相談してみる

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です