TikTokの最初の3秒で何割残る?BEEM公式251本の実測は57%。いちばん減る1〜2秒と、冒頭の直し方

TikTokの最初の3秒 3秒時点で残るのは57%

最終更新日:2026年10月21日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)

最初の3秒の数字を、どう読めばいいか迷っている方へ
  • 会社のTikTokを企画から編集まで自分で回していて、視聴維持のグラフが最初の数秒で大きく下がっていた方
  • 「最初の3秒が命」と聞くものの、何割残っていれば足りているのか分からない方
  • 冒頭を直したいけれど、最初の絵と最初の一言のどちらから手を付けるか決めかねている方
この記事で分かること
  • BEEM公式の251本では、見始めた人のうち1秒時点で83%、2秒で64%、3秒で57%が残っていました(中央値)。3秒たつ前に、4割強がいなくなっています
  • 落ち幅がいちばん大きいのは1秒から2秒のあいだ(19ポイント)。動画の長さで分けても、3秒時点の残りは56〜58%とほぼ同じでした
  • 3秒時点の残りで4つの組に分けると、60%を超えた組は当たりの回が22.6%、53%以下の組は9.6%。ただし、どちらが先かはこのデータでは分けられません
  • 企業244社のふつうの動画300本では、冒頭の半分近く(47.0%)が「何の話かを言い切って始める」形。問いかけ・クイズで始まる動画はバズの中に多めで、映像から始まる動画は少なめでした
  • 冒頭の形5つそれぞれの作例と、自社の1秒・2秒・3秒の落ち幅から次に試す1か所を決める手順、直す前→直した後の作例を載せています

1秒で83%、2秒で64%、3秒で57%。

BEEMの公式アカウント(@beem_official)の動画251本の数字です。見始めた人のうち何%がその秒にまだ画面の前にいたかを1本ずつ拾い、真ん中の値を並べました。真ん中の動画なら、100人が見始めて3秒後に残っているのは57人ほどです。

たとえば自社の動画のインサイトで視聴維持のグラフを開いたら、3秒のあたりで4割近くが消えていたとします。多いのか、ふつうなのか。BEEM公式の251本でも、真ん中の動画で3秒までに4割強がいなくなっていました。ただ、これは1社の数字です。自社の線が足りているかどうかは、5章で作る自社の基準線で決めます。

それに、「最初の3秒が命」という言葉だけでは、グラフのどこを読めばいいのかも、冒頭のどこに手を入れればいいのかも決まりません。

この記事では、まずその251本で、3秒の中のどの1秒に人が減っているのかを見ます。続いて3秒時点の残りと当たった回の関係、企業244社の冒頭の形。同じ引き算を自社のグラフでやって直す場所を決めるのは、最後の5章です。

検索上位の記事では「視聴者の約7割が最初の3秒で見るかどうかを決める」という説明をよく見かけますが、2026年10月21日に読んだ範囲では、どの調査の数字なのかは示されていませんでした。記事によって6割、4割と数字も揺れています。ここで使うのは、どの動画を何本数えたのかをたどれる数字だけです。

TikTokの最初の3秒で、ふつうは何割残る?BEEM公式251本の秒ごとの数字

元になっているのは、BEEM公式のうち、TikTok Studioに動画ごとの詳しい記録が残る2023年1月以降の251本です。1本ずつ1秒・2秒・3秒・5秒の時点で残っていた割合を取り出し、251本を並べた真ん中(中央値)を出しています。右端の列は、5章で自社の数字を書き込むための空欄です。

見始めてから 残っていた割合(251本の中央値) その区間で減った幅 自社の真ん中(書き込み欄)
1秒 83.0% 0→1秒で17ポイント 残り__%/減り__ポイント
2秒 64.0% 1→2秒で19ポイント 残り__%/減り__ポイント
3秒 57.0% 2→3秒で7ポイント 残り__%/減り__ポイント
5秒 50.0% 3→5秒の2秒間で7ポイント (参考)

BEEM公式アカウント(@beem_official)の2023年1月以降の251本。TikTok Studioの動画ごとの記録から各時点の残りを拾い、251本の中央値を取っています。「減った幅」は、見始めた時点を100%として、中央値どうしを引き算した差です。

BEEM公式251本で各時点にまだ見ている人の割合。1秒83%、2秒64%、3秒57%、5秒50%

減り方は均等ではありません。見始めて1秒までに17ポイント、1秒から2秒で19ポイント。そこから3秒までは7ポイントに縮み、3秒から5秒までの2秒間も7ポイントです。いちばん急に人が減るのは、1秒から2秒のあいだでした。

「最初の3秒」とひとまとめに呼ばれる時間も、0→1秒、1→2秒、2→3秒の3つに割ると、中身はずいぶん偏っています。最初の2秒で坂を一気に下り、3秒のあたりで傾きがゆるむ線です。この3つの区間の落ち幅は、5章で自社の冒頭を直すときの物差しになるので、頭の片隅に置いておいてください。

視聴維持のグラフがインサイトのどこにあり、ほかの数字とどの順で読むかは、TikTokインサイトの見方の記事で順に追えます。

長さで分けても、3秒時点の残りは56〜58%

1分を超える動画が多いから、「長そう」と思われて最初で見切られているのでは。冒頭より先に、尺を削りたくなるかもしれません。

251本を長さで4つに分けると、3秒時点の残りは15秒以下で56.0%、15〜30秒で57.0%、30〜60秒で58.0%、60秒を超える動画で56.0%。帯ごとの差は、大きいところでも2ポイントです。この251本に限っていえば、冒頭で人が離れるかどうかは、尺の長さとは別のところで分かれていました。何秒の動画にするか自体を決めたいときは、TikTok動画の長さの記事を開いてみてください。

3秒時点でよく残った回ほど、当たりの回も多かった

では、3秒時点で何%残っていれば足りているのか。検索上位には「視聴維持率60%以上」といった目安も出てきますが、こちらも出典は示されていません。ここでは線を先に決めません。251本を3秒時点の残りが少ない順に並べて4つの組に区切り、組ごとに当たりの回がどれだけあったかを見ています。

3秒時点で残っている割合で4つに分けた当たりの割合。30〜53%の回9.6%、60〜69%の回22.6%

当たりは、その動画の前後20本の再生の中央値と比べて、2倍以上再生された回のこと。同じアカウントの、その時期のいつもより、はっきり伸びた回だと考えてください。

3秒時点で残っていた割合 本数 当たりになった回の割合 再生の中央値 おすすめから来た割合
30〜53% 73本 9.6% 145,678回 46%
53〜57% 53本 15.1% 239,938回 73%
57〜60% 63本 14.3% 273,553回 77%
60〜69% 62本 22.6% 425,278回 75%

BEEM公式アカウント(@beem_official)の2023年1月以降の251本。当たりは、その動画の前後20本の再生の中央値の2倍以上になった回です。「おすすめから来た割合」は、その動画の再生のうち、おすすめフィードから来た割合です。

3秒時点の残りが60%を超えた組では、当たりの回が22.6%。53%以下の組の9.6%と比べて、倍を超える開きです。再生の中央値も約14.6万回と約42.5万回で、3倍近く違いました。

53〜57%の組と57〜60%の組がほとんど同じなら、結局何%を目指せばいいの、と思った方もいるかもしれません。2つの組の当たりは15.1%と14.3%で、並んでいます。残りが1ポイント増えるたびに当たりも1段上がる、という階段にはなっていないんです。

5割を境に2つに分けた数字もあります。3秒時点で半分以上残っていた220本は、当たりの回が16.8%。半分を切った31本では3.2%で、本数にすると1本です。何%を自社の線にするかは、この表からは決めません。自社の動画の真ん中と並べて見るやり方を、5章で書きます。

冒頭で残った回は、おすすめから来た割合も高めだった

おすすめから来た割合を組ごとに見ると、53%以下の組だけが46%と低く、ほかの3つの組は73〜77%に集まっています。

3秒時点の残りとほかの数字の順位の相関は、再生が+0.44、おすすめから来た割合が+0.41、最後まで見られた割合が+0.39。順位の相関は−1から+1のあいだの値で、+1に近いほど「片方が多い回は、もう片方も多い」ことを表します。どれもプラスとはいえ+1にはほど遠く、よく残ったのに伸びなかった回も、その逆の回も、かなり混ざっている強さです。

「じゃあ、冒頭さえ直せば、当たりの回は増えるの?」

残った回と当たった回、どちらが先かは分からない

さきほどの問いの答えから書くと、3秒時点でよく残った回と当たった回は重なっていましたが、どちらが先かは、この251本では分けられません。冒頭を直せば当たる、とまでは言えないということです。

おすすめから流れてきた知らない人と、プロフィールから見に来たファンとでは、最初の数秒での離れ方が違うかもしれないからです。実際、おすすめから来た割合が46%と低かったのは、3秒時点の残りも低い組でした。冒頭がよかったからおすすめに広がったのか、おすすめに広がった回だから残り方が違って見えるのか。この数字の並びは、どちらの読み方とも食い違いません。

それに、251本はBEEM公式1社、フォロワー約47万人のアカウントの数字です。見に来る人の顔ぶれも規模もほかの会社とは違うので、57%や60%を自社の目標に置きかえるのには向いていません。当たりの線も「前後20本の中央値の2倍以上」という、このアカウントの中だけの物差しです。半分を切った31本のように本数の少ない組は、1本の出入りで割合が大きく動くことも、正直に書き添えておきます。

TikTokの冒頭のフック、企業のふだんの動画はどの形で始まっているか

検索上位の記事には、問いかけ・意外な結論・強い映像・共感・数字といった「フックの型」が並んでいます。では、実際の企業アカウントは、どんな形で動画を始めているのか。ここからは、BEEMが集めた別のデータを使います。

対象は、フォロワー1,000人を超える日本の企業アカウント244社です。会社公式が215社、社長や社員の名義で会社のことを発信しているのが29社。フォロワー1,000人以下のアカウント、個人のクリエイター、海外のアカウントは入っていません。各社の直近約30本、計6,943本の再生数は、2026年10月8日時点の累計です。ある1日で切り取った断面として読んでください。

バズは、その会社のふだんの再生(直近約30本の再生の中央値)の5倍以上で、なおかつ3万回以上になった回です。数えると560本、100本に8本ほどでした。このバズ560本と、その会社のふだんの再生数に近い動画から選んだふつうの動画300本、計860本の冒頭を、AIが動画を読み取って始まり方で分けています。ふつうの動画の選び方は、TikTokでバズる方法の記事に書いてあります。

この分類には、確信度の低い判定も含まれます。また、BEEM公式の251本とは別の動画を、別の物差しで数えたものです。2つのデータは結びつけずに読んでください。

860本はバズの回を多めに集めた束なので、本数で並べると、バズに多い形が上に来てしまいます。ふだんの冒頭を見るなら、ふつうの動画300本の中で各形が占める割合で並べるほうが向いています。

  • お題・断言(何の話かを最初に言い切って始める):47.0%
    例(建設):「足場を組む前に、毎朝かならず確かめる場所を見せます」
  • 映像・動きから(言葉なしで、作業や景色の映像から始まる):16.0%
    例(製造):声もテロップも無く、溶接の火花が散る手元の寄りから始まる
  • 問いかけ・クイズ(見る人に問いを投げて始める):14.0%
    例(ホテル):「新人が整えたベッド、プロとの違いがわかる?」
  • セリフで即開始(説明を挟まず、会話の途中から始まる):13.7%
    例(美容室):「えっ、今日の予約、もう全部埋まったんですか」と受付の会話から入る
  • 肩書きの名乗り(「〇〇会社の社長です」と名乗って始める):3.0%
    例(学習塾):「〇〇塾で塾長をしています」と名乗ってから本題に入る

BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。ふつうの動画300本の中で、それぞれの形が占める割合です。冒頭の形はAIによる分類で、ここに無い形もあるため、足しても100%にはなりません。例は形を見分けるために編集部が作った文と場面で、実際の投稿ではありません。その形にすれば伸びる、という意味でもありません。

ふだんの動画では、お題・断言で始まる回が半分近く。映像から・問いかけ・セリフの3つは、14〜16%で並んでいます。肩書きを名乗って始める回は3.0%と、思いのほか少数派です。

「うちの冒頭も、たぶん一番上の形だ」。最近の投稿を思い浮かべて、そう感じた方もいるはずです。企業アカウントのふだんの冒頭は、形の名前で分けると、それくらい似た始まり方に寄っています。

この並びをバズの中と比べると、差が見えたのは2つです。ふつうの中で16.0%だった映像・動きから始まる形は、バズの中では10.4%と少なめでした(比は0.65)。反対に問いかけ・クイズは、バズの中で20.0%、ふつうの中で14.0%(比は1.43)と、バズの側に多めです。肩書きの名乗りは15本と少ないので、比べていません。

この比は、割合どうしの比べ方です。バズとふつうの動画を、100本ずつ別の箱に入れたとします。問いかけで始まる動画は、バズの箱に20本、ふつうの箱に14本。その2つの比が1.43です。「問いかけで始めるとバズが1.43倍起きやすい」という意味ではありません。

形の名前は、冒頭の見た目を分けたものです。自社の動画のどの秒で人が減っているかまでは、この分類からは見えてきません。それを見るのが、次の章でやる区間の引き算です。問いの立て方を出題の形ごとに比べたいときは、TikTokのクイズ動画の記事が使えます。

次の1本で冒頭を直す。自社の落ち方の型を見て、1か所だけ変える

ここからは、自社のグラフで手を動かす番です。必要なのは、直近の動画のインサイトと、手元の素材。撮り直さなくても始められます。

自社の1秒・2秒・3秒から、3つの区間の落ち幅を出す

直近の動画の視聴維持のグラフから、1秒・2秒・3秒の時点で何%残っているかを拾い、秒ごとに真ん中の値を出します。1本だけだと上下が大きいので、何本かの真ん中です。何本で取るかは、TikTokインサイトの見方の記事で紹介している「基準線」にそろえておくと楽です。直近10本の真ん中を表の一番上に固定する作り方で、ほかの数字と同じ表で管理できます。

続けて、引き算を3回。100から1秒の値を引けば0→1秒の落ち幅、1秒から2秒を引けば1→2秒、2秒から3秒を引けば2→3秒の落ち幅です。1章の表の空欄に書き込むと、BEEM公式の17・19・7ポイントと横に並びます。

自社の3つの幅どうしで、いちばん大きい区間を見る

並べたら、自社の3つの幅のうち、いちばん大きいのはどこか、2→3秒で幅が縮んでいるかを見ます。比べるのは自社の3つの幅どうしです。BEEM公式の17・19・7は、線の形の見本として横に置いておくだけです。この数字に近づけるのが目的ではありません。知りたいのは、自社の線がどの区間に偏っているかです。

その時間に何が映っているかは、動画しだいです。よくある作りの動画なら、0〜1秒は最初の1枚の絵と音の出だしにあたります。1〜2秒は、最初の一言を言い終え、最初のテロップを読み終えるころ。2〜3秒は、本題に入る手前です。この見立てで、落ち方を3つの型に分けておきます(編集部の整理です)。

  • 0→1秒がいちばん大きい型:最初の1枚の絵か、音の出だしのところで離れている可能性があります。次に試す候補は最初の絵です
  • 1→2秒がいちばん大きい型:最初の一言を言い終え、最初のテロップを読み終えるころです。前置きやあいさつから入っていないかを見ます。テロップと声が別々のことを言っていないかも確かめます。次に試す候補は最初の一言です
  • 2→3秒で縮まない型:2→3秒の幅が、0→1秒か1→2秒の少なくとも一方と同じか、それより大きい線です。本題に入る前の説明や紹介が長いのかもしれません。次に試す候補は本題までの順番です

型は、悪い線を見つけるための診断ではありません。次の1本でどこから試すか、その順番を決めるためのものです。BEEM公式の真ん中の線(17・19・7)も、この分け方では1→2秒がいちばん大きい型に入ります。その型だから悪い、ということではありません。

どの型か迷う線もあるはずです。そのときは、先に2→3秒を見ます。2→3秒の幅が、0→1秒と1→2秒のどちらよりも小さければ「縮んでいる」とします。縮んでいなければ3つ目の型、縮んでいれば0→1秒と1→2秒の大きいほうが型です。

0→1秒と1→2秒が同じくらいに見える線もあります。何ポイント差までを「同じくらい」とするかは、ここでは決めていません。1本ごとの上下があり、線を引く根拠がこのデータに無いからです。迷ったら、見る人が先に出会う最初の絵から試します。この順で見れば、3つの幅がどれも大きい線でも、試す場所は1か所に決まります。

基準線を引いたあと、3秒時点の残りが自社の基準線より上の回が続いているなら、冒頭を急いで変えなくても構いません。そのときは、冒頭のあとに大きく落ちる場所がないかを先に見てください(よく聞かれることのQ4)。

型に合わせて、映っているものを1か所だけ変える

下の表は、企業アカウントで見かけそうな冒頭を、型ごとに直してみた編集部の作例です。業種は物流・事務・製造・介護にしています。3行目は、4章の映像から始まる作例に、最初の一言を足した直し方です。次の1本で試す候補として使ってください。

落ち幅が目立つ区間 直す前(よくある冒頭) 直した後(編集部の作例) 変えた1か所
0→1秒(物流) 倉庫の全体を高いところから引きで映し、何をしている動画なのか分からないまま1秒が過ぎる 1枚目を、段ボールに伝票を貼る手元の寄りの絵に差しかえる。倉庫の全体は2カット目に回す 最初の1枚の絵
1→2秒(事務) 「えー、今日は経理部の月末の様子を、ご紹介していきたいと思います」と前置きから話し始める 「経理部の月末、いちばん忙しいのは締めの日じゃないんです」と言い切る一言から入る。前置きは削る 最初の一言
1→2秒(製造) 溶接の火花が散る手元の映像が、声もテロップも無いまま2秒を過ぎても続く 同じ映像の上に「この継ぎ目は、最後は人の手で仕上げます」という一言を、テロップと声で重ねる。映像は差しかえない 最初の一言(映像に足す)
2→3秒から先(介護) 「入浴介助のコツです」と言ったあと、施設の名前と出てくるスタッフの紹介が続き、介助の場面が映るのが遅い 「入浴介助のコツです」のすぐ後に、手すりに手を添えてもらう場面をつなぐ。施設とスタッフの紹介は動画の最後へ 本題に入るまでの順番

作例は、形を伝えるために編集部が作った文と場面で、実際の投稿文や特定の会社の動画ではありません。

変えたのは、どれも1本につき1か所です。最初の絵と最初の一言を一度に変えると、数字が動いても、どちらが効いたのか分からなくなります。

撮り直す時間なんて取れない、という声もあるでしょう。1行目と4行目はカットの並べ替えです。2行目と3行目は、最初の一言のアフレコとテロップで作れます。どれも手元の素材のまま試せる直し方です。

直した回は、直した区間の落ち幅で比べる

直した回を見るときは、3秒時点の残りより先に、手を入れた区間の落ち幅を見ます。最初の一言を変えたなら1→2秒、最初の絵を変えたなら0→1秒の幅が、自社の基準線より縮んだかどうか。1本の上下では決めません。直した後の10本を1本ずつ、直す前の直近10本の真ん中(基準線)より上か下かで書き込んでいきます。インサイトの見方の記事で紹介している基準線の使い方と同じで、基準線そのものは月に1回引き直します。

再生とおすすめから来た割合も一緒に控えておくと、2章の表と同じ並びで自社の数字を読めます。1本ごとの数字の残し方は、TikTokアナリティクスの記事が参考になります。

最初の3秒と冒頭のフックで、よく聞かれること

冒頭で触れたとおり、出どころの調査が示されていないため、本当かどうかは確かめられませんでした。それに「見るかどうかを決めた人の割合」と、インサイトのグラフに出る「その秒に残っていた人の割合」は、そもそも同じものではありません。

自社のグラフと比べるなら、同じ「残っていた割合」で数えた数字が向いています。BEEM公式の251本では、3秒時点で残っていたのが中央値で57%、いなくなっていたのが4割強です。

決まった合格の線は、この記事では引いていません。BEEM公式の251本の真ん中は57%で、60%を超えた組の当たりは22.6%、53%以下の組は9.6%でした(2章)。

自社の合否を決めるなら、自社の直近の動画の真ん中を基準線にして、その上か下かで見るほうが、見に来る人の顔ぶれがそろいます。基準線の作り方はTikTokインサイトの見方の記事にあります。

1つに絞らず、1秒・2秒・3秒を並べて、区間ごとの落ち幅を見てください(5章)。どの区間が大きいかで、直す候補が最初の絵か、最初の一言か、本題までの順番かに分かれます。

5秒は、冒頭を抜けたあとの減り方を見るのに使えます。BEEM公式では5秒時点の真ん中がちょうど50%で、3秒から5秒の2秒間に7ポイント。2→3秒の1秒間と同じ幅なので、1秒あたりの減り方は3秒を過ぎるとゆるやかになっていました。

めずらしいことではありません。BEEM公式でも、3秒時点の残りが60%を超えた組で当たりになったのは22.6%。4本に3本ほどは、当たりになっていません。

冒頭がうまくいっているなら、次はグラフの後半で、話の途中に大きく落ちる場所がないかを見てみてください。冒頭以外の原因も含めて順に確かめるなら、TikTokが伸びないときの原因の切り分け方の記事が使えます。

BEEM公式では、反対の向きでした。3秒時点の残りと、最後まで見られた割合の順位の相関は+0.39。冒頭でよく残った回のほうが、最後まで見られた割合も高い回が多めです。

ただ、相関の強さは2章で書いたとおりなので、冒頭と後半は別々に確かめるつもりでいたほうが安心です。

まとめ:落ち方の型が分かれば、直す場所は3つに絞れる

最初の3秒について、持ち帰る数字と見立て
  • BEEM公式251本の真ん中は、1秒83%・2秒64%・3秒57%・5秒50%。尺で分けても、3秒時点の残りは56〜58%でほぼ同じ
  • 区間の落ち幅は、0→1秒が17ポイント、1→2秒が19ポイント、2→3秒が7ポイント。いちばん減るのは1秒から2秒のあいだ
  • 3秒時点の残りが60%超の組は当たりの回が22.6%、53%以下の組は9.6%。半分を切った31本から出た当たりは1本。どちらが先かは分けられない
  • 企業244社のふつうの動画300本では、冒頭の47.0%が何の話かを言い切る形。映像から・問いかけ・セリフの3つは14〜16%で並ぶ。問いかけ・クイズはバズの中に多め(20.0%対14.0%)、映像からは少なめ(10.4%対16.0%)
  • 自社の3つの落ち幅どうしを比べる。2→3秒が前の2つのどちらよりも小さくなければ本題までの順番、小さければ0→1秒と1→2秒の大きいほう(最初の絵か最初の一言)を1か所だけ試す
  • 型は悪い線の診断ではなく、次に試す順番。BEEM公式の真ん中の線も1→2秒型。直した回は、直した区間の落ち幅を自社の基準線と比べる

1秒・2秒・3秒の3つを拾って、引き算を3回。それで、自社の線が0→1秒で落ちる型なのか、1→2秒で落ちる型なのか、2→3秒で縮まない型なのかが見えてきます。型が決まれば、次の1本で触る場所は、最初の絵、最初の一言、本題までの順番のどれか1つです。

ただ、型に合わせて冒頭を作り分けるとなると、そのたびにカットの並べ替えや一言の録り直しが入ります。企画から編集まで1人で回していると、いちばん手が回りにくいのはこの部分かもしれません。冒頭づくりごと任せたいときは、運用代行に相談するという手もあります。

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この記事の監修者

株式会社BEEM代表取締役 豊田優人

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役

フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。

この記事で使った2つのデータ
秒ごとの残り・区間の落ち幅・尺ごとの3秒時点・当たりとの関係・順位の相関は、BEEMの公式アカウント(@beem_official)のうち、2023年1月以降に投稿され、TikTok Studioに動画ごとの記録が細かく残っている251本から出しています。各時点の残りは251本の中央値、当たりは前後20本の再生の中央値の2倍以上になった回で、244社のバズとは別の線です。冒頭の形は、BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)から、バズ(その会社の直近約30本の中央値の5倍以上で、3万回以上にも届いた560本)と、その会社のふだんの再生数に近い動画から選んだふつうの動画300本の計860本をAIで分類し、本数と、それぞれの中で占める割合を比べたものです。4章の形ごとの例と、5章の型の見立て・作例は、編集部の整理と作文です。会社が分かる名前、実際の投稿文、動画に使われた曲名は載せていません。

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