最終更新日:2026年10月21日
執筆:BeeMedia編集部(株式会社BEEM)/監修:豊田優人(株式会社BEEM 代表取締役)
- 近くの店がTikTokで行列になったと聞いて、うちもやるべきか考えているオーナー・店長の方
- 料理の映像を流せばいいのか、ほかに何を撮ればいいのか決めきれない方
- 調べても有名店の成功事例ばかりで、ふつうの店の数字が見つからない方
- 複数の店舗やチェーンの販促で、TikTokの使い方を組み立てている方
- 食べ物の動画は、企業アカウントの中で特に伸びやすいとは言えない数字でした。TikTokの分類で拾った369本はバズ率4.9%(ほかの動画は8.2%)、投稿文の言葉で拾った189本は9.0%(全体は8.1%)
- 食べ物の投稿が半分以上を占める会社(7社・210本で、参考値)は、バズ率3.3%と244社全体の8.1%より低い一方、会社ごとのふだんの再生の中央値は11,350回(244社は5,744回)、保存率は0.13%(全体は0.10%)
- 食べ物に限らず244社の全動画で見ると、「ご来店お待ちしています」のような呼びかけを投稿文に入れた回(37本・19社と少ない本数)は、バズの線を越えた回が0本で、ふだん比の中央値は0.88倍
- AIで中身を分類した食べ物系の39本(当たり18本・ふつう21本と少ない本数)で多かった企画の型は、Vlog・密着、検証・ドッキリ、作業しながら語る形。料理そのものより、作る人・裏側・試してみた、が並んだ
- 食べ物に限らない860本では、問いかけ・クイズで始まる回が、当たった動画の中で占める割合でふつうの動画の1.43倍(やや多い)。映像・動きから始まる回は0.65倍(少ない)
たとえば、同じ通りのラーメン屋がTikTokに出てから昼どきに行列ができるようになった、と常連さんから聞いたとします。うちもやったほうがいいのか。やるなら、自慢の一杯をそのまま撮って流せばいいのか。仕込みで手が離せないスタッフに、撮影まで頼んで店が回るのか。
行列の話を聞いて真っ先に浮かぶのは、湯気の立つ丼や、箸で持ち上げた麺の映像でしょう。ところが、BEEMが集めた日本の企業TikTokアカウント244社・6,943本から食べ物の動画を拾ってみると、当たりの割合はほかの動画とほぼ同じか、低いくらいでした。聞いた話をそのまま「料理を撮ればいい」と受け取るのは、少し早そうです。
もう何本か出してみて、思ったほど見られていないと感じている店も、見直す場所は同じです。何を撮るか。来店の案内をどこに置くか。有名店の事例をどう読むか。仕込みと営業の合間に、どう続けるか。
飲食店のTikTokで、食べ物の動画はほかより当たりやすいのか
244社は、飲食店を集めたリストではありません。中心は建設や物流など、採用のためにTikTokを使っている会社で、データには業種の項目も無いため、食べ物の動画を次の2通りで拾いました。
- TikTokが動画に付けている分類ラベルが、料理を作る・食べる(試食)・お店や料理の紹介・料理を見せる・飲み物、のどれかになっている動画
- 投稿文に「飲食」「居酒屋」「ラーメン」「焼肉」「寿司」「定食」「カフェ」「レストラン」「メニュー」「料理」「グルメ」のどれかが入っている動画

拾う手がかりにしたのは、会社の業種ではなく、TikTokが動画に付けたラベルと投稿文の言葉です。この記事に出てくるのは、企業アカウントが出した食べ物の動画の数字です。
当たりかどうかは、会社ごとのいつもと比べて決めています。直近約30本を再生の多い順に並べ、真ん中に来る1本の再生を、この記事では「ふだんの再生」と呼びます。バズは、それと比べて5倍以上、しかも3万回以上になった動画のこと。244社全体では560本、100本に8本ほど(8.1%)がこの線を越えていました。
分類ラベルで拾った食べ物の動画は369本、81社ぶん。そのうちバズは4.9%、20本に1本ほどです。同じ244社の食べ物以外の動画なら8.2%で、12本に1本ほどになります。
「料理はTikTokと相性がいい」と聞いていた方には、拍子抜けする数字かもしれません。拾い方を変えても、数字の位置はほとんど同じでした。投稿文の言葉で拾った189本(52社)のバズ率は9.0%で、全体の8.1%とほぼ並びます。1社の動画が占める割合は多い会社でも13.2%なので、特定の1社に引っぱられた数字でもなさそうです。
線の手前で止まったふつうの回の見られ方も、食べ物とそれ以外で同じでした。それぞれの動画の再生が、その会社のふだんの再生の何倍だったかを、ここからは「ふだん比」と呼びます。分類ラベルで拾った369本のふだん比の中央値は1.00倍、ラベルが食べ物以外の動画も1.00倍です。
食べ物の回とそうでない回の両方を出している80社に絞っても、ふだん比の中央値はどちらも1.00倍。同じ会社の中で比べても、食べ物の回だけがいつもより伸びる、あるいは沈む、という差は見当たりませんでした。
食べ物の中でも、作る回・食べる回・紹介する回で、当たりの割合には開きがあります。
| TikTokの分類ラベル | 動画の中身 | 本数 | 社数 | バズ率 |
|---|---|---|---|---|
| Food Tour & Recommendations | お店・料理の紹介 | 83本 | 18社 | 7.2% |
| Mukbangs & Tasting | 食べる・試食 | 102本 | 40社 | 5.9% |
| Cooking | 料理を作る | 139本 | 27社 | 3.6% |
| Food Display | 料理を見せる | 35本 | 24社 | 2.9% |
| Drinks | 飲み物 | 10本 | 9社 | 0.0% |
BEEM調べ(日本の企業TikTokアカウント244社の直近約30本・計6,943本・2026年10月8日取得)。バズ率は、その会社のふだんの再生の5倍以上かつ3万回以上になった動画の割合です。比べる相手は、食べ物以外の動画の8.2%です。
飲み物の行は10本だけなので、ここでは読む対象から外しました。残る4つでは、紹介の回が7.2%、試食の回が5.9%で上のほう。作る回の3.6%と、見せるだけの回の2.9%(35本と少ない)は低めです。いちばん高い紹介の回でも、食べ物以外の動画の8.2%の手前でした。自慢の一杯を正面から映して終わる回は、表の下の側、「料理を見せる」に入ります。
食べ物の投稿が多い会社は、どう見られているか
食べ物の動画を中心に出している会社に絞ると、見られ方の形が少し変わります。食べ物のラベルの動画が投稿の半分以上を占める会社を「飲食系とみなせる会社」として数えると、7社・210本。傾向と呼べるほどの数ではないので、この章の数字は参考値として読んでください。
| 見たもの | 飲食系とみなせる7社 | 244社全体 |
|---|---|---|
| バズ率(動画のうち、ふだんの5倍以上かつ3万回以上の割合) | 3.3% | 8.1% |
| 会社ごとのふだんの再生(会社の中央値) | 11,350回 | 5,744回 |
| 保存率(再生のうち保存された割合・中央値) | 0.13% | 0.10% |
| コメント率(中央値) | 0.03% | 0.04% |
| 動画の長さ(中央値) | 60秒 | 41秒 |
BEEM調べ(企業244社・2026年10月8日取得)。飲食系とみなせる7社(210本)は、TikTokの分類ラベルが食べ物系の動画が投稿の半分以上を占める会社です。
7社の動画のバズ率は3.3%で、30本に1本ほど。244社全体の8.1%を下回ります。一方で、会社ごとのふだんの再生を出して7社の中央値を取ると11,350回になり、244社の5,744回の約2倍です。
当たりは少ないのに、1本あたりの見られ方の水準は高い。ふだんの再生が6,000回を超える会社には「3万回以上」の条件は効かず、「5倍以上」だけで数えられるので、線の引き方だけでは説明しにくい並びです。
保存とコメントでも、7社と全体は少し違います。再生のうち保存された割合の中央値は、7社が0.13%、244社全体が0.10%。コメントは7社が0.03%、全体が0.04%です。保存は、あとで見返すための印。お店の動画なら、今度行くときの控えにする、という使われ方が思い浮かびます。
動画の長さも違っていて、7社の中央値は60秒、244社全体は41秒です。長さと当たりの関係を244社で確かめたのが、TikTok動画の長さの記事です。
「うちもやるべきか」を決めるときに見ること
で、結局うちはやるべきなのか。「料理がおいしそうに映るから伸びるはず」という前提は、このデータでは立ちませんでした。その前提のまま始めると、思ったほど見られない回が続いたときに、何を直せばいいのか分からなくなります。
7社に出ていたのは、当たりの多さより、いつもの回がそれなりに見られて保存もされる形です。この形に寄せて読むなら、一本の当たりを待つより、いつもの回を積み重ねる使い方のほうが近いのかもしれません。
残るのは、続けられるかどうか。仕込みと営業の中に撮る時間を置けるかは、6章の4つの順番に沿って店の1週間を当てはめてみると見えてきます。決めるのは、それからで間に合います。
飲食店のTikTok事例は、どう読めばいいか
「飲食店 TikTok 事例」で調べると、実名の有名店の話が並びます。フォロワーが何十万人、動画1本で行列、求人に人が殺到。読みながら「うちの規模とは違いすぎる」と感じた方も多いはずです。
事例を読むときに忘れがちなのは、紹介されるのが当たった回だということ。244社でも、バズは100本に8本ほど。食べ物の動画も、拾い方によって20本に1本から11本に1本ほどでした。記事に載る1本の後ろには、いつもどおりに見られて終わった回が、その何倍も並んでいます。
店ごとの基準の違いにも気をつけたいところです。いつも10万回見られる店の30万回は3倍。いつも3,000回の店の3万回は10倍です。数字だけを並べると前者が大きく見えますが、その店にとっての当たりの大きさは後者のほうが上です。
有名店の事例を自分の店の参考にするなら、読みながら次の4つを確かめてみてください。
- その店のいつもの再生はどのくらいか。当たった回だけでなく、前後の回の数字も見る
- 当たった回は、いつもの何倍だったか
- 「来店が増えた」は何で数えた話か。店の感想か、予約やレジの数字か
- 当たった回に誰が映っていて、何をしていたか。料理の映り方より、人と手順を見る
2026年10月21日に検索上位の記事を読んだ範囲では、事例は2022年ごろの数字が多く、来店が増えたという話も店の側の感想として書かれているものが目立ちました。チェーンの販促担当の方が本部に事例を出すときも、この4つを横に添えておけば、「うちでも同じことが起きるのか」と聞かれたときの答えの材料になります。
1章の表のとおり、食べ物の動画の中では、お店や料理を紹介する回と試食の回が、当たりの割合で上のほうでした。4つ目の「誰が映って、何をしていたか」の手がかりは、4章の食べ物系の動画の中身にあります。会社名の知名度ではなく「ふだんの5倍以上の回が何本あったか」で企業アカウントを並べ直した例は、TikTok企業アカウントの成功事例と人気の一覧で確かめられます。
何を撮るか:企画の型と、最初の一瞬
店のいちばんの売り物は料理です。1章の数字は、料理を撮るのをやめる理由にはならず、変えたいのは料理の映し方と、その周りに何を入れるかのほうです。
244社の動画のうち、当たった動画とふつうの動画から選んだ860本は、AIで中身を分類しています。食べ物系のラベルが付いたのはそのうち39本(当たり18本・ふつう21本と少ない本数)なので、並びは目安です。企画の型で分けると、多い順にこうなります。
- Vlog・密着(人や1日の流れを追いかける):12本。たとえば、開店前の1時間を店長の後ろから追いかける回
- 検証・ドッキリ(試してみる、比べてみる):10本。たとえば、同じ麺を茹で時間だけ変えて、スタッフで食べ比べる回
- 所作・作業しながら語り(手を動かしながら話す):7本。たとえば、餃子を包みながら、包み方を今の形にした理由を話す回
- 長尺トーク:3本
- 一発ネタ/インタビュー・対談:各2本
狙いで分けると、認知・バズ狙いが23本、啓発・地域が6本、社風・人柄が5本。商品や営業を前に出した回は3本にとどまります。
皿そのものより、皿の手前にいる人や、そこに至る手順が映っている回が多い。ただ、この39本は当たりとふつうを合わせた数なので、どの型が当たりの中に多いかは、飲食に限らない860本のほうで比べます。
業種を問わない動画で、当たりの中に多かった型
ここでの倍率は「当たった動画の中での割合が、ふつうの動画の中での割合の何倍か」で、バズ率の倍率とは別のものです。1倍なら差なし。多い側と少ない側は逆数で同じ幅にそろえ、1.5倍以上を「多い」、1.2〜1.5倍を「やや多い」、約0.83〜1.2倍を「差がほとんど無い」、約0.67〜0.83倍を「やや少ない」、約0.67倍未満を「少ない」と呼びます。
- 多い:クイズ・参加型(1.85倍)。店なら「うちの店で1日に割る卵、何個だと思う?」
- 多い:あるある寸劇(1.56倍)。新人がまだ覚えられない、店の中だけで通じる呼び名など
- やや多い:Vlog・密着(1.28倍)
- 差がほとんど無い:現場・作業紹介(1.10倍)
- 少ない:インタビュー・対談(0.47倍)
食べ物系の39本でいちばん多かったVlog・密着は、860本の物差しでは「やや多い」の側に入ります。
型ごとの中身と会社のアカウントでの企画例は、TikTok企画の一覧に載っています。クイズの問題をどう作るか迷ったら、TikTokのクイズ動画が近道です。
最初の一瞬は、問いかけか料理の映像か
冒頭のつかみも、同じ物差しと同じ言葉で比べます。業種を問わない860本で、問いかけ・クイズで始まる回は1.43倍で、Vlog・密着の1.28倍と同じ「やや多い」。映像・動きから始まる回は0.65倍で、「少ない」に入ります。料理のアップから入る、飲食店でよく見る始まり方は、後者にあたります。
「でも、飲食はシズル感が大事って聞いたんだけど」
もっともな疑問です。料理の映像はそのまま使い、最初の一言だけを問いに変えてみてください。たとえば「このチャーシュー、何時間煮込んでると思う?」と字幕を出してから、鍋のアップに入る。映像は同じで、変わるのは始まり方だけです。
撮る題材そのものに困ったら、仕込みの順番や道具の使い分けなど、店の人にとっては当たり前の決まりごとが候補になります。そうした話を店の中から掘り出す手順は、TikTokのネタ探しの記事が詳しいです。
飲食店のTikTok集客:来店の案内はどこに置くか
集客を目的にするなら、来店の案内の置き場所は、撮り始める前に決めたいところです。4章と同じく食べ物の動画に絞らず、業種を問わない244社の全動画から、投稿文に来店や集客の言葉を入れた回を拾いました(BEEM調べ・2026年10月8日取得。バズ率の比べる相手は244社全体の8.1%、ふだん比の比べる相手は1.0倍)。

業種を問わない244社・6,943本のうち、「来店」「ご来店」「お待ちして」が入った回は37本(19社)と少なく、その中でバズの線を越えた回は0本でした。当たりの線に左右されないふだん比で見ると、37本の中央値は0.88倍。その会社のいつもの回を少し下回る見られ方です。
「店舗」「お店」が入った回は17本(14社)と、さらに数が限られます。ふだん比は0.67倍で、こちらも当たりの線を越えた回は0本。言葉のくくりは別でも、来店の呼びかけや「お店」という言葉を投稿文に入れた回は、どちらもその会社のいつもを下回っていました。公式LINEの語が入った32本は6社ぶんに偏るので、読む対象から外しました。プロフィールやリンクへ誘う120本(26社)はふだん比0.99倍・バズ率2.5%、限定やキャンペーンの19本(18社)はふだん比1.72倍・バズ率5.3%でした。
2つの物差しで向きが分かれたのが、「限定」「キャンペーン」「プレゼント」の19本(18社)です。これも本数の少ない行で、当たりの割合は5.3%と全体の8.1%より低い一方、ふだん比は1.72倍で、この表の中でただ1つ1倍を超えました。どちらの向きを重く見るかは、この本数では決められません。景品やプレゼントの額には法律の線引きがあり、TikTok販促のやり方で整理しています。
「詳しくはプロフィールから」のように、プロフィールやリンクに触れた120本(26社)は、ふだん比0.99倍で、ほぼ1倍。当たりの割合は2.5%で、全体の8.1%より低めです。
見た人がプロフィールへどのくらい流れてくるかの手がかりは、BEEM公式アカウント(フォロワー約47万人の1社で、ふつうの店とは規模が違います)の直近365日の数字です。動画が見られた入り口は多い順に、おすすめ56.4%、プロフィール21.7%、検索18.3%、フォロー中3.6%。再生の5回に1回ほどが、プロフィールを通ってきています。
来店の案内をプロフィールに一度まとめておけば、仕込みの合間に撮った1本を、店の場所や営業時間の説明に割かなくていい。その1本は、まるごと中身に使えます。
- 店名と、最寄り駅やエリア
- 営業時間と定休日
- 予約の方法(予約サイト・電話・公式LINEなど。リンクを置ける場合はリンクで)
- いま出している限定メニューやキャンペーン(終わったら書き換える)
店の場所や予約の仕方をまとめた1本を作り、プロフィールの上のほうに固定表示するのも手です。チェーンで店舗が多いなら、店舗ごとの住所や予約先を1本ずつ動画で流すより、プロフィールのリンク先に一覧でまとめるほうが、見る人は1か所を探すだけで足ります。
飲食店のTikTok運用:誰が、いつ、何を撮るか
ランチと仕込みで手いっぱいのスタッフに、撮影と編集まで頼むとしたら。そこがいちばん引っかかっている、という方も多いのではないでしょうか。
4章で見た食べ物系の39本には、密着や、手を動かしながら話す型が多く入っていました。手間の側から見ると、どちらも撮るための時間を新しく作らなくていい撮り方です。開店前の1時間を追う回も、餃子を包みながら話す回も、いつもの仕事にスマホを向ければ撮れて、新しく考えるのは冒頭の一言くらいです。
週に何本出すかは、検索上位の記事では週2〜3本という目安が多いものの、出典の記載は見当たりませんでした。本数を先に決めるより、撮る時間を仕事の中に決めて、店が無理なく回せるペースを探すほうが現実的です。企業244社がふだんどのくらいの間隔で投稿しているかは、企業TikTokアカウントの始め方の記事で数えています。何時に出すかは、企業244社で時間帯ごとの当たりの割合を比べたTikTokが伸びる時間の記事で見ています。
始める順番は、次の4つです。
店名・場所・営業時間・予約の方法を、5章の箱のとおりに書きます。見た人の行き先を先に作っておくと、2本目からは動画の中身だけを考えればよくなります。アカウントをまだ作っていないなら、個人用とビジネス用のどちらにするかもここで決めます。違いと切り替え方はTikTokビジネスアカウントの記事で比べています。
開店前の仕込み、ランチのあとの片付けなど、毎週同じ時間帯に、スマホを置く場所を1か所決めます。撮る人と映る人は、別の人で大丈夫です。
作業の映像はいつもどおりに撮り、冒頭の字幕を問いかけにします。考えるのは、その一言だけです。撮影と編集の手順はTikTok動画の作り方にまとめています。
同じ店でも、回によって再生は大きく上下します。自分の店の直近10本の再生を並べ、真ん中の値を出してみてください。新しく出した1本がその値を上回ったかどうかを見て、月に1回は、その真ん中の値自体が前の月より上がっているかも見ます。真ん中の値の出し方は、TikTokの再生回数の平均に例があります。
この4つを店の中だけで回すか、一部を外に任せるか。迷ったら、紙に3つ書き出すところから始めてみてください。
- 撮る人:スマホを構えるのは誰か。その人が休む週は、誰が代わるか
- 出す前に見る人:お客さんの顔や仕込みの配合が映っていないかを、撮った人とは別の目で確かめるのは誰か
- 使える時間:撮影と、字幕を入れて投稿するまでの作業を、1週間のどこに置けるか
たとえば、撮る人と見る人が同じ1人しかいない店なら、その人が忙しい週は、そのまま投稿も止まります。撮ることはできても字幕や投稿まで手が回らない店なら、撮るのは店、仕上げは外、という分け方も考えられます。チェーンなら、撮るのは各店、出す前の確認は本部、と線を引く形もあります。
スタッフに出てもらうなら、出してよい範囲も撮り始める前に店で決めます。お客さんの顔を映さない、仕込みの配合は見せない、といった線です。顔を出したくない人がいるときの考え方は、よくある質問のQ6に書きました。
このデータで数えた範囲と、分からないこと
数えたのは、日本の企業TikTokアカウント244社の、それぞれ直近約30本です。合わせて6,943本で、数字は2026年10月8日に取りました。244社のうち215社は会社名の公式アカウントで、残る29社は社長や社員の名義のもの。個人のクリエイターと海外のアカウントは対象外です。対象はフォロワーが1,000人を超えるところまで続けた会社なので、1,000人に届く前にやめた会社は入っていません。反対に、数字を取った時点で最後の投稿が90日以上前の会社は58社入っています。
- 飲食店のデータではありません。業種の項目が無いため、食べ物の動画は分類ラベルと投稿文の言葉で拾いました。2章の7社の当たりが少ない理由も、このデータからは分かりません
- 再生は10月8日までの累計で、ある1日に切り取った断面です。10月の頭に出たばかりの動画は、数字を取った日のあとにも伸びていた可能性が残ります
- 来店数・予約数・売上は、公開されている数字の外です。5章の来店の呼びかけの表も再生の話で、その回を見て店に来た人がいたかどうかは別の話です
- 中身の分類はAIによるもので、読み違いが混じることがあります
- 飲食系とみなせる7社の投稿ペースは今回数えておらず、6章の「週に何本」には、このデータからの答えが無いままです
- どれも「そういう動画のほうが多かった・少なかった」という並びです。その中身にしたから伸びた、という因果は、このデータからは読めない部分です
自分の店の数字と見比べるときは、244社の平均や中央値を店の目標に置くより、6章のSTEP.4のように、店の直近10本と新しい1本を並べるほうが、このデータの範囲に収まった比べ方になります。
飲食店のTikTokについてよくある質問
出してかまいません。分類ラベルで拾った回のうち、料理を作る回のバズ率は3.6%、見せる回は2.9%(35本と少ない)で、食べ物以外の動画の8.2%より低いものの、当たりの回も出ています。ふだん比は、ラベルで拾った食べ物の動画369本とそれ以外で同じ1.00倍でした。
出すなら、冒頭の一言を問いかけにする、作っている人の手や声を入れる、といった形で、料理の周りを少し足してみてください。
書いてもかまわないものの、読む人にとっては、プロフィールの1か所にまとまっているほうが探しやすいはずです。投稿文は、その回の中身の説明に回せます。
このデータでは、投稿文に来店の呼びかけを入れた回は、その会社のいつもを少し下回る見られ方でした(業種を問わない244社で37本・19社と少ない本数。ふだん比0.88倍、当たりの線を越えた回は0本)。
このデータからは、出したほうがいいとも、やめたほうがいいとも言えません。業種を問わない244社で「限定」「キャンペーン」「プレゼント」が入った回は19本(18社)と少ない本数で、当たりの割合は5.3%と全体の8.1%より低く、ふだん比は1.72倍と高め。2つの物差しで向きが分かれました。
季節の限定メニューのように、出す理由がもともとある回なら、出したあとに自分の店の直近10本の真ん中の値と比べて、次も続けるかを決めるくらいの扱いが合っています。プレゼントの額や応募の条件には法律の上限がかかることがあるので、出す前にTikTok販促のやり方で線引きを確かめてください。
求人に使うときの考え方は、TikTok採用とはが入り口になります。求人を目的にした動画どうしで、当たった回とそうでない回を比べた数字も載っています。
集客の回と求人の回を同じアカウントで出す場合も、募集の案内は5章と同じくプロフィールのリンク先にまとめ、動画は店の仕事を見せる回に使えます。
広告は、通常の投稿とは届け方そのものが別の仕組みです。投稿の数字の延長ではなく、別に組み立てるものとして考えてください。
来店を目的にした広告の組み方や、地域を絞って配るときの注意はTikTok販促のやり方に、広告の種類や仕組みはTikTok広告とはの記事にまとめています。いつもの回は投稿で続け、限定の告知だけ広告で届ける、という分け方もできます。
顔を出さなくても撮れる回はあります。卵の数を当ててもらうクイズや、手元だけで仕込みを追う回なら、映るのは手と鍋と字幕です。出る人を決めるときは、出たくない人には頼まない、あとから「やっぱり消してほしい」と言われたら消す、と先に決めておくと、頼むほうも頼まれるほうも気が楽になります。
炎上の心配には、お客さんの顔や会話が映り込んでいないか、衛生の面で誤解されそうな場面が無いかを、出す前に店の2人以上で見る。それだけでも、1人では気づかない映り込みが拾えます。会社のアカウントが「痛い」と見られやすい形と、社員が出る前に決めることは、企業のTikTokが「痛い」と言われる理由で取り上げています。
まとめ:飲食店のTikTokで、撮る前と撮るときに決めること
- 始めるかどうかは「料理だから伸びる」を前提にせず、撮る時間を店の1週間に置けるかで決める
- 料理の映像は残したまま、作る人の手や声、試してみた回、仕込みの密着を混ぜる
- 最初の一言を、料理のアップではなく問いかけにしてみる
- 営業時間や予約の案内はプロフィールに1か所でまとめ、投稿文はその回の中身の説明に使う
- 有名店の事例は、その店のいつもの何倍だったかと、誰が映って何をしていたかで読む
- 撮る人・出す前に見る人・使える時間を書き出し、店で回すか一部を任せるかを決める
- 振り返りは1本ごとではなく、自分の店の直近10本の真ん中の値で
近所の店の行列も、何本も出したうちの当たった1本から始まったのかもしれません。その1本を待つあいだも、いつもの仕込みを撮るときに作る人の手と声を入れ、最初の一言を問いにすることは、明日からでも試せます。プロフィールに店の場所と予約の方法を書き、振り返りは自分の店のふだんの値と比べるだけ。どちらも、一度決めれば毎週の手間はほとんど増えないやり方です。
とはいえ、仕込みと営業を回しながら、撮る段取りやプロフィールの整え方まで店の中で決めきるのは、簡単なことではないはずです。何を撮るか、誰がいつ撮るかを店の外の目と決めたいときは、BEEMのTikTok運用代行に、お店の今の状況をそのまま相談できます。
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- TikTokのネタ探し
- TikTok企業アカウントの成功事例と人気の一覧
- TikTok販促のやり方(来店・キャンペーンの組み立てと景品表示法)
- TikTokの再生回数の平均
- TikTok動画の作り方
この記事の監修者

豊田優人(とよだ・ゆうと)|株式会社BEEM 代表取締役
フォロワー約47万人の会社アカウント(@beem_official)を運用。公開中の607本で累計4.61億回再生、100万再生を超えた動画は137本(2026年10月13日時点)。株式会社BEEMは、企業のTikTok運用代行・広告運用・採用支援を提供している。