最終更新日:2026年10月19日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- TikTokで採用をやることになったものの、何から、どの順番で手をつければいいかが分からない採用担当者の方
- アカウントは作ってみたが、その先で止まっている方
- 全体の流れを先につかんで、詳しい記事は必要なところだけ読みたい方
TikTokのアプリを入れて、会社のアカウントを作ろうとする。最初に出てくるのは、名前の入力欄です。
「株式会社〇〇」でいいのか。「〇〇 採用」と付けたほうが分かりやすいのか。いっそ社員の名前を前に出すのか。決めきれないまま、いったんアプリを閉じた方もいるのではないでしょうか。
そこで迷うのは、自然なことだと思います。名前は「誰に見てほしいか」と「見た人にどこへ行ってほしいか」が決まっていないと、選びようがないからです。TikTok採用のやり方を順番に並べると、アカウントを作るのは4番目。その前に、会社のほうで決めておくことが3つあります。
- 採りたい人を決める(職種と年齢まで)
- 見た人をどこへ送るかを決める(ホームページ・求人媒体)
- 人に届ける手段を決める(ふだんの投稿/広告/ライブ)
- アカウントを作り、動画を出す
- 再生と応募を分けて振り返る
1〜3は、撮る前に決めること。ここが決まると、4のアカウント名も撮る動画も選びやすくなります。
監修の豊田は、フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用し、公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画を137本出してきました(2026年10月13日時点)。弊社は自社の社員募集でも、TikTok広告とTikTokライブで採用まで進んでいます。5つの順番は、豊田の考えと弊社の採用をもとに編集部で並べたもので、豊田自身の考えは「豊田は」と名前を出して書きます。
TikTok採用のやり方は5つの順番。各段の判断基準を1枚に
先に全体を1枚にしておきます。左から、決めること、迷ったときに何を見て決めるか、詳しく書いた記事です。必要な段だけ、右の列の記事へ読みに行けば足りるようにしました。
| 順番 | 決めること | 迷ったときの判断基準 | 詳しくはこの記事 |
|---|---|---|---|
| STEP1 | 採りたい人 | 職種と年齢まで、1文で言えるか | TikTok採用のデメリット(年代ごとのTikTokの利用率) |
| STEP2 | 見た人の送り先 | 社名で検索すると、事業の中身と募集の条件が載ったページが出るか | TikTok採用の動画は何を撮る?(送り先のチェックリスト) |
| STEP3 | 届ける手段 | 会社名で調べに来てくれる人が、すでにいるか | SNS採用の事例(広告とライブの経過) |
| STEP4 | アカウントと動画 | 作られた感が出すぎていないか | TikTok採用の動画は何を撮る?(最初の5本) |
| STEP5 | 振り返り | 再生の話と応募の話を、別々に持てているか | TikTok採用とは(再生と応募を分けて持つ) |
「とりあえず何本か撮ってみて、反応を見ながら考えればいいのでは?」
そう思った方もいるでしょう。ただ、STEP1〜3を決めないまま出した動画は、伸びても伸びなくても、次に何を直せばいいのかが見えません。誰に向けた動画だったのか、見た人にどこへ行ってほしかったのかが、そもそも決まっていないからです。豊田も、動画を撮るより先に、自社をどこで知ってもらうかという経路の設計を決めておくべきだ、という考えです。
STEP1:採りたい人を、職種と年齢まで決める
豊田が採用の相談を受けたとき、最初に確かめることは決まっています。
豊田優人
この3つが、そのままSTEP1〜3になります。1つ目の「どんな人材が欲しいのか」は、「若い人に来てほしい」くらいでは、まだ決まったことになりません。どの職種に、何歳くらいの人に来てほしいのか。そこまで1文で言えると、撮るものも届け方も絞れていきます。
年齢まで決めておく意味は、弊社の『毒上司』シリーズを見ると分かりやすいかもしれません。狙ったのは新卒の23歳前後で、音源にはNumber_iの「稲妻」を選び、その年齢とアーティストのファン層を一致させています。届けたい相手が先に決まっていたので、曲の選び方にまで筋が通っているわけです。
狙う年齢が20代なら、知っておきたいことがもう1つあります。豊田は直近1年の変化として、仕事を変えようと考えた人が応募先の会社のSNSまで調べるのはもう普通のことで、20代では特にそうだ、と話しています。TikTokは知ってもらう場所であると同時に、求職者が会社を確かめに来る場所にもなっている、ということです。狙う年代でTikTokを使っている人がどのくらいいるかは、TikTok採用のデメリット6つの1つ目に、総務省の調査の年代別の数字を載せています。
STEP2:見た人をどこへ送るかを、撮る前に決める
2つ目は、どこで自社を知ってもらい、見た人にどこへ行ってもらうかです。
豊田の考える流れは、TikTokの中で終わりません。TikTokで会社を知る。気になった人がホームページを検索する。そこから求人媒体や応募へ進む。TikTokは求人票の代わりではなく、その手前に置く入口という位置づけです。
反対の例として豊田が挙げるのが、バズっても1円にもならないアカウントです。開いても何をしている会社か分からず、信頼性を担保できるものもない。どこで知ってもらってどこへ送るかを決めずに、オーガニックの投稿だけで話を終わらせようとしている。再生がいくら回っても、見た人の行き先が無ければ応募にはつながりません。
迷ったら、スマホで自社の会社名を検索してみてください。何の事業をしていて、どんな募集をしているかが分かるページが出てくれば、送り先はもうあります。出てこなければ、TikTokより先にそのページを用意する。プロフィールのリンクや応募フォームまで含めた確かめ方は、TikTok採用の動画は何を撮る?の5章にチェックリストがあります。
STEP3:人に届ける手段を決める(ふだんの投稿・広告・ライブ)
3つ目は、リーチをオーガニック(広告を使わない、ふだんの投稿)で取るか、広告で取るかです。弊社の自社の採用では、これにライブ配信も加わりました。
「うちは広告費なんて出ないと思うんだけど……」
その場合も、先に見ておきたいのは予算より知名度のほうです。豊田は、会社の知名度で打ち手を分けています。知名度のある会社なら、再生数は0でいい。インタビューのような、会社の中身が分かる動画を置いておく。YouTubeで長い動画を作り、その切り抜きをTikTokに回すやり方もあります。まだ名前の知られていない会社は、広告で人に届け、見た人をホームページや求人媒体へ流す。
採用の場面に置き直すと、知名度とは「会社名で調べに来てくれる人が、すでにいるかどうか」です。地元で名前の通った会社や、求人媒体で会社名を見て調べに来る人がいる会社は、前者に近いと言えます。
弊社が自社の社員を募集したときの数字も置いておきます。TikTok広告は約40日・20万円で、リード95件、面談27件、採用7名。TikTokライブは配信60時間56分で、応募46件、面談32件、採用6名でした。広告とライブを併せて使い、最短1週間で面談まで進んだこともあります。
ライブで役員や会社のトップが、いま何を考えているかを話す。すると、ふだん投稿している動画との落差で、会社の中身が伝わる。それで信頼性が担保され、採用につながった。豊田は、そう振り返っています。広告費を出しにくい会社でも、自分の言葉で話せる役員がいるなら、ライブは候補に残ります。
この数字は、フォロワー約47万人のアカウントを持つ1社の結果で、同じお金や時間をかければ同じ人数が採れる、という見込みには使えません。どの段階で何人減ったかの経過はSNS採用の事例、広告費や運用代行の相場はSNS採用の費用で確かめられます。
1つだけ、豊田がいま取らない選び方があります。認知をオーガニックの投稿だけで取りにいく戦略と、予算をTikTokだけに寄せることです。会社のアカウントを広告なしでバズらせ、それで名前を知ってもらうやり方は、以前なら認知を取る手段として最も費用対効果の良いものでした。それが通用しなくなった理由を、豊田はコンテンツ力の低下ではなく、アカウント数やクリエイター数が増え、ユーザー数が成熟したという構造の変化に見ています。
STEP4:アカウントを作り、作り込みすぎない動画を出す
ここで、ようやくアカウントの出番です。冒頭の名前の欄にも、いまなら戻れます。誰に見てもらい、見た人をどこへ送るかが決まっていれば、会社名を前に出すか、採用の担当や社員を前に出すかは、その2つに照らして選べるからです。
会社で運用するなら、ビジネスアカウントへの切り替えも考えます。切り替えの手順と、流行りの曲が使いにくくなる点の考え方は、TikTokビジネスアカウントの記事にまとめています。
何を撮るかは、STEP2で決めた送り先に合わせます。会社名を見て調べに来た人が、何をしている会社で、どんな人が働いているのかを確かめられる動画です。役割ごとの撮り分けと最初の5本の撮影リストはTikTok採用の動画は何を撮る?、週に何本出すかの物差しはTikTok企業アカウントの記事の投稿ペースの章にあります。
「そもそも、社内に上手に撮れる人がいないんですが」
上手に撮れなくても、始められます。弊社は編集で作り込まず、撮影でのNGも捨てずに使います。目指すのは、形にはなっているけれど撮影は短く、人の味が残っていて、少し崩れたところもある、という水準。作られた感が出すぎる動画はダメだ、というのが豊田の考えです。
見る側の目も変わってきました。豊田によれば、2025年3月頃から、TikTok向けにきっちり仕上げた動画とInstagramのストーリーズのあいだくらいの、生っぽい空気の動画が伸びるようになっています。見ている側も、裏に運用代行がいるのでは、とステマを疑う目で見るようになりました。STEP4の判断基準を「作られた感が出すぎていないか」に置いたのは、このためです。社員に出てもらうときの同意の取り方は、同じ記事のよくある質問にあります。
STEP5:再生と応募を分けて振り返る
動画を出し始めると、毎日、再生数が気になってきます。
「3本出して、どれも数百回。これって、もう失敗なんでしょうか」
再生だけで、採用の成否は決まりません。STEP2の流れのとおり、TikTokで知った人がホームページを調べて求人媒体から応募するなら、応募はTikTokの管理画面の外で起きます。再生の話と応募の話は、別々に持っておくのが振り返りの前提です。
再生のほうで豊田がいちばん重く見ている数字は、総再生時間。本人の言葉では、こうなります。
豊田優人
冒頭2秒でどれだけ離脱されたか、平均でどこまで見られたかは、その手段として見ます。運営元のByteDanceの稼ぎは広告なので、使う人の数と使う時間が保たれなければ広告の成果が下がる。それなら、見る人の時間を多く使わせる作り手や動画を優遇するはずだ、という逆算です。
応募のほうは、応募してきた人に「何で知ったか」を聞いて数えるのが入口になります。聞き方はTikTok採用のデメリット6つの4つ目、再生と応募を混ぜずに社内へ説明するやり方はTikTok採用とはの4章で扱っています。
振り返っていると、次のネタが見つかることもあります。弊社の毒上司シリーズでは、寄せられたコメントを、そのまま次の回のテーマにしていました。テーマを考える手間が省け、取り上げられた投稿者本人も嬉しく、さらにコメントが増える。そういう循環です。採用のアカウントなら、コメント欄に届いた求職者からの質問が、次に撮る1本の候補になります。
TikTok採用のやり方について、よくある質問
バズは前提ではありません。STEP3のとおり、豊田は、知名度のある会社なら再生数は0でいいと考えています。反対に、何の会社か分からないままバズったアカウントは成果に変わらない、という立場です。ちなみに毒上司シリーズについても、豊田は運ではなく「バズるべくしてバズった」と話しています。時期は4月。そこへ退職代行という進行中のトレンドを重ね、上司の立場の人も部下の立場の人も自分のことだと思って見る作りにし、音源も狙う年齢に合わせる。そこまで出す前に設計していました。
やめる前提では組まないほうが安全です。STEP2の流れでは、TikTokで知った人がホームページを調べ、求人媒体から応募してきます。豊田は、オーガニックの運用だけで採用も認知も完結する、という考えに反対の立場です。媒体とTikTokの役目の分け方は、TikTok採用とはのよくある質問にまとめました。
STEP3が終わってからで間に合います。採りたい人、送り先、届け方の3つは、誰が運用するにしても会社が決めることで、ここが空いたまま外に頼むと、何を頼んだのかがぼやけます。外に出すかどうかを考えるのは、STEP4の企画・撮影・編集を社内の時間で回せるかを見てからです。見積もりの読み方と、任せる範囲の決め方はTikTok運用代行の記事にあります。
弊社の自社の社員募集では、広告は約40日で採用7名、広告とライブの併用で最短1週間で面談まで進みました。期間を先に区切りたいなら、STEP3で広告を選ぶと見通しが立てやすくなります。ただ、これも1社の結果です。自社で試すときは、何週目に見直すかを先に決めておき、その日にSTEP5の2つの数字を並べてください。
明日やることは、STEP1〜3を1行ずつ書くこと
TikTok採用のやり方は、撮る前の3つでおおよその形が決まります。採りたい人を職種と年齢まで。見た人の送り先。届ける手段。この3行がそろえば、アカウントの名前の欄で迷う理由はほとんど残りません。
明日の朝いちばんにやるなら、紙でもメモアプリでもいいので、この3つを1行ずつ書いてみてください。書けなかった行が、社内で最初に相談すべきことです。
どうしても埋まらない行が残ったら、その行から弊社にご相談ください。弊社の採用のご相談も、2章の吹き出しにある3つの確認から始まります。決まっていない状態からでも、一緒に整理できます。
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- SNS採用とは
この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。自社の社員募集では、TikTok広告とTikTokライブの両方で採用までの件数を公開している。複数の記事で紹介されたほか、大学での登壇歴がある。株式会社BEEMは「SNS採用のみで採用したメンバーで構成される会社」として、TikTokの運用代行・広告運用・採用支援を手がける。
本文中の採用の数字は、弊社(株式会社BEEM)が自社の社員を募集したときの実測データ(自社調べ)です。